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スタニスワフ・レム

2006年03月28日 | SF
スタニスワフ・レムが亡くなりました。 超こわもて系小説のようなイメージがあり、やや敬遠気味でした。 しかし「砂漠の惑星」はそんなこと抜きに、 探検隊全滅の謎を論理的に解いてゆくミステリとも読める 面白SF小説でした。 . . . 本文を読む
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コナン・ドイルの事件簿

2006年03月27日 | ミステリ
今週火曜日から地上波で「コナン・ドイルの事件簿」が放映されます。 原作は「シャーロック・ホームズ誕生秘史」という題で文春文庫から出ています。(現時点では1巻目の「患者の目」のみ。デイヴィッド・ビリー著) これがなんとも暗くてダークな話なんです。ホームズのモデルとなったベル博士と若きコナン・ドイルが事件を解決するんですが、ホームズ・ワトソンコンビとは違い、ベルとドイルの間にはなにやらいわくがある様 . . . 本文を読む
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魔王の足跡 2

2006年03月25日 | ミステリ
「魔王の足跡」(ノーマン・ベロウ著 国書刊行会) 雪野原に遺された蹄の跡と首吊り死体。大上段に振りかぶった謎は、なんだそりゃという解決でした。 いや、それなりにおもしろかったのですが、それはミステリ以外の部分で。 本格ミステリが一時期滅んだのは、こういうミステリが書き続けられたからではないか、と真剣に思わせるような話でした。作品が忘れ去られるには、それなりの理由がある、のでは。 . . . 本文を読む
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トム・リーミイ

2006年03月23日 | SF
サンリオSF文庫でしか読めない作家が何人かいて、 トム・リーミイもその一人です。 サンリオでは『サンディエゴ・ライトフット・スー』『沈黙の声』と2冊出ていました。『サンディエゴ~』は短編集で、SFというよりホラー・ファンタジイに近い作風でした。中でも表題作の「サンディエゴ・ライトフット・スー」、 「デトワイラー・ボーイ」では哀しい異能者の人生を切り取った佳作です。 トム・リーミイはSFファンジ . . . 本文を読む
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さいザンス

2006年03月22日 | SF
ピアズ・アンソニイの「ザンス」シリーズって映画化の予定なんだそうですね。 本当かどうかわたしには確認する術がないのですが、検索するとそういう話題がいっぱい出てきます。 ところでピアズ・アンソニイはもともと売れないSF作家で(とはいえ早川の銀背で1冊出ているのでまったく売れてなかったのでもないみたい)、ファンタジイの「カメレオンの呪文」(ザンスシリーズの1冊目)が世界幻想文学大賞をとってから同シリ . . . 本文を読む
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『魔王の足跡』

2006年03月21日 | ミステリ
ノーマン・ベロウ『魔王の足跡』 雪原に蹄の跡と首吊り死体、という大上段にふりかぶった謎。 やっと事件のところまで読みすすめましたが、これどうやって 解くんでしょうか。 解説によるとベロウは『It howls at night』という作品も書いて いるそうですが、これはカーのデビュー作『夜歩く It walks by night』の 本歌取り(?)じゃないでしょうか。 . . . 本文を読む
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木村伊兵衛

2006年03月20日 | ノンフィクション
先週の土曜日に国営テレビ放送で 写真家「木村伊兵衛」の特集をやっていました。 「オトナ帝国」にやられた人にはおすすめです。 ゲストの写真家・荒木経惟氏のコメントがよかったですね。 . . . 本文を読む
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絵巻物

2006年03月19日 | アニメ・特撮
日本には昔から「絵巻物」という形態の書物があり、有名なものには信貴山縁起絵巻、伴大納言絵詞、彦火々出見尊絵巻、鳥獣戯画等があるそうです。 で、絵から読み解くイコノロジーの専門家、黒田日出男がボストン美術館に所蔵されている「吉備大臣入唐絵巻」について分析をした本がこれ『吉備大臣入唐絵巻の謎』(黒田日出男著 小学館)。 ところで高畑勲も絵巻物について本を書いてます。『十二世紀のアニメーション 国宝 . . . 本文を読む
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アニメーション監督 原 恵一

2006年03月18日 | アニメ・特撮
「アニメーション監督原恵一」(晶文社)  『オトナ帝国の逆襲』『戦国大作戦』が素晴らしかったため。 どんな人が作っているのか知りたかったのです。まさか同じ年齢とは。 知識があっても面白い話は作れるものではない、と思いました。しかもこの年齢でこの枯れ具合はただ事ではないですし。宮崎駿的弾けるほどの饒舌さに比べるとまるで仙人。明確な理論や思想があるようにも思えないのに、演出の丁寧さ、設定の細かさは、 . . . 本文を読む
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宇宙版マリー・セレスト号事件・ベータ2のバラッド

2006年03月17日 | SF
4月下旬に予定されているのが、若島正編 『ベータ2のバラッド』(国書刊行会)。 70年代ニューウェーヴSF作家のアンソロジーです。 タイトル作の「ベータ2のバラード」はディレイニーの中篇(短編じゃなかったのですか!)で、宇宙版マリー・セレスト号事件をモチーフに、詩における意味論が炸裂する(?)傑作(のはず)。たしか同人誌に米村秀雄訳で掲載されたことがあったと思います。 ハーラン・”世界の中心 . . . 本文を読む
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オトナ帝国の逆襲

2006年03月15日 | アニメ・特撮
遅ればせながら、やっと「クレヨンしんちゃん オトナ帝国の逆襲」を観ました。もうこれは感動の1本です。 どこにこんな才能を持ったヒトがいたのか。 なぜいままでメジャーにならなかったのか。 他に作品を作っていないのか。 と探していたら、こんな本が「アニメーション監督原恵一」。 知りませんでした。さっそく買ってきて読みます。 . . . 本文を読む
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八切止夫と大阪圭吉

2006年03月14日 | ミステリ
江戸川乱歩の「探偵小説四十年(下)」を読んでいたら、注釈の部分で八切止夫のことが出ていました。 本名矢留節夫、戦前から南洋小説を書いていたが軍部ににらまれて満州にわたる。そこで出版発行人をやっていたらしく、なんと大阪圭吉の本を出していたらしい。 大阪圭吉は新城市、矢留節夫は名古屋あたりの出身ということで、同郷作家のよしみで出版したんでしょうか。八切止夫と大阪圭吉がつながっていたとはちょっと驚き . . . 本文を読む
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シャーロック・ホームズの冒険

2006年03月13日 | ミステリ
光文社文庫からホームズの新訳が。ちくま文庫版ほどではなく、原文の意味を正確に訳しつつ延原謙の味わいに近い訳文で好感がもてます。 ビートルズで言えば「アンソロジー 3部作」みたいなものですね。 . . . 本文を読む
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剣の八 その2

2006年03月12日 | JDカー
「剣の八」ですが、なんともデジャヴな読後感です。 なんか、どっかで読んだような話。 HM卿もので逆密室(?)てなことで有名な長編 あるいは同じHM卿のデビュー長編 昨日も書いたように後年の作品にも。 そのあたりのプロットに似ているような。 というより初期カーのプロット作りの習作みたいな作品ですか。 . . . 本文を読む
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剣の八

2006年03月11日 | JDカー
剣の八(ジョン・ディクスン・カー著) やっと新訳が出てうれしいです。こういう話だったんですね。フェル博士もフツーの人の口調に戻ったし。 ところで、今回の趣向はディクスン名義のある作品と同じで、プロットは最晩年の作品の裏返し、です。 解説で作家の霞流一氏が「名探偵集合論」みたいなことを書いておられましたが、この趣向は後年の「九つの答」につながるように思えます。 もうちょっとキャラクターの書き込み . . . 本文を読む
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