【政界地獄耳・08.30】：世襲禁止を言い出した野田佳彦も「年齢」には…

【政界地獄耳・08.30】：世襲禁止を言い出した野田佳彦も「年齢」には…

　『漂流する日本の羅針盤を目指して』：【政界地獄耳・08.30】：世襲禁止を言い出した野田佳彦も「年齢」には…　

　★立憲民主党の代表選に元首相・野田佳彦が「もう1度総理大臣を目指す」と出馬表明した。その中で野田は自民党との差別化を図るためか、世襲制の禁止を言い出した。「1つは政治資金を相続できないような法案をもう1回出す。それで政治資金を通じて世襲にしようという意図がなくなることはひとつだが、本質的には公職選挙法を改正して、同一選挙区から3親等以内の人たちが連続して出られないようにするということが必要。ただ、これは憲法の問題に絡んでくる。自民党はできるのかという改革競争をやるというのはひとつの手だ」。

　★12年に党首討論で論戦した元首相・安倍晋三、今回の自民党総裁選に出馬する元環境相・小泉進次郎、デジタル相・河野太郎（父親とは選挙区が違う）も世襲議員だ。この改革合戦は実現した方が勝ちになることを考えれば、立憲の代表選挙をやりながら、自民党を攻撃することができる。なかなかいい知恵だ。立憲の元消費者相・荒井聡の息子・優らが党内の世襲議員と言える。

　★だが、野田も踏み込めない改革がある。立候補の年齢制限だ。自民党は27日、来年夏の参院選の第2次公認候補を発表。その中に比例候補として前参院議長・山東昭子の名前がある。山東は82歳。来年再選され任期を全うすれば89歳ということになる。自民党の内規では参院比例候補に関し、任期満了時点で70歳以上でも「総裁が国家的有為な人材と認めた者」は公認できるという特例がある。一方、衆院は73歳以上は比例で重複立候補ができず、小選挙区で勝たなければ議席を持てない。自民党のルールを当てはめると立憲では現在、小沢一郎、中村喜四郎、海江田万里が小選挙区との重複立候補で比例当選組だ。さらに小沢、中村は自民党時代に世襲議員となっている。「自民党よりルールが甘い年齢問題などに着手するなら野田の改革案は立派なものだが、中途半端ではご都合主義と言われる。まあまあの改革はない」（立憲若手議員）。（K）※敬称略

　◆政界地獄耳

　政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。（文中は敬称略）

　元稿：日刊スポーツ社　主要ニュース　社会　【コラム・政界地獄耳】　 ２０２４年０８月３０日 　０８：００：００ 　これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。