たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

1994年月組『エールの残照』『TAKARAZUKA・オーレ!』

2022年03月09日 16時58分25秒 | 宝塚
なつかしの月組-1994年『TAKARAZUKA・オーレ!』
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/b6b402b2fa5bdb891d185b27b7d91762


『エールの残照』、作・演出は谷正純先生。1994年11月に東京宝塚劇場で観劇しました。
 
 アイルランドの独立を舞台にした、宝塚歌劇団が紡ぐ平和への祈り。

 物語の最後、息絶えたロージー@麻乃佳世ちゃんをシャムロック@天海祐希さんが、抱き上げたあと右肩にかついで銀橋を歩きはじめたとき、客席からどよめきが起こったことを今でも鮮明におぼえています。妹が自死してから2か月後の観劇でした。自分、こうして涙を流すことができるのだと思いました。

 この頃の公演プログラムは、500円かな600円かな?で脚本も掲載されていました。

シャムロック
「まだ血を流したいのか・・・ダニエルは、イギリスへの恨みと憎しみに人生を誤り、自らの命を・・・自由、独立、綺麗な言葉をならべ立て、人間同士傷つきあってきた、お前たちが手にしたものは何だ。たとえ、独立が叶おうとも、この手に触れるものは二人の冷たい屍。独立の英雄と崇められようと、記念碑に名を残そうと、そんなものが何になる。
哀しみに涙も枯れようと、苦しみももがこうとも、生きているからこそ人間じゃないのか」

「我々は一切抵抗しない。だが、決して服従もしない。これが私達の戦いだ! 例え武力で支配できても、私達の心までは支配できないだろう」

「私達を殺すのは簡単だろう。だが、我々の屍は手に入れても、心だけは手に入れられないんだ」

「ほんの少しの間、ほんの少しでいいんだ、ロージーと二人だけにしてくれないか」

「この瞳は哀しみの色に染まり、この唇はいつも苦しみに耐えていた・・・。さあ、この指で君の憂いを解いてあげよう。
ロージー、忘れていたよ。まだ君に、愛していると言ってなかったね・・・こんな大切なことばをどうして忘れていたんだろう・・・ロージー、愛しているよ!もう離すものか、いつまでも、こうして抱き合っていよう」

「ロージー、ご覧、残照があんなに美しく輝いている。太陽が沈んでもなお、空を染める残照のように、君はいつまでも私の心に輝き続けるだろう。あの残照のように・・・さあ、二人だけの場所を探しに行こうロージー。
ロージー、ロージー、快い響きだ。ロージー、ロージー」


「風のシャムロック♪ 

  作詞・作曲:谷村新司

 人を愛したゆえに 散る命もあれば

 愛されたゆえに 生まれる命も

 白い三ヶ月が 雲を切り裂き

 蒼く眠る森 光り始める

 愛は風を呼び 風は伝える

 ひと幕の悲劇(ドラマ)の

 風はシナリオ

 三つ葉のクローバー 

 シャムロック

 群れるこの地に

 涙で織り上げたタペストリー

 川は流れゆく 深く静かに

 天の海にまで とどけと如く

 愛は憎しみ 愛は歓び

 悲しい時代ほど愛は輝く

 人を愛したゆえに 散る命もあれば

 愛されたゆえに 生まれる命も

 三つ葉のクローバー 

 シャムロック

 群れるこの地に

 涙で織り上げたタペストリー」









 宝塚は、1975年に第3回ヨーロッパ公演を行っています。ソ連(当時)で5都市72回(モスクワ キエフ レニングラード・・・)、パリでは一か月あまり公演しました。メンバーは、松本悠里さん、初風諄さんら46名、中国籍の鳳蘭さんはおそらくビザがおりなかったため、パリ公演のみ参加だったようです。

こちらのサイトを参照しました。

「宝塚歌劇 海外公演の歴史」
https://allabout.co.jp/gm/gc/199580/2/


 2018年の紅ゆずるさん率いる星組の台湾公演、今となっては奇跡だったでしょうか。宝塚が海外を訪れる日はいつかまたやってくるのか、やってくるとしても何年も何年も先のことになるでしょうか。わたしがこの世にいる間にはもうないのかもしれません。そんな日がまたやってくることを祈るばかりです。

 この2年間の茶番劇で今まで信じてきたことの多くが幻想にすぎなかったとわかりました。13年間の大会社での就労と、その後の気がついたら抜けられなくなっていた労働紛争で現実の闇を知ったつもりでしたが、希望を信じたいという思いがありました。もはやそんな綺麗ごとは崩れ去りました。この2年間目先ばかりにとらわれてきたことは子どもたちや若者の希望をうばいました。得られたものより、失われたものの方ががあまりにも大きすぎるという感覚しかありません。なにをどこまで信じればいいのかさっぱりわかりません。

 そんな中で、宙組『NEVER SAY GOODBAY』のフィナーレが最高にヤバいということだけは信じても裏切られることはなさそうです。『異人たちのルネサンス』のフィナーレを超えて、過去最高記録を更新とか。劇団のHPに公開された初日の舞台映像をみて、宙組生の熱量に鳥肌が立ちました。宝塚だから描ける平和への祈りの声、どうか世界中に届きますように・・・。

祈り続けています。


ここには夢と希望があります。
夢と希望がある唯一無二の世界。









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