Meiji Seika ファルマ・小林社長 コスタイベで非科学的主張繰り返す2団体に法的措置へ 「看過できない」 | ニュース | ミクスOnline (mixonline.jp)
「Meiji Seika ファルマの小林大吉郎代表取締役社長は10月8日に開いた新型コロナの次世代mRNAワクチン・コスタイベのメディアイベントで、「mRNAワクチン中止を求める国民連合」と日本看護倫理学会の代表者らに対し法的措置を講じると表明した。コスタイベに代表されるレプリコンワクチンで非科学的な主張を繰り返し発信し、日本看護倫理学会は各大学の看護部に向けてコスタイベを使わないよう求める活動を行っていることが判明したため。小林社長は、「誤解があれば解きたいとのスタンスだったが、もはや看過できない」と述べた。
小林社長によると、今回法的措置をとるのは、mRNAワクチン中止を求める国民連合(以下、国民連合)代表の後藤均氏、副代表の村上康文氏及び我那覇真子氏、日本看護倫理学会理事長の前田樹海氏となる。
◎国民連合に警告書 期限までに回答得られず
Meiji Seikaは本誌取材に、これまでに国民連合に対し、コスタイベに関する非科学的な根拠に基づく一方的な内容や、Meiji Seikaに関する事実と異なる情報を動画サイトで繰り返し発信していることについて警告書を送付したことを明らかにした。ただ、Meiji Seikaが設定した期限までに、警告書に対する回答は得られなかったと説明した。
日本看護倫理学会に対しては、同学会が主張する「レプリコンワクチンにシェディング(=ワクチン接種者から非接種者への感染)の懸念がある」などの複数の項目について、科学的知見に基づく説明とともに該当箇所の削除を求める要請書を送付した。同学会もホームページ上で、「9月27日にはMeiji Seika ファルマ株式会社より要請書が送付されており、国民の命と健康を守る同じ立場として、建設的な対話を通じた対応策を理事会で審議中」との考えを示していた。
なお、小林社長がこの日に示した法的措置の具体的な内容は明らかになっていない。
◎コスタイベの接種予約開始した医療機関に苦情電話や”星”1つ 「破壊活動に毅然と立ち向かう」
小林社長は9月25日にもコスタイベに関する記者会見を開き、コスタイベについて非科学的な主張を繰り返す医学・薬学の専門家(団体・個人)に対し、「民事刑事両面での法的措置を含め厳正に対処していく」と話していた(記事はこちら)。コスタイベの非科学的な主張の代表例は、「投与後にmRNAワクチンが増殖し続ける」、「シェディングの懸念や可能性がある」といったものだが、Meiji Seikaや厚労省はこれらの主張・情報を否定している。
この日のメディアイベントで小林社長は、「9月25日以降、確証バイアスのかかった一部の意見ではなく、専門家からの科学的根拠に基づいた報道が増加。厚労省や関係学会からも正確な情報発信が開始された」とし、「非科学的な情報を否定し、安全性・有効性について言及」されているとの認識を示した。日本感染症学会、日本呼吸器学会、日本ワクチン協会の3学会合同の正式見解が一両日中に公開されることも明かし、10月からの定期接種で使用されるコスタイベを含む5つのワクチンについて、安全性に差はない旨の見解が示される見通しだと語った。
その一方で、小林社長は、コスタイベの予約受付を開始した医療機関へ電話やSNSを通じた誹謗中傷や脅迫が相次ぎ、診療継続が困難となる事態が発生したり、この医療機関の口コミ評価で星1つが大量にアップされるといった「業務妨害行為」が起こっていることも指摘した。コスタイベの予約受付を一旦中止する医療機関もあるという。
その上で、「これらはもう破壊行為。反ワク派(=反ワクチン派)の言動とは全く関係ない。こういうことが平然と行われていることに、コスタイベの製造販売元として看過できない」と強調。「破壊活動には毅然と立ち向かわないといけない。日本の公衆衛生における正確な情報提供の土台が崩れると危機感をもっている」とし、業務妨害行為に加担した人に対しても「製造販売を持つ会社としてきちっと対処していく」と述べた。
また、「非科学的な情報が蔓延することで、本来接種すべき人にワクチンが届かないことは、わが国の公衆衛生上の脅威だ」と改めて訴え、「関係省庁と連携して医療従事者や一般の方に正しい情報が届くように力を尽くしたい」と語った。
◎小林社長 製品化されたコスタイベを接種した人類初の人間に
小林社長はこの日のメディアイベントの前に、都内の医療機関でコスタイベを接種したことを明かした。製品化されたコスタイベを接種した人類初の人間が「どうやら私らしい」とし、「全く痛みはなかった。気分の違いという人もいるかもしれないが、非常に接種が簡単に済んだ」と感想を述べた。
コスタイベは次世代の自己増幅型mRNAワクチン。「レプリコンワクチン」とも呼ばれるもので、接種後の抗原タンパクをコードするmRNAが細胞内で複製され、持続的に抗原タンパクがつくられる。接種量が少なく、ワクチンの効果が長く持続することが期待されている。小林社長は「年1回の定期接種に向いているプロファイルを有するワクチンだ」と改めて紹介した。」