「連続殺人事件」に続いて発表された(1941年)フェル博士ものですが、
カーの作風が明らかに変化してきたことがよく分かります。
とくにこの作品はオカルトなし、ドタバタなし、不可能犯罪なし、
登場人物は最小限におさえられ、コンパクトなミステリとして成立しています。
しかしダグラス・グリーンの評伝「奇蹟を解く男」では、
『(猫と鼠の殺人における)ラストの論理性にはまったく納得できない』と書かれています . . . 本文を読む
もっと以前に出ていてもおかしくはないけれど、とにかく出てくれて嬉しいなあ。
1970年代編と銘うってあるからには、80年代編とかも出るんですかね。
手塚治虫先生との対談では、
手塚先生が「なぜ?」「どうして?」「アレはつまらん!」とオレ様ルールで大暴走。
神様だから許される所業でしょうね。
「砂漠の絵で何ページも続けるのは原稿料をかせぐため」(手塚)
「え、うそ~」(萩尾)
と天然ぶりが可愛い . . . 本文を読む
今日はジョン・ディクスン・カーの命日ということで(1977年2月27日永眠)、
好きな作品ついての話を花替わりに墓前へ。
どれか1冊に決めるとなるとたいへん難しい作家なのですが、
作品の出来とは別の基準で「連続殺人事件」がマイフェイバリットです。
カーの著作の中ではB級クラスの作品ですよね。
トリックは大失敗しているしプロットは分かりにくい(これはこちらの頭がぼんやりしているからでしょう)。
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わはははは、面白い!「毒入りチョコレート事件」!
こんなに面白いんだったら、10代のころに読んでおけばよかった…。
最初から最後まで「謎解き」パートだけで長編を1冊書いてみましたけど、
という俊才の閃きに見事にやられました。
「毒入り~」の趣向は、
(安楽椅子)探偵の複数化によるテキストクリティークの積み重ねから事件を再構成させること、
というあたりでしょうか。
しかも、【以下ネタバレ 反転】 . . . 本文を読む
深夜アニメ今期最大話題作は「ミルキーホームズ2幕(第2シーズン)」で、
我がアニメマスターいわく「今が旬ですよ!」
第1シーズンは助走というところ、第2シーズンでアクセル全開、
第3シーズンに入るころは製作側が飽きているのでは?ということらしいです。
各話のタイトルが有名なミステリ小説やミステリドラマのパロディになっているところが面白いのですが、
本編はほんっとにくだらないです。
たとえば
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正統派フーダニットのミステリなんですが、いかんせんミスディレクションの弱さが残念。
クリスティならば、あらぬ方向に引っ張られていって驚かされるんですけどね。
いわゆるコージーミステリならばキャラクターで読ませるところですが、
キャラもいまひとつ立ってないところが惜しいなあ。
二重殺人の謎はけっこういいんです。
いいんですけどね、ネタバレをあえて言わせてもらえば、殺さなくてもいいのでは?
殺さな . . . 本文を読む
知り合い(というか師匠にあたる方)から「総天然色ウルトラQ」をお借りしました。
ありがとうございます!
いずれじっくりと観るつもりで、
まずは「クモ男爵」回で屋敷が燃え落ちる場面をチェック。
ああっ!
ないっ!
特撮スタッフの手が崩れる壁の陰でチラッと見えている場面がカットされている!
惜しいなあ。
デジタルリマスターになって、
そのスタッフの顔まではっきり映っているかと思ったのに。
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