【新型コロナ】:第6波ピークアウト間近も“感染頂上”高止まり必至 「子供たちの行動抑制を」と専門家
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【新型コロナ】:第6波ピークアウト間近も“感染頂上”高止まり必至 「子供たちの行動抑制を」と専門家
オミクロン株の感染拡大はもう終わるのか。13日の東京都の新規感染者は1万3074人と、5日連続で前週の同じ曜日を下回った。重症者数は増加しているものの、新規感染者数は着実に減少しているように見える。年明け早々始まった「第6波」はピークアウトしたのだろうか。
“第6波”はピークアウトするのか(C)日刊ゲンダイ
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海外の感染状況を見ると、オミクロン禍はおおむね1カ月前後でピークアウトを迎えている。例えば米国は、昨年12月中旬から感染者数が急増し、年明け1月下旬ごろから下がり始めている。英国は12月中旬から拡大し、1カ月も経たない1月初旬にピークアウトしている。
日本の「第6波」も始まってから1カ月超だ。やはり海外同様、収まっていくのか。ただ、日本の3回目のワクチン接種率はわずか8%程度。米国の27%、英国の56%に遠く及ばない。昭和大医学部客員教授の二木芳人氏(臨床感染症学)がこう言う。
「日本は陽性率が高く重症者も増加しているため、感染が落ち着いたとは言い難い状況ですが、新規感染者の下落傾向などを見れば、ピークアウトに向かいつつあるとは思います。ただ、ピークから“ストン”と急激に落ちる『マッターホルン型』でなく、しばらくは高止まりが続く『富士山型』になる可能性がある。なぜなら、ウイルスを運んでしまう子供たちへの行動抑制が、『教育機会を奪う』といった理由から弱いままだからです。子供たちの行動抑制をしなければ、結局、家庭で子供から3回目接種を済ませていない高齢者にうつり、ダラダラと感染が長引くことになる。短期間でも子供たちの行動抑制を実施すべきです」
シャカリキになるタイミングが悪い…(岸田首相)/(C)日刊ゲンダイ
◆「第7波」前に3回目ワクチンは効果切れの恐れ
幸か不幸か、この「第6波」は3回目のワクチン接種が進まなくてもピークアウトを迎えそうだが、一安心とはいかない。「第7波」が起こりかねない今年の夏前に、3回目ワクチンの効果が切れてしまう恐れがあるからだ。
複数の海外メディアがCDC(米国疾病対策センター)の発表として「ブースター接種は、約4カ月後にその効力の多くを失い、一部のアメリカ人、特に合併症や死亡のリスクが高い人は、4回目の投与が必要になる可能性がある」と報じている。
日本の高齢者の3回目接種は、2月から3月に集中する。CDCの発表に基づけば、岸田政権がシャカリキに進める3回目接種の効果は、6月末に切れてしまう恐れがあるということだ。
コロナ感染は、夏と冬に大流行する傾向がある。実際、デルタ株が猛威を振るった「第5波」は21年7月から始まり、「第2波」も20年7月から始まった。感染の“大波”が起こりかねない7月を目前に、肝心のワクチン効果が切れてしまうとしたら、何ともタイミングが悪い。高齢者はもう一度、夏前にワクチン接種せざるを得なくなるかもしれない。
元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース ライフ 【暮らしニュース】 2022年02月14日 13:50:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。