【主張②・09.27】:出直し知事選へ 兵庫県民の判断問われる
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【主張②・09.27】:出直し知事選へ 兵庫県民の判断問われる
兵庫県議会で不信任が全会一致で決議された斎藤元彦知事は、30日付で自動失職した上で出直し知事選挙に立候補する意向を明らかにした。
斎藤氏は26日の記者会見でパワハラ疑惑などが文書で告発された問題について「反省したい」と述べる一方、「改革を止めるわけにはいかない。自らの信を問うのが大事だ」と説明した。
会見に臨む斎藤元彦兵庫県知事=26日、神戸市中央区の兵庫県庁
内部告発から約半年間、混乱が続く県政を見守ることしかできなかった県民が、ようやく意思を示すことができる。有権者は県政の推進にふさわしいリーダーをしっかりと見極め、投票してほしい。
斎藤氏には不信任が決議された19日から10日以内に県議会を解散するか、辞職・失職する選択肢があった。議会解散を選んでも、改選後初の議会で再び不信任決議があれば失職することになる。辞職して再選した場合の任期は、今の任期である来年7月末までだが、失職して再選すれば4年間となる。
問題の発端は、幹部職員だった男性が3月に、斎藤氏のパワハラなど7項目の疑惑を告発する文書を報道機関や県議に送ったことだった。男性は4月、県の公益通報窓口にも通報したが、県は調査結果を待たずに懲戒処分にし、男性は7月に死亡した。自殺とみられる。
斎藤氏はすべての疑惑を否定し、職員の処分も「適切だった」と主張してきた。
斎藤氏に辞職を求めた以上、前回知事選で斎藤氏を推薦した自民党や日本維新の会を含め、政党側には県政の立て直しと信頼回復を託すにふさわしい候補者を擁立する責任がある。
一方、疑惑の解明はまだ途上だ。県議会の調査特別委員会(百条委)は、斎藤氏が失職しても続行できる。県が設置した弁護士による第三者調査委員会の調査も始まったばかりだ。
元稿:産経新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【主張】 2024年09月27日 05:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます