宝塚歌劇『FLYING SAPA -フライング サパ-』(’20年宙組・梅田芸術劇場)オンライン上映会
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https://live.tv.rakuten.co.jp/content/426030/
2020年宙組『FLYING SAPA -フライング サパ-』、19日まで楽天TVにて配信中、660円。
8月11日の梅田芸術劇場千穐楽から2年が過ぎました。久しぶりに公演プログラムを読み返し、上田久美子先生の書かれている言葉が、コロナ茶番劇の終わりがみえない日本社会でより現実のものとなっていることに戦慄すらおぼえます。同調圧力は強まるばかり、社会の分断、人と人との間に溝は深まるばかり。なにもかも是非で真っ向対立して互いを貶め合っている日本。検討、検討、検討でなにも決まらずめたくそ状態、未来を託す子どもたちの命をリスクにさらして沈没寸前。
「この『FLYING SAPA 』の構想をしたのは今から十年前、iPhoneが出回り始めた頃のことです。誰かのすべての情報を一企業が参照できるなんて不気味すぎるし、私は関わるまいと思っていました。でも人々が嬉々としてスマホに切り替えていくのを見て、いずれそれなしには年金も受け取れないなんてことになるんじゃないかという不安が心をよぎり、スマホが社会的生命維持装置になることを予感した私は、抵抗も虚しく最新型iPhoneを手にしたのでした。
当時思いついた、無数の個人の情報が一つの巨大な中心に吸い込まれていくという今作のモチーフは、十年でありふれた現実となりました。」
「現代の日本社会は、静まりかえった水面のように見えます。一粒の小石が手から零れてもそのさざ波で沢山の船が沈没する、抑圧された世界です。でも水紋一つない水鏡の下では、人間の本性があいも変わらず渦巻いている・・・。
情報の網の目の中で、この国の人々はかつてないほど同調し、少しでも違和感が生じると断罪する。足音ひとつ立てないように歩かねばならない日本の静謐なディストピアは、いまや法制化されつつあります。
そんな抑圧を感じから、少し異端的なSFを作りたくなり、初顔合わせのクリエイティブスタッフの人々と出会いたくなったのかもしれません。いつもと違うことをすると、波紋や喧騒が生まれるのを期待して。」
「STORY-
遠い未来、太陽の活動が弱まったことからポルンカ(水星)へ熱と光を求めて脱出した一部の人類は、総統01の指導の元、国家や人種、言語、宗教など全ての「違い」をなくして皆が一つになり、あらゆる攻撃性を排除して平和な憎しみのない世界に生きることを目指していた。総統01は、個人の身体に埋め込めば地球と変わらず生活できる生命維持装置「へその緒」を発明し、装着した人間の精神を含むあらゆる活動データを政府のデータベース『ミンナ』に送ることで人類の全てを把握している。~」
総統01が目指したのは全体主義というべきか、共産主義というべきか。
よくぞこれを宝塚で舞台化したものよ。3月末赤坂ACTシアターでの初日を目前にしながら、最初の緊急事態宣言発出によりやむなく中止。自粛期間中、生徒さんたちのそれぞれの中で作品は熟成されていき、全員が自分の中から発せられる言葉として舞台に昇華させました。梅田芸術劇場初日のまかキキの涙涙がすべてを物語っていたことを思い出します。9月の日生劇場公演は、劇場の空間が物語の世界観をより深めて研ぎ澄まされた舞台となりました。
コロナ茶番劇という、武器を使わない戦争状態にある日本、一人でも多くの人に今見てほしい作品。
宙組『FLYING SAPA‐フライングサパ‐』‐梅田芸術劇場千穐楽LV
https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/18/51e2abc0ddf9defdb20629fb8aa00432.jpg
「ル・サンク」に残念ながら脚本が掲載されていないので、特に心を揺さぶられる場面、少し文字起こしできるかな・・・。
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2020年宙組『FLYING SAPA -フライング サパ-』、19日まで楽天TVにて配信中、660円。
8月11日の梅田芸術劇場千穐楽から2年が過ぎました。久しぶりに公演プログラムを読み返し、上田久美子先生の書かれている言葉が、コロナ茶番劇の終わりがみえない日本社会でより現実のものとなっていることに戦慄すらおぼえます。同調圧力は強まるばかり、社会の分断、人と人との間に溝は深まるばかり。なにもかも是非で真っ向対立して互いを貶め合っている日本。検討、検討、検討でなにも決まらずめたくそ状態、未来を託す子どもたちの命をリスクにさらして沈没寸前。
「この『FLYING SAPA 』の構想をしたのは今から十年前、iPhoneが出回り始めた頃のことです。誰かのすべての情報を一企業が参照できるなんて不気味すぎるし、私は関わるまいと思っていました。でも人々が嬉々としてスマホに切り替えていくのを見て、いずれそれなしには年金も受け取れないなんてことになるんじゃないかという不安が心をよぎり、スマホが社会的生命維持装置になることを予感した私は、抵抗も虚しく最新型iPhoneを手にしたのでした。
当時思いついた、無数の個人の情報が一つの巨大な中心に吸い込まれていくという今作のモチーフは、十年でありふれた現実となりました。」
「現代の日本社会は、静まりかえった水面のように見えます。一粒の小石が手から零れてもそのさざ波で沢山の船が沈没する、抑圧された世界です。でも水紋一つない水鏡の下では、人間の本性があいも変わらず渦巻いている・・・。
情報の網の目の中で、この国の人々はかつてないほど同調し、少しでも違和感が生じると断罪する。足音ひとつ立てないように歩かねばならない日本の静謐なディストピアは、いまや法制化されつつあります。
そんな抑圧を感じから、少し異端的なSFを作りたくなり、初顔合わせのクリエイティブスタッフの人々と出会いたくなったのかもしれません。いつもと違うことをすると、波紋や喧騒が生まれるのを期待して。」
「STORY-
遠い未来、太陽の活動が弱まったことからポルンカ(水星)へ熱と光を求めて脱出した一部の人類は、総統01の指導の元、国家や人種、言語、宗教など全ての「違い」をなくして皆が一つになり、あらゆる攻撃性を排除して平和な憎しみのない世界に生きることを目指していた。総統01は、個人の身体に埋め込めば地球と変わらず生活できる生命維持装置「へその緒」を発明し、装着した人間の精神を含むあらゆる活動データを政府のデータベース『ミンナ』に送ることで人類の全てを把握している。~」
総統01が目指したのは全体主義というべきか、共産主義というべきか。
よくぞこれを宝塚で舞台化したものよ。3月末赤坂ACTシアターでの初日を目前にしながら、最初の緊急事態宣言発出によりやむなく中止。自粛期間中、生徒さんたちのそれぞれの中で作品は熟成されていき、全員が自分の中から発せられる言葉として舞台に昇華させました。梅田芸術劇場初日のまかキキの涙涙がすべてを物語っていたことを思い出します。9月の日生劇場公演は、劇場の空間が物語の世界観をより深めて研ぎ澄まされた舞台となりました。
コロナ茶番劇という、武器を使わない戦争状態にある日本、一人でも多くの人に今見てほしい作品。
宙組『FLYING SAPA‐フライングサパ‐』‐梅田芸術劇場千穐楽LV
https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/18/51e2abc0ddf9defdb20629fb8aa00432.jpg
「ル・サンク」に残念ながら脚本が掲載されていないので、特に心を揺さぶられる場面、少し文字起こしできるかな・・・。