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チャールズ・ハーネス その2

2011年10月27日 | SF
ベイリーときたらハーネスじゃない?

チャールズ・ハーネスの単著は日本ではサンリオSF文庫の『ウルフヘッド』だけです。

なんといっても代表作の『リタネルの環』がサンリオSF文庫から出るという噂があったことに身もだえしそうです。
どこかの版元から出ないのかああああああああああ!
出ないだろうなあ、翻訳は完成しているはずなのに!

オールディスが「十億年の宴とみなしうるかもしれない」と絶賛するのは、
ハーネスの『パラドックス・メン』です。
マニアな方はどこにでもいらっしゃるもので、
ネットで探せばハーネスファン(しかも原書で読んでおられる)が、
「以後翻訳されることはないという前提で」あらすじを紹介しておられるので、
興味のある方はお探しください。

てなわけで『パラドックス・メン』はボンヤリしたあらすじは知ってしまっていますが、やっぱりこれも出してほしいですね。。

それなのに『ウルフヘッド』がすごく面白ければ、出る目もあるかもしれないんですけどね。
いや、わりと面白いのですが、ハーネスらしさがウスい感じなところが惜しい。
他の長編作品を読んでないオマエがウスいって言うな、ですが。

『ウルフヘッド』は文明が崩壊したアメリカ大陸を舞台に、
地底帝国化したホワイトハウスへ誘拐された奥さんを連れ戻しにいく男の話です。
その男は脳にケガをして、野生の雌狼の脳の一部を移植されてしまうんです。
それで『ウルフヘッド』という題なんでしょうね。

反対に翻訳された短編は炸裂してますよ。
短編は「時の娘」「現実創造」「時間の罠」の3編しか訳されていないみたいですね、なんと!

「時の娘」(『時の娘 ロマンティック時間SF傑作選』創元SF文庫)




「現実創造」(『20世紀SF〈1〉1940年代―星ねずみ』河出文庫)
※『20世紀SF〈1〉1940年代―星ねずみ』は傑作揃いで、
「星ねずみ」(フレドリック・ブラウン)
「昨日は月曜日だった」(シオドア・スタージョン)
などと比べられると分が悪いなあ。



「時間の罠」(『タイム・トラベラー』新潮文庫)
※この中ではハーネス作品が強力だと思いますが、ちょっと古臭いか。
ブルース・スターリング&ルイス・シャイナーの「ミラーグラスのモーツァルト」は
サイバーパンクが張り付いてしまって逆にこれも古臭いんですよね。
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