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シャーロック・ホームズ ベイカー街の幽霊

2006年10月03日 | ミステリ
マーティン・グリーンバーグ、ジョン・レレンバーグ、ダニエル・スタシャワーの編纂による、ということが日本語でどこにも表記してないけど、いいんでしょうか。オカルト事件とホームズをからませるパスティーシュ集。
オカルトとホームズという組みあわせの如何を問うまえに、短編ミステリとしてちょっと一言。

かつて江戸川乱歩が短編ミステリに必要なものということで「発端の怪奇性、論理の展開、結末の意外性」(不正確かも)てなことを言っていましたが、これはホームズものから導き出した真理だってはず。

ところが現代のミステリの手練れが書いているはずなのに、この真理にはまってものが見当たらないのはどうしてでしょう。唯一、近いところが「ミイラの呪い」H・ポール・ジェファーズ、「死んだオラウータンの事件」ギリアン・リンスコットぐらい。他のも詰まらないわけではないんですが、正典(オリジナル)の持っていた、乱歩の言うところの真理が感じられないような気がするんですが。

シャーロック・ホームズ ベイカー街の幽霊(ジョン・L・ブリーン他著 原書房)
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