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緯度殺人事件

2016年05月29日 | ミステリ
船上というクローズド・サークルの中でおきる連続殺人、
格好の本格ミステリなシチュエーションなのに、この展開とは。
ハサミの行方という小さな伏線や、何気に暗号があったり、パーツは悪くないのに、
肝心の「犯人は誰?」という大きなプロットにはミスディレクションが見当たらす、
サプライズがまったく無いのは残念至極。
女主人公のキャラクターはいい感じに仕上がっているだけに惜しい。

帯に「サスペンシブルな」とあるけれど「サスペンスフル」じゃ…?
吊り下げられちゃう船上ミステリって、ちょっと読みたくなる。

われら世代だと、緯度と言えばこれ、「緯度0大作戦」。




アメリカと東宝の合作だから、円谷の特撮も気合が入っていてカッコいいです。
ようつべのコメントでセットやデザインがチープ、と書いてありましたが、
黒鮫号とアルファ号の魚雷がそれぞれ「真っ直ぐ」飛んでいるカットや、
レーザーの光学処理と爆発カットのタイミングのハマリ具合に、
国内映画には見られない気合みたいなものが伝わってきました。


■緯度殺人事件 ルーファス・キング 論創社
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