たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

救われました_『看護のための精神医学より』

2015年02月22日 17時57分23秒 | 中井久夫著作『「つながり」の精神病理』他
自分の歩みを時系列でたどっていて、ああこんなこともあったんだ、この頃はこんな思いでいたんだと、自分でも忘れてしまっていることをいろいろと思い出します。

妹とのお別れから10年が過ぎたころ、カウンセリングスクールの夜間の、カウンセラー養成講座の基礎科に通っていました。二人分労働のきつい日々でした。後期は特に授業が金曜日の夜にあったので、仕事を早目に切り上げてスクールに行くこと自体がすごくきつかったです。
それでもわたしがんばってしまいました。
母のこと、妹のことを受けとめられる自分になりたい一心でした。

レポートを読み返していて、授業の中で紹介された中井先生の著書の中の一文にすごく救われたことをあらためて思い出しました。


中井久夫・山口直彦著『看護のための精神医学(第二版)』(2004年発行、医学書院より)

「安定した看護、治療、相談は、「守秘義務をもった他人」だけができる。
家族だから話せることもあるが、家族だから話せないこともある。
どんな看護師も医師も自分の家族の治療はできない。
客観的にみることがむずかしいし、どこまでやったらよいという限度も、いつまで続くという限度もなく、十分すぎてあたりまえであって、足らないところは相手が責めなくても自分が責める」。

この一文を読んだときに、自分はこれでいいんだとはじめて思うことができました。
わかりやすく書かれているとはいえ、専門性の高い本なのでいまだに読み切ることができていません。
落ち着いてきたら、もう一度最初から読んでみようと思いながらずっときています。

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