Now+here Man's Blog

Surf, Run and Trails / Endurance For Fun

その先のRun On Clouds.

2017-09-25 22:40:15 | ランニング

 

ワラーチで走り始めて1ヶ月ちょい。走行150キロ。
まだまだ!まだ初心者っす!
ワラーチはロードだけ。
トレイルでは危ない。6ミリしかないから。
根っこや石を爪先で思い切り蹴飛ばしちゃうし、ソールがツルッツルで危ない。
トレイル用にはトレイル用ワラーチを買うべし!

オイラはロードはワラーチ、トレイルはシューズ。
このスタイルでしばらくやってみようかと。

さて、気持ち慣れてきたのでレビュー、効果などなどを記します。

とにかく、ワラーチは路面の小さな凹凸を拾ってくれる。
路面状況がわかるのはとても良い。
フワンフワンのファミリーカーより、キビキビのスポーツカーが良い。
どっちのクルマがいいかは人それぞれだけどね。
で、6ミリのソールってどういう感じかというと、
尖った小石だと裸足だと怪我するけど、皮膚が破れないレベルの厚さ。
ビーチサンダルが15ミリ位だから相当薄い。
ビーチサンダルが分厚い絨毯のように感じる。

もっと厚いのが欲しかったんだけど、ビブラムソール6ミリって一番安いのね。
これをハサミで切って足の形にして紐やナイロンベルトを通すだけの手作り品。

初めてこのペラペラのゴムを足裏に貼り付けて走ったときはこうだ。
いきなりイテーし!(T_T)
100m走れない!そう思った。
カンカン踵に響く。

はっきりと踵で着地してるのがわかった。
着地で踵の骨にアスファルトの硬さがダイレクトに伝わる。
カツーンと踵をハンマーで叩かれたようだ。

ところが痛いので数歩後には着地位置を変えている自分がいるんだね。
踵から足裏全体、土踏まずから前、拇指球あたりにいろいろ重心を変えてみる。
足裏と脳が緊密に情報交換している。
この感じは、、、、思い出した。スキーだ。
スキーは足裏こそインターフェース。
ランニングで足裏が重要なインターフェースになっていること忘れてました。
シューズメーカーはこぞって接地面のソール構造、材質、クッション性を競ってるからね。
いつのまにかそちらにフォーカスされてた。
シューズのソールはとても重要。
でもそれを活かすのは足裏なんだよね。

着地位置を変える。微調整する。
これは意外と簡単。トレイルランニングをしてるせいかな。
上り下りと足裏の重心が常にあっちこっち移動してるから。

走ってすぐわかったことがあった。
ナゼ踵から着地するのが良くないと言われているのか。。。

こうだ。
人は意識して踵から着地しているのではない。
重心より足が前に出るので必然的に踵から着地してしまうのだ。
特に、日本人に多い骨盤が後傾している場合特に重心の遅れが顕著になる。

ナゼ重心より前に足が出るのだろうか??

それは足で走ろうとしているから。腸腰筋を使えていないということだ。
それと腕は振っているけど肩甲骨が可動していない。
骨盤が後継しているのも理由。

フォームを矯正するということは、足よりも重心を先行(骨盤を前傾)させること。

「ははぁ~、なるほどね。
でもいいじゃん、足が前だって。そこそこ速く走れるんで。」

こう答える人は、ナゼ重心より前に足が出てはいけないのか??
という問に置き換えて考えない。考える応用力がない。

問題を文書化した情報にすることで解決に至る場合がある。
話は逸れるが、有能なリーダー、管理職の条件は文書表現力と言われる。
人に伝えるだけではなく、自分で整理合理有利に展開するためには文書化できる能力があるかどうかだ。
だからトップアスリートは例外なく頭が良い。

話を戻し、ナゼ重心より前に足が出てはいけないのかを考える。
これはとても簡単。
いくらもがいても前に進まないからだ。
なぜ、前に進まない? 加速してないからだ。
なぜ、加速していない? ブレーキかけているからだ。
なぜ、ブレーキかけてる? 蹴るときに大腿四頭筋使ってるからだ。
なぜ、大腿四頭筋使ってる? 足を前に出してるからだ。
なぜ、足を前に出す? 骨盤が後継してるからだ。
なぜ、骨盤が後継してる? 上体が開かず、かつ前傾してないからだ。
なぜ、上体が前傾していない? 肩甲骨が可動していないからっだ。
なぜ、肩甲骨が稼働していない?踵着地で肩甲骨可動を必要としていないからだ。

身体機能を考えれば、重心より前に足を出してはいけないという仮説を立てる。
影響として、どんなにがんばってもそれ以上速くならないし、仮に速度が上がっても長くは走れない。
それ、結局は踵着地のために肩甲骨が動いていないというのが原因だ。

改善策は、肩甲骨を動かせばいい。
それを阻害している踵着地をやめてフォアフットにすればヨイ。

踵着地にすると自然に前傾になるのでどんどん速くなる、というのは結論としては性急過ぎてちょっと違う。

踵着地で前傾になると、重心が前になるため、肩甲骨の可動域が広がり、腸腰筋に刺激が入る。
腸腰筋が大腿四頭筋んき変わって足を上げてくれる。
そうなると加速筋のハムストリングが大活躍する。
これが結論だ。

こう考えると踵着地は実に切実な問題なのだ。
多くの市民ランナーは自転車でブレーキかけながら前に進もうと努力しているだけだ。
だからいくら距離を走っても、筋トレしても速くはならない。
いつまでたっても目標タイムを切れない。


などなどなど、、、、机上でも理屈は現場でのフォーム矯正の実践にはなかなか結びつかない。
実際のところ、ちゃんとした理論を持つランニングインストラクターやトレーナーはまだまだ少ない。
実業団選手も全日本選手でも論破できない。
大地選手も腕フレだけだからね。

ワラーチを履くと、そういう理論の裏付けが、勝手に身になっていく。
健脚に磨きがかかり、シャープなすらりとした足になる。
長年ワラーチを履いてる人はそうだね。

重心がどんどん前に出て足が追従する。
ランニングは背中でするものだ、300キロも走れば確信するようになるだろう。


長年、シューズで守られた足がいきなり解放されるので、
初期には怪我をする。
本来使うべきところが使われていなかった証だ。
痛いところは弱点であり、強化すべきところだ。
初心者は数キロでハムやフクラハギが痛くなる。
10キロ超えると甲が痛くなる。
殆ど捻挫状態になる。
これは今までアーチの反発を利用して走っていなかった証になる。
本来アーチの反発が推進力になるのに、それを使わずシューズのクッションに頼っていたということだ。

ワラーチに少し慣れてくると、走りが軽くなっていることに気付く。
重心が前よりになり、足はムダに前に出していない。
小さな力でアーチの反発を最大限引き出す。
ましてやワラーチは100グラムもないから軽いし、風を足の指の間まで感じられる。
快適で速くなる。もう病み付きになること保証付きである。
人はもともと裸足で走っていたんだな、と思えることは幸せなことだ。

 


極力衝撃を減らして走ることは正解である。疲れないし、結果速くなるので。
衝撃を減らすように走るのにシューズは邪魔になる。
裸足で走って力を付けて、それで本番レースでお気に入りのシューズを履けば良い。
必ず速くなっているはず。
シューズを履いて本番のレースに出たとき、
あ!雲の上を走っている!と感じればそれは上達している証拠だろう。


実走 7th 白馬国際トレイルランニング

2017-09-12 18:20:05 | ランニング
 
7th 白馬国際トレイル

本格的にトレイルを始めて3ヶ月。
トレイルレースに出てみた。
初レースがいきなり50キロ。
フラットな42.195キロではなく山を3つ越えての50キロ。
正直想像できなかった。
ペースもわからないし、どのくらいやっつけられるのか、、、
でも、どうせやるなら大きいやつがいい。
 
ウインドの聖地が御前崎なら
トレイルの聖地は白馬!
っつうことで、白馬国際トレイル ロングコース50キロ。

この大会は前泊が条件。白馬村の振興を兼ねている。
前日に中央道から長野道に分岐し、安曇野で下りる。

ウインドサーフで初めて御前崎に行ったとき、
高速で御前崎の文字が見えて心臓がバクバクしたときと同じく、
白馬の文字は強烈に視界に飛び込んできた。
気持ちにエネルギージェルを突っ込んだような感じになったよ。
 


北アルプスの山々は神々しく雄大で、あまりにも壮大かつ圧倒的。

多くのアルピニストが頂きに臨み、そして命を落とす。
命を落とされた方々の慰霊碑が宿泊先そばにあった。
 


その山々で、朝から夕方まで思う存分、とことん苦しみ抜く。
地元のランニング仲間、6名で参加。
 
 

21時には寝て4時起床。
今回はしっかりカーボローディングできた。
スタート2時間半まえに食事終了。食べたのは米と米と米(^o^)

6時半前、会場に集まる。
そこではフルマラソンのようなカリカリした感じはまったくない。

これから苦しみに行くのに、みんな笑顔笑顔。
女性の多さにびっくり。年配ランナーも多い。オレもだけど。。

オリンピックアスリート、メダリストの紹介、ゲストランナー鏑木毅氏のあいさつ、、、
そしてカウントダウン。 3,2,1 GOOOO!!!!!!!!!!
 
スタート動画 
 
GoPro上空撮影


ホーンとともに選手の歓声でボルテージ最高潮。
ブラックアーチから八方尾根麓の狭い街を駆け抜ける。
沿道には1時間後スタートするミドル選手、地元の人たち、多くのスタッフの人たちのハイタッチ。
いってらっしゃー!の声に送り出されていく。
どっちかというと、このスタートとゴールを経験できれば、ランパートはナシでOK(^o^)

それにしても、なんて素敵な街並みなんだろう。
モンブランの麓のシャモニーはきっとこんな街並みなんだろう。
ホーンとカウベルに送り出され、しばらくフラットな道を走る。
目の前に迫ってくるのは長野オリンピックのジャンプ会場。
巨大なシャンツェが2基。
シャンツェ前、原田が「フナキ~!」と言ったあの広場で
白馬中学のブラスバンド部が演奏エールをしてくれる。
ここを超え、徐々にレースモード。
(初参加、初レース参加のオレとしてはここまで観光客気分でした~)
 


しかし、トップは異常に速い。
フルマラソンとなんの変わりないスピードで飛ばしている。

疲れないように、でも遅れないように、キロ4分50~5分30で調整。
怪我をしている右足の甲の痛みは感じない。アドレナリンがそうさせている。
前日に整体で診てもらい、疲労骨折には至ってないとわかった。
折れてないならもう関係ない。痛みは無視すればいい。今日1日だけ。

フラットなパートはロードも含め10キロくらい。
そこからいよいよトレイルに入っていく。
トレイル入り口のエイドでコーラと塩と梅干しを摂取。
ストックをセットし登り開始。
 

このセットやらエイド補給が経験不足なのでムダな時間を費やしてしまう。
前にいた選手が目の前からあっという間にいなくなる。

たぶんだけど10キロくらいでだいたいの順位は決まってくるんじゃないかな。
抜きつ抜かれつ、追いつ追われつを繰り返すのだ。
 

登りはなんとかなった。
でも下りは最悪だった。
まったくリズムが取れない。右足の甲をかばおうと股関節に負担がかかった。
着地ごとに痛みが走るので下りでストックを突いて負担を軽減する。
そんな走りではまったくスピードを稼げない。
 
下りの焦りとイラツキ、登りの苦しさ。
でも途中途中の絶景ポイントは息を飲むほどの素晴らしさ。
焦りも苦しさも吹っ飛ぶ。
それから、この日は歴代大会で最も晴れたようだ。
この景色、死ぬまで脳裏にしっかり貼り付いてるだろう。
 
 
 

距離は28キロ。半分を超えた。
おかるの穴エイド。ここが第一関門で制限時刻は12:10
トップ通過予測は10:00
ここを10:25に通過。
結構速い。よし、行けるぞ! さあ登りだ!

山と山のつなぎに出て来るアスファルトロードの登りも走る。
トレイルの登りもスキをみては追い越す。
登りでは痛みはない。下りではとにかく痛い。
下りでは越される。でも登りでは越させない。かならず抜く。

気持ちがダウンしないように、周囲の選手に話しかけまくる。
「きっついよねー!」
「この先にビールの自販機無いかな?」
「お!同じシューズっすね!」

トレイルで話しかけて嫌がる人はいなかった。
話しかけてもらってありがとう!って言ってくれる人もいた。
とにかく苦しみとつらさと闘っていて自分の殻に閉じこもってしまうので、
会話して双方笑顔になればOK。
気持ちが切り替わる。

とは言っても岩岳山頂へのいじめの登りが延々続く。。。
登っても登っても急坂は終わらない。
粘土質で急なのでちゃんとしたトレイルシューズじゃないとグリップしない。
On VenturePeak シューズへの不安は一切ない。
頼るのはシューズと脚と根性。
根性って好きな言葉ではないけど、ここでは根性がないと登れない。
根性、忍耐、耐久、辛抱、苦痛、そう一言でendurance。

でもいつかは山頂につく。
考えない。何も考えない。自分は機械でただ足を動かすだけ。
つらいのは気のせい。実はそんなに苦しくない。錯覚だ。
根性を出すには、思考回路を止める方法もあるのだ。

岩岳スカイアークに到着。
もう45年近く前、オヤジに連れて来てもらった場所だ。
オヤジが最も好きなスキー場だった。岩岳と八方尾根。
そこをリフトではなく、足で登ってきた。
オレはオヤジの歳を遥かに超えてこの地にやって来た。
昔、この場所でオヤジは小さなオレに北アルプスの山々を観せた。
だからここは来るべくして来た場所だ。
しかも最も困難な方法で来た。
 

360度ぐるり見渡し、しっかりエイド補給をして両頬を叩いて走り出す。
気持ちは距離が増すに連れ昂る。
でももう足が言うことを聞かない。
もはや自分の足ではない。着地のショックが内蔵にまで響く。
この痛みは無視できない。
無視できないくらい痛いので、そうだ!無視できないなら友だちになればいい。
この痛みはもはや親友なのだ。
レースの高揚感と苦痛が年輪のように重ねられていく。
でもとても楽しい。楽しくて仕方がない。
この時間、この場所で、オレは会社員でもなくサーファーでもなく税金滞納者でもなく、
とてもシンプルに、競技者でアスリートだ。そう思うこともとても楽しい。

岩岳を下り切り、そしてもう一つ八方尾根1200mオーバーを目指す。
この痛みという親友は裏切らないだろう。
最後の最後までしつこくオレにつきまとうだろう。
しょうがない。最後まで痛みを味わおうじゃないか。

岩岳の麓に到着する。
中学生、小学生ボランティアがたくさんいて、
「オニギリどーぞー!」
「冷たい水かけますよー!!!」
って本当に元気な大声を出してくれていた。
コーラを飲んで水を頭からかけてもらってオニギリを頂く。
頭から水をかけてもらったのは顔面がグチャグチャになったからだ。
もう汗なのか涙なのかわからなかったからだ。
 


本当に本当に温かい。
この子たちもいつか走るだろう。
でもオレは今走らなくてはいけない。
少年たち、オレの走りを見ろ!
大きな力をもらい、いよいよクライマックスへ。

クライマックスってクライム・マックスなのか?
最大傾斜を最後の最後に登るってことなのか?
上等だね。いくぞ、八方!!!

ミドルの後半の選手たちを抜いていく。
座り込んでる人、仰向けで放心してる人、もうろうと歩を進めてる人。
がんばれー、がんばれーって声を掛ける。
人に声を掛けることは、オレもがんばれよ!って自分にも言ってるんだよね。

最後のエイドで補給を終え、下りに入る。

スタートしたまるでシャモニーの街が見えてくる。
下りはリーゼンスラロームコース。

下りながら、レースを振り返る。

いやー、楽しかった。
いい天気に恵まれ最高だった。

ドロドロのぬかるみが結構あったなあ。
小学生の手書きの看板はよかったなあ。
私設エイドのオバちゃん楽しかったなあ。
やっぱりコーラほど美味いものはないなあ。
来年も絶対出たいなあ。
仲間たちはみんな楽しんでるかなあ。

麓の街に入る。クランク状のジグザグ道を走る。
沿道の応援が徐々に増える。
みんなハイタッチで迎えてくれる。

最後のホームストレート、ホーンが鳴り止まない。
ハイタッチ花道がゴールアーチにつながる。
ゼッケンと名前がアナウンスされる。

両手を高く上げ、白いテープを切る。

フィニッシュ。 
エンデュランスラン終了。

空は真っ青。
360度見渡す。
360度ぐるーっと走ってきたのだ。
走行51キロ。累積標高2780m。

この大会は白馬の子どもたちが主役だったね。
評判通りの素晴らしい大会だった。

苦痛をとことん楽しんだよ。

Nothing beats a trail
 
 
 
iMovie 
https://youtu.be/r-On4W5AZUU