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Surf, Run and Trails / Endurance For Fun

科野の国ラウンドトレイル

2017-10-18 16:42:13 | ランニング


科野=信濃。
1600年前の科の国。今の長野県信濃。
ここを統治した王が眠る円墳から下界を眺める。
この里山をラウンドするトレイルレース。

科野の国ラウンドトレイル 11/11開催。

そのころ信濃は晩秋で落ち葉がトレイルを埋める。
紅葉のフカフカトレイルに柏の木の香り。
里山と言いながら、累積標高2120m、距離32キロ。
しかもエイドは1箇所。

オレのようなトレイルビギナーには相当キツだろう。
しかし、全コース7割が紅葉のフカフカトレイルは走らずにはいられない。
下りはきつく転倒者が続出するらしい。

まあ楽なコースなどない。
真っ平らな湘南国際マラソンだってそれはそれはキツイ。

落ち葉のびっしり敷き詰められた道かあ。。
雲の上を走るようだよ。

エントリーするか!


戦国無双 ヤビツ峠~蛭ヶ岳トレラン

2017-10-10 00:12:08 | ランニング



2017/10/18
ヤビツ峠の駐車場に車を置く。
ここまでの峠道、昔は砂利道だったが舗装され、それでも対面通行が非常に困難なほど狭い。
初心者車が通るものなら前後で立ち往生することしばしば。
その道はバイクのクライムヒルの聖地となり、ロードランナーのトレーニングの場としても脚光を浴びている。
峠の売店は標高760m。
バスロータリーとトイレと20台ちょっと置ける駐車場がある。
鬱蒼とした森にあり、なんとも言えない神秘的な霊的な空気が漂う。

そこから1.5キロ舗装路を下って走りトレイル入り口に到達する。
三ノ塔から塔の岳を超え、丹沢山、そして丹沢山系最高峰1673mの蛭ヶ岳を目指す。

丹沢~蛭ヶ岳は筆舌に尽くしがたいパノラマ絶景が目前、足元、頭上、背後に広がる。
神奈川アルプスと言わんばかり恐ろしく落ち込むサワが足元から広がり、
森林限界に近い風景が目の前に横たわり、垂直に切り立つ岩場がトレイル上に現れる。
癒されるも切なくなり、とにかく壮大な山岳美を堪能できる。

アップダウンが激しく、鎖場もあり、累積標高は2200m。
登山者ペースで13時間かかるので、通常は山小屋での宿泊を伴う。

ここを可能な限り走り、極力休まず、這うように登り、飛ぶように下る。
全行程30キロとロングトレイルの部類には入らないが
アップダウンの激しさから脚へのダメージがボディーブローのように効きまくる。


帰路、ガスが深く立ち込み視界が悪くなってきた。
我々4人は完全に雲の中、Run in clouds。
霧雨の粒が少しづつ大きくなり小雨になる。
山では4時も過ぎると斜面の方角や木々のせいで殆ど夜に近い状況になる。
この調子だと日没間際だろう、濡れた石でスリップしながら、
スリップしたらそのまま身体を落とすように走る。

16時半、あと5キロ。1キロペース12分。
少々スピードアップしなくちゃいけない。
ところが、2人が走りながら空腹を訴えてきた。
しかも一人は途中で止まってしまった。足が動かなくなったのだ。。。。


その日は2017年10月8日
遡ること450年前、永禄12年10月8日、
今の神奈川県愛川町、三増(みませ)で戦国史上最大の山岳戦の火蓋が切られた。
北条軍の鉄砲隊優勢の銃撃戦となり武田軍が多大な損害を受けた。
しかしながら山岳戦を得意とする武田軍は北条軍を奇襲攻撃。これがヤビツ峠で繰り広げられた。
戦いは壮絶で、刀、矢、銃弾が今でも出土するという。
矢が入った箱(ヒツ)が見つかったのでヤビツ峠の名の由来はそこにある。

戦死者は4千人強。
この時、負けた北条軍は食料の調達ができなかったのが敗因と言われる。
戦死者の亡霊がうじゃうじゃこの一帯にいる。
亡者たちは餓鬼となり、山に入る者に取り憑く。
取り憑かれた者は空腹を訴え、そして足が止まってしまう。
単独であれば夜は越せない。軽装であればなおさら。

これがヤビツ峠の餓鬼憑き怪談。
歴史の事実に基づく。

その道をトレイルランニング。
道は未知である。
それもまた歴史と自然のロマン。

駐車場に17時半に到着。
真っ暗ではない。
餓鬼に取り憑かれた者も無事完走。

その日、多くの武士が命を落としたその土地で自分を興す。
合掌。


What does a strong leg mean?

2017-10-06 19:07:03 | ランニング


ランニングは強い心に頼るところが大きい。これは事実。
しかし(名ばかりではあるが)ランニングインストラクターとしては、
自己の経験と研究からランニングを科学できないといけない。

次のステップに上がっていくために、
脳が理解すると飛躍的にパフォーマンスが上がることは周知の事実である。
なぜなら我々は子供じゃないからだ。
子供のように勝手には上達しない。大人は脳が理解しないと上達しないのだ。
子供にはセンスがあるが、大人にはセンスがない。

ランニングはあらゆるスポーツの基礎をなし、
だからこそ、あらゆるスポーツのトップはとても速く走る。
重量級のスポーツの例外はあるけどね。
運動神経はランニングで鍛えられる、これは間違いない。

ランの目的が単に楽しむことであれ、得意スポーツのパフォーマンスを上げることであれ、
ダイエット目的でも、何でもあれ、先月より今月は速くなっていたい、
しかも楽に遠くへ行きたい。
そう思うのが自然であり、これは人間の深層心理に宿る基本欲求の一つに間違いない。

少し話は外れるが、人間の根本欲求は以下の通り。
1 生理的欲求
2 安全安心への欲求
3 愛情、所属への欲求
4 認知への欲求
5 理想自己実現への欲求

速く走りたいという欲求は、このカテゴリーからは5理想自己実現への欲求となる。
ランナーに限らずスポーツで上を目指す者は高尚なんだな、となる。
会社の管理職研修になると、理想自己実現=出世となる。

フルランナーはタイムという目標に向かい自己実現する。
ハゲデブ管理職は職位という目標に向かい自己実現する。
ところが後者は理想自己ではない。
腹が出てるからだ。

どうでもいい話でした。


さて、速さはケイデンス(1分間の歩数)とストライド(歩幅)で決まる。

高橋尚子  身長163 ケイデンス210 ストライド145cm
野口みずき 身長150 ケイデンス198 ストライド150cm
ともに1キロを3’30”ペースで走るかつての世界女王。

ちなみに一般ランナーがフルマラソンに出た時(要は真剣モード)、
ケイデンスが180だと平均値。
200以上出せれば上級者。

一方、ストライド(歩幅)は身長に大きく関係する。
そりゃそうだ。足が長いほうが歩幅は大きい。

一般ランナーの理想的な歩幅は身長×0.6~0.7。

ちなみに自分のデータを参考に出します。
先日ロード11キロ走った時(ワラーチ使用ね)
ケイデンス186~204  歩幅119~121cm  ペース4’22”~4’36”

歩幅が高橋尚子と比べて25cmも差がある。25cmもだよ!
1歩で25cmということは1分間で50mの差が生じ、1時間で3kmも離されるということ。

高橋尚子はピッチ走法の代表者と言われ、確かに歩幅は小さく見える。
それでも身長の89%が歩幅である。
それがピッチかなのか???というくらい歩幅が広い。

オレの場合はかろうじて身長の70%で、一般的には広めとなる。
それでもなあ、25cmの差かあ。。。

おまとめします。

オレのように一般ランナーの平均値に収まっている場合、
特別な努力をしなくても月150キロも走ってれば
サブ3.5~4.0は難なく達成できるということ。

理論的には身長が高いほど歩幅が稼げるので速くなるが、
身長の高さに伴い体重増加があるわけなので脚への負担を考えれば
身長の高低はあまり関係ないということ。

ここでオレがペース4’15”以下、3時間切りでずーっと走るとすると、
ケイデンス、歩幅とも一般の平均値を大きく超える「非一般的」な領域に入らないといけないということだ。

ここでお気付きだろうが、走り込んで速くなるものではないということだ。

キーはフォーム改善。
フォームは外観の見てくれの状態のことではない。
歩幅を増やすため、それは大股ではなく、脚に強靭なバネを内蔵することを意味する。
バネってどこにあるんだろうか?
フクラハギっす。
フクラハギを極限に収縮させて、そして最大に弛めることができること。
縮めるだけだとアキレス腱を伸ばしてしまい危険。
スネ回りには余分なものは一切要らない。
バネが直結するアキレス腱の間に余計なものがあると力が100%伝わらない。
だからトップランナーの脚は芸術品のように細い。

そのフクラハギ、どんなに走り込んでも、筋トレマシーンでも鍛えるのに限界がある。
ランニングクリニックを受けても、身体は翌日には忘れてしまう。
もともとの骨格に従順に、クリニックの前日の走りに戻る。
それが何より本人に最も楽な走り方だから。
見てくれのフォームなんて身に付かないんだよ。

強靭にする近道はひとつ。裸足ランニング。
フクラハギを強化するにはフォアフットで走るしかない。
着地は土踏まずからの前方でするために骨盤を前傾させないといけない。
骨盤を前傾させるために胸を開かなくてはいけない。
胸を開くために肩甲骨を大きく稼動させないといけない。

これを実現するのが裸足。 人間本来の骨格を活かす走り方。
裸足でロードは危険なのでワラーチを履く。
バネが備わって本番にレーシングシューズを履く。
ペラペラのレースシューズも柔らかく感じる。

フクラハギにバネが内蔵されているので見た目の歩幅は小さい。
しかし、一蹴りで大きく前に跳ぶ。

ワラーチを履く前、ケイデンスは今まで通りだったけど歩幅はもっと小さかった。
同じ歩数で1歩が大きくなったので速くなった。
でも身体の下で前後する足の歩幅は変わっていない。
蹴って跳べるようになってきたってことだ。

も一回言うけど、それでも高橋尚子と25cmも違います。


あとは。。。。持久力だね。これがないんだ!!!(T_T)


大失速@月例湘南マラソンハーフ

2017-10-02 07:09:47 | ランニング

2017/10/1 月例湘南マラソンにて。

エントリーのハーフマラソンで不思議な現象が起きた。
前日まで痛かった足の甲だが、スタート時点で痛みが消えていたのだ。
しかも走行中も痛くなることはなかった。


前日までワラーチを履いて走っていたのだが、ワラーチの場合、地面かかる力点も反発もすべて足裏にかかる。
1ヶ月半もの間すべてを足裏アーチの反発に頼っていたため甲が悲鳴を上げたというわけである。
ある日から突然甲は熱を持ち、それから半月以上腫れ、普通の歩行さえままならなかったのだ。

そしてレース当日、デサントの非常にテーピング機能の高いソックスを着用。
http://www.descente-onlineshop.jp/dct/goods/index.html?ggcd=DAC-9710

まずソックス単体で痛みが緩和された。

このソックス凄い!

江戸時代に飛脚が長距離を走るために愛用した「足袋」機能を再現したソックス。

これにOn Cloudflashを履く。
ロードでランニングシューズを履くのは2ヶ月振り。
シューズのフィット感とホールド性でもはや完全に痛みを感じない。
本当は痛いはずなんだ。
でもその認識が脳から消えている。
オレの脳は都合がいいのだ。

これにアドレナリンが付加され足は完全にレースモード。

そしてスタート。

久々のシューズの感触に慣れるために、そして痛みを確認するために抑えて走る。
意識しなくてもフォアフットで走れている。
足は軽く、ワラーチ練習の成果がすぐにわかった。
1キロ通過で4分22秒。 正直びっくりした。
抑えてるのにオレとしてはかなり速い。
これで走りきったらサブ3。
心肺も苦しくない。

いつもならスタートして2,3キロ地点でゼイゼイ言い始めるのだ。
(心肺が温まる7キロくらいからは楽になるんだけど)
しかもペース4分40くらいで。

ペースが20秒も速くなってしかも楽ということはこりゃ本当にサブ3は夢じゃない!
そう思った。足も痛くないしね。

気流や血流やアドレナリンや、そういうものが甲に集中して特急治療をしているのだ。
走っているからこそ猛烈な勢いで治癒が始まっているのだ。

足も速度も心肺もすべて順調だった。5キロ地点までは。

そこへ異変が突然やってきた。

汗が目に入り、両目を閉じたとき、左右にふらついたのだ。
あれれ?と思った。えええ???なになに!!
ペースが一気に4分45に落ちた。

すれ違う一般ランナーは男なら上半身裸。
女でもブラにショーツで走っている。
恐らく体感温度が30度くらいになっていたかも。
とにかく暑い。

一気に体温が上がり、どうやら水分バランスの崩れが起こったようだ。

スタート前にしっかり水分を摂ってもそれ以上出た。
ジェルやアミノ酸は気休め。水こそ命。
とはいっても摂り過ぎでは走れなくなる。
たぶん暑さに対して事前摂取の量が足りなかったんだろう。

10キロ地点で棄権を考え始める。
もし棄権したら、初めての棄権になる。
棄権すると、ずっとずっと悔しい思いをするだろう。
それは嫌だ。タイム悪くても完走だけはしよう。
でもきつい。やっぱり棄権しようかなあ。。。

繰り返し正負の思いがやってくる。

15キロ地点、ついにペースが5分30に落ちた。
どんどん、どんどん抜かれる。

そして6分。
とうとう
歩き始める。
そしてまた少し走る。そして歩く。
17キロ地点でペース6分20。

そしてゴール。
1時間41分18。

息は切れていないし、足の痛みはない。
熱中症の際どいところだったかもしれない。
脱水っぽかった。
バッグから取り出したコーラを持つ手が震えていたからね。

前日10キロ、前々日10キロ、そして前夜の飲み会。
疲労溜まってたかも。
それと飲み会だとどうしても食事がツマミ程度だからね。

でもこれは言い訳になる。今が実力。

久々に残念で残念で悔しくて、その夜はなかなか眠れなかったほどだ。

唯一得たものはワラーチ効果で、想像していた通り、
良いシューズに履き替えて走法を改善すればタイムは劇的に良くなる。
がんばらなくても、勝手に身体が前に出る。

最初は硬いと思っていたCloudflashだったが、そのクッション性は最適。
最後の最後まで良きパートナーとして共に走ってくれた。
ヒールに頼ることなく、フォアをアシストしてくれたよ。

今回は完全失敗のレースだったけど、
そこから学ぶことはたくさんあった。

完全に2日空けること。
しっかり栄養バランス考えて食事すること。
そして何より忍耐と攻撃の気持ちを持つこと。

あるランニングトレーナーがマラソンは根性論ではない、と言ったが、それは違う。
気持ちが半分以上占める。
強い精神は強い肉体に宿るというが、その逆も然り。

強い脚は強い精神にしか宿らない。

それからその強い精神は一人で黙々と突き詰めるトレイルランニングと、
目標を持ったロードで養われる。

内なる自分への追い込みがあるので速さへ繋がる達成感が得られる。

結局のところ、闘う相手は自分だったよ。
気持ち入れ替え、目指すは2ヶ月後の湘南国際マラソン!!