路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【大阪・関西万博】:「万博中のIR工事中断を」 万博協会が大阪府・市に要求 騒音など懸念

2024-08-03 13:53:30 | 【政策・閣議決定・愚策、マイナカード・2025大阪万博、公権力の暴力他】

【大阪・関西万博】:「万博中のIR工事中断を」 万博協会が大阪府・市に要求 騒音など懸念

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【大阪・関西万博】:「万博中のIR工事中断を」 万博協会が大阪府・市に要求 騒音など懸念

 2025年大阪・関西万博(4月13日~10月13日)の会場となる大阪市の人工島・夢洲(ゆめしま)で、30年秋ごろの開業を目指すカジノを含む統合型リゾート(IR)について、万博を運営する日本国際博覧会協会(万博協会)が会期中の建設工事を見合わせるよう大阪府の吉村洋文知事に求めていたことが3日、分かった。複数の関係者が取材に明らかにした。

建設中の大阪・関西万博会場とIR予定地=大阪市此花区の夢洲で2023年10月4日、本社ヘリから滝川大貴撮影

 政府は23年4月、国内で初めて大阪府・市のIR整備計画を認定。万博会場に隣接する約49万平方メートルの敷地にカジノや三つのホテル、国際会議場などを整備する計画で、米MGMリゾーツ・インターナショナルの日本法人やオリックスなどが出資する大阪IR株式会社が同年9月、府と実施協定を結んだ。

 元稿:毎日新聞社 主要ニュース 社会 【話題・大阪・関西万博】  2024年08月03日  13:53:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【兵庫県】:斎藤元彦知事の証人尋問、30日に…パワハラ疑惑で百条委

2024-08-03 07:55:10 | 【地方自治・都道府県市町村・地方議会・議員年金・デジタル田園構想・地方地盤沈下】

【兵庫県】:斎藤元彦知事の証人尋問、30日に…パワハラ疑惑で百条委

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【兵庫県】:斎藤元彦知事の証人尋問、30日に…パワハラ疑惑で百条委

 兵庫県の斎藤元彦知事がパワハラなどの疑惑を内部告発された問題を巡り、県議会の百条委員会は2日の会合で、斎藤知事の証人尋問を30日に行うことを決めた。斎藤知事はこの日、県庁で記者団に「しっかり対応させていただきたい」と述べた。

<button class="sc-1gjvus9-0 cZwVg" data-cl-params="_cl_vmodule:detail;_cl_link:zoom;" data-cl_cl_index="26"></button><button class="sc-1gjvus9-0 cZwVg" data-cl-params="_cl_vmodule:detail;_cl_link:zoom;" data-cl_cl_index="26">兵庫県</button>
                        兵庫県

 ■ 【写真】記者会見で厳しい表情を見せる斎藤知事(24日、兵庫県庁で)

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【鹿児島県警】:一連の不祥事「倫理観欠如」「縦割り意識」など原因、再発防止策 警察庁の監察も終了

2024-08-03 06:45:30 | 【警視庁・警察庁・都道府県警察本部・警察署・刑事・警察官・警部・監察官室・...

【鹿児島県警】:一連の不祥事「倫理観欠如」「縦割り意識」など原因、再発防止策 警察庁の監察も終了

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【鹿児島県警】:一連の不祥事「倫理観欠如」「縦割り意識」など原因、再発防止策 警察庁の監察も終了

 鹿児島県警は2日、前生活安全部長や現職警察官の逮捕など、一連の不祥事に関し、職員の倫理観や個人情報保護への認識の欠如、幹部の指揮や業務管理の不十分、組織内の縦割り意識の強さ、本部から署を支援する意識の希薄さなどが原因とする分析結果を公表した。警部補以下が本部長に直接提言する「改革推進研究会」の設置を核とした再発防止策も示した。

記者会見で、厳しい表情を見せる鹿児島県警の野川明輝本部長=2日午後、県警本部

記者会見で、厳しい表情を見せる鹿児島県警の野川明輝本部長=2日午後、県警本部

 野川明輝本部長は同日、記者会見を開き「県民のみなさまから県警は変わったと思われるよう、さまざまな対策を推進していく」と述べた。警察庁が、6月24日から続けていた県警に対する特別監察が今月2日付で終了したことも明らかにした。

 新設する研究会は本部の全部署と全署に置き、警部補以下の有志者が参加。組織運営上の課題を自由に設定し、本部長に直接報告や提言をする。本部長と各部長、首席監察官で構成する「改革推進委員会」は、必要に応じて外部の専門家らの意見も取り入れ、課題解決を図る。部下が匿名で警部以上の幹部を評価し、集計結果を幹部自身に通知する制度も導入する。

 元稿:産経新聞社 産経WEST 主要ニュース 社会 【事件・疑惑・鹿児島県警は2日、前生活安全部長や現職警察官の逮捕など、一連の不祥事に関する問題】  2024年08月03日  00:19:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【鹿児島県】:県警の再発防止策 識者、組織に浸透「簡単ではない」

2024-08-03 06:45:20 | 【警視庁・警察庁・都道府県警察本部・警察署・刑事・警察官・警部・監察官室・...

【鹿児島県】:県警の再発防止策 識者、組織に浸透「簡単ではない」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【鹿児島県】:県警の再発防止策 識者、組織に浸透「簡単ではない」

 不祥事が相次いだ鹿児島県警がまとめた再発防止策について、元警察官僚の田村正博・京都産業大教授(警察行政法)は、新たな施策を組織に根付かせる重要性を指摘した。

 再発防止策について説明する野川明輝・鹿児島県警本部長=鹿児島市の鹿児島県警本部で2024年8月2日午後4時3分、佐藤緑平撮影

 部下の意見を本部長に直接伝える「改革推進研究会(仮称)」については、「縦の指揮系統を重んじる警察組織では、これまで聞いたことがなく画期的」と評価。上司が部下から匿名で評価を受ける制度も「踏み込んだ対策」とし、「警察組織が常にいきいきしたものになるようなモデルケースになってほしい」と期待した。

 ただ田村氏は、これらの新たな施策に取り組む意識を組織に浸透させるのは「簡単ではないだろう」とみる。実現のためには「本部長や県警幹部はもちろんのこと、県警を指導・監督する立場の県公安委員会が再発防止の取り組みを現場で継続させていく必要がある」と指摘した。

 一方で、警察庁は今後、再発防止策が県警で適切に実施されているか随時フォローアップするという。【山崎征克】

 元稿:毎日新聞社 主要ニュース 社会 【疑惑・相次ぐ不祥事を理由に警察庁の特別監察を受けていた鹿児島県警】  2024年08月02日  20:56:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【鹿児島県】:不祥事続発の県警が再発防止策 現場の声を集約、本部長へ

2024-08-03 06:45:10 | 【警視庁・警察庁・都道府県警察本部・警察署・刑事・警察官・警部・監察官室・...

【鹿児島県】:不祥事続発の県警が再発防止策 現場の声を集約、本部長へ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【鹿児島県】:不祥事続発の県警が再発防止策 現場の声を集約、本部長へ

 相次ぐ不祥事を理由に警察庁の特別監察を受けていた鹿児島県警は2日、再発防止策を発表した。全部署に警部補以下でつくる「改革推進研究会(仮称)」を設けて現場の声を集約し、本部長に直接届ける恒常的な仕組みをつくる。人事面では幹部候補職員を中心に勤務が特定の部門や地域に偏らないように調整し、組織内の連携強化を図る。<button class="sc-1gjvus9-0 cZwVg" data-cl-params="_cl_vmodule:detail;_cl_link:zoom;" data-cl_cl_index="26"></button><button class="sc-1gjvus9-0 cZwVg" data-cl-params="_cl_vmodule:detail;_cl_link:zoom;" data-cl_cl_index="26">鹿児島県警を巡る不祥事</button>

                  鹿児島県警を巡る不祥事(毎日新聞)

 ■【写真】保釈された鹿児島県警の前生活安全部長  

 県警では2023年3月以降、捜査資料漏えいや盗撮などの疑いで現職の警察官5人が逮捕された。24年5月には、在職時に得た内部文書を退職後に外部に漏えいしたとして、前生活安全部長(60)が国家公務員法(守秘義務)違反容疑で逮捕される事件も起きた。  

 警察庁は6月から首席監察官らを派遣し、特別監察を開始。それを受け、県警は幹部への聞き取りや全職員へのアンケートを実施し、職員の職責・倫理観の欠如▽個人情報の重要性に関する認識の欠如▽幹部の指揮や組織的対処の不足――などが不祥事の背景にあったと分析したという。  

 再発防止策はこうした反省を踏まえたもので、中でも対策の目玉となる研究会は、県警本部の各部署と各警察署に設置する。警部補以下の職員が自由に議論して出た組織に対する意見などを、トップの本部長に直接提言できるようにする。提言は県公安委員会にも報告して指導を受けることで透明性も確保するという。本部長と各部長ら幹部で構成する「改革推進委員会」も設置し、再発防止に向けた取り組みの進捗(しんちょく)状況などをチェックする。  

 また、一部の県警職員が一定の地域や部門の中だけで人事異動を繰り返すなど偏りがあったことも問題視。横断的に人員を動かすように改め、組織の風通しを良くすることで活性化を図る。警部以上の幹部を部下が匿名で評価し、結果を本人に伝えることで対応力の向上を目指す取り組みも導入するという。その他、情報漏えいや悪用を防ぐために個人情報の不正照会を防ぐチェック機能の強化や、所轄署からの相談を受け付ける窓口の設置なども対策に盛り込んだ。  

 県警本部で記者会見した野川明輝(あきてる)本部長は「指揮統率が不十分だった」と謝罪し「県民の信頼を回復するため、県警一丸となって再発防止に取り組む」と述べた。  

 一方、警察庁は2日に県警に対する特別監察を終了したと発表した。今後は各都道府県警の本部長の研修を拡充するなどし、指揮統率の強化を図るという。【取違剛、佐藤緑平】

 【関連記事】

 元稿:毎日新聞社 主要ニュース 社会 【疑惑・相次ぐ不祥事を理由に警察庁の特別監察を受けていた鹿児島県警】  2024年08月02日  14:55:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER・2024.06.27】:【速報】:いわしげ仁子鹿児島県議が強制性交事件の被害者を「ハニトラ」と誹謗中傷

2024-08-03 06:37:20 | 【魂の殺人と呼ばれ、繰り返される性暴力の現状・ジャニーズ事務所が抱える性加害の闇

【HUNTER・2024.06.27】:【速報】:いわしげ仁子鹿児島県議が強制性交事件の被害者を「ハニトラ」と誹謗中傷

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・2024.06.27】:【速報】:いわしげ仁子鹿児島県議が強制性交事件の被害者を「ハニトラ」と誹謗中傷 

 議員バッジをつけた女性が、性犯罪被害を訴えている女性の人権や名誉を踏みにじった。

 鹿児島県議会のいわしげ仁子県議会議員(鹿児島市・鹿児島郡区。当選3回)が、2021年に起きた強制性交事件のことを「ハニトラ(=ハニートラップ)」だと決めつけ、被害を訴えている女性を誹謗中傷していることが分かった。複数の県議会、医師会、報道関係者がいわしげ氏のハニトラ発言を聞いたと証言しており、新たな人権問題に発展しそうだ。

                  ◆   ◆   ◆

 問題の強制性交事件が起きたのは2021年9月。県が設置した新型コロナウイルスの療養施設内で、鹿児島県医師会の男性職員(22年10月に退職)が、女性スタッフに対し強制性交に及んだとされる。

 ハンターは、県医師会の池田琢哉会長や同会幹部らが、性被害を訴えている女性から聞き取り調査もせぬまま「合意に基づく性行為」だったと吹聴したことを受けて取材を開始。22年から、県医師会の人権を無視した所業と、鹿児島県警による不当捜査の実態を、証拠を示して詳しく報じてきた。現在、大きな社会問題となっている鹿児島県警による警官不祥事の隠蔽問題は、この強制性交事件が発端である。

 複数の県議会議員や医師会関係者の証言によれば、いわしげ県議は強制性交事件のことを「ハニトラだったのよ」と一方的に攻撃。被害女性をハニトラの実行者と決めつけ、「合意に基づく性行為」と主張する県医師会の正当性を訴えているという。いわしげ氏は、報道関係者にも同様の話を行っており、事件の実相を歪めようとする意図は明白だ。

 被害を訴えている女性側に確認したところ、女性はいわしげ氏と会ったことも話したこともなく、同氏から事件のことについて問い合わせを受けたことさえないと話している。一方的な誹謗中傷であることは確実だが、公人の発言は広がるもの。すでに、何人もの県議会関係者が“いわしげ発言”を知る状況となっている。性犯罪被害を受けて苦しむ女性を、女性の県議が貶めるという信じ難い事態。24日、被害女性への攻撃を続けてきたいわしげ氏に、ハンターの記者が以下の通り事実確認した。剝き出しの敵意の真意は……。

――2021年に鹿児島県医師会の男性職員が起こした強制性交事件を「ハニトラ」と決めつけ、県議会関係者や医療関係者、さらには報道関係者にまで吹聴していると聞いた。事実か?
いわしげ:私は聞いた話を伝えただけです。らしいよ、ということで。

――ハニトラらしいよ、ということか?
いわしげ:そうですね。

――根拠は?
いわしげ:それは裁判記録を見たから。

――誰から見せてもらった裁判記録か?
いわしげ:それは、裁判で争っている方から。

――つまり、加害者とされる側からということか?
いわしげ:そうですね。

――あなたは、被害を訴えている女性から、直接話を聞いたことがあるのか?
いわしげ:ありませんねぇ。

――加害者側からの話を、一方的に県議会関係者や報道関係者などに流すのは単なる誹謗中傷ではないのか?
いわしげ:そうでしょうねぇ。

――性被害を訴えている人への二次、三次被害になるとは思わないのか?
いわしげ:そうでしょうねぇ。

――私の指摘は間違いか?
いわしげ:間違いじゃないんでしょうね。

――そうした誹謗中傷は止めるべきではないか?
いわしげ:そうですね。

 このやり取りの後、再度の電話取材でいわしげ氏は、“誰から裁判記録を見せられたのか?”という記者の問いに対し、「それは裁判記録というか、裁判の資料を作った人の方から見せてもらった」と説明。さらに、“裁判記録や資料に『ハニトラ』と書いてあったのか?”という質問に対しては、「今までの言われているような事実ではなく、レイプとかそういうことではないんだよ、ということを言おうとしてハニトラと言った。私の経験不足でした」と釈明した。

 残念ながら、いわしげ氏の話には一貫性がない。ハニトラ発言について、当初は「聞いた話を伝えただけ」、それが「裁判記録を見て」に変わり、最後は「私の経験不足」――。刑事事件になった事案を、確実な根拠もなく、一方的に「ハニトラ」だと吹聴したということだ。無責任というしかない。

 反省する様子は皆無。苦しむ女性に手を差しのべるどころか、誹謗中傷を繰り返してこれでもかと貶めるいわしげ氏――。公人としての資格が問われているのは言うまでもない。下はいわしげ県議のホームページの画面だが、本当に「みんなの『声』」を活かしているとは思えない。活かしているのは「医師会の声」だろう。

 ところで、いわしげ氏が見たという裁判資料だが、どこで見たのか?その点について、いわしげ氏は「弁護士さんに出された裁判資料を作成された方々」から見せられたと言う。そうなると、情報提供者は、加害者とされた医師会の元職員か当該事案を調査した県医師会の関係者ということになる。“医師会の関係者から、ということでいいか”と念を押したところ、「はい、はい」という返事だった。いわしげ氏は、「ハニトラの証拠の出どころは?」と聞いた知人に対しても、県医師会の役員を務めている医師であることを示唆している。

 結局、いわしげ県議の言動は、県医師会が主張してきた「合意の上での性行為」を広めるためのもの。こうなると、まるで県医師会の政界スポークスマンだ。この女性県議、県議会で、ある民間病院の救急救命センター指定を猛烈に批判していたが、これも既得権維持に汲々とする県医師会の言い分を代弁しただけの残念な主張だった。

 ちなみに、県医師会は今日、午後7時半から医師会館で記者会見を開き、強制性交事件に関する見解を表明するという。説明者は、池田琢哉前会長と共に、事件は強制性交ではなく合意に基づく性行為だったと主張してきた大西浩之副会長と立元千帆常任理事。まさか謝罪会見ではなかろうが……。(中願寺純則)

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【疑惑・2021年9月に新型コロナウイルス感染者の療養施設内で起きた強制性交事件で被害を受けたと訴えてきた女性からの、告訴状を受理しながら、鹿児島県警の捜査がまったく行われていなかった問題】  2024年06月27日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER2023.06.12】:鹿児島県医師会職員強制性交事件「検察官送致」の背景|問われる医師会と県警の責任

2024-08-03 06:37:10 | 【魂の殺人と呼ばれ、繰り返される性暴力の現状・ジャニーズ事務所が抱える性加害の闇

【HUNTER2023.06.12】:鹿児島県医師会職員強制性交事件「検察官送致」の背景|問われる医師会と県警の責任

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER2023.06.12】:鹿児島県医師会職員強制性交事件「検察官送致」の背景|問われる医師会と県警の責任 

 新型コロナウイルス感染者の療養施設に派遣されていた鹿児島県医師会の男性職員(昨年10月に退職。以下「被疑者」)が強制性交の疑いが持たれる行為に及んでいた問題で、鹿児島県警鹿児島中央署が9日、被疑者を強制性交の疑いで鹿児島地方検察庁に事件送致(送検)。「合意はなかった」として告訴状を提出していた被害女性の訴えが、ようやく実った。

 事件が表面化する前の段階で県に対し「強姦と言えるのか疑問」「警察が事件性はないと言っている」などと主張、でっち上げの調査報告書を知事あてに提出した日の記者会見では、県民に向かって「合意に基づく性行為」と断言した池田会長と顧問弁護士の人権無視の暴走行為が、厳しく問われる事態となった。

 ■遅れた送検、被疑者の父親は現職警部補

 事件化されたのは、2021年夏頃、被疑者が新型コロナ療養施設に派遣されていた女性看護師を職務にかこつけて自室に連れ込み、複数回にわたって強制性交に及んだとされる件。告訴状提出から1年半経って、ようやく事件送致が実現した。

 鹿児島県警鹿児島中央署は、昨年1月に告訴状を持参した被害女性の訴えを門前払い。女性の弁護人が強く抗議したため告訴状を受理したが、のらりくらりの対応で事件送致を遅らせていた。

 この間、県医師会の池田琢哉会長と同会顧問の新倉哲朗弁護士(和田久法律事務所)が記者会見で、被害女性の人権を無視して「合意の上での性行為だった」と断定。警察・検察の結論を待たずに事件捜査の素人が結論を出したことに対し、県はもちろん医師会内部からも疑問視する声が上がっていた。

 事件送致を渋る県警の姿勢に批判が強まる中、今年3月8日に参議院予算委委員会で、5月25日には内閣委員会で、立憲民主党の塩村あやか議員が国を追及。この質疑の中で警察庁刑事局長は、「(性被害の)要件が整っていればこれを受理し、速やかに捜査を遂げて検察庁に送付する」としたうえで、「被害者の立場に立って対応すべきで、その際は、警察が被害届の受理を渋っているのではないかと受け取られることのないよう、被害者の心情に沿って対応するよう指導している」と答弁。事件送致の遅れが、鹿児島県警内部の問題であるとの認識を示していた。

 さらに先月、事件発覚前の段階で、被疑者とともに「警察に相談」(池田医師会長の県への説明)して「事件性なし」(同)との見解を引き出したとされていた元男性職員の父親の「元警察官」(同)が、再任用され鹿児島中央署に在籍していたことが判明。被疑者の父親が、一定の捜査権限を有する警部補=司法警察員だったことも明らかとなり、事件の“もみ消し”を図った疑いが浮上した。

 ■県警本部の異常な対応

 ハンターの記者は今月5日、県警本部を訪問。被疑者の父親の警部補が息子が起こした事件に不当介入したこと、さらには県警がこうした事実を知りながら組織ぐるみで事件送致を遅らせた形になっていることについて「監察対象」であるとして監察官への面会を求めた。

 受付では記者であることは告げず、「警官の不適切行為について監察官に話をしたい」と申し入れていたにもかかわらず、「記者の方ですか?」と言いながら出てきたのは何故か「広報」を名乗る職員。記者の抗議を受けて次に出てきたのは「総務部総務課」の警部と警部補で、話を聞き置くというふざけた対応だった。監察官は、面会を求めたのがハンターの記者と知って、この不祥事についての言質を取られることを嫌ったものとみられる。

 『犯罪捜査規範』は、捜査の基本として《捜査を行うに当っては、個人の基本的人権を尊重し、かつ、公正誠実に捜査の権限を行使しなければならない》(第2条)と規定。第14条の『捜査の回避』という条文には《警察官は、被疑者、被害者その他事件の関係者と親族その他特別の関係にあるため、その捜査について疑念をいだかれるおそれのあるときは、上司の許可を得て、その捜査を回避しなければならない》とあるが、息子大事の現職警部補と中央署の公正を欠く行為によって被害女性の「基本的人権」は無視され、事実上「捜査の回避」も行われていなかった。

 ちなみに警察が事件送致するにあたって付す意見は、起訴を求める「厳重処分」、検察官に判断を委ねる「相当処分」、事実上起訴猶予を求める「寛大処分」、嫌疑や証拠が不十分とみなされる場合の「しかるべき処分」の4段階。ある警察関係者は、次のように鹿児島県警を突き放す。

 「警察庁から催促され、さらには被疑者の身内が捜査に関与したことがバレた手前、あわてて送検はした。だが、“厳重処分”を求めるとは思えない。警察官の身内が強制性交で起訴されて有罪にでもなれば、これまでの捜査姿勢が糾弾されるのが必至。被害者を門前払いにしたのが『もみ消し作戦A』だとすれば、その失敗を受けての『作戦B』は、処分意見を「寛大処分」か「しかるべき処分」にすることだろう。だが、検察は警察の風下に立つことを嫌うため、処分意見を無視する場合も少なくない。これまで提出されていなった証拠が出たり、報道が増えたりすれば、簡単に不起訴とはいえなくなる」

 ■池田医師会長への辞任勧告

 県医師会の池田会長は、県の担当課に対する説明や医師会内部の会議で「合意の上での性行為」という自説を再三披露。医師会内部の調査委員会が、いいようにでっち上げた調査報告書を県に提出した日の記者会見では、医師会顧問の新倉哲朗弁護士とともに「合意の上での性行為」だったと断定し、被害女性に二重の苦しみを与える形となっていた。

 医師会側の一連の主張は、すべて捜査が始まる前に発せられたもの。『合意に基づく性行為』を連発した県医師会の会長や幹部、さらには顧問弁護士の主張が、ここに来て否定された形となったのは確かだ。被疑者を庇うことで自分たちの保身を図ったのだろうが、性暴力をうけた女性の苦しみや人権を無視した、人として最低の暴走行為だったと言われても仕方があるまい。県医師会における『池田体制』の継続を狙って事実をねじ曲げた責任は、池田氏が会長職を辞任してとるべきだろう。(中願寺純則)

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【社会ニュース・新型コロナウイルス感染者の療養施設に派遣されていた鹿児島県医師会の男性職員(昨年10月に退職。以下「被疑者」)が強制性交の疑いが持たれる行為に及んでいた問題】  2023年06月12日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER2023.06.09】:【速報】:鹿児島県警が県医師会元職員を強制性交の疑いで事件送致

2024-08-03 06:37:00 | 【魂の殺人と呼ばれ、繰り返される性暴力の現状・ジャニーズ事務所が抱える性加害の闇

【HUNTER2023.06.09】:【速報】:鹿児島県警が県医師会元職員を強制性交の疑いで事件送

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER2023.06.09】:【速報】:鹿児島県警が県医師会元職員を強制性交の疑いで事件送

 新型コロナウイルス感染者の療養施設に派遣されていた鹿児島県医師会(池田琢哉会長)の男性職員(昨年10月に退職。以下「被疑者」)が強制性交の疑いが持たれる行為に及んでいた問題で、鹿児島県警鹿児島中央署が9日、被疑者を強制性交の疑いで鹿児島地方検察庁に事件送致(送検)したことが分かった。

 事件化されたのは、2021年夏頃、被疑者が新型コロナ療養施設に派遣されていた女性看護師を職務にかこつけて自室に連れ込み、複数回にわたって強制性交に及んだとされる件。告訴状提出から1年半経って、ようやく事件送致が実現した。この問題については、週明け12日の配信記事で詳細を報じる。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【社会ニュース・新型コロナウイルス感染者の療養施設に派遣されていた鹿児島県医師会(池田琢哉会長)の男性職員(昨年10月に退職。以下「被疑者」)が強制性交の疑いが持たれる行為に及んでいた問題】  2023年06月09日  18:14:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER2023.06.02】:新型コロナ対策巡る強制性交事件、訴えられた男性職員の父親は「警部補」|捜査介入でもみ消し画策の可能性

2024-08-03 06:36:50 | 【魂の殺人と呼ばれ、繰り返される性暴力の現状・ジャニーズ事務所が抱える性加害の闇

【HUNTER2023.06.02】:新型コロナ対策巡る強制性交事件、訴えられた男性職員の父親は「警部補」|捜査介入でもみ消し画策の可能性

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER2023.06.02】:新型コロナ対策巡る強制性交事件、訴えられた男性職員の父親は「警部補」|捜査介入でもみ消し画策の可能性 

 新型コロナウイルスの療養施設で、鹿児島県医師会(池田琢哉会長)の男性職員(昨年10月に退職。以下「男性職員」)が女性看護師に対し複数回の強制性交に及んだとして刑事告訴されている問題で、告訴状を受理した鹿児島県警鹿児島中央警察署の現職警官だったことが分かっている男性職員の父親の階級が、捜査上の強い権限を有する「司法警察員」たる「警部補」だったことが分かった。

 ハンターが県に情報公開請求して入手した「県医師会池田会長の来庁結果について」(*下の画像)と題する文書によれば、医師会の池田会長は、鹿児島県の担当部局に対し男性職員とその父親が早い時期に「警察に相談した」と明言しており、強力な捜査権を持つ幹部警察官が事件に介入したことは確か。司法警察員として事件の初動にブレーキをかけ、息子のために“もみ消し”を図った可能性がある。

 ■「司法警察員」とは

 男性職員の父親は定年退職後も再任用され、事件捜査が始まった後も同署の警察官として勤務していたことが明らかとなっていたが(既報)、その後の取材で新たに階級が「警部補」だったことが分かった。

 一般司法警察職員である警察官の階級は、巡査(巡査長含む)、巡査部長、警部補、警部、警視、警視正、警視長、警視監、警視総監(警視庁のみ)の九つ。このうち、巡査部長以上が「司法警察員」として都道府県公安委員会から指定を受けるのが普通だ。

 「司法巡査」と称される巡査及び巡査長と違い、「司法警察員」には大きな捜査権限が与えられている。巡査の犯罪捜査権限が大幅に制約を受けるのに対し、司法警察員が捜査を行うにあたって捜査権限が制約を受けることはない。また、告訴状、告発状の受理や調書の作成などは司法警察員でなければできない。

 ■もみ消しは組織ぐるみか?

 男性職員の父親は、定年後も再任用されて鹿児島中央署に勤務していたことが分かっていたが、階級は司法警察員である「警部補」。息子である男性職員とともに同署の担当課で事件について「合意の上での性行為」という一方的な話をしたとすれば、それは捜査権の濫用であり、もみ消し行為に他ならない。

 男性職員の父親の警部補は息子が刑事告訴された後も中央署での勤務を続けており、これは、捜査情報を聞き出したり、事実上の捜査妨害を行うことが可能だったことを意味する。告訴・告発を受けた署内に事件関係者の身内がいる場合、他の署に捜査を依頼するか、当該警察官を異動させるなどして事件から切り離すのが当然で、鹿児島県警による一連の動きは、極めて不適切だったと言わざるを得ない。

 男性職員の別の身内も県警の職員。「警察一家」特有の庇い合い体質が、事件捜査と送検を遅らせたとみるべきだろう。この事件は、昨年1月の告訴状受理から1年半経っているにもかかわらず、いまだに事件送致(送検)されていない。

 新型コロナウイルス感染者の療養施設で起きた強制性交が疑われる事件の実相が、現職の幹部警察官と身内を庇う警察の悪しき体質によって捻じ曲げられている。(中願寺純則)

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【社会ニュース・新型コロナウイルスの療養施設で、鹿児島県医師会(池田琢哉会長)の男性職員(昨年10月に退職。以下「男性職員」)が女性看護師に対し複数回の強制性交に及んだとして刑事告訴されている問題】  2023年06月02日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【HUNTER2023.05.15】:【速報】強制性交事件の送検渋る鹿児島県警に新事実|県医師会わいせつ元職員の父親は3月まで現職警官

2024-08-03 06:36:40 | 【魂の殺人と呼ばれ、繰り返される性暴力の現状・ジャニーズ事務所が抱える性加害の闇

【HUNTER2023.05.15】:【速報】強制性交事件の送検渋る鹿児島県警に新事実|県医師会わいせつ元職員の父親は3月まで現職警官

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER2023.05.15】:【速報】強制性交事件の送検渋る鹿児島県警に新事実|県医師会わいせつ元職員の父親は3月まで現職警官 

 鹿児島県警が守ろうとしてきたのは、性被害を訴えてきた女性ではなく、「警察一家」の都合だった。

 新型コロナウイルス感染者の療養施設で、鹿児島県医師会(池田琢哉会長)の男性職員(昨年10月末で退職。以下、「男性職員」)が女性スタッフに対し強制性交の疑いが持たれる行為に及んで告訴された問題で、告訴状を受理した鹿児島県警鹿児島中央警察署の警察官だった男性職員の父親が定年退職後も再任用され、事件捜査が始まった後も、同署の警察官として今年3月まで勤務していたことが分かった。加害者とされる男性職員を事件送致(送検)した場合、その父親が現職に留まることはまず困難。男性職員の別の身内も県警の職員だといい、「警察一家」特有の庇い合い体質が、事件捜査と送検を遅らせた可能性が高い。

 ■事件の経緯

 今年3月、参議院予算委員会で鹿児島県医師会の男性職員による強制性交疑惑が取り上げられた。質問したのは立憲民主党の塩村あやか参議院議員。塩村氏は、鹿児島で性被害を訴えている女性が「合意はなかった」と主張して刑事告訴しているにもかかわらず、県医師会が「複数回の性交渉があったから強制性交ではない」などと強弁していることを問題視。さらに、鹿児島県警が当初、女性の告訴状を受け取らず門前払いにしたことも明かし、国の見解を求めていた。

 この質疑で、性被害の訴えがあった場合の対応について問われた警察庁刑事局長は、「要件が整っていればこれを受理し、速やかに捜査を遂げて検察庁に送付する」とした上で、「被害者の立場に立って対応すべきで、その際は、警察が被害届の受理を渋っているのではないかと受け取られることのないよう、被害者の心情に沿って対応するよう指導している」と答弁。鹿児島の事案についても把握しているとしていたが、実際の県警の捜査は刑事告訴から1年以上経っても終わっておらず、送検が大幅に遅れる状態となっていた。

 事件が起きたのは2021年の秋。当時新型コロナの療養施設で調整役を担っていた鹿児島県医師会の男性職員が、療養施設に派遣されていた女性に何度も強制性交が疑われる行為に及び、22年1月に「合意はなかった」とする女性が鹿児島県警鹿児島中央署に訴え出た。

 応対した同署強行犯係の「マエゾノ」と名乗る女性警察官は、「自分も性被害にあったことがある。それをなくすために警察官になった」などと話を合わせながら、終始一貫して訴えの受理を拒絶。「防犯カメラなどの証拠がない」、「(訴えると)精神的にも労力的にも大変。あなたが望む結果にはならない」などと言い募り、「検事が判断する材料がない」として門前払いしていた。

 数日後、女性の代理人弁護士が鹿児島中央署に強く申し入れを行ったことで告訴状は受理されたが、1年4カ月たったいまも事件送致されておらず、警察組織ぐるみの“もみ消し”が疑われていた。そうみられてもおかしくない背景があったからだ。

 ■もみ消し疑惑の背景 ―「警察一家」

 県医師会の池田会長は、被害を訴えている女性が門前払いされた約1カ月後の令和4年2月10日、新型コロナ対策を所管するくらし県保健福祉部を訪問。「強姦といえるのか、疑問」「強制的であったのかどうか」などと男性職員を庇う形で一方的に女性を攻撃し、事件を起こした男性職員が“警官”の父親と共に警察に相談した際の県警側の見立てが、「刑事事件には該当しない」だったという趣旨の話をしていた。

 また、同年2月22日に開かれた県医師会郡市医師会長連絡協議会では、大西浩之常任理事(現・副会長)が本件について「男性職員はですね。両親に報告し、両親も協力するということで弁護士の紹介を受けて、戦おうということで、警察に数回相談に行き、証拠を提出しております。その際は、まあ、ちょっとこれは分かりませんけれども、暴行と恐喝で負けることはないよと、訴えられても、と言われたというんですけれども、まあ、これはちょっと、流してください」と説明、医師会の最高幹部二人が、刑事事件にはならないとの見解を示していた。

 医師会側が強気の姿勢に出ていたのは、男性職員と鹿児島中央署に相談したという「父親」が警察関係者だったからに他ならない。事件発覚当時から、男性職員の父親が鹿児島中央署の交通課に勤務していた警察官だったことが関係者の間で知られていたため、「刑事事件には該当しない」という確たる証拠もない主張が、医師会幹部の共通認識になっていた。ハンターの記者がうかつだったのは、県への情報公開請求で入手した文書や周辺取材などから、男性職員の父親が退職した「警官」だと信じ込んでいたことだ。

 そうしたなか、遅々として進まぬ事件の捜査。国会で警察庁刑事局長が「速やかに捜査を遂げて検察庁に送付する」と明言したにもかかわらず、強制性交事件の送検が遅れているのは何故か?その理由が分かったのは、ハンターが今年3月になって別の取材で会った鹿児島市の医療関係者が何気なく発した、ある一言によるものだった。

 「ハンターさんが書いていた医師会職員の名前は●●でしょう?その親父、元警官ではなくて、いまも現職ですよね」――驚いた記者が確認に走ったところ、男性職員の父親は確かに再任用されて鹿児島中央署で勤務しており。退職したのは今年3月末だった。

 つまり、強制性交に及んだとして訴えられた男性職員の父親が、告訴状を受理して捜査を行ってきた鹿児島中央署に、現職の警察官として籍を置いていたということ。あってはならない人事配置が、告訴状受理後も継続していた。

 署内で息子の捜査が行われるのを、事件が表面化する前に無罪主張した父親の警官が黙ってみていたとは思えない。捜査に口をはさんだ可能性は否定できまい。また、男性職員の父親が現職警官である以上、捜査情報が署内の捜査員から父親に、父親から息子の男性職員に、さらには最終的に医師会幹部にまで伝わっていたのではないかとの疑いも生じる。

 そうでなかったとしても、同僚の息子が“犯人”になるかもしれない事件。警察が送検を迫られながらも二の足を踏む状況に陥っていたことは想像に難くない。

 県警が、被害を訴える人を守るという当然の義務感を持ち合わせていたなら、父親の再任用を打ち切るか、せめて異動させるなど事件捜査の最前線から引き離すべきだったろう。だが、再任用はずるずると今年3月まで続けられていた。

 性被害にあって苦しみ続けている女性をそっちのけに「警察一家」の都合が優先され、捜査や送検を遅らせて、男性職員の任期が終わるのを待った格好だ。テレビドラマや映画に出てくる“腐った組織”の姿がだぶる。

 ■問われる県医師会・池田会長の責任

 県医師会の池田琢哉会長らが、記者会見まで開いて「合意の上での性行為」という非常識な主張を展開できたのは、訴えられた男性職員の側に「警察」が与してくれると考えたからではなかったのか。男性職員の父親が現職警官であるなら、なおさらだったろう。県医師会と県警がグルになって、性被害を闇に葬ろうとした疑いさえある。

 鹿児島県警による一連の対応は、国会で警察庁刑事局長が述べた「(性)被害者の立場に立って対応すべきで、その際は、警察が被害届の受理を渋っているのではないかと受け取られることのないよう、被害者の心情に沿って対応するよう指導している」とは真逆の姿勢。「要件が整っていればこれを受理し、速やかに捜査を遂げて検察庁に送付する」も、絵空事だ。

 その後の調べで、分かったことがもう一つある。問題の男性職員の身内には、父親の他にも県警の職員がいるというのだ。つまり、男性職員の身内の二人が警察関係者――。「警察一家」という言葉に嫌悪感を覚える。

 いずれにせよ、男性職員の父親は県警を退職しており、送検へのハードルが下がったのは事実。本稿執筆時の5月13日時点では確認できていないが、鹿児島県警は近く、県医師会の元男性職員を「強制性交」の疑いがあるとして事件送致に踏み切るはずだ。その時、池田医師会会長や同会顧問の新倉哲朗弁護士(和田久法律事務所)が会見などで女性の人権を無視し、「合意に基づく性行為だった」と繰り返した責任が厳しく問われることになる。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【社会ニュース・新型コロナウイルス感染者の療養施設で、鹿児島県医師会(池田琢哉会長)の男性職員(昨年10月末で退職。以下、「男性職員」)が女性スタッフに対し強制性交の疑いが持たれる行為に及んで告訴された問題】  2023年05月15日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【HUNTER2023.03.28】:崩れた鹿児島県医師会の主張|塩村あやか参院議員の国会質疑詳細

2024-08-03 06:36:30 | 【魂の殺人と呼ばれ、繰り返される性暴力の現状・ジャニーズ事務所が抱える性加害の闇

【HUNTER2023.03.28】:崩れた鹿児島県医師会の主張|塩村あやか参院議員の国会質疑詳細

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER2023.03.28】:崩れた鹿児島県医師会の主張|塩村あやか参院議員の国会質疑詳細 

 今月8日、参議院予算委員会で、立憲民主党の塩村あやか参院議員が鹿児島県医師会(池田琢哉会長)の男性職員(昨年10月に退職。以下「男性職員」)を巡る強制性交疑惑について質問。国側は、女性の人権を無視して一方的に「合意があった」と結論付けた県医師会や、女性の告訴状提出を拒んだとされる鹿児島県警の姿勢を否定する答弁を行った。

 ハンターでは9日に質疑の概要を伝えたが(既報)、鹿児島県医師会の関係者や一般の読者から詳しいやり取りの内容が知りたいという要望が何件も寄せられたため、改めて本件に関する予算委質疑のすべてを正確に紹介する。

◇   ◇   ◇

塩村議員:NHK、読売新聞、南日本新聞の記事でございます。コロナの宿泊療養施設での不適切行為についての記事なんですね。鹿児島県医師会の職員が、宿泊療養施設のホテルで、看護師と何度も性行為を行っていたという記事なんです。しかも、看護師の同意はなくてですね、性的暴行だとして刑事告訴されてるんです。
 厚労省は全国の宿泊療養施設で発生したトラブルなど把握しているか、そして、こうした実態をどのように受け止めるかお伺いをいたします。

加藤厚生労働大臣:鹿児島県が設置し、県医師会に業務委託を行っていた宿泊療養施設において、一昨年、委員ご指摘の事案が発生し、昨年になって、県医師会において、該当職員への処分が行われ、鹿児島県から県医師会に対し、文書による厳重注意等が行われたものと承知しております。
 宿泊療養施設の運営は、一義的には、今回であれば鹿児島県、あるいは都道府県にて、適切に管理、監督していただくものであります。他方、新型コロナがまん延し、医療資源がひっ迫しているということを背景に、新型コロナ患者の療養のために設けられている宿泊療養施設内において、ご指摘のような事案があったこと、これは大変遺憾なことでございます。こうしたことがないように、今後とも対応していきたいと考えております。

塩村議員:ありがとうございます。私この事案なんですが、直接被害者である看護師や代理人弁護士、そして勤務をする医療施設の代表、そしてそれを応援する皆さんからお話を聞かせていただいています。当然、当該看護師は非常に精神的にダメージを負っているような状況なんですね。
 その被害看護師によれば、加害者は彼女に対して、執拗に、自身に「好き」というメッセージを送るようにと、こういう指示をしたりとか。そして、自分の父親は県警の元警察官だと、これは本当なんですよ、本当なんです。と言ってですね、彼女が周囲に被害(助け?)を求められなくするような言動をしていたりと、これ巧妙かつ本当に悪質な事案であるという印象を私は受けています。
 この報道を受けてですね、鹿児島県が医師会に行った対応をご存じでしょうか。情報公開によりまして、口頭注意、そして報告書提出後の指摘事項の存在が明らかになっています。これ、資料5,6、7ということで、内部文書が情報開示で出てきたので付させていただいております。これどのように事態を受け止めて、対応したのか教えてください。

佐原厚生労働省健康局長:お答えいたします。鹿児島県からは、県医師会長に対して文書を手交し、厳重注意を行うとともに再発防止策の徹底を求め、また県医師会の組織のガバナンスの改善についても口頭注意を行ったほか、報告書提出後の県医師会の対応について指摘を行ったと聞いております。
 この中で、委員ご指摘の口頭注意としましては、県の医師会の対応につきまして、『事案発生後の報告時に謝罪がない等、事態の重大さを真摯に受け止めた上で、適切な対応をとるといった姿勢が感じられなかった』、『関係者からの聞き取りをする前から、事案に係る発言があるなど予断を持って調査が進められた』、『当該発言をした理事を調査委員会の委員としたまま調査を終えており、調査の進め方に問題があった』といった内容があったと承知しております。
 また報告書提出後の医師会の対応についての指摘につきましては、『医師会が行った記者会見の内容と報告書の内容には齟齬があった』、『医師会が処分を決定するにあたり、情状酌量の判断として、当該職員が一定の社会的な制裁を受けたとしているが何を持ってそのように言えるのか疑問である』といった内容があったものと承知をしております。

塩村議員:ありがとうございます。その通りなんですね。ご説明頂いたんですが、資料6の口頭注意、2の部分ご覧ください。医師会は、被害者から聞き取りをする前から、医師会の理事が不適切な行為が「複数回あった」とかね、「強制であったかどうか」みたいな形で県に説明をしてですね、予断を持って調査が進められておりまして、医師会が被害を矮小化している現実が公文書に記されているような状態なんです。そこでちょっと私お伺いしてみたいのですが、複数回あるから強制ではないみたいな形で事態がどんどん進んでいて、当該看護師さんが非常にダメージを負っていくということになっているんです。
 そこでお伺いします。複数回の性交があれば強制性交にはならなくなってしまうんでしょうか。併せて今回職務上の圧倒的な上下関係があるわけです。医師会から派遣された職員、そして派遣されて来ている看護師、圧倒的な力関係がある。そして、体格差がかなりあるんですね。私、見させていただいているんですが、そうしたときに、強い抵抗をしたときには、何かしらすごいダメージとかマイナスが起こってしまうんですね。強い抵抗をした場合に、命に関わる場合もやっぱりこれまではあるわけなんです。ですので、抵抗するにもやっぱり限界があるんじゃないかと私は思うんですが、複数回あれば強制性交にはならなくなるのか、そして抵抗した場合のこと、2点お伺いしたいと思います。お答えください。

齋藤法務大臣:犯罪の成否は、捜査機関により収集された証拠に基づき、個別に判断されるべき事柄でありまして、法務大臣として、所見を述べるのは差し控えなくてはならないですが、あくまでも一般論として申し上げれば、委員ご指摘の強制性交等罪に関し、13歳未満の者に対する場合を除き、被害者の真意に基づく承諾があれば犯罪は成立しないと解されているわけですが、そして、その被害者の真意に基づく承諾があったと認められるか否かは、捜査機関により収集された証拠に基づいて認定された具体的な事情を総合して判断をされていくということになるものであります。

塩村議員:はい、ありがとうございます。だから、つまり複数回の性交があったとしても強制性交にあたる可能性は十分あるということになってくるというふうに思うんです。この認識でよろしいでしょうか。改めて確認させてください。

保坂法務省大臣官房審議官:先程大臣からご答弁させていただきましたように、その真意に基づく承諾があったかどうかにつきましては、個別の事実関係に基づきまして、その事実を総合して判断するということでございますので、この事実があったからどうだということで決まるわけでなくて、あくまで総合的な判断という趣旨でございます。

塩村議員:性暴力の観点から、小倉大臣にもお伺いいたします。

小倉内閣府特命担当大臣:男女共同参画担当大臣としてお答えをいたします。内閣府の調査におきまして、無理矢理に性交等をされたことのあった人のうち相手との関係性から拒否できなかったとの回答は約2割となっており、本人の意思に反していても相手との関係等において性行為を拒むことが難しくなる場合もあると認識しております。私も個別の事案にお答えすることは差し控えますが、一般的に複数回の性交為があったとしても、相手が望まない性的な行為については性暴力にあたると考えております。引き続き望まない性的な行為は性暴力にあたることについて、私どもとして広報啓発に取り組んでまいりたいと思っております。

塩村参議院議員:ありがとうございます。その通りだというふうに思うんですね。ですから、複数回の性交があったとか、好きだというメールが送られているからといってですね、それが全て同意が取れているということにはなってこないというふうに思うんです。ことさら複数回が強調されていることも非常に問題だとは思うんですが。ここでちょっとお伺いしたいんですが、警察庁この事件把握していらっしゃいますでしょうか。

警察庁渡辺刑事局長:お答えします。お尋ねの事件につきましては、鹿児島県警察とにおきまして告訴を受理して、捜査中の事件であると報告を受けております。

塩村参議院議員:はい、ありがとうございます。当初、被害看護師が弁護士が書いた告訴状を持って告訴をしようと警察署に行ったところ、対応した女性警察官はむしろ被害女性を責めて、告訴を思いとどまらせるような言動を4時間繰り返しまして、受理しなかったということなんです。この警察署は加害側の医師会職員の父親が勤務していた警察署なんですね。何度も女性警察官は部屋を出て、上司の判断を仰いでいたというふうに聞いております。極めつけは、帰り際に、被害女性に対して「告訴しませんよね」ということで、念押しをしたということなんです。
 私、この女性警察官を責めるところまでは難しいと思っているんですね。いろんな上下関係がその中にあると思っているので。しかしながら、被害女性に対してはとんでもないことが行われたというふうに私は思っているんです。被害者から告訴があった場合、警察はどのように対応することになっているのかお伺いをいたします。

警察庁渡辺刑事局長:お答えします。都道府県警察におきまして、性犯罪にかかる告訴がございましたら、要件が整っていればこれを受理し、速やかに捜査を遂げて、検察庁に送付することとしております。

塩村参議院議員:仰る通りなんです。そのようにしなきゃいけないのに、今お答えいただいた対応とは乖離したことが行われているんです。このことについて警察の受け止めをお伺いしたいと思います。

警察庁渡辺刑事局長:お答えします。鹿児島県警察におきまして、捜査中の個別事件に関することでありますので、捜査員と被害者とのやり取りなど具体的な内容にわたることにつきましてはお答えを差し控えたいのですが、一般論として申しあげますと、性犯罪に関する被害の届け出がなされれば、都道府県警察においては被害者の立場に立ってこれに対応するべきであり、その際には例えば、警察が被害届の受理を渋っているのではないかというようなことを受け取られることのないように被害者に対する説明にあたってはその心情に配意するよう指導してきているところでございまして、今後とも徹底してまいりたいと考えております。

塩村参議院議員:その言葉通りのことを行っていただきたかったと思いますので、本当に徹底をしていただきたいなと思います。外形的にはですね、言葉を悪く言うとですよ、親が警察官だと加えた性暴力もなかったこととか、軽くなるというような状況になっているわけです。性暴力とか、ジェンダーの問題というのは、いつも問題の矮小化がついてまわってですね、被害者の落ち度を探して、それも躍起になって探して、バッシングが激しくなって、そして噂で加害者側(「被害者側」の間違い?)を傷つける。そして、それを応援する人、支援する人に対してもバッシングが向っていくということが付き物なんです。ですから、そういったことに惑わされることなく、警察庁は身内に甘いと思われるような対応ではなく、被害者に寄り添った対応をしっかりしていただきたいと思います。
最後に、再発防止に向けて、厚労大臣、そして刑事局長の決意をお伺いします。

加藤厚生労働大臣:今後、新型コロナの感染法上の位置づけの変更に伴い、幅広い医療機関で新型コロナの患者が受診できる医療提供体制に向けて段階的な移行を進めていくわけでありますが、引き続き、宿泊療養施設の運営において、こうしたことがないよう各都道府県においてしっかりと管理・監督が行っていただけるよう、我々としても取り組んでいきたいと考えております。

警察庁渡辺刑事局長:再発防止ということで、お尋ねございましたけれども、捜査中の個別事件からは離れて申し上げさせていただきますけれども、性犯罪につきましては、被害者に対しまして、心身に極めて重い被害を与える重大な犯罪であると認識しております。
都道府県警察において性犯罪の被害者から届出を受けた場合には、やはり被害者の立場に立って適切に対応することが重要でありますし、その上で、刑罰法令で触れる行為が認められるのであれば、個々の具体的な事実関係に即して、法と証拠に基づき公平中正な姿勢を堅持して捜査を遂行することとしております。今後とも被害者に心情に配意した性犯罪捜査が徹底されますよう、都道府県警察を指導してまいりたいと考えております。

塩村参議院議員:しっかりと再発防止を行っていただきたいと思います。期待をしておりますので重ねてお願いを申し上げます。

                ◇   ◇   ◇

 国会質疑の内容を知った鹿児島県医師会所属のある医師からは、匿名を条件に次のようなメールが送られてきていた。

 《県医師会は、性被害を訴えた女性が合意した上での性行為だったと結論付け、記者会見まで開いてそう発表しました。私は池田先生(琢哉・県医師会長)を信頼申し上げてきましたし、その池田先生に加え、県弁護士会の会長まで務めた先生(新倉哲朗弁護士)までが「合意があった」と断言したのだから、間違いないことだと思っていました。
 ところが、ネットの動画で参議院予算委員会での質疑を確認したところ、女性が県警に男性職員を告訴して受理され、捜査が続いていることを警察庁刑事局長が認めていました。つまり、合意があったか否かについて、司法は判断していないということです。なぜ県医師会は「合意があった」と断言できたのか、その点については強い疑念を抱かざるを得ません。なにより、世界が女性の人権を守ろうという方向に動いている中、捜査機関でもない私たち医師会が、大した証拠もなく性被害をめぐる刑事事件に判決を下し、女性を貶めるようなマネをしていることは、決して許されることではないと考えます。本当に医師会が下した結論が正しかったのどうか、再検証する必要があると思います。
 正直、私はハンターの過激ともいえる記事は嫌いですが(ごめんなさい)、少なくとも報道内容に嘘はないということが分かりました。大変残念なことですが、今後の展開次第で、責任問題になると思います》

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【社会ニュース・今月8日、参議院予算委員会で、立憲民主党の塩村あやか参院議員が鹿児島県医師会(池田琢哉会長)の男性職員(昨年10月に退職。以下「男性職員」)を巡る強制性交疑惑について質問した問題】  2023年03月28日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER2023.01.20】:鹿児島県警が性被害を訴えた女性を門前払い|医師会・わいせつ行為者の父は元警官

2024-08-03 06:36:20 | 【魂の殺人と呼ばれ、繰り返される性暴力の現状・ジャニーズ事務所が抱える性加害の闇

【HUNTER2023.01.20】:鹿児島県警が性被害を訴えた女性を門前払い|医師会・わいせつ行為者の父は元警官

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER2023.01.20】:鹿児島県警が性被害を訴えた女性を門前払い|医師会・わいせつ行為者の父は元警官 

 昨年1月、鹿児島県警鹿児島中央警察署が、性被害を訴えて助けを求めに来た女性を事実上の「門前払い」にしていたことが分かった。応対した警察官は、被害を訴える女性が持参した告訴状の受理を頑なに拒み、様々な理由を付けて「事件にはならない」と言い張ったあげく女性を追い返していた。

 背景にあるとみられるのは、身内をかばう「警察一家」の悪しき体質と性被害への無理解。意図的な不作為が、醜悪な人権侵害につながった可能性さえある。

 ■聴取数時間、告訴断念を迫った女性警官

 関係者の話によれば、鹿児島中央署が強制性交の告訴状提出を拒んだのは昨年1月。同署に助けを求めたのは、県が設置した新型コロナウイルスの療養施設で鹿児島県医師会の男性職員(昨年10月に退職。本稿では「男性職員」)に強制性交されたとして告訴状を提出しようとした療養施設の女性スタッフAさんだった。

 Aさんに応対したのは、同署強行犯係の「マエゾノ」と名乗る女性警察官だったが、「自分も性被害にあったことがある。それをなくすために警察官になった」と言いながら、終始一貫して訴えの受理を拒絶。「防犯カメラなどの証拠がない」、「(訴えると)精神的にも労力的にも大変。あなたが望む結果にはならない」などと言い募り、「検事が判断する材料がない」として突き放していた。

 女性警察官は聴取中、「上司に確認してくる」と何度も離席。指示を受けたらしく、「(訴えは)受理できない」として何度も告訴断念を迫っていた。当日の女性警察官の言動からみて、鹿児島中央警察署が、組織ぐるみで強制性交が疑われる事案のもみ消しを図った可能性が高い。

 ■「犯罪捜査規範」に抵触

 1957年(昭和32年)に国家公安委員会規則として、警察官が捜査活動の際に守るべき心構えや捜査方法、手続き等を定めた「犯罪捜査規範」が制定された。その63条には、告訴や告発への対応について次のように定められている。

告訴、告発および自首の受理
第63条 司法警察員たる警察官は、告訴、告発または自首をする者があったときは、管轄区域内の事件であるかどうかを問わず、この節に定めるところにより、これを受理しなければならない
2 司法巡査たる警察官は、告訴、告発または自首をする者があつたときは、直ちに、これを司法警察員たる警察官に移さなければならない。

 犯罪捜査規範に従えば、告訴状を受理するのが警察に課せられた義務。告訴状に不備がなければ、受理した上で捜査を尽くすのが警察官の仕事なのである。やらない、できないというのであれば、関係した警察官は全員辞職すべきだろう。

 鹿児島中央署でAさんの聴取にあたった“マエゾノ”という女性警察官(現在は異動)は、「上司に確認してきます」と言って何度も離席していることから、調書の作成などについて大きな権限が認められた巡査部長以上の「司法警察員」ではなく、「司法巡査」と呼称される巡査か巡査長だとみられる。つまり、鹿児島中央署の上級職は、後ろに隠れて権限を有しない警察官に対応させ、告訴を断念させるよう仕向けたということだ。意図的な不作為で“もみ消しを図った”と言っても過言ではあるまい。

 ■警察の不作為による被害

 警察の不作為によって凶悪犯罪を招いたり、被害者が泣き寝入りしたりするケースが後を絶たない。1999年に起きた「桶川ストーカー殺人事件」では、埼玉県警上尾署がストーカー被害を受けていた女子大生とその家族の訴えを黙殺した結果、女子大生が殺害されるという悲劇を生んだ。さらにこの時は、メディアスクラムといくつもの虚報によって、亡くなった被害者の名誉が著しく棄損されている。

 直近では2019年、佐賀県鳥栖市に住む一家の主婦に絡んだ金銭要求や脅迫などの被害を訴えて相談に来た夫に応対した佐賀県警鳥栖署が、被害届を受理せず動こうとしなかったことが原因で、福岡県太宰府市内で主婦が殺害されるという「太宰府事件」が発生。責任を追及された佐賀県警の本部長が更迭されるなど、警察の「不作為」が社会問題化した。

 事件から逃げる警察の姿勢は、特に鹿児島で顕著だ。2013年に鹿児島市内で起きた兄妹間の暴行事件で、大けがを負った妹が県警南署に兄への処罰を求め続けた。しかし、同署が被害届を受理したのは6年後の2019年6月。事情を知った県会議員が被害者を伴い南署に出向いてからだった(既報)。そして今回の鹿児島中央署による門前払い――。無実の人間を選挙買収の犯人に仕立てた「志布志事件(踏み字事件)」で叩かれたのちも、鹿児島県警の腐った体質は健在のようだ。

 ■背景に「警察一家」の庇いあい?

 鹿児島中央署が、証拠まで示して性被害を訴えた女性を門前払いにした理由は何か?その疑問を解くカギは、鹿児島県医師会の池田琢哉会長が県くらし保健福祉部を訪ねた際の記録文書と、県医師会郡市医師会長連絡協議会の録音データに残されていた。

 下の文書は、ハンタ―が鹿児島県への情報公開請求で入手した「県医師会池田会長の来庁結果について」と題する内部文書である。

 池田氏は、被害を訴えている女性が門前払いされた約1カ月後の令和4年2月10日に、新型コロナ対策を所管するくらし保健福祉部を訪れ、「強姦といえるのか、疑問」「強制的であったのかどうか」などと男性職員を庇う形で一方的に女性を誹謗。事件を起こした男性職員が元警官の父親と共に警察に相談した際の県警側の見立てが、「刑事事件には該当しない」だったという趣旨の話をしていた。

  さらに、同年2月22日に開かれた県医師会郡市医師会長連絡協議会では、大西浩之常任理事(現・副会長)が次のように述べていた。

また、その後ちょっと自分ではどうしようもないということで妻やその両親に現状を報告。この、妻子供がいるんですけれど、A職員にはですね。両親に報告し、両親も協力するということで弁護士の紹介を受けて、戦おうということで、警察に数回相談に行き、証拠を提出しております。その際は、まあ、ちょっとこれは分かりませんけれども、暴行と恐喝で負けることはないよ、と、訴えられても、と言われたというんですけれども、まあ、これはちょっと、流してください。

音声プレーヤー

 *再生ボタンで音声が流れます。音量にご注意ください。

 池田・大西両人の話は、コロナ療養施設などで起きた出来事について相談に出向いた男性職員と元警官の父親が、県警から「刑事事件にはならない」とのお墨付きをもらったという内容。事実なら、県警が男性職員と元警官である父親の話を真に受け、「合意の上での性交渉」だと予断をもって事案に対応した疑いが生じる。

 ハンターの調べによると、男性職員の父親が退職まで勤務していたのは、Aさんを 「門前払い」にした鹿児島中央署。警察一家特有の庇い合い体質が、性被害を受けたとする女性の訴えに拒絶反応を示し、組織ぐるみで事件のもみ消しにかかったという見立ても成り立つ。

 いずれにせよ、「合意に基づく性行為」を公言してきた池田会長ら県医師会幹部の強気の姿勢の裏に「刑事事件にはならない」などとする捜査関係者の発言があったとすれば、警察が「人権侵害」の片棒を担いだ格好となる。

■偏執的な取材拒否

性被害を訴えて助けを求めた女性を門前払いにしたことや、女性の言い分を聞く前に「刑事事件にはならない」などと結論付けたのは事実か――?ハンターは今月10日、鹿児島中央署に出向いて取材を申し入れたが、「こちらでは対応できない」として取材拒否。やむなく受付に署長宛ての質問書(*下、参照。黒塗りはハンター編集部)を預けたところ、「受け取れない」(同署警務課)として返送してきた。公務員でありながら、説明責任を果たさないばかりか、もらった文書を配達証明付きで送り返すという偏執的な対応。“やっぱりクロか”と思わざるを得ない展開となった。鹿児島中央署にとって都合の悪い話は、すべて「門前払い」なのだろう。

 ■1年経っても終わらぬ捜査

 人権無視の鹿児島県医師会は、一方的に「合意の上での性交渉」と発表した(既報)。だが、事件捜査は終わっていない。門前払いに呆れた女性の代理人弁護士が鹿児島中央署に抗議したことで告訴状は正式に受理されたが、やる気がないのか捜査は停滞。関係者の調書さえそろっていない状況だという。告訴状提出から1年、性被害を訴えている女性は、いまも苦しみを背負ったままだ。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【社会ニュース・北海道警】  2023年01月20日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【HUNTER2023.01.10】:隠された真実|鹿児島県医師会副会長「事件報告」の欺瞞

2024-08-03 06:36:10 | 【魂の殺人と呼ばれ、繰り返される性暴力の現状・ジャニーズ事務所が抱える性加害の闇

【HUNTER2023.01.10】:隠された真実|鹿児島県医師会副会長「事件報告」の欺瞞

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:」【HUNTER2023.01.10】:隠された真実|鹿児島県医師会副会長「事件報告」の欺瞞 

 一昨年秋、新型コロナウイルス感染者の療養施設で、鹿児島県医師会(池田琢哉会長)の男性職員(昨年10月末で退職。以下、「男性職員」)が女性スタッフに対し強制性交の疑いが持たれる行為に及んで告訴された。事件発覚以来、一貫して強制性交の被害を訴えてきた女性に対し、男性職員は「合意があった」と主張。コロナ患者そっちのけで性行為に及ぶという暴挙だったにもかかわらず、県医師会の池田会長やその取り巻きらは、女性の話を聞きもせず「合意に基づく性行為」という一方的な見解を振りまいた。(既報1既報2既報3

 人の命を預かる医師らによる非常識な「人権侵害」に鹿児島県も激怒。医師会の最終報告(下の画像)を受けた県は、《適切な対応をとるといった姿勢を感じられなかった》、《具体的な調査においても、関係者からの聞き取りをする前から「複数回あった」、「強制であったかどうか」との発言があるなど予断を持って調査が進められた》などと異例ともいえる厳しい言葉で非難していた(既報4)。

 この間、ハンターの取材で問題の男性職員がセクハラやパワハラの常習犯だったことや、医師会が設置した調査委員会が、ハラスメントの事実を把握しながら事実上の隠蔽を行ったことが判明(既報5)。医師会による一連の対応に、大きな疑念が生じる状況となっている。

 そうしたなか、県医師会は昨年12月3日に代議員と役員の合同会議を開催。ハンターは、そこで大西浩之副会長(前・常任理事)が行った「報告」の録音データを入手した。決論を先に述べておくが、大西氏が披露したのは、報告というより批判された自身の発言に関する自己弁護。医師会にとって都合の悪い事実には一切触れず、これまでハンターはもちろん県からも批判されてきた身勝手な主張を繰り返しただけの、欺瞞に満ちた内容だった。

 ■報告内容、その一部始終

 大西副会長は、昨年まで常任理事。池田会長と共に、早い時期から「合意に基づく性行為」を主張していた人物だ。会議の冒頭、報告に至った理由について「医師会の多くから、もう少し詳しく説明して欲しいという声が多かった」「ハンターと言うメディアの記事は、非常に機密性があるもので、ちょっと出所が非常に怪しい」の二つを挙げて話し出していた。

 以下、かなり長くなるが、足し引きなしで入手した音声データの反訳を掲載する(*聞き取り不能な個所は●●で表記)。これまで配信してきた記事を参考にした上でお読みいただきたいが、事実誤認あるいは虚偽と判断した個所は、稿の後段で問題点を明らかにするため赤字で示し、番号をふった。

今回報告に至った理由は、主に大きく二つあります。一つは、会の皆さまから、多くの皆さまから、もう少し詳しく説明して欲しいという声が多かったということ。それから、二つ目は、最近のハンターというメディアの記事のことです。これまでもいろいろな記事があったんですが、最近の記事は、非常に機密性があるものをですね、ちょっと出所が非常に怪しい。

例えば、調査委員会の報告書、医師会と弁護士事務所に二つだけ、医師会の場合は、二重に鍵を掛けて保管していたもの、弁護士事務所にしかありません(①)我々、委員のものもすぐに資料は回収され、議事録を回収されていた中で、それがメディアに出てしまったと言うこと。これは非常にですね、問題でして、そこで語られていることが、いろいろな人に迷惑をかけているということで、警察にも相談しまして、そしてどういった手続きを踏むか、今検討しているところであります。こういった中でですね、今日は急遽そういったお話をさせていただくことになりました。

まず、あの、今日の資料の中にございます、4枚つづりの資料をご確認ください。まず一番上に、あの、池田会長が10月5日に、あのー、県の方に報告をした報告書がございます。ちょっと読ませていただきます。『宿泊療養施設内での不適切行為について厳重注意』ということです。

『現在厳しい状況環境下で、人命を守るため現場の最前線で献身的な努力をして頂いている医師、看護師等の医療関係者や患者搬送に多大なご協力を頂いている海上保安庁、自衛隊及び消防機関など、本件全体で、新型コロナウィルス感染症対応に取り組んでいるこのような中で、本来新型コロナウィルス感染症の陽性患者が療養するために使用されるべき宿泊療養施設内において、医療従事者や医療関係者の中でも特に模範となることが期待されている中核的な機関である貴会所属の職員による不適切行為が行われたことは、県民の信頼を著しく裏切るものである。また新型コロナウィルス感染症対応に昼夜を問わず鋭意従事して頂いている方々の士気にも影響を及ぼしかねない由々しき問題であり、県の新型コロナウィルス感染症対策に支障を及ぼしかねないものであり、極めて遺憾である。今後このようなことを絶対に起こすことがないよう報告があった再発防止策を徹底するようここに厳重に注意する。10月5日』とあります。

次の資料をご覧ください。これは、2月15日南日本新聞で新聞に載った記事であります。県医師会職員わいせつ、えっと上から3段目のところに、女性が一連の行為に対し同意はなかったとあります。そして一番下の所、ええ、男性職員は現在宿泊療養施設の運行業務から離れていると、まあそういうコメントが載っております。ただ事実、この後ですね、2月22日に開かれました郡市医師会長連絡協議会で私が、えー発言をさせていただきました。その発言をした理由と言うのはですね、まあこの南日本新聞という記事を受けまして、こちら宿泊療養を担当している職員が一名だったこと。今休養しているというコメントによって特定されてしまいまして、非常に大変な目に遭っておりました。あの、自殺人みたいな形に本人はなりまして、奥様が精神科医に通院、そして子供たちは学校でいじめられて、「お前の父ちゃんもうすぐ逮捕されるんだろう」とそういう状態にあるということでした。そこで、あの、まあ、私は、この新聞は女性側の一方的な意見ですので、まず男性側の主張をとりあえず、クローズドの会である医師会長とまあそういう医師会執行部会の中でとりあえず報告をしようと、そういうお断りをした上で報告しました。

それが次の3枚目をご覧ください。えー郡市医師会長連絡協議会での私の発言。まあ、2月15日の南日本の記事が、当該男性職員、えー男性職員はAと呼びます。えー、派遣された女性スタッフをB、そして派遣元の医療機関をX医療機関、X理事長と呼ばしていただきます。えー、特定しうる内容だったので、職員Aの自殺企図、妻の精神科通院(②)、子供たちの学校でのいじめ、まあ、お父さんの、もうすぐ逮捕だろうとの大変な状況を聞いたために、まあしかし、事情を知る職員Aの関係者、また職員Aの弁護士等から聞いた話は、あまりに新聞報道とかけ離れた印象を受けた。そこで私は、以下の発言をした。

まず新聞は女性の主張なので、男性の主張をちょっとしたいと。まず私自身が、本件を、あの、本件を知ったのは令和4年1月11日。あの、これはX理事長が会長室を訪問されたときでした。私はたまたま医師会におりまして、会長を待っておりましたけれども、2時間ぐらい出てこられなくて、大事な用だったので、2時間待っていたところ、理事長が先に出てこられて、その後、会長が真っ青な顔して出てこられたので、「気分が悪いんじゃないですか」と声を掛けたところ、会長は「ちょっとまあ心配なことが起こった」という話でございました。

そして、まあその後は私も特にタッチしていなかったんですけれども、2月15日の新聞報道が、ちょっとかけ離れていた。これは新聞報道が出た後色々調べたらかけ離れていたということで、22日に発言させていただきました。えーまあ、職員Aは宿泊施設の仕事をかなり熱心にしていたと思っていた(③)。そして、職員Aと職員Bとは、以前からJマットで顔見知りであった。そして、初めて職員Bの部屋に行ったのは、これは男性職員の話ですが、8月27日であった。ええっと、22時から4時まで6時間、女性スタッフの部屋で話をした。これは宿泊療養施設ですね。この時は、何もなかった。

次に行ったのは10月の31日。女性スタッフBから差し入れをねだられ、部屋に持っていき、23時から3時間滞在。その時、初めてキスをした。そして、9月9日、11日、12日と、女性職員Bの派遣機関であるX理事長の医療機関でキスをしている。えー、その際、X理事長の医療機関を訪問する際には必ずX理事長の許可を受け、女性職員Bが鍵を開けて入っておる。そして、9月16日、えー、X理事長の医療機関で初めて性交渉を持った。えー、ここはちょっと弁護士さんの報告とちょっと違うんで、僕がこう発言したと思うんですけど、えっと、ここはちょっと定かではない(④)

9月18、22、宿泊施設で、そして、9月30、これが最後の性交渉になりますけど、9月30日はX理事長の医療機関で性交渉を持った。この際も別の理由でX理事長の許可をとり、女性職員Bが鍵を開けている。9月30、9月30日までが、女性職員Bが宿泊施設での仕事の最後の勤務の為、30日までの勤務だったので、その後は会っていない。

12月1日にX理事長から突然、職員Aへ呼び出しがあって、土下座をさせられ、謝罪をさせられ、理事長と女性職員Bの両方にお金を支払うようにと、慰謝料を求められたと。慰謝料の回答期限は12月5日まで。で、また慰謝料の支払い期限は12月25日と指示されております。職員Aは300万円ぐらいずつ●●●●●払えば、この状況から逃れられると考えて、X理事長とのやり取りをしたんですけれども、要求されている金額が桁違いと分かったため、支払いは無理と思い、12月5日以降X理事長との連絡を絶った(⑤)。彼はそれ以降何をしていたかというと、精神科へ入院、そして両親と妻に告白(⑥)、そして、えーまあ、その後少し元気になりまして、弁護士を紹介して頂いて戦うという、そういった気持ちになっております。と、となっていますけれども、戦うためにということです。ごめんなさい。

令和4年11月11日にX理事長が県医師会館を尋ね、職員Aが女性職員Bに強制性交を行ったことを説明して、池田会長、職員Aを処分するように要求した。そして、その後、県医師会とX理事長との文書でのやり取りが17回あったと。そして、17回のやり取りを経て、えー、3月から調査委員会が開催されることになりました。この調査委員会に関しましては、女性の供述を得るためには、えー、委員はその内容を語ることは決していけないという誓約書を書かされました(⑦)

そして、私がこの話をした根拠を少し基に、あの話をさせていただきたいと思います。いま大体お話をしたことは、大体、あの、まとめてみますと、まず最初に●●があったんですけども、男性職員AとX理事長は非常に、あのまあ宿泊療養施設で親しくなったわけではなくて、熊本地震の際から、非常に親しく、食事とかゴルフとか、えー、メールのやり取りを、ほとんど頻回に繰り返していたということ。それから、ええっと、文書のやり取りの17回なんですけども、ちょっと女性側からの文書はですね、全てX理事長からのものであったと。ええと、普通だったら女性から来たり、女性の弁護士から、例えば私の場合だったら、うちの職員がそうなった場合は、女性の、あの、まあ、●●にそんなできない、すごく熱心だったと思います(⑧)、その時はですね。ただ、あの結果として、ちょっと違和感を覚えました。ですから、ちょっとあの、まあそこら辺がどういったことだろうと。17回もやり取りをしたということです。そして、もう一回、あの、復習します。8月、えー、27日。8月から派遣されて、令和3年のですね、女性職員Bの部屋を初めて訪れた。その後9月に渡って、えー、X理事長の施設や、宿泊施設で、まあそういった関係を持ったか、女性の言い分としては、ハンターとかの言い分を見ると、すごく嫌で、男性職員の顔を見るのも、もう眩暈や動悸がしたけれども、なんとか周りに迷惑をかけたくない、理事長とか、周りに迷惑をかけたくないということで、ええと、9月の30日まで頑張ったと。そういう報告になっています。男性職員の方は、さっき主張した通り、合意のもとそういった形で関係をもったという主張であります。

ええと、10月になりまして、後で示しますけれども、10月1日と、10月4日、ええ、その職員Aと女性職員Bは1時間以上の長電話をしております。10月7日にメールを交わしています。そしてその後、関係が途絶えています。12月1日X理事長から突然男性職員へ医療機関へ呼び出しがありました。そして、さっき述べたように、慰謝料を求められ、12月5日までに回答するように、そしてその際にはですね、12月5日の期限の24時間前ですね、午前0時に男性理事長から、メールが来ています。『あと24時間になりました』と。そして、えー、慰謝料の支払い期限は12月25日と、あの、そして、その際は一括で支払うようにとの要求が来ております。但し、12月5日以降職員Aは、理事長との連絡を絶っています。1月になって、11日、先程述べましたようにX理事長が医師会館を訪れており、それから文書でやり取りがありました。2月15日に新聞報道があり、2月22日に郡市医師会協議会で私が発言しております。3月になりましてから、調査委員会、そして懲罰委員会が6月まで行われております。ま、こういった流れです。

それではですね、ちょっとここから各論に入りますので、ちょっと今から、ちょっと資料を配りたいと思いますので、その資料をご覧ください。

主にはこの12月1日辺りのことを述べております。まず一番上のメールです。これはですね、12月1日男性職員がX理事長に呼び出された裏で、その女性職員Bが、えー、2カ月ぶりに男性職員Aへメールを送っております。2ヶ月ぶりです。僕はこのメールが、全ての始まりだと思っています(⑨)。ええ、まあ、これはどういうことかというと、えー、男性職員へ『メールは削除してくださいね』、と。そして、『私とどうかなったのは』X理事長の医療機関『の中だけ』のことです『1回だけですよ』、と。宿泊療養施設内での打ち合わせは、『普通に仕事しかしていません』、すぐ削除を、『他のデータは削除して下さい』、という、まあ、こういうメールです。そして、まあこれは多分、恐らく(⑩)、そのX理事長施設でのことはバレて、追及された裏で、男性にこういうメールを送ったと。ですから、その際には、私は強制性交を受けたんだという説明をしたんだと思いますけど。男性職員は全く訳がわからないまま、理事長の部屋を訪ねております。

次の資料をご覧ください。これはですね、えー、男性職員Aと女性職員Bの通話履歴です。まあ、えっとですね、長時間しょっちゅう電話をしておりまして、中には2時間以上にわたる電話もあります。しかもですね、ええっと、女性の側から電話をしてきたのを合図に、切って、また男性が掛け直して、2時間以上電話する。そういった、まあ、手の込んだ会話の仕方をしております。まあ、一応、まあこの通話時間、ちょっと左側に書いてありまして、そして、キスまたは性的関係、これは、まあ、あの、先程述べた通りなんですけども、青いところはですね。ここであの、えー、X理事長の側からオレンジの所、ここであの、宿泊施設の中で強制性交だったという文章がこの日だということで届いております。そして、まあ、その、えー、いろんな施設でそういったことを繰り返す中で、緑のところですけど、えー必ず別の理由とはいえ、X理事長の施設内に入るときは、こういう資料を作るために利用させていただきますよ、という許可をとり、これもメールが残っております、そして女性職員Bが鍵を開けて、中に入っていた。

そして、この次のページもご覧ください。これが延々と9月30日まで続いております。そして、9月30日からはこの男性職員は、そういう形の行為に持っていくことはあったんですけども、非常にX理事長の信頼がそのB看護師に対して厚いということに気付きまして、なんとか離れないといけない、よそよそしくなっていっております。

そして、まあその後、女性に、女性スタッフはですね、9月30日まで頑張ったけども、9月30日になったら、もう男性職員の顔を見なくても済むと、ほっとしたと、顔を見るのも、思い出すのも、気分が悪くなるくらいだというような、あの、まあ食い違いがございました。この9月の中の行為でですね。ええっと、しかし10月の1日を見て頂けたら、まだ10月の4日、会わなくて済むようになった後、1時間以上の長電話を2回しております。

そして、ええ、最後ですね、最後のメールです。10月7日、男性職員Aと女性職員Bが最後のメールを交わしています。これ最後の長いメールをしているんですけど、その前のところ、前のページではですね、あの、男性職員Aに、男性職員が作った資料を見せてほしいというお願いです。この男性職員が、ああもうこれは見せに行った方が早いかもね、会おうかなというような会話です。そしたら、その女性職員は『ひどいことしたと思って落ち着かなくて』『こんな自分がまた許せなくなって』『ごめんなさい』と、そして男性職員『おはようございます。今日、夕方役員会があり、入るのか入らないのか微妙なラインです。こちらの状況も合わせてまた連絡します』、女性職員から『おはようございます 病院に来れる時間が分かれば教えてください 今日はサクッと終わりましょう』笑顔マークを返しています。男性職員、この職員はちょっと会わなくて済むのならということで、ちょっと『今回改訂があった看護師謝金が高すぎると先生達が言い出し 急遽、会議になりました。終わり時間が不明なので、すみません。今日は訪問難しいです』、女性職員『了解 ご連絡ありがとうございます』これから2ヶ月間連絡が途絶えて、12月1日を迎えることになっております。ちょっとただ今の資料はですね、ちょっとあった通り、名誉棄損の、あの時間が書いてあるところに、被疑事件の名誉棄損の証拠書類ですので、ちょっと回収させて頂きますので、申し訳ございませんが回収させてください。

私がここで思うのはですね、恐らく、あの、12月、今からあの、まあ1日の前後のことを話しますけど、男性理事長はですね、恐らく、本当にそう思ったんだと思います(⑪)。あの、まあ、あの女性の言った通りだと思ったんだと思います(⑫)。で、ええと、男性職員はですね、何が何だか分からなくなって、本当混乱のまま、あの、そのメールの意味も分からないし、呼び出された意味も分からないまま、あの、12月1日から5日までを過ごしたのかなと思っております(⑬)

ええっと、次はハンター関連の資料を配らせてもらいます。このハンターのですね、一番上の写真、これは男性職員が実際に書いてX理事長に送った謝罪文です。ええと、たぶん1ページ目のですね、赤線が引いてありますけれども、ハンターの記事です。読みます。『男性職員が手書きしたとされる「罪状」と題する文書には、「強制性交等罪であることを認めます」と明記してある。』、これは実際男性職員AがX理事長に送ったものです。そして、次のページをご覧ください。2枚目です。男性職員の謝罪文ですね。『私が、今回犯してしまった罪は、どのような理由があっても決して許されるものではありません。私の犯してしまった罪により、約二カ月の間、食事もまともに取れず、仕事もままならない状態であり、多大なる身体的・精神的苦痛を△△様におかけしたことに対し、ご家族に対しましても、多大なるご心配をおかけしましたことに、謝罪の言葉も見つかりません。』、これ男性の直筆で書いてあります。ただこの10月、11月と私一緒に仕事をしてましたけど、こういった素振りは私は全然なかったです、食事も食べてましたし、普通に仕事もしておりました。ええと、男性職員がおかしくなったのは、その12月5日から後ですね、休んだり、あの、色々あの、出てこなくなった時期とかもありましたので、まあそのときかと思いますが(⑭)、この2ヶ月、12月1日の2ヶ月のことと勝手に思っていますけど。そして、一番下の行ですね、『自身が犯してしまった罪に対し、△△様ならびに』、これはB、女性スタッフですね、『雇用主であります』X理事長『□□□□様に対し、私が出来る最大限の弁償をさせて頂きたいと考えております』、こういう風にあります。

次の3枚目をご覧ください。ハンターが、今までの証拠というか、謝罪文を基に赤線が書いてあるところですね、『なにより、男性職員がこの文書を書いたのは、女性や女性の雇用主の目の前ではなく、被害を訴えている女性側の関係者が一人もいない場所』なぜこれをハンターが知っている。『男性職員や医師会側は、あたかも女性の雇用主に脅されて“書かされた文書”と主張しているようだが、離れた場所にいる男性職員が、怖がって詫び状や罪状を認める文書を書くとは思えない。むしろ、画像だけを送ったことからも』、画像だけを送ったことをなぜ知っているのか、ただその通りなんです。『その場しのぎの弥縫策で時間稼ぎをしたとみる方が自然だろう』非常に男性職員を非難しています。

次をご覧ください。これは先程申し上げました12月5日の回答期限24時間の午前0時にX理事長がA職員に送ったLINEです。ちょっと読み上げさせてもらいますけど、ただこの午前0時に送られると、ちょうど24時間ですから、本当に怖いと思うんですけれども。『当方から、貴殿に対する申し渡し通知期限まで残すところ、あと24時間となりました。受け入れられない回答に備えて、即刻刑事、民事訴訟の手続きを行うべく準備も完了しております。貴殿より先日電話で、面談希望がありましたが、あくまでも、何らかの解決に向けて、受け入れ可能な回答が得られない場合は、当然面談が実行されることもありません。回答内容としては、当然のことして、①貴殿の犯した罪状の告白、②罪状に対する真摯な謝罪、③被害者、被害者本人並びに被害者法人に対する慰謝料が記載されたものを文書として提出されることが前提です。貴殿の鬼畜行為により被害者の身体的、精神的不調は著しく業務はもとより、日常生活もままならない状況です。被害者本人のみならず、雇用主に与えた損失は、著しく巨大であり、和解が成立しない場合には、貴殿が受けることになる社会的制裁を考慮した場合、和解を得るには、当然一生を掛けて償うべき保証内容が必要となることを申し伝えております。また当方と貴殿の連絡手段としては、このLINEしか存在しないこと』まあ、ということが書いてあります。

次のメールをご覧ください。男性職員がですね、ハンターでは自主的に書いたような謝罪文だとありますが、実際これが自主的と言えるのかなと私は思うんです(⑮)。まあ、彼自身は、なんとかこの状況から逃れたいと、お金を払えば何とかなるかもしれないと。まあ先程言ったように、結果的には額が合わずに、連絡を絶つことになってしまったんですよ。そして、1月11日を迎えることになってしまったんですけど。そういった謝罪文を送っております。その返信です。『貴殿よりの書面確認しました。慰謝料についてですが、貴殿が定年まで負うべき責任は被害者がリスクを共有するものではありません。貴殿個人が一人で返済リスクを』非常に危ないお金だと認識していることですね。『負うべき正常な慰謝料のため、分割支払いは許容できません。したがって、一括での支払いを要求します。銀行ないしは、親族等から融資により本年12月25日を支払期限とし、被害者両名に対し指定口座への振込を完了することを条件に回答案を受け入れることやむなしと判断します。上記修正案をご賢察の上、受諾の可否につきご連絡ください。修正案を受諾し、振込が完了した後、貴殿との面談を考慮します。これ以上貴殿が貴殿の家族や周囲の人間を不幸に陥れることなきよう賢明な判断をされること祈っています』。ま、こういうことが書いてあります。で、まあ、あの、ま、私が思うに(⑯)、本当に、この12月1日、まず女性に対する腹立たしい気持ち、あの、なぜそういうメールを送りながら、こういう行動に出たのか、というのと、後は、12月1日にやっぱりあの、報告して欲しかった。この職員にもですね、理事長に対しても、なんらかのこういったドロドロした方向に進まずに済んだんじゃないかなと、非常に残念で仕方がありません。

しかし、あの、ま、先程も申し上げましたとおり、調査委員会の内容や懲罰委員会の内容は私は語ることはできません。誓約書を書いておりますから(⑰)。ただ私もその調査委員会の前に、弁護士の友達が何人かおりますので、聞きましたところ、こういった場合は、まあ40日間、30日間に渡る、まあ双方の言い分が違う場合は、どこかに矛盾がないかということ、そこの働いている多くのスタッフに意見を聴取し、矛盾点を、まあ、探し、要するに双方の言い分が違うわけですから、そういった中で判断していくことになるであろうとそういった調査委員会が行われたんだと思います(⑱)。そしてその結果、まあ先程言いましたように、懲戒解雇ということにはなりませんでした。結果としては、合意があったと判断されたということになります。

これ以上は、まあ、あれなんですけど、男性理事長もその時点では騙されていたんだと思います(⑲)。そのメールの文章を見るとですね、本当に怒って、自分ところの職員が、そういった目に遭ったという怒りで、こういう文章になったと思うんですけど、ただ少し、私もハンターにいっぱい叩かれました。調査委員会の前にあの、調査委員会がある前にですね、勝手に、まあ、誘導するような発言をしていたということを医師会にも連絡をいただきましたし、ハンターでも書かれてしまいましたけども、一つだけですね、ちょっと、まあ、理事長が1月17日に医師会に送った文書の所です。非常にその1,2ページ目はですね、あの、正義に溢れてたんですけど、3ページ目にちょっと気になるところがあります。これはあの、ごめんなさい、書類はあの、配っておりませんので、読み上げさせてもらいます。『鹿児島県医師会に新型コロナウィルス対策事業を委託した鹿児島県の一部幹部も本件の概要をすでに把握しております』。ええと、医師会館に来られた6日後にはもう県のスタッフ、一般の市民が知っていますよと。そして、その県の職員たちは、幹部の職員たちは、『当該男性職員に対し、鹿児島県医師会がどのような対処をするのか注視しています』。まあ要は、処分して欲しいという、まあ、アピールです。男性職員をですね。そして、そのような状況をなんらかの方法で、鹿児島県医師会の会員や県民の方々にも知っていただく必要があるのではないかと検討しているところです。これは南日本新聞とか、NHKの報道とか、ハンターとかそういう報道のことが念頭にあるのかなと。非常にこういう事態になったことは残念で仕方がないと思っています。

まあ、あの、調査委員会の結果、懲罰委員会の結果は先程申し上げた通り語ることはできませんが(⑳)、私がこの報告することは以上です。

 ■欺瞞の証明

 これほどお粗末な内容の報告を、鹿児島県医師会の代議員や役員は、真に受けたのだろうか?納得したのだとすれば、それは医師会の役員に良識がないか、あるいはただの「無責任」によるものかのどちらかだ。なぜなら、大西副会長の話には、整合性も裏付けもないからだ。

 例えば、大西副会長が発言冒頭で持ち出したハンターの配信記事に出てきた鹿児島県への「報告書」についての見解である①「調査委員会の報告書、医師会と弁護士事務所に二つだけ、医師会の場合は、二重に鍵を掛けて保管していたもの、弁護士事務所にしかありません」だが、これは完全な事実誤認。言いがかりも甚だしいと言わざるを得ない。ハンターが記事の中で示したのは県医師会が9月27日に塩田康一県知事に提出した「報告書」。大西副会長は《医師会と弁護士事務所に二つだけ》としているが、この文書は鹿児島県への情報公開請求で入手したもので、医師会関係者から出たわけではない。こうした虚偽を大勢の前で披露するということをもってしても、県医師会幹部の話はまったく信用できない。

 次に発言内容の曖昧さ。(②)職員Aの自殺企図、妻の精神科通院」では男性職員が自殺する可能性があったとし、その妻が精神科に通院したと述べておきながら、次には(⑤)彼はそれ以降何をしていたかというと、精神科へ入院、そして両親と妻に告白」となり、妻ではなく男性職員本人が精神科に入院したことになっている。男性職員もその夫人も精神科にかかったと言いたいのだろうが、キーワードは前後2度も出てきた「自殺」と「精神科」のようで、意図的に男性職員の被害を印象付けようとした格好だ。

 曖昧さが際立つのが(④)のX理事長の医療機関で初めて性交渉を持った。えー、ここはちょっと弁護士さんの報告とちょっと違うんで、僕がこう発言したと思うんですけど、えっと、ここはちょっと定かではない」。大西副会長は「定かではない」と断っているが、実は発言に出てきた9月16日に「X理事長の医療機関で初めて性交渉を持った」は男性職員の記憶違い。刑事事件になっている事案だというのに、こんないい加減な内容を大勢の前で披露する神経は理解できない。

 大西副会長の報告に信憑性が感じられないのは、裏付けのある内容を発信しなければならないはずの「報告」に、曖昧であることを宣言する言葉が頻出することだ。(③)「かなり熱心にしていたと思っていた(⑧)「すごく熱心だったと思います(⑨)「全ての始まりだと思っています」、(⑩)「まあこれは多分、恐らく」、(⑪)「恐らく、本当にそう思ったんだと思います」、(⑫)「あの女性の言った通りだと思ったんだと思います」、(⑬)「12月1日から5日までを過ごしたのかなと思っております」、(⑭)「そのときかと思いますが」、(⑮)「実際これが自主的と言えるのかなと私は思うんです」、(⑯)「で、まあ、あの、ま、私が思うに」、(⑱)「調査委員会が行われたんだと思います」、(⑲)「男性理事長もその時点では騙されていたんだと思います」――これは、大西氏の話した内容が具体的な事実だけを挙げての「報告」などではなく、大西氏個人の思い込みや想像、または感想だった証(あかし)だろう。

 (⑤)職員Aは300万円ぐらいずつ●●●●●払えば、この状況から逃れられると考えて、X理事長とのやり取りをしたんですけれども、要求されている金額が桁違いと分かったため、支払いは無理と思い、12月5日以降X理事長との連絡を絶った」――いずれ配信記事の中で明らかにするが、これは実際のやり取りとはかなり違うもの。“X理事長が過大な要求をした”と印象付けるため、真相を捻じ曲げているのは確かだ。

 大西副会長は、興奮したのか、自己弁護に懸命になり過ぎたのか、自己矛盾に気付いていない。同氏は報告の中で、(⑦)この調査委員会に関しましては、女性の供述を得るためには、えー、委員はその内容を語ることは決していけないという誓約書を書かされました」、(⑰)しかし、あの、ま、先程も申し上げましたとおり、調査委員会の内容や懲罰委員会の内容は私は語ることはできません。誓約書を書いておりますから」、(⑳)まあ、あの、調査委員会の結果、懲罰委員会の結果は先程申し上げた通り語ることはできませんが」と、“調査委員会の内容は明かせない”と3度も明言している。だが、この会議で同氏が語ったのは、まさに調査委員会のメンバーでなければ知り得ない内容だ。しかも、個人情報である男性職員と性被害を訴えている女性の雇用主である医療機関の理事長が交わしたLINEのやり取りまで暴露するという非常識。医師会役員が、堂々と「誓約書」に背くというのだから開いた口が塞がらない。自分がやっていることが理解できていない人間の主張が、まともであるわけがない。

 大西副会長は、強制性交の告訴状が提出・受理され、警察が捜査中の事件であるにもかかわらず、(⑲)男性理事長もその時点では騙されていたんだと思います」と断言している。これは、被害を訴えている女性を“噓つき”だと言ったも同然。「合意に基づく性行為」を喧伝して女性の人権を踏みにじってきた医師会幹部が、別の方向から女性の人権を蹂躙した形になっている。

 世界中が「女性の人権」を守ろうという方向で動いている今日、刑事捜査の素人が、性被害を受けたという女性の訴えを無視した挙句、「噓つき」のレッテルまで貼ることが許されるのか――?鹿児島県医師会の幹部たちは、容認どころか、それを推進しているのだから悪質極まりない。

 ■報告されない「不都合な真実」

 大西副会長の事件報告が、根拠に乏しい身勝手な推測に基づくものであることは明らかだ。だが、最大の問題は、男性職員が複数の医師会女性職員及びコロナ療養施設の女性看護師に対し常習的にセクハラ・パワハラを行っていたことや、県から文書による厳重注意のほかに口頭で《適切な対応をとるといった姿勢を感じられなかった》、《具体的な調査においても、関係者からの聞き取りをする前から「複数回あった」、「強制であったかどうか」との発言があるなど予断を持って調査が進められた》などと異例の厳しさで指摘されたことを隠したことだ。県は大西氏個人についても、「問題のある発言をした理事(*大西氏のこと)について、調査委員から外すように相手側から要望があっても、調査委員会の委員のまま調査を終えている」として非難していたが、報告ではこの点についても一切触れられていない。「不都合な真実」は知らせず、自己弁護に終始した医師会副会長の姿勢は、卑劣と言うしかない。「薩摩隼人」が聴いて呆れる。

 大西副会長や池田会長は、昨年1月の事件発覚以来、一貫して「合意に基づく性行為」を主張し、男性職員を庇い続けてきた。池田会長は昨年2月10日、被害を訴えている女性の話を確認もせず、「性交渉が複数回だから合意があった」と決めつけ、県庁に出向いて事件の矮小化を画策。当時常任理事だった大西氏も同月22日、郡市医師会長連絡協議会で池田氏の「合意論」に追従する発言を行っていたことが分かっている。

 公費を投入して開設されている新型コロナの療養施設で医師会が派遣した職員が、患者そっちのけで“わいせつ行為”を行っていたという事実については反省の色をみせず、コントロール可能な人間だけで固めた調査委員会でお手盛りの議論。挙句、県に提出した調査報告書には、男性職員による常習的なハラスメントの実態など「不都合な真実」は何一つ記載せず、「情状酌量の上、停職3か月」というふざけた処分結果でお茶を濁した。まともな公益社団法人のやることとは思えない。

 大西副会長が報告の中で、自殺が懸念されたとして気の毒がった男性職員は、組織内部の厳しい視線を浴びて昨年10月末に県医師会を退職(既報6)。現在は県医師会の女性役員が運営する施設で働いているという。たまたま鹿児島市周辺で別の取材を行っていたハンターの記者が出勤途中だったとみられる男性職員に遭遇したが、コンビニに車を入れて“たばこ”をふかすという余裕の行動だった。

 一方、被害を訴えている女性は、事件から1年以上経った現在も男性職員の行為を思い出しては苦しむ毎日で、傷が癒える時期がいつになるのか見通せない状態だという。

 鹿児島県医師会に「良識」はないのか?

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【社会ニュース・一昨年秋、新型コロナウイルス感染者の療養施設で、鹿児島県医師会(池田琢哉会長)の男性職員(昨年10月末で退職。以下、「男性職員」)が女性スタッフに対し強制性交の疑いが持たれる行為】  2023年01月10日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER2022.12.12】:コロナ療養施設わいせつ事件で鹿児島県が「人権問題」認める|医師会の「合意があった」を厳しく批判

2024-08-03 06:34:40 | 【魂の殺人と呼ばれ、繰り返される性暴力の現状・ジャニーズ事務所が抱える性加害の闇

【HUNTER2022.12.12】:コロナ療養施設わいせつ事件で鹿児島県が「人権問題」認める|医師会の「合意があった」を厳しく批判

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER2022.12.12】:コロナ療養施設わいせつ事件で鹿児島県が「人権問題」認める|医師会の「合意があった」を厳しく批判 

 鹿児島県医師会(池田琢哉会長)の男性職員(10月末で退職。以下、「男性職員」)が、新型コロナウイルスの療養施設内などで強制性交の疑いがもたれる行為に及んでいた問題で、県が、一方的に「合意に基づく性行為だった」と結論付けて会見で公表した医師会の対応を、「人権に配慮を欠く」という異例ともいえる強い表現で、厳しく批判する姿勢を示したことが分かった。

            ◇   ◇   ◇

 7日の県議会で質問に立った前野義春県議(県民連合)から、この問題について見解を求められた県は、「新型コロナウイルス感染症対策については、人命を守るため最前線で献身的な努力をいただいている医師・看護師等の医療関係者や患者搬送に多大なご協力をいただいている海上保安庁、自衛隊、消防機関など、本県全体で取り組んでいる」とした上で、医師会職員が起こした事件について「陽性患者が療養するための宿泊療養施設内において、不適切行為が行われたことは、県民の信頼を裏切るもの」と厳しく批判、さらに「県医師会の調査委員会の委員が、関係者から聞き取りをする前に予断をもった発言をするなど、調査の進め方に問題があったこと、記者会見での発言(合意があった」が報告書の内容と齟齬があり、関係者の人権に配慮を欠く面があった」と踏み込んだ。

 強制性交で刑事告訴されている事案を、一方的に「合意があった」と断言した県医師会の対応を、県が「人権問題」であると指摘した形。これを受けた医師会が、どのような対応をとるか注目される。

 県医師会の男性職員が新型コロナウイルス感染者の療養施設で強制性交の疑いが持たれる行為を行っていた問題を巡っては、今年9月27日に開かれた医師会の記者会見で、同会顧問の新倉哲朗弁護士(和田久法律事務所)が、刑事事件として捜査中の事案であることを無視して「合意に基づく性行為だった」と断定。その上で、「一定の社会的な制裁を受けた」などとして「情状酌量の上、停職3か月」(報告書の記述)という軽い処分にしたことを公表していた。

 同日付で医師会から塩田康一鹿児島県知事に提出された調査報告書には、「合意の上である蓋然性は高いと思料される」と記されていたことから、県はその後、医師会に口頭で“会見内容と報告書の内容に齟齬があった”と指摘していたことがわかっている(*下の文書参照)

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【社会ニュース・鹿児島県医師会が、新型コロナウイルス感染者の療養施設などで起きた強制性交が疑われる事件】  2022年12月12日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER2022.11.18】:【鹿児島県医師会職員わいせつ事件】隠蔽されたハラスメント|調査委議事録が問う報告結果ねつ造の可能性

2024-08-03 06:34:30 | 【魂の殺人と呼ばれ、繰り返される性暴力の現状・ジャニーズ事務所が抱える性加害の闇

【HUNTER2022.11.18】:【鹿児島県医師会職員わいせつ事件】隠蔽されたハラスメント|調査委議事録が問う報告結果ねつ造の可能性

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER2022.11.18】:【鹿児島県医師会職員わいせつ事件】隠蔽されたハラスメント|調査委議事録が問う報告結果ねつ造の可能性

 鹿児島県医師会が、新型コロナウイルス感染者の療養施設などで起きた強制性交が疑われる事件の裏にあったハラスメント被害を組織として把握しながら握りつぶし、池田琢哉会長が吹聴した「合意があった」という主張に合わせた調査報告書を県に提出していたことが分かった。報告内容のねつ造が疑われてもおかしくない事態だ。

 ハンターが独自に入手した第一回調査委員会の記録文書(議事録)から明らかになったもので、医師会が設置した調査委は、性行為をはたらいた医師会の男性職員(今年10月末で退職)が常習者にセクハラ・パワハラを行っていたことを示す証言や証拠を確認しておきながら、調査報告に反映させず、懲戒理由にも加えていなかった。医師会は、県への報告にはもちろん県民向けの記者会見でも男性職員のハラスメントに触れておらず、組織ぐるみで真相を歪めた可能性がある。

 「強制性交」に結びつく可能性があるハラスメントの事実が隠された結果、男性職員や池田氏が主張した「合意に基づく性行為」だけが強調され、被害を訴える女性の人権が著しく侵害された形になっている。

 ■調査委、ハラスメントを把握

 広範囲に被害者を出していたとみられる男性職員のハラスメントは(既報参照)、「合意に基づく性行為だった」とする男性職員の証言を一方的に採用し、それを喧伝することで自己保身を図ったとみられる池田会長にとっては極めて都合の悪い事実。顧問弁護士らで構成された調査委は、1回目の会議でハラスメントの実態を把握していたが、9月27日に鹿児島県に提出した調査報告書にはその点について何も記載されていなかった。医師会として経緯を説明した記者会見でも、医師会側はハラスメントについて一切言及していない。弁護士も加担した組織ぐるみの真相隠しが疑われる。

 9月27日に開いた記者会見で医師会顧問の新倉哲朗弁護士(和田久法律事務所)は、ハラスメントのことを伏せたまま、刑事事件として捜査中の事案であることを無視して「合意に基づく性行為だった」と断定。一方的に強制性交を否定していた。

 男性職員の行為について検証するため医師会が設置した調査委員会が開いた第一回会議の議事録を確認したところ、新倉弁護士が、男性職員や池田会長ら医師会幹部が主張していた「合意に基づく性行為」を前提に、調査委の議論を進めようとしていたことがうかがえる記述が多数あった。

 それによると、新倉弁護士は会議の冒頭、男性職員によるセクハラとパワハラを調査に加えることを宣言していた。

新倉弁護士
新倉弁護士
 
 本調査委員会における調査範囲について、セクハラやパワハラも含めた懲戒事由を調査することとなった。

別の弁護士からは、セクハラの実態を示す報告がなされていたことも分かる。

早瀬弁護士――この件とは別に、セクハラを受けた話について2名の職員に話を聞いた。◆◆◆◆さん、●●●●さんの2名。◆◆◆◆さんは、(男性職員が)下ネタをLINEで送ってくる、そういうキャラクターだと思ってかわしていた。3~4年前、胸を揉まれた他の職員がいても平気でやっちゃうスキンシップのハードルが低い人。大事にするつもりはなかったと。●●さんは、誰もいない時に頬っぺたにキスをされたりということもあった派遣社員の▽▽▽さんがエレベーターの中でハグをされた。令和2年9月に、やめろというLINEを送った。■■課長にも報告するようにと言った。できれば、派遣さんについては無記名でもアンケートをして欲しいと話をしている。

 ハラスメントについての話を把握していた新倉弁護士は、宿泊施設内でのハラスメントについて報告を求めていた。

新倉弁護士
新倉弁護士
 
 医師会内部でもそういう話(セクハラ・パワハラの話)がある。宿泊施設内でもあったのではないか。

 会議の中で、医師会の役員がこう打ち明けている。

医師会役員――(男性職員から)セクハラをしてしまった(と報告を受けた)。(相手から)病気じゃないのと言われたらしい。東急ハンズの一番上にあるお店で、1~2時間くらい本人(男性職員)と話をした。親密さから抱きついてキスをしたのを、本人は愛情表現と言っていたが、私は、普通しないよねと言い、セクハラなんだから謝罪するしかないよねと話をした。訴えられたらどうする。

 この医師会の役員は、問題の男性職員と別の女性看護師を嫌がる新型コロナ療養施設のスタッフが、LINEで、男性職員によるパワハラを訴えてきていたことも明かしている。

医師会役員――(男性職員から)勤務から外すというLINEが来て、不安でしょうがないという感じだった。本人はハラスメントと感じている状態だった。

 これはすべて第1回調査委員会の記録であり、早い段階において男性職員のハラスメントが医師会内部の共通認識になっていたことは明らかだ。しかし、男性職員によるこうしたハレンチ行為は懲戒処分の理由に加えられず、対外的に公表もされなかった。何故か――?

 ■「合意があった」に誘導か

 疑問に対する答えは、この会議の中で出されていた。県医師会が調査委員会を設置することになった原因は、男性職員によるコロナ療養施設内でのわいせつ行為。本来なら事実認定された時点で“懲戒解雇”が当然だ。しかし、池田琢哉会長は今年2月10日、強制性交の被害を訴えている女性の話も聞かないうちに、わざわざ県庁の担当局に出向いて「強姦といえるのか、疑問」、「(警察からは)事件には該当しないと言われている」などと男性職員を庇う姿勢をみせていた。

 同月22日に開かれた県医師会郡市医師会長連絡協議会ではさらに踏み込んで、「本人(男性職員)によりますと、昨年8月下旬から9月上旬にかけて当該医療機関と宿泊療養施設内で複数回、行為を行った。そのうち、性交渉が5回で、すべて合意のもとであった」、「まあ、ちなみに本事案は短時間の間になされて数回性交渉が行われていることは双方の代理人弁護士の主張からも明らかで、強姦とは言い難いと思います」、「今日あったこういう情報(合意があったという情報)をですね、ある程度かみ砕いて伝えていただければ、現状はこうなんだよということをですね、伝えていただければありがたいなと思います」などと話していたことが分かっている。

 いずれの発言も、“合意があっての性交渉だから問題ない”という身勝手な考えに基づいており、事案の矮小化を図ろうという狙いがみえみえ。療養施設で不安を抱えながら過ごしていたコロナ患者に対する配慮や、「強制性交」の被害を訴えている女性に対する思いやりの気持ちは一切なかった。

 医師会の顧問を務める立場としては当然なのかもしれないが、新倉弁護士は、こうした池田氏の姿勢に沿う形で会議をリードしていた。“誘導”ともとれる同弁護士の、会議での主な発言を拾ってみた。(*以下、議事録にある男性職員の実名を伏せ「男性職員」と表記)

新倉弁護士
新倉弁護士
 
 事実認定を公正公平にしていくことになるが、証拠品が足らない。客観的な証拠が非常に重要。メッセンジャーやメールなどは、後から偽造ができないので、事実認定のために重要である。最終的に、合意かそうでないかの事実認定をどこまでするのかを決めなければならない。既に刑事告訴されているので、裁判、警察による捜査、検察による捜査、裁判という流れになる可能性がある。そうなれば、裁判所が最終的な事実認定をする。しかし、検察が不起訴にしたら、誰も事実認定をしないことになる。合意があれば、不起訴にするはず。強姦があった場合でも、罪の判断を下すのは裁判所。あくまでも懲戒事由に関しての事実認定になる。
新倉弁護士
新倉弁護士
 
 現在、証拠書類が男性職員側からしか来ていない。12月1日の資料2、女性側から男性職員に送ってきたメールらしいが、(女性側が)行為があったのは1回だけであること(と述べている)。(女性側から)これまでのメッセンジャー等の削除依頼が来ており、(女性側が)証拠隠蔽をお願いしている。こちらは男性職員には有利しかし、資料4の謝罪文に関しては不利。これから裏付けの証拠が男性職員から出る、女性側からもっと客観的資料が出るかもしれない。
新倉弁護士
新倉弁護士
 
女性からのメールは)男性職員の主張を裏付ける証拠になるんじゃないか。県への報告書は、証拠書類や委員の意見を反映させたものを作る。新聞報道は、そのあたりでしっかりこちらの主張を言うのかなと思う。謝罪文は男性職員がレイプを認める内容だが、9月30日だけのこと刑事事件だったら、いつ、どこでという事実認定をしないといけないが、日時は置いておいて、場所は重要だと思う。懲戒認定ではそれでいい。

 性被害を訴えている女性の立場を尊重する姿勢は皆無。どう見ても男性職員寄りの発言ばかりだが、新倉弁護士の発言を受けた医師会の大西浩之常任理事(*現在は副会長。医師会の会議で池田氏の「合意論」を補強)は、「トラブルがあった9月30日の後も、(被害を訴えている)女性から会いたいと言ってるので、私は強制的ではないと思う。保護しているドクターからの情報でBさんから10月7日に(被害を訴えている女性の姓名)の方から会いたい(とあり)、そのメールに男性職員は、忙しいから会えないというやり取りもある」として、被害を訴えている女性と男性職員との間で交わされたメールの記述を理由に、「強制的ではない」と短絡的な見方を示していた。その後の、新倉弁護士の発言はこうだ。

新倉弁護士
新倉弁護士
 
 大西先生が言ったような物(女性の方から会いたいと送信し、男性職員が、忙しいから会えないと返信したメールのやり取り)があるなら、起訴はされない検察、警察は動かない
新倉弁護士
新倉弁護士
 
 警察で受け取って、こっちで調べますねと周りから調べて行って、最後に本人から聞く。告訴があったとしても、男性職員に今いってないのは不自然ではない。(男性職員の代理人弁護士の)▲▲▲先生さえ、バーンと(男性職員と被害を訴えている女性の間で交わされたメールのデータを)出してくれれば、ここで話をしなくてもいい

 こうなると真相究明を目的とする調査委員会の進行役というより、事件を起こした男性職員の罪を軽くするための主任弁護人。はなから「合意に基づく性行為」という結論に持っていくための動きだったとみられても仕方がない発言が続いていた。

 新倉弁護士の本音が透けて見える発言もある。

新倉弁護士
新倉弁護士
 
 懲戒事由を宿泊療養施設まで広げるのかどうか。

 男性職員のハラスメントを調査対象にすると宣言しておきながら、懲戒事由を宿泊療養施設まで広げることを躊躇するかのような発言だ。明らかに整合性に欠ける。

 推測になるが、療養施設でのハラスメントまで明らかにした場合、女性から訴えが出ている「強制性交」の信憑性が高まるということを見越した新倉弁護士が、対象を広げた調査を避けようとしたのではないか。そして実際には、宿泊施設でのパワハラも医師会内部のセクハラも握りつぶされ、男性職員にとって不利な事実が表面化することはなかった。

 ■ハラスメント隠蔽の背景

 先週8日、男性職員が、常習的にセクハラ、パワハラを行う人物だったことを報じた(既報)。調査委員会の議事録からは、その事実が県医師会上層部の共通認識となっていたことや、同会顧問の新倉弁護士が、調査委の初回会合でハラスメントを懲戒処分の対象に加えると宣言していたことも明らかとなった。

 医師会の女性職員にだけではなく、宿泊医療施設に勤務していた組織外の女性にまで及んでいたハラスメントの被害――。同時期に起きたのが、「強制性交」の疑いが持たれている事件だったという事実を重ねれば、池田会長ら医師会幹部による「合意に基づく性行為」という主張の信憑性は大きく揺らぐ。

 おさらいになるが、鹿児島県への調査報告書に記された医師会の主張はこうなっている。

 1 宿泊療養施設における性行為は、「合意」に基づくものだった。
 2 これまで男性職員が就業規則に反した処分に処せられるようなことはなかったし、宿泊療養施設の立ち上げや運営、医療機関のクラスター問題などに尽力してお り、宿泊療養施設の看護師からも評価されている。
 3 一定の社会的な制裁を受けている。
――以上の理由から 情状を酌量し、停職3か月の処分にする。

 調査委員会の議事録と、前稿で紹介したハラスメントを証明する証拠となるメール画面から導き出されるのは、県に提出された調査報告書の内容が、真相を隠して都合のいいように捻じ曲げられた――つまりねつ造された――ものだったのではないかという見立てだ。真相隠しの目的は、言うまでもなく2010年から続く池田体制の維持。今年5月の医師会長選挙を控えていた池田氏やその周辺が、大した根拠もなく吹聴してしまった「合意があった」を引っ込められなくなり、歪曲された筋書きに沿った調査結果を求めた可能性がある。女性の人権を顧みない調査結果を導き出したのが医師会側についた弁護士たちだったとすれば、残念というしかない。

 ところで、取材を進めてきたハンターの記者は、男性職員のわいせつ行為が強制性交だったか否かを検証する上で、重要な役割を果たすことになる証拠を掴んでいる。もちろん医師会は、その証拠も保有しているはずだ。次の配信記事で、「証拠」が残された経緯に迫りたい。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【社会ニュース・鹿児島県医師会が、新型コロナウイルス感染者の療養施設などで起きた強制性交が疑われる事件】  2022年11月18日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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