たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

宙組『エクスカリバー』-東京建物ブリリアホール

2023年08月02日 13時20分25秒 | 宝塚

宙組 東京建物 Brillia HALL公演 休演者のお知らせ | ニュース | 宝塚歌劇公式ホームページ (hankyu.co.jp)

○(宙組)渚 ゆり
7月28日(金)13:00公演より全日程休演   

 

 7月30日付で発表されました。小柄な娘役さんたちが演じるサクソン族の女性兵士たち。衣装もダンスもすごく素敵と思いながら観劇していたのですが、あの中にいなかったということか。コロナワクチン後遺症でなければいいですが心配です。体調不良によるものなのかわかりませんが星組の休演者が復帰したし、いずれも復帰できているので大劇場公演ではまた舞台に立てると信じています。

 

新たなる王と新生宙組の誕生が重ねあわされた『エクスカリバー』開幕! | えんぶの情報サイト 演劇キック (enbu.co.jp)

 

 少年アーサーが孤高の王として歩んでいくことを決意するまでの葛藤を描いた3時間。もう一つのテーマ、マーリンとモーガンとの拮抗を絡ませて物語は進みました。キキちゃん、男役17年目でのトップスター就任、『ハンナのお花屋さん』『アナスタシア』『NEVER SAY GOODBYE』などなど花組と宙組を通して8年2番手として積み上げた経験値の数々を遺憾なく発揮し、同時に少年のようなキラキラとした輝きを放っていました。真風さんの隣りで毎回フィナーレはいつもこれが初めてみたいな顔をしていたときの瑞々しさを失っていないどころかトップスターになってなお新鮮。一幕のはつらつとした少年時代、青い衣装のキキちゃんアーサー、とっても可愛い表情が宙組発足『エクスカリバー』のずんこさんの顔立ちとすごく似ているようにもみえて感慨深いものがありました。一幕の最後、結婚式の華やいだ宴から一転、まっぷーさん演じる育ての父エクターを失うと空っぽになり、二幕は深く心を閉ざして誰も寄せつけないガラス細工のような繊細さはみていて辛くなるほど尖っていましたが、最後にみんないなくなってしまうと目に涙をたたえながらエクスカリバーを手に一人孤高の王として階段をのぼっていく姿は、強い決意を背中に秘めてさらに輝いていました。新たな始まりに対するトップスターの決意と重なるようでもあり、グィネヴィアとの関係性は主軸ではなかったところも新しい宝塚の造詣なのかもしれません。

アーサーを守ろうとしたずんちゃんランスロットが命を落とし、さくらちゃんグィネヴィアは離れたところから見守っていたいと去っていく流れの間、キキちゃんアーサーずっと泣いていました。初日が開けてからの記事やネットの感想は横目でみて流すようにしていたので、クライマックスのサクソン族との戦いで、追放したランスロットとグィネヴィアがアーサー王を助けるため戻って来た時には涙でした。

星組から花組へ異動した当初、稽古場でまあ様とだいもんから歌の特訓を受けたというエピソードのあるキキちゃん。わたしがはじめてみた『金色の砂漠』の時にはみりおちゃんを支えてかなり力がついてきていたと思いますが、真風さんの隣でいろいろな役をやった年月にここまで成長したのだとうならせるる舞台でした。主役だけじゃない、みんな物語を伝える歌詞をきれいききとることができて歌える全体のバランスの良さ。それぞれの歌の力とコーラスの力、歌いこなすのが難しいであろうワイルドホーンさの楽曲を歌い継ぎ魅せていく宙組の力も存分に発揮されている舞台で聴きごたえたっぷり。

 『カジノ・ロワイヤル』でアインシュタインのパロディ?を演じて長いソロを聴かせた若翔りつくんのマーリン、ディナーショーの時キキちゃんの弟子を名乗って盛り上げていたキキちゃんにそっくりな真白くんのモーガン。もうひとつの物語のテーマをガッツリと魅せた二人が素晴らしかったことはまた後日書けるといいかな。

 カーテンコールは一幕の少年時代に戻って青い衣装がとっても可愛いキキちゃんの挨拶、この3時間がみなさまにとって特別な時間であったなら嬉しいですといった内容だったと思います。一幕でエクスカリバーを抜くとき、セットの刺さった岩の塊ごと抜けてしまったときは一瞬ひやっとしましたがキキちゃん冷静に対処。幕が降ろされた裏では舞台装置を動かす音が聞こえてきたり、3階席の最後列からだとスタンバイしている生徒さんたちの姿がちらっとみえたりは劇場で観劇する醍醐味。

 現実は日々次から次へと絶望的なニュースの連続、本当に大事なことはニュースになることもなく知らされていないのだとわかるとさらに震えがきてどうしようもない毎日、頭おかしくなりそうになりながらまだなんとか生きながらえている日々、六世紀のイギリス(日本では古墳時代)のケルトの世界にタイプスリップして心が浄化された特別なひとときでした。配信には配信のよさがありますがやっぱり劇場でしか味わうことのできないものがあり、チケットを入手できた幸いに感謝。12月の東京宝塚劇場の抽選も友の会、阪急交通社共にエントリーします。わたしに未来はありませんがまだ死ぬわけにはいかん。

 

「MY FLESH,MY BLOOD(全て僕のもの)

アーサー

嘘つくな

消え失せろ

僕が誰か そんなことは

自分が誰よりも知っている

 

なんの権利が

お前にある

証拠もなく

人違いだ

僕に立ち入らないでくれ

 

見も知らぬ魔術師

幻見せる

そう 悪魔の化身じゃないのか?

 

愚かしい作り話

誰が信じる

そんな男

僕じゃない 他を当たれ

消えてくれ 今すぐ

この肌も血も

骨も全て 僕のものだ」

 

 英語の歌詞を翻訳・意訳しているのも稲葉先生でしょうか。キキちゃんの歌唱にも歌詞にも体が震えました。

プログラムに掲載されている原題「MY FLESH,MY BLOOD」、ケルト文化が根底にある『赤毛のアン』の中でマシューが亡くなった日の夜、マリラはアンにこう言っていることを思い出しました。なかなか日本人にはない感覚なのかああと。

「I love you as dear as if you were my own flesh and blood

 and you,ve been my joy and comfrt ever you came to Green Gables.

 私はアンのことを、血と肉を分けた子どものように大事に思って、愛してるんだよ。グリーン・ゲイブルズに来た時からずっと、あんたは私の歓び、心の慰めだったんだよ」

(第37章死という命の刈りとり人、松本侑子対訳『英語で楽しむ赤毛のアン』より)

 

2023年7月29日(土)東京建物ブリリアホール、11時~

 阪急交通社で当選できたものの灼熱地獄の中、右足変形性膝関節症の末期で無事にいけるかどうか不安でチケットが届いてからずっと緊張していました。予定よりも早めに目がさめてしまいあまり眠れないのはいつものとおり。電車を降りるとネットにあったとおりとにかくひたすら池袋駅の東方面出口を目指しました。改札口まで遠かったものの、改札をでたらチェリーロードにいました。ほどなく階段をあがると地上に出ました。表示もありネットにあった通り歩くと数分で到着。3階席は7階、杖を使っているので優先エレベーターを案内してもらえました。結果的にアーサーがマーリンにウーサー・ペンドラゴンの息子であることを告げられる場面から観劇することができました。悪い評判ばかり立っていた感のあるブリリアホールですが、3階最後列センター付近はちょうど舞台全体がすっぽりと視界に入り、なおかつ舞台が近いので快適でした。シートは広くてクッションも悪くないと思いました。

 

 


この記事についてブログを書く
« 新型コロナワクチン健康被害... | トップ | 死亡認定しながら突き進む厚労省 »

宝塚」カテゴリの最新記事