久生十蘭をはじめてちゃんと読みました。
顎十郎捕物帳は読んでましたが、「魔都」は最初の10ページぐらいで投げてしまった私にとって
久生十蘭の短編は面白いのか?、という心配は杞憂におわりました。
おもしろい!(当たり前ですよね)
わたしにとって久生十蘭についての情報は、結局都筑道夫の本しかないのですが、
都筑道夫は久生十蘭の小説技巧至上主義者的な側面しか書いていない。
同業の作家(しかも都筑道夫 . . . 本文を読む
まだ創元推理文庫にハテナオジサンとか帆船とか片目キャットとかのマークがあったころ、
ハヤカワミステリ文庫にミステリアス・プレスという若干ゴージャズなシリーズあったころ、
ハーバート・レズニコウというミステリ作家が鳴り物入りで紹介されました。
レズニコウ名義の作品(ほかに共作の邦訳作品あり)
『音のない部屋の死』
『ゴールド1 -密室』
『ゴールド2 -死線』
タイトルから想像できるように、密室など . . . 本文を読む
NHKで「コクリコ坂・父と子の300日戦争」というドキュメンタリーを放映していましたが、
あい変わらず言いたい放題の宮崎翁でした。
東日本大震災発生時にジブリ社内では休業という指示を出すことに決定していたにもかかわらず、
「こんなときにこそ仕事をすべきだ! 生産点を放棄してどうするんだ!」と役員一同を一喝する場面では
組合活動家というか、宮崎・ホルス・駿の面目躍如でしたね。
太陽の王子 ホルスの . . . 本文を読む
ピエール・ボアローは、ボアロー&ナルスジャック、のボアローですが、単独でも作品を書いています。
読んだことがあるのはこれと「大密室」の中の「三つの消失」だけですが、
S・A・ステーマンと似たような読後感は、
大風呂敷に続く肩透かしな謎解きだからかなあ。
大人のための「少年探偵団もの」と思えば腹もたたない、納得できるのではないでしょうか。
■殺人者なき六つの殺人 講談社文庫 . . . 本文を読む
S・アンドレ・ステーマンはフランスミステリ界では珍しい本格派として日本でも有名です。
ご本人はベルギー人ですが作品のマーケットはフランスのようです。
「本格派」という言葉でクイーン張りの論理性を期待するとちょっと(どころか大きく)ハズレます。
やはりフランスは冒険小説のお国柄(?)なので、
冒頭の謎は思いっきり大風呂敷で派手な展開が続くのですが、
そのわりに謎解きがショボイので最後にガッカリするん . . . 本文を読む
小松左京が亡くなりました。
ほとんど(まったく)日本SFを読まない人間にとっても、
巨星墜つ、という感じですね。
いままで読んだ数少ない日本SFの中では、
小松左京の「青い宇宙の冒険」が印象に残っています。
SF的なガジェットはともかく(すっかり忘れている)、
1970年の地方都市を舞台にした、という点で個人的な思い入れがいや増すというか、
解説役がドイツ人学者という配役が、いかにも旧帝大出 . . . 本文を読む
突然ですが、早川書房には「ジョン・ディクスン・カー選集」を出していただきたい。
全集ではないところがミソで、カー・マニア(古本屋やネットで探している方々)向けに、
カー作品の中でもB級作品の誉れも高い(?)作を中心に編んだ選集を、
新訳と充実した解説でもって出すという企画です。
『蝋人形館の殺人』
『四つの凶器』
『弓弦城殺人事件』
『毒のたわむれ』
『パンチとジュディ』
『五つの箱の死』
『震 . . . 本文を読む