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翻訳家の役割

2006年02月28日 | SF
古い話ですが、亡くなった翻訳家に黒丸尚、大伴墨人、という方がいました。 黒丸尚は一世を風靡したサイバーパンクSFの翻訳家として、例のルビを多用した独特の文体で新人作家の追従者まで生み出しました。ウィリアム・ギブスン「ニューロマンサー」の登場は衝撃的で、サイバーパンクはいっきにSFのメインストリームとなったように見えましたが、 黒丸尚が亡くなると、サイバーパンク系の作品紹介も少なくなり、ギブスン . . . 本文を読む
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佐々木守さん

2006年02月27日 | アニメ・特撮
脚本家の佐々木守さんが亡くなられました。 思えば脚本を担当したウルトラマンの「故郷は地球」(ジャミラ)の アイロニカルな設定に子供心ながら組織の非情さを感じたものでした。 地球への復讐心に燃えながら、弱点の水にドロドロになるジャミラは 悲しかったなあ。 それと脚本と設定を担当した「アイアンキング」は、いまさらながら 時代を強く感じさせるものでした。 なんてたって敵は大和朝廷に追われた少数民族、 . . . 本文を読む
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板橋しゅうほうについて

2006年02月26日 | others
「板橋しゅうほう」についてですが、 知り合いからメールで「子供を病院に連れていったら、待合室においてあったスーパーマンの絵本が板橋しゅうほうの画」だったそうです。板橋しゅうほうとスーパーマンの取り合わせはniceですね。 話かわって「ワンピース」という週間ジャンプ連載のマンガがありますが、これも別の知り合いから「あれって板橋しゅうほうですね」という指摘が。ああ、たしかに。 . . . 本文を読む
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デス博士の島への途中寄航

2006年02月25日 | SF
「デス博士の死」はいかにもニューウェーブな話。 「アイランド博士の死」から連想したのは、ジョン・ヴァーリィの「さようならロビンソン・クルーソー」。中身は忘れているんですが、似たような設定だったかもというかすかな記憶が。 読み終わったあとに思い出したのはコードウェイナー・スミスの「アルファラルファ大通り」。 わたし=ニコラス、ヴィルジニー=ダイアン、ヴォマクト=アイランド博士、いやイグナシオか。 . . . 本文を読む
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われわれの大陸は沈むのですね

2006年02月24日 | others
またまた「信長は謀略で殺されたのか・本能寺の変・謀略説を嗤う」ですが、文中に懐かしい名前がでてきたので、ちょいと書きます。八切止夫の作品が、明智謀略説の嚆矢としてあげられていたので、むかしのことを思い出しました。母親が八切止夫の本を持っていたので、中学生のころに挑戦したのですが、登場人物の背景をいっさい書かずにどんどん飛ばすのであえあなく挫折しました。 そういえば、ムー大陸の実在を研究した本を読 . . . 本文を読む
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偽書

2006年02月23日 | ノンフィクション
昨日の「信長は謀略で殺されたのか・本能寺の変・謀略説を嗤う」の片方の著者、藤本正行氏は「偽書『武功夜話』の研究」という本も書いています。 『武功夜話』というのは、わたしの住んでいる町のとなり町にある旧家から発見された織田信長にかんする記録です。この旧家の祖先にいた女性が信長の側室であり、秀吉も小六もこの旧家で信長に出会ったということになっています。この記録の発見は衝撃的で、遠藤周作も津本陽もこの . . . 本文を読む
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本能寺の変・謀略説

2006年02月22日 | ノンフィクション
「信長は謀略で殺されたのか・本能寺の変・謀略説を嗤う」【鈴木真哉・藤本正行著 洋泉社】 買ったばかりでまだ読んでいませんが、タイトルから分かるように中身は「謀略説を嗤う」です。   「信長と十字架」立花京子著 集英社新書    信長が日本を覇するのに、イエズス会から資金や兵器の援助を    受けていたという説。   「謎とき本能寺の変」 藤田達生著 講談社現代新書    本能寺の変の黒幕を足利 . . . 本文を読む
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落語天女ゆい

2006年02月21日 | アニメ・特撮
中部地区だと深夜に放映されているのが「落語天女ゆい」。 女子高生が江戸時代にタイムスリップ、落語の師匠に弟子入りして、魔物と戦うというアニメ。落語芸術協会が協力してます。 しかし、あんなかっこいい落語の師匠がおるかあ、敵を倒すときの呪文(?)が「きてれつのぱあ」って…。平賀源内が職人風のあんちゃんだし。エンディングテーマはド演歌、観ている人は買うんでしょうか? 作画は意外に丁寧ですが、その設 . . . 本文を読む
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手塚治虫=ストーリーマンガの起源

2006年02月20日 | others
「手塚治虫=ストーリーマンガの起源」【竹内一郎著 講談社選書】 中身の正しいかどうかはともかく、漫画家を技法から評論した本は初めて(とくに手塚治虫についても)ではないですか? そういう意味では大瀧詠一の「オールアバウトナイアガラ」のような読後感に近いですね。私自身の感想では、著者の言うところにほぼ賛成です。 手塚治虫はそれまでの物語文化の大きな結節点である。マンガを作ったのは手塚ではない。手塚は . . . 本文を読む
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ウルトラマンマックス さらばバルタン星人

2006年02月18日 | アニメ・特撮
前編・後編でしたが、なんだか胸をうたれました。 飯島敏宏監督、尊敬します。 黒部進、桜井浩子、二瓶正也、毒蝮三太夫の4人が そろいぶみでしたし。 . . . 本文を読む
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ヴードゥーの悪魔

2006年02月17日 | JDカー
カー最後の未訳本だった「Papa La-bas」が刊行されました。ニューオリンズ三部作(「亡霊たちの真昼」「死の館の謎)のひとつとして書かれたものです。著者本人による創作ノート(好事家のためのノート)によると、探偵役上院議員や事件の発端となるヴードゥークイーンも実在の人物だそうです。たしかにカーの他の歴史物でも実在の人物を使っているので不思議じゃないですね。探偵役となる上院議員はおとなしいフェル博 . . . 本文を読む
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星野之宣のSF

2006年02月16日 | others
星野之宣のSF作品がひさしぶりに出ました。「ムーンロスト」が一昨年だったと思うので2年ぶりですか。とはいえ新作ではなく、双葉社の月刊「スーパーアクション」に連載されていた未刊の「アーサーズワールド」と単行本未収録短編です。 珍しく星野本人のあとがきがあり、漫画家生活30年にいたったことが述べられています。ああ、スーパーアクション休刊からすでに20年たっていたんですね。 巻頭にはそこで連載されてい . . . 本文を読む
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ヴードゥーの悪魔

2006年02月15日 | JDカー
カー最後の未訳本だった「PaPa-LaBas」が「ヴードゥの悪魔」という題で原書房から刊行。晩年の作品なので、年寄饒舌体が炸裂しています。出てくるどんなキャラもニューオリンズの歴史に詳しいこと。んな、馬鹿な、です。 一目ぼれした彼女と舞踏会で偶然の再会なんて、昭和40年代の少女漫画じゃあるまいし。 でも、カーの翻訳本をじっくり味わえる幸福はこれで最後、感無量。 . . . 本文を読む
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BOOKMAN

2006年02月14日 | ミステリ
昭和60年代に「BOOKMAN」という雑誌がありました。発行人は故瀬戸川猛資。ミステリや映画の評論で名高い方です。この人がやっていたんだからフツーの雑誌じゃありません。活字フェチのためのオタクな雑誌でした。 特集はミステリに偏重していたのですが、いまでも読んで楽しいもののひとつに「ハヤカワポケミス・創元推理文庫絶版本紹介」というものが。ハヤカワポケミスも創元推理文庫も有名ですが絶版になったものに . . . 本文を読む
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怪奇大作戦

2006年02月12日 | アニメ・特撮
まいどおなじみの「特撮ベスト」。今回の特集は「怪奇大作戦」。 監督のひとり、飯島敏宏さんのインタビューの中で、 「海野十三とかの…」という言葉に納得。 「怪奇大作戦」は昭和40年代の「海野十三」だったわけです。 考えてみれば、冷凍人間や殺人レーザー光線、電送装置、水棲人間など まさしく海野十三をはじめ橘外男、香山滋といった怪奇小説(失礼)の 世界ですね。 「壁抜け男」は江戸川乱歩の怪人二十面相 . . . 本文を読む
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