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Surf, Run and Trails / Endurance For Fun

Olivier Bernhard と一緒に走る!!

2018-02-20 00:33:07 | ランニング

一昨年、2016年の東京マラソンをA社のセミレーサー用シューズで走った。
その後、Onを購入した。
縫製が悪くレース中に気になっていて、信頼を預けることができなかったのだ。

Onはデザインもさながら、履いた途端、一目惚れならぬ、一足惚れとなった。

東京マラソンが終わってからだから、まだ2年しか経っていない。
で、Onシューズが8足になった。
最初に買ったクラウドサーファーはさすがにもうラン不可能。
ボロボロになった。
すべてそれなりに履き込んでそれなりにすり減っている。
それなりに走ってきたのだ。

最近はフルマラソンでも、トレイルレースでもOnシューズをよく見かけるようになった。
何故なのか、Onを履いている人を見かけると話しかけてしまう。スタートでもレース中でも。

電車の中で知らない人がOnを履いていて目が合うと、お互いニヤッとする。
男女関係なしだ。

さてさて。
このシューズは製品の完成度はもちろん、ある魔法を持っている。

ランニングは楽しいことではあるのだけれど、
ひとたびスタートホーンが鳴ると、あとは延々孤独な自己との闘いである。
ウルトラやトレイルは強靭な精神力が試されるが、
オレのような俄(にわか)ランナーが走っているときの精神状態など、安メッキの装飾品レベルに過ぎない。
ウルトラ100キロでは、100回も心が折れる。
トレイル急登ではエントリーしたことを心から悔いる。

稜線の先はまったく見えないし、辿り着いたエイドですら痛くて辛くて挫けそうになる。
それでもだ。
もっともっと前へ前へ進めと背中を押すモノ、
山奥で孤独になってもただ一つ頼れるモノ、
願わくば心を許せるモノ、これはランナーにとってシューズ以外にはない。
シューズこそは全て、なのである。

なんとかなる!
そう思うのは足元の泥だらけのクラウドベンチャーを見たときなのだ。

Onのマジックはここぞというときに力を与えてくれる。
それがOnの魔法だ。

でも、魔法って思える根拠はどこから来るのだろう? 走る度に思う。

シューズに求めるもの。
それはわずか1ミリの縫製のズレも許されないことだ。
初心者、エキスパート関係なしだ。
初心者でも累積標高3000mを制限時間内に走ってこなくてはならないのだ。
だから誰しもが絶対的な信頼を得れるシューズを求める。それに答えるのはOnと言い切れる。
だから履いたらわかる。そういうことだ。でもそれだけではい。

グリップ力、反発力、ネジレ、復元力、シューズ自体の性能はいろいろある。
でも、泥の登りや、ガレの下りでは性能自体ははっきり言って良くわからなくなる。
「糠に釘」の連続になる場合があるからだ。

そう思うと絶対信頼を置けるのは、縫製だけではない。
なんなんだろう、と思ってしまうわけだ。


そして2年の歳月を履き続け走り続け、SNSでOnジャパンのメンバーの方々の熱い思いを知ることになる。
やがて、そのフィット性、走行性にメーカーの自信や熱意や誇りが加算されていることを「足」を通し心が感じてくるようになる。

製品には、工程現場の確かさだけではなく、経営者、営業、企画、生産管理、全てのプロセスでの確かさが必要とオレは説く。
なぜかというと、オレは工業製品、産業製品の品質保証業務をしているからだ。
品証のプロだ。

そのオレがはっきりと気付かされた。
人が命を預けるもの。人生でかけがいのないものと信じるもの。
それには全てのプロセスに関わる人の「愛」が必要なのだと。

ちょっと歯が浮きそうなセリフだけどね。

その思いや考えが不動のものになった。それは昨日だ。2018/2/19。


Onスイス本社からCo-FounderのOlivier Bernhard氏が来日された。
東京マラソンEXPOのためだ。
東京マラソンは世界6大大会の一つ。
ここでの成功、成果はメーカーの次期戦略にもなろう。

成田についたオリヴィエ氏を待つのは、夜の横浜山下公園でのOnユーザーとのランセッション。
いくらデュアスロンで世界タイトルを3回獲得して、トライアスロンを何度も優勝したとしても、
多忙極める会社のトップが、しかも時差ボケもあるだろうに、走るって、、、、

もちろん参加した。
企画していただいた駒田氏に挨拶し、そしてオリヴィエ氏にはこう伝えた。
「On brought the fun of running to me, so I can keep running.」
オリヴィエ氏は反則的にかっこよすぎる。その笑顔で固い握手をしてくれた。

セッションが始まる。
まあ、僕はちょっと走るのは速いと思うし、シューズ作りも好きだからね、
みんな履いてみてよ。で、一緒に走ろうよ、みたいな感じなのである。
もはやメーカー対ユーザーではなく、それこそ#OnFriends的な関係が公平にある。

(左端のオレ。ラン亡霊っす。)



シューズには作り手や履き手の思いがあり、こういうランセッションがあり、
そしてオレは12日後にはフルマラソンを走り、2ヶ月後にはウルトラマソンを走る。
そのとき、フルのエイドで足元を見たとき、ウルトラのエイドで倒れ込んで足を擦るとき、
このランセッションを思い出すのだろう。
一人だけど独りではないとね。

履けばわかるというのがOnの魅力であるが、
一人のユーザーとしては、それを事細かく伝えるとしたらこういうことなのだ。
履けばOnシューズの魔法がわかる。
その魔法はシューズに携わる人々の愛情そのものなのである。

#OnFriends