たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

苦悩していた日々を思い出す_実習記録ノートより(7)

2019年09月28日 17時42分31秒 | 祈り
「4日目が終了。今日もここにいることができた。それだけですごいことだ。実習に入ってから心の中はとても忙しい。母のことがまざまざと思い出され、私の中に精神疾患に対する根強い偏見があること、母をうとましく思い、何よりも母から産まれた自分を好きになれないでいる自分と対峙しなければならないことがとても苦しくなっていた。ずっと苦しかった。母を受け入れられず、妹の死を受けとめるのに十年の歳月をかけ、苦しみもがきながら私は今日まで生きてきた。そんな私がフリースペースで長い時間を過ごす。あれほど嫌悪している会社にいる方がいいやと思う瞬間があるほどにつらくて逃げ出したかった。でもここで逃げ出したら前には進めない。とにかく、○○○○(実習先)にいくこと、フリースペースにいることを目標にしてのぞんだ。

Sさん、男性、初対面、かんたんな自己紹介のあと、唐突に相談に来た、3Fにきたと話が始まる。予約されていますか、3Fに一緒に行きましょうかと声をかけてみたが対応できなかったのでスタッフに声をかけた。私がこのままこの人と話し続けていいのだろうかと迷った。そんな時は利用者さんに待ってもらいスタッフに確認すること、初対面でその人の背景を知らなくても寄り添っていけることを学んだ。

Fさん、女性、初めての来所。スタッフさんに紹介されてから、フリースペースに居場所を求める。私がたまたま近くにいたこと、女性ということもあっただろうか、5時半の休憩までFさんのそばにずっといることになった。ことばがききとれない、全部をきこうとしているつもりはないが、ききとりにくいので耳を近づける。
ずっと淋しかっただろうし、話したいことがいっぱいあるのだろう。家族のこと、親類のこと、いじめられたこと、対人恐怖症だということ、友だちがいないこと、話し続けるので私は一生懸命にきいてしまった。自分が疲れを感じ始めた頃、彼女にコーヒーなど飲めることを伝えてすすめ、自分はトイレに立つなどして少し休んだ。
このまま彼女のそばに戻るのは疲れるなと思ったが、私の方を振り返る姿がみえたので、そのまま戻ることにした。
友だちができて嬉しい、あなたに会えてよかったと真っすぐにこちらを見つめている。こんな時の距離感のとり方はむずかしい。自分は実習生であること、これからは〇〇〇〇に電話をすればスタッフさんがいること、自宅からここまで来ることができたのはすごいと思うことなど、自分なりに伝えた。Fさんは私が休憩に入る時に帰宅したが、結局私はげっそりと疲れてしまい、7時を回った頃には人の話をきく集中力がなくなっていた。
それはFさん以外の利用者にとっていいことではないことを感じ取る。
自分がつぶれないように、疲れた時にはそれを相手にきちんと伝えて休むこと、全部をきく必要はないし、わからない時にはわからないことを伝えて聞き返すのは悪いことではないことをスタッフさんからおしえていただいた。
疲れを感じてもそのまま突っ走ろうとしてしまうこと。
私の普段の生活がそのまま顕れてしまったと思う。
上手に休めない。疲れていることを自分の中でごまかして、気力をふりしぼってがんばってしまう。いつもぎりぎりのところでふんばっている。だからこそ、クビにならずにこうして休みを取ることができているというのも事実だが、がんばりすぎてしまっている。

私の上司は、ワーカーホリックタイプで、神経質でいつもイライラしていて、プレッシャーのかけ方も私にとってはかなりきついものがある。おかしいなと思っても、納得できなくても、怒りを感じても、それらを表現する時間も場も与えられていないので、私は自分の中に抑え込むことをし続けてきた。そうしないと居続けられないのだが、本当にきついことをしてしまっているのだとあらためて感じる。
会社の中で、私は自分ばっかり損させられているような思いにとらわれながら、かたくなに心を閉ざして収入のためだと言いきかせながら毎日を過ごしている。
自分がどうあがいたところで自分を取り巻く環境が変わることはないが、何かもう少し自分が楽にいられるような方法があるのかもしれない。
どうして利用者さんが素直にいられるのかを感じてみるのもひとつですよ、スタッフさんの言葉だ。
各々がフリースペースの中でどんなふうに自分の居場所を見つけているのか、そんなことも感じ取ってみたい。
なんだ同じ人間じゃないか、Fさんんと話しながら感じたことだ。
妹の死を乗り越え、今母と向き合おうとし、PSWの勉強をしている。もう十分すぎるぐらいではないか。
なにが普通で、なにが普通でないのかはむずかしいところだが、当たり前のことのように日常生活を営んでいる、そういう力があるということは実はすごいことだし、素晴らしいことだと思う。
人はすごいエネルギーをもっている、もちろん、私も・・・。
自分と向き合うという作業は本当に苦しいが、私にはそのエネルギーがある。
こんな私でいいじゃないか、と思いながら、利用者さんに巻き込まれることなく、明日もそこに居てみよう。」

「平成18年10月27日(金) くもりのち晴 実習五日目。

一昨日がんばりすぎてしまったこと、生活のリズムがちがっていることで疲れがきてしまっている。上手く休むことも心がけてみたいと思う。」

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