たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

旅の思い出写真_ローザンヌからパリへ

2017年06月04日 19時07分22秒 | ドイツロマンティック街道とスイスアルプス
 2007年10月25日(木)、日本を出発して6日目。スイスのジュネーヴ、エリザベートが人生の終焉を迎えたレマン湖のほとりを経て、ローザンヌ発パリ行きのTGV(Train a Grande Vitesse高速列車)にて3時間半ほどの鉄道の旅。ドイツのライン川からスタートした旅の思い出はようやく終わりへと近づいてきました。パリではルーヴル美術館で「モナ・リザ」と出会った時の感動を書きたいのですがその前にフランスの新幹線TGVのお写真を。

 昨今はデジカメで撮影した、解像度の高い写真がウィキペディアなどにどっさりあって、こんな写真珍しくもなんともないですが、わたしにとっては10年前国家試験に合格したご褒美にやっとの思いで有給休暇をとって出かけた贅沢な6泊8日のヨーロッパへの旅の思い出の一頁。気がつけば10年の歳月が流れ、運とタイミングで資格を生かして仕事をする入口に立つことができているわたし自身のための、これもある意味断捨離。この旅に出発できるまでが長くって長くってがむしゃらでした。時差12時間、日本を真逆なので現実を大いに忘れることができました。苦しくって苦しくって仕方なかった会社げの現実を忘れることができました。やっとたどり着いた旅の時間。車窓からの景色がきれいで幸せでした。

 車中では、わたしボックスで一人でした。ツアーに一人参加していたのがわたしだけで他の方々は二人連れがほとんどだったのでそうなりました。ちょっとさびしんぼうでしたがおかげで車窓を流れていくフランスの田舎の景色をゆっくりと味わうことができました。お昼に日本のお弁当が出ました。ツアーでご一緒だった方々が時々話しかけてくれたりもして嬉しかったです。会社の二人労働のストレスで疲弊しきっていたわたしには一つ一つ小さなことが沁みました、ほんとに。

 車内は日本のようなアナウンスは一切なく、大都会パリへと向かう平日のお昼間、ひたすらパソコンに向かうビジネスマンが多くて静かでした。添乗員さんに一番気をつけるようにと何度も案内があったのがスリが多いということ。そう言っている添乗員さんが、お手洗いで席を立つ時ノートパソコンを置きっぱなしにしていくので心配しました。わたしたちツアー客がみていたので盗まれることはありませんでしたけどね。

 パリへ到着して列車を降りると、途端に喧噪の渦にのまれました。すぐにスリが忘れ物をあさって車両から車両へとわたるので忘れ物があるなら今すぐですよ、と言われました。ツアー客であるわたしたちの、トランクなど大きな荷物はカートで列車からバスへと運ばれていこうとしていました。わたしはトランクと一緒に大きな手提げかばんを預けたのですが、わたしたちの世話をするために現れた現地の日本人係員に、こんなの簡単に引き抜かれますから手持ちしてくださいと注意を受けました。ホテルに到着したわたしたちツアー一行は、のんびりとした田舎から久しぶりに大都会にやってきたおのぼりさんのような気分でした。緊張感を強いられる大都会パリの喧噪についていくことができなくて、びっくり状態でした。

 そういえば日本人向けの現地ツアーを企画する旅行代理店のガラス扉に、ここからバスに乗る間に荷物をひったくられることがあるので注意するようにという内容の張り紙がありました。なんだかんだいっても日本はまだまだ安全。カナダのプリンス・エドワード島もわたしのような英語がおぼつかないものが一人でひょこひょこ行けたのだから安全かな。旅に出たらツアーであってもリスクを意識して自分の身は自分で守る気構えが大切なのだとあらためて思いました。何があるかわかりません。日本にいるのと同じようなつもりでいると大変なことになるという意識は大切。パリ市内を歩くとき、バッグは必ず斜めがけ。「見かけなんか気にしないでください。パリの人もみんなそうですから。」現地係員の方の注意で目が覚めました。






ホテルへと向かうバスの中から撮影したパリ市内。
マリー・アントワネットが最期を迎えた場所は今は観覧車がある所だという説明でした。