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SF挿絵画家の時代

2012年10月30日 | SF
SFマガジン連載の日本人SF挿絵画家の紹介をまとめたものですが、 たしかに金子三蔵の「20億の針」(クレメント)は不気味というか、 中身とまったく関係ないですね。宇宙船を襲う花みたいな生物は? 加藤直之「発狂した宇宙」(ブラウン)は珍しくメカものじゃなく、 作品世界をばっちり絵にしているところはさすがです。 中西信行の「バベル17」(ディレーニイ)、リドラ・ウォンが南沙織に似ているような。 . . . 本文を読む
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ゴースト・ハント

2012年10月24日 | others
読み終えるのにすいぶん時間がかかってしまった。 なぜなんでしょうね。 雑誌やアンソロジーに1編だけ掲載されているのならともかく、 1冊全部読もうとすると、繰り返しあらわれる同じモチーフ (古い屋敷、水への恐怖など)にたじろいでしまいます。 執拗なまでに似たような設定の作品自体の持つ恐怖度より、 それを書かざるを得なかった作者の心の暗黒面が読み手に ある種の強迫感を与えているように思えます。 読 . . . 本文を読む
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俳優パズル

2012年10月14日 | ミステリ
前作「迷走パズル」よりストーリー、謎とも複雑に作られているので面白いのですが、 たたみかけるような小騒ぎの連続がロースンの「帽子から飛び出した死」みたいで、めまいがしそう。 キャラクターが細かく出入りするのはアメリカ人の作風なんでしょうかねえ (合作の作者2人はイギリスからアメリカへ帰化)。 今作は「迷走パズル」に比べるとキャラクターも比較的奥行きがありますが、 謎解き寸前まで散らかった筋なのは合 . . . 本文を読む
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横溝正史の日記

2012年10月09日 | ミステリ
角川書店の「横溝正史読本」を読む。 再読ですが(再どころか何度も)、小林信彦が好きではないので、 読むたびにダブルバインドな心持ちです。 とはいえ、小林信彦による横溝正史インタビューは文句なく楽しいです。 話す内容を分かってくれる相手には警戒心もなく、思ったことを腹蔵なく言えるんでしょうね。 じつは元版には文庫版では割愛された正史の日記が載ってました。 昭和40年の1年間の日記ですが、 昭和 . . . 本文を読む
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最後の賢者

2012年10月05日 | SF
ドリス・レッシングの短編集「グランド・マザーズ」所収の「最後の賢者」は、 文明崩壊後の世界を舞台にしたSFかと思いきや、じつは・・・という話。 ドリス・レッシングは2007年にノーベル文学賞を受賞している文学者ですが、 じつは「アルゴ座のカノープス」というSFも書いていました。 「最後の賢者」は日本語の選び方次第で未来の話にも、古代の話ともとれるわけで、 ラストのツイストもそこのあたりを狙っている . . . 本文を読む
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迷走パズル

2012年10月03日 | ミステリ
思っていたより面白かったです。もうしわけない。 俳優パズルも読んでみます。 面白いと予想できなかった理由、 パトリック・クェンティンが本格を書いていたとは知らなかった。 昔創元で出ていたのは後期のサスペンスものだったので(猫マークだったはず)。 ネタばれ 探偵役が失敗するところ(謎解きが二段構えになっている)。ここまで 面白いと思った理由、 冒頭数十ページでネタ割れしたと思ったら、まんまとミスデ . . . 本文を読む
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