Now+here Man's Blog

Surf, Run and Trails / Endurance For Fun

境界線

2014-07-11 19:31:21 | surfin'

2014/7/8
鎌倉でワイプアウトしたスタンドアップの板が、パドリング中の女性サーファーの頭部を直撃する事故があった。
女性は心肺停止で翌日死亡。
茅ヶ崎ローカルで、その日はたまたま鎌倉に出かけたところにこの事故に遭遇した。
謹んでお悔やみ申し上げます。

さて、ショートどうし、ロングどうし、SUPどうし、ウインドどうし、共に接触衝突の例はいくらでもある。
しかし、今回の事故をきっかけに間違いなく大きくクローズアップされていく。
使用海面の制限、区割りに関する内容だからである。
これは波乗りルール以前の問題で、個人の範疇に及ばないからでもある。


自分はウインドサーファーなので、ウインドとサーフィンの衝突について、
使用海面の分け方を話します。経験談です。
良いやり方か悪いかはわからんけど。

今回、スタンドアップをしていた人は、普通に転び、板をスープに流したレベル。
運悪く目の前にサーファーがいた。
運悪くじゃないな。 波よくポイントパニックになっていただろうから必然。

さてこれがウインドとなると国道を走る自動車並みのスピードにまして、包丁が3枚~4枚ついているようなもの。
疾走する刃物である。
これにぶつかると頭にコツンの脳震盪で済まない。

沖へ向かってジャンプしたとき、自分の真下にサーファーがいたことがある。
ビーチに向かっているとき、目の前の波の背からサーファーがドルフィンスルーして出てきたことがある。
今回想してもぞっとする。

この乗り物とサーファーが共存する海面は国内でも何か所かあるだろうけど、
自分としては茅ヶ崎パークしか知らない。

風が吹く日、サーファーは海に向かって右海面のTバーテトラサイド、ウインドは左海面となっている。
ローカルの暗黙の紳士協定だと言われている。
特に明文化はされていない。


だからメインポイントから外れた初心者、ビジターは必然的にウインド海面に入ってくる。
カレントもあるので流されてくる場合もある。

沖へ向かっていくパドル中のサーファーの視界は60°くらいしかないのでは?
真横数メーターをフルプレーニングでかすめられて初めてウインドの存在に気づく。


でもこれだと双方うが浜に上がって大乱闘になり兼ねないので、自分の場合はまず声をかける。
これから入水する者には、危険度と使用海域を説明する。
すでに波待ちしてる場合には、笑顔で対応。
数回声かけても無視したり無反応な場合はかなり大きな声で怒鳴る。
だって怪我してからでは遅いのだ。
思い切り怒鳴られてとても嫌な気になるだろうが、これって予防のつもりだ。
こっちだって怒鳴りたくて怒鳴ってるわけではない。


これでなんとかウインドエリアとサーフエリアが分かれる。
その後風が落ち、波が整ってきて一面サーファーになるときがある。
さっきまでのウインドエリアがなくなるときがある。
これはもう仕方がない。
風が上がってきてもなかなかウインドの優先権は主張できなくなる。
「通るよ、とおるよー!」と声出しながらアウトへ出て、インサイドでは乗らない。

これが茅ヶ崎のウインドの乗り方かな。

よくサーファー優先だというけれど、それは違う。
コンディションではウインド優先になる。
茅ヶ崎の場合ね。
モトクロスサーキット会場に三輪車の子供が迷い込んだ状態になる。
サーキットで迷子の子供優先って聞いたことないでしょ。
弱者は優先ではなく、その場を避けるということも知らなくてはいけない。



このことが双方理解して楽しめるように、ショップ間の定例会ではコンディションによる優先権が了承されている。
さて、問題はその浸透度なんだよね。
張り紙や看板にすることではない。
目に見える強制は排他的で親しみを除去してしまう。

結局は啓蒙し続けるってことだね。
怒鳴っても、帰りにそのサーファーに、今日はよかったね、また来てよ。と言えるようになりたい。