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2005-12-04 20:02:24 | 韓国映画

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監督 チャン・ユニョン
音楽 チョ・ヨンウク
出演 ハン・ソッキュ(ドンヒョン) チョン・ドヨン (スヒョン)
キム・テウ(ギチョル) チュ・サンミ
1997、韓国

まだ、韓流ブームの押し寄せる前の映画なので、素晴らしい作品なのに日本では公開されなかったようですね。
この映画が話題になった時は盛んに邦画の『ハル』(未見)と比べられていました。
私はというと、記念すべき韓国映画観賞の2作目がこれでした。

1作目は『八月のクリスマス』ですから。
今回、感想を書こうともう一度見て、改めて気づいたことも多かったです。
やはり、名作だなと思います。

主演の3人はそれぞれいいのですが、この頃、私はキム・テウ、『JSA』のファンでした。
と言うか、白馬に乗った王子様でした;テウ様・・恥

偶然、この人の韓国ドラマ「涙を見せないように」を見て、
彼はその頃、韓国のお茶の間では高感度N.1の若い男優だったようです。
キム・テウ情報はこちら。^^

この人の魅力は笑顔です。笑
映画ではハン・ソッキュとともに眼鏡をかけているので、多少役柄がだぶってしまってますが。

雨に濡れるハイウェイ、滲むランプ、アンニュイなジャズ・・
全てが大人の恋愛の雰囲気を醸し出しています。

この映画で特筆すべきは選曲のセンスの良さですかね。
ペイル・ブルー・アイズやジャズ、ラストの”あの曲”など。

都会で、フと孤独に呑み込まれてしまいそうな寂しい男女の出会いの物語です。
スヒョンは密かに想っていた人、ギチョルを、わがままで女っぽいルームメイトに横取り?されてしまいます。

 私のほうが知り合ったのは先、
 私を見て笑う彼の顔は私を幸せにしてくれた。
 でも、その同じ笑顔がある日、私の友人に向けられているのに気づいた・・

ラジオ局の音楽ディレクター、寡黙なドンヒョンは大学生時代に先輩の恋人を想っていた。
ある事情で、自分のもとを去ったその人を今も忘れられないでいる。
彼は誰にでも心を開くことはなく、あくまでも知的で理性的、
そのせいで冷たくも見えますが、軽薄ではない。

スヒョンは所在無いドライブ中に、目前で事故が起こり、その時ラジオから聞こえていた曲に運命的なものを感じ、再度リクエストします。
そして、ドンヒョンとスヒョン、二人は「ベルベット・アンダーグラウンド」のLPが縁で、PCでチャットを始めますが。
次第に恋の悩みを打ち明けるまでになります。

スヒョンはギチョルを思い切れないけれど、彼にはどこか調子のいいところがある。
気弱なくせに誰にでも優しいズルい男をキム・テウがハン・ソッキュを向こうにまわして、引けを取らずに演じました。

「会うべき人とは必ず会える」

チョン・ドヨンもギチョルへの想いと、傷ついた女心を細やかに演じていて注目です。
結局、大好きなギチョルを友人から奪うほどスヒョンは強引な女性ではなかった。

ドンヒョンの言葉をきっかけにスヒョンは過去を捨てて生きる力を得たようです。
PCでの出会いとポラロイドカメラ。
スヒョンはドンヒョンに気を許し、自分の写真を送ります。

しかし、ドンヒョンは或る理由からオーストラリアに移住する決心をしてしまいます。

ここから結末に触れています。
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スヒョンがギチョルの靴を揃え、いとおしいもののように見つめる。
そこに彼女のギチョルへの深い想いが見えます。

ドンヒョンが愛した女性は亡くなってしまいます。
事故か自死かは分かりません。
傷心の彼が海外に去る前に、スヒョンは彼に会いたくて映画館の前で待ち続けます。

彼がオーストラリアに立つ前の夜、ドンヒョンは何時間も、何時間も、自分を待ち続けるスヒョンの姿を見ていたのです。
ああ、やはり彼は死んだ人が忘れられないのかなと、スヒョンが哀れでした。
ドンヒョンも心の整理が必要だったんですね。

でも、ついに彼は彼女の前に立ちます。

過去に二人は知らずに3度すれ違っていて、最後には出発点に戻ったのですね。
そう、雨の日のあの劇場の前・・

前から貴方を知っていたような・・スヒョンの顔に微笑が浮かび、ドンヒョンは何から話していいのか・・
「会うべき人とは必ず会える」

そんなふうに見詰め合う二人の姿を足元からカメラが引いて捉え、(足元の星型の魔方陣が小粋です)
そこにあのラバーズ・コンチェルトが弾けるように!流れるのです♪♪

私はこんな心躍る瞬間を楽しみに、ずっとずっと映画を見続けるのでしょう♪

アジアの映画の中で、そういう意味でもこれは屈指の名ラストシーンだと思います。