たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

なつかしの雪組『虹のナターシャ』『ラ・ジュネス』

2020年04月02日 21時00分15秒 | 宝塚
 1996年12月2日から26日まで東京宝塚劇場で上演されました。高嶺ふぶきさんのトップお披露目公演。大羽根を背負った写真がプログラムの表紙になるの、当時としても滅多にないことだったかなあと思います。

『虹のナターシャ』
原作:林真理子 大和和紀
脚本・演出:植田紳璽
演出:谷正純

 連載中の漫画を舞台化したということできびしいご意見もあるようですが、漫画のような美しい世界が目の前に繰り広げられている舞台に、きゅんきゅんなってわたしはすごく楽しかった。高嶺ふぶきさんの上品で美しく正義感のある二枚目ぶり、花ちゃんのほんとにハーフみたいな金髪と鼻筋の通った顔立ち、理事の下駄似合いすぎ、箙かおるさんの「今はおばさんなんだよ」っていう台詞、今も思い出せます。小乙女幸さんのナターシャへのいじわるぶりも漫画ちっくでした。2回は観劇しました。3回だったかも。ぜひやってほしいと強く思ったものです。振付は全編羽山紀代美先生、振付助手に若央りささんのお名前。

「「 虹の ナターシャ 」公演に よせて 大和和紀

 漫画「 虹のナターシャ」を新連載するにあたって、「 いつか宝塚の舞台に取り上げてもらえるような、美しい、華やかな少女漫画にしましょう」というのが、私と原作者、林真理子先生の合言葉だった。 第二次世界大戦前夜の中国、上海と東京を舞台に、天才的な歌姫として駆け抜けた、日露混血の美少女。そして、彼女を愛しながら、次第に反戦主義に目党めてゆく若い音楽家。 私としても久々の波乱万丈ものではあり、林先生の豊富な知識と、打ち合わせの合間の楽しいおしゃべりに、私自身大変楽しみながら描き進めて来た。

 三条薫を演じて下さる高嶺ふぶきさんは、品のある二枚日目として申し分なく(本人は地が出せずに辛いとか)、花總まりさんにとっては珍し い 、ガラッ パチなお転婆娘という役まわり(こちらは地が出せて 嬉しいと仰る。 どんな魅力的な三条薫や、 美しく、強いナターシャ が舞台の上で 動き、 歌うのか、一観客として楽しみたいと思っている。」(公演プログラムより)

三条薫 :高嶺ふぶき
蘭子・ナターシャ -:花總まり
栗崎武志 :轟悠
長岡仁 -:和央ようか
呉竹梅子 : 星奈優里
曽根邦子 -:小乙女幸
呉竹公弥 -:萬あきら
カメ -:箙かおる
村松大佐 : 箙かおる

『ラ・ジュネス』は岡田敬二先生のロマンティック・レビュー10作目。パステルカラーの、宝塚らしいショーでした。演出助手に植田景子先生と大野拓史先生の名前があることに時の流れを感じます。高嶺さんと花ちゃんの並び、二人とも小顔で手足長くて背丈のバランスがちょうどいい。大劇場は二作、外箱をいれると三作ですがわたし何気に今も好きなコンビ。

 高嶺さん、3月に甲状腺がんと診断され、5月末に手術、今の歌声は失われるとの報に心配で心配で涙がにじんでいます。生還してほしい、また元気な姿を拝見したい。わたしも生き延びていきたいと思います。祈っています。いっちゃん、花ちゃん、同期ののんちゃん、まりこさん、雪組だった仲間、仮面のロマネスクごっごしていたさゆみさん、まこさん、たくさんの人が驚き心配し、祈っていると思います。初演をみている『エリザベート』のフランツ・ヨーゼフも『仮面のロマネスク』のヴァルモン子爵もわたしの中で永遠、高嶺さんが一番。優しく柔らかい歌声を忘れません。『風と共に去りぬ』のアシュレー、『あかねさす紫の花』の天比古などなど思い出は尽きません。杜けあきさん率いる雪組で3番手だった頃途中からですが東京宝塚劇場作品は全作観劇しました。

 『虹のナターシャ』、高嶺さんが歌う中、花ちゃんが虹のセットにのって下りてくるラストシーン。

「薄紫の夜明け前に
 僕は聞いた天使の歌声を
  ナターシャ ナターシャ
  君こそ  
 ナターシャ ナターシャ
 我が愛 駆けておいで この胸の中に
 金色の髪 風にとかせながら
 碧の海を映すような 君の瞳 
 忘れられなくて
 ナターシャ ナターシャ
 君こそ

 ナターシャ ナターシャ
 わが愛
 たとえ嵐襲い来ようとも
 挫けはしない
 虹をつかむ日まで
 激しい雨のあとこそ
 虹は強く輝く
 哀しみ旅路の果てに
 きっと君がいてくれる
 虹の中に君がいる
 虹の中に君がいる
 君がいる」







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