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Surf, Run and Trails / Endurance For Fun

風にやっつけられ、風邪に負けた日~12/13大西

2014-12-15 22:30:16 | windsurfin'


12/13(土) 茅ヶ崎大西ウエーブ

冬の天気予報の傾向としてYahoo!天気予報はあまりあてにならない。
Wind GURU もそんなにあてにならない。
この日の予報は、Yahooで最大南西7、GURUでは微風。
頼れるのは天気図と空の様子と遥か彼方水平線の色。


で、この日は3.6か3.9㎡だったね。
ところが、そのあてにならない天気予報に翻弄され、
手持ちの最小セイルは4.2だったのだ。

正午に4.8㎡でいきなりコントロール不能になり、4.2にチェンジした。
波はどんどんサイズアップして肩になり、沖でセット頭。
かなりのアドレナリンたっぷりのコンディションになってきた。

楽しかったのは数報復。

その後は全く踏ん張りが利かなくなってきた。
それは風邪のせいか、、、風のせいか、、、???

風邪をひいて1週間になる。
ランニングして一気に体を冷やしてしまったか、サーフィン後に冷やしてしまったか、
十分休養を取って、栄養を取って、会社も休んで静養したのになかなか良くならず、、
そのまま土曜のウインドデイを迎えてしまった。

オイラは風邪に弱いタイプなんだ。
なんだ風邪くらい!って思えない。
あ~、風邪だ~、もうだめだ~タイプ。

でもね、きっと平日なら具合悪いのだろうが、海に行って道具をセッティングしセミドライを着ればシャキッ!とする。
でもそのシャキッ!は長続きしなかった。
朝飲んだ、ユンケル800円(ジンジャー入り)は2時間持たなかったのよ。

風はインサイドまできっちり入っていたので、バカデカスープもフルプレーニングでなんなく超えられた。
波じゃなくて雲を超えるみたいでオイラは好きだね。
ちょっとフワリ感がある。 孫悟空チックだ。

アウトに向かう直線は、丹田中心(ヘソの下ね)にくくっと力を入れ、
身体を鉄板のように使って腕の負担を0にした。
力の入れすぎは禁物。
ゲリピーなお腹が耐えられなくなり、海上である意味他の大惨事になるからだ。

無理にセイルを引かず、足裏神経をフィンに通わせた。
走り過ぎて57キロまで落ちた体重でも4.2でなんとかなる。
小さいケンシロウも大きなラオウに勝てる。


でも、はい、そこまで。

風邪で落ちた体力はオイラにジャイブをさせてくれなかった。

ターンのアプローチに入っても腹に力が入らん。
おりゃー!と雄たけびを上げるも、ドロっとした鼻水が頬を伝って風下にベローンと流れる。
このドロドロん鼻水がオイラの集中力を全て奪った。
スケートの羽生選手が風邪っぴきでトリプルアクセルで鼻水が綺麗な円を描いたら、
やはり本人はやる気を無くすだろう。
フィニッシュポーズで鼻タレタレなら人気ガタ落ちだ。
オイラ的に、海上でオイラ自身の鼻タレカッコ悪さにがっくりしたのだ。
しかも、板は69のクワッドじゃななく、76のスラスターなのでますます曲がらない。

久々のランニング状態、風下一直線下り番長になる。
(ランニングとは風の吹く方向に進むこと)
この状態でセイルを支え続けることは不可能。
しっかりブームを握ってるはずの手が、徐々に開き、、、ブームがするっと抜ける。

するっ、じゃなくズルッ? ブームにネロネロの鼻水が付いてたからか?

セイルが倒れ、推進力を失ったボードは一気に、急激に、100から0に、ピッタッと止まる。

オイラには余裕がない、集中力もない。
体力も元気も、活力も精力も、食欲も性欲も、なにもない。
しかし慣性はたっぷりある。
運動エネルギーだけは本人の意思とは無関係に150%もある。
オイラはおそらく茅ヶ崎で、神奈川県下で、その時点でもっとも慣性の法則を実証した人間に違いない。

止まったボードを踏み台に、オイラは遥か風下に向けてスーパーマンのように飛ぶ。
飛びたくて飛んでるわけじゃない。
きっと大した距離じゃない。10mくらい??でも本人的には50m

うおおおおおお!!!!やっべーーーーーー!!!!

すかさず風上にある道具に向かって泳ぐ。小学生のケンカのように両腕をグルグルまわして。
もはや水泳レベルでは進まない。

いや、覚えてないな。もしかして犬かきしたかもしれない。

なんたって風速20mの海面の沖で道具と離れると、道具が遥か彼方遠くに見える。

道具をつかみ、ウオータースタートの体勢を取る。
ストラップを掴み、セイルに風を入れる。
またまた強烈ブローのお見舞いを受ける。

セイルが風下にぶっ飛ぶ。
ボードも裏返しになってセイルと一緒の運命を辿り、風下にぶっ飛ぶ。

うおおおおおおお!!!やっべーーーーー!!!

2回目だ。

今度は風下に向かって泳ぐ。
風下なんであっという間に進むけど、道具もあっという間に風下に流される。

いや~、生きた心地しなかったよ。

なんとかボードの上に立ってビーチを目指す。

ウインドサーフィンというのは面白いもので、
沖に向かう時より、ビーチに向かう波の方が大きく感じる。
沖に向かう時は一点集中で見るけど、帰るときは全体の景色を見るから高低差とか把握しやすいんだろう。

あれだけ沖でヤバヤバな思いをしても、なぜか大きい波を探してしまう。

「どうせ巻かれるなら一番でかいやつに!」

とにかくこの日の波は形、水の量、フェイスの張り方、かなり良かった。

ボトムターンに入る前に軽く深呼吸で間合いを取る。
で、一気におりゃー!で手前、目前、膝前。
フェイスがきれいなので、バターナイフでバターを切るような感じ。
板は跳ねず、レイルが食い込んだまま、オンザレイルで円弧を描く。
あのオーバーブローが何故か無風に感じ、無重力に感じる瞬間。
蹴る意識はもはや無い。
たぶん足腰がガクガクしてる。

波のトップでレイルを入れ替える。
波の良さと、セイルの位置とボードの荷重位置がたぶん絶妙で、
力を入れなくてもスプレーが上がる。
身体の後方からスプレーが上がって、風下にブワーって流れるのを見た。

あまりの気持ちよさにプルアウトしてまた沖に向かう。

激オーバーと、ジャイブ失敗、ウオータースタート失敗の悲劇を忘れて。
沖に向かう波超えをした後にその悲劇を思い出す。

ウインドサーファーよ、永遠なれ!



翌日風邪ぶり返し、一日中寝てましたとさ。