セカンドライフ 

歳を重ねるのも悪くはない

久し振りに母の笑顔

2013-03-11 | セカンドライフ
小高い施設から海も見えるのでお天気の良い日は気持ちがいいでしょうね。母の部屋からはもっと良く見えそう。

       

南房総の温暖な気候はやはり馴染んでいるせいか駅の前に立っただけで心が和んだ。
母の施設は町の老健にお世話になっている。二、三カ月程前、熱が出たりして病院に移動した時、母はすっかりこの世の終わりかと勘違いして大騒ぎをしたっけ。

食事も全く食べず骨皮筋子になってしまった。いくら姉が聞かせて「もう良いんだ、どうせ終わりだから」自分で寿命を決めてしまって顔をそむけ困ったものだった。

自宅に帰っても、真冬の寒さを補う物が無く、「老健」にお願いしてキャンセルが出て運良く入れた。
インフルエンザ、ノロウィルス、ロタウィルスと老人がかかったら命取りと言う怖い病気なので、家族とは言え出来るだけ面会を遠慮する形になっていた。

姉は毎日行ってくれたけれど、受付で洗濯物や届け物を渡して呉れるだけの、まさに隔離生活が続いていた。漸く姉から「部屋には入れないけれど一階のサロンまで係の人が下ろしてくれるから」と電話が有り、折り良く小学校のクラス会が重なったので、その前に面会に行った。

成る程、私はお手洗いに連れて行かれ、消毒をし手洗い、うがいをしっかりする様に言われ、出て来ると一階のサロンに母は車いすで送られて漸く面会が叶った。
病院の時は、何も食べないし点滴だけだったので、兄弟で暗黙の了解をする程、生きるのはもう無理だと思い込んでいた。

しかし今回の面会時の母は良い顔色で、ニコニコしている。持参した柔らかいお菓子も美味しい美味しいと食べていた。病院の時はショックも有ったのか、お菓子を持って行っても顔をそむけてしまってどうにもならなかった。

九十歳になった母だけれど、この顔色なら暫くは大丈夫と確信した。
食事は美味しい?「美味しいよ」「家とこっちではどう?」「知っている人がいてお喋りが出来るので楽しい」自宅じゃなくてもいい?」「十分だよ」と館山の病院にいた時とは、物凄い違い。知り合いの人と話が出来ると言うのがストレスの発散になっている様だ。立地条件の良い建物で安心して居られる様で良かった。

職員の方々もとても優しく感じの良い若い方ばかりで安心して面倒を見て頂けそうでそれも安心した。
建物の周りには沢山房州のお花が植えられていた