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チラシの裏

侍戦隊シンケンジャー 3 伏線の冴えを見よ

2010年02月15日 | アニメ・特撮
ミステリ的な視点でみると、ラス前5回の驚天動地の展開にいたるまで、
巧妙に伏線が張られていたことに気づきます。

たとえば、

第一幕の冒頭で丈瑠登場の場面、
ジイの彦馬が「こちらにおわすは、志葉家十八代当主~」と名乗りをあげると
「長い」と丈瑠が制します。
これで視聴者は丈瑠が当主だと思いこむのですが、
じつはそれがミスディレクションで、
この場面の本当の意味は名乗りを嫌う丈瑠ということだったんですね。

第六幕「悪口王」で、心の中の真実を見抜くアヤカシのズボシメシ(図星を示す、という意味ですね)に、
シンケンジャーでさえ心の中の真実を見抜かれ、丈瑠は「大嘘つき」と言われてふっ飛びます。



ふっ飛んだということは、「大嘘つき」が真実なので、誰かがそこに気づくと伏線がバレてしまいます。
だから、ストーリーはなぜことはがズボシメシの攻撃に負けなかったのか、という謎に焦点をしぼっています。
丈瑠が「大嘘つき」という意味は見事にストーリーの脇におしやられています(最後に茉子が少し突っ込みますが)。

第九幕「虎反抗期」で、
腑破十臓が「ドウコクが気づいていないとは驚き」と言っていた意味は、
丈瑠のことだったと後になってハタと気づきました。

さらに第十一幕「三巴大騒動」では封印の文字が説明されますが、
ここがまた脚本的には綱渡りの連続。
嫌味なくらいに家臣たちから距離をとろうとする丈瑠と、
家臣たちに封印の文字を説明する彦馬。
その彦馬のモノローグ、
「ドウコクが気づいたここからが正念場、命をかけたこの一策…」が、
影武者のことだったとは。
しかも委細(の一部)を聞いた家臣たちが
「当主の丈瑠は切り札だから」としきりに言う(小林靖子に言わされる)ので、
視聴者は伏線に気づかない。
さらにさらに、丈瑠に「いまからお前がシンケンレッド」だと言って獅子折神を渡した人物
(座敷の中で刀を持ったまま和服で倒れる・第十二幕)と、
血祭りドウコクを封印して息絶えた先代シンケンレッド(第十一幕)とは、
違う人物ということに気づきました。
そうですよね、建物の外でドウコクを封印して死んだ人物が、
部屋の中にいるわけがない。
やられました。

なんだかディクスン・カーみたいですね(笑)。



悪逆非道のズボシメシ


「プチ整形」


「二股……同士」

小林靖子さんの脚本は容赦ないですなあ。

シンケンジャーについての考察はこちらを参考にしました。感謝。
侍戦隊シンケンジャーを見たか?

山本弘のSF秘密基地BLOG
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