(2009年7月の日本語パンフレットより)
🌸グリーン・ゲイブルズとL.M.モンゴメリ
グリーン・ゲイブルズはL.M.モンゴメリの古典的小説“アン・オブ・グリーン・ゲイブルズ(日本語タイトル;赤毛のアン)”で世界中に知られています。ここはその舞台を築く着想の源となったところです。実際には、デイビッド・マクニール二世とマーガレット・マクニール兄妹の農場であり、二人の住む家でした。デイビッドとマーガレットはモンゴメリの祖父のいとこにあたり、農場は最初1831年、デイビッド一世によって入植されました。L.M.モンゴメリ自身は近くの祖父母の家で育ち、生涯一度もグリーン・ゲイブルズに住んだことはなかったのですが、まわりの森や林を散策しながらこの農場を身近に親しみ、強い愛情を抱くようになります。そしてお気に入りの場所を見つけては、“恋人の小径”(Lover,s Lane)や“お化けの森”(Haunted Wood)と名付けたりしました。
“アン・オブ・グリーン・ゲイブルズ”が1908年に出版されると、時を置かずして人々はグリーン・ゲイブルズはもとより、小説中に登場する場所やアボンリーの住人達を捜してキャベンディッシュを訪れるようになりました。
小説の中でモンゴメリが描写したものの多くは彼女の創作であり、いくつかは現実のものからヒントを得てできたものです。
“アヴォンリーの大部分はキャベンディッシュである。グリーン・ゲイブルズはディビッド・マクニールの家をもとに描いた。しかし、家自体よりも、まわりの環境や景色の描写が中心である。私の書いた現実の描写の部分は人々の目にもそれと分かることで証明されている。”
-Selected Joumals of L.M.Montgomery Vol.1 1911年1月27日より
モンゴメリの精神的な故郷の地とのつながりは、生涯を通じて続いています。牧師の妻としてオンタリオに移り住んだ著者には、故郷を訪れる機会は限られていましたが、彼女の書いた20冊の小説のうち1刷を除いてすべての主な舞台は、プリンス・エドワード島におかれています。モンゴメリは島への里帰りのたび、しばしばグリーン・ゲイブルズに住みウェッブ一家(デイビッドとマーガレット・マクニールのあと、この農場を引き継いだアーネストとマートル・ウェッブ夫妻)を訪ね、何日か滞在することもありました。そして、1942年に亡くなったモンゴメリは、キャベンディッシュの墓地に埋葬されました。死後まもなく、カナダの歴史的記念物保護委員会によってL.M.モンゴメリは歴史的重要人物と公認され、グリーン・ゲイブルズに記念碑が建てられました。
🌸より充実した時間をすごしていただくために
1997年にはグリーン・ゲイブルズに敷地改造事業が完了しました。この事業の完了は、パークスカナダが目的とする“訪問者への最高のサービス”への大きな助けとなるものです。またプリンス・エドワード島国立公園におけるグリーン・ゲイブルズの意味と、歴史的重要人物としてのL.M.モンゴメリをよりよく理解できるようになりました。
改造事業の一部として、“アウトビルディング”(農家の母屋以外の建物)の建設も行われ、これは1930年代後半まで、この農場に実在した建物が元となっています。 」
資料館に展示されているモンゴメリさんのスクラップ・ブックのレプリカ。
デジカメをもっていった2010年春と2012年秋の旅から、写真をランダムに集めてみました。
2010年6月7日(月)春のグリーン・ゲイブルズ全景、恋人たちの小径を散策してもどってくるとみえてきます。
2012年10月15日(月)、グリーン・ゲイブルズの台所の窓辺
2010年6月7日(月)、恋人たちの小径
2010年6月7日(月)、グリーン・ゲイブルズ、マシューの部屋
2010年6月7日(月)、グリーン・ゲイブルズ、アンの部屋
2010年6月8日(火)、バルサム・ホロウ・トレイル
2012年10月15日(月)、グリーン・ゲイブルズ、客用寝室
2012年10月15日(月)、グリーン・ゲイブルズ、客間
2012年10月15日(月)、グリーン・ゲイブルズ、マシューの部屋
2012年10月15日(月)、グリーン・ゲイブルズ、配膳室
2012年10月15日(月)、グリーン・ゲイブルズ、納屋、ドリーもいました。
2012年10月15日(月)、グリーン・ゲイブルズ、台所
2012年10月15日(月)、グリーン・ゲイブルズ、裁縫室
2012年10月15日(月)、グリーン・ゲイブルズ、マリラの部屋
2012年10月15日(月)、グリーン・ゲイブルズ、ディリー・ポーチ
2012年10月15日(月)、グリーン・ゲイブルズ、物置
2012年10月14日(日)、夕暮れのグリーン・ゲイブルズ、バターチャンカフェ
2012年10月14日(日)、グリーン・ゲイブルズからキンドレッド・スピリット・カントリーインに帰る道
2010年6月10日(木)シャーロットタウン
いずれの旅でもお世話になったプリンス・エドワード島セレクトツアーズのサイトを久しぶりにのぞいてみました。日本人が渡航することはできないので8月31日まですべての現地ツアーは中止とのこと。
わたしは残念ながらそこまで時間なかったのですが、すごく楽しいという小さい劇場で上演されてきているミュージカル『Anne & Gilbert』、客席を間引てコンサート形式で上演とのこと。
https://ameblo.jp/peiselecttours/entry-12615029597.html
この世にいる間にプリンス・エドワード島を訪れることはもうできない可能性が高いですが、変わらず穏やかな景色が島にはあります。モンゴメリさんが歩いた道を歩き、お墓にお参りをし、『赤毛のアン』を書いた家の跡を歩き、モンゴメリさんもみたであろう景色を体で感じた思い出はずっと心の引き出しの中にあります。写真をみていると、島で感じた幸せ感が甦ってきます。
整理しきれていなかった思い出をようやく整理しつつの、断片的な旅の思い出し日記でした。