魅力的な探偵が考案できたなら、ありきたりな事件や筋でも充分おもしろい、
といういいサンプルです。
「短編の名手」と言われているジャック・リッチーですが、
カーデュラシリーズの面白さは主人公であるこの探偵本人につきるのではないでしょうか。
とあるひじょうに有名な架空の人物を探偵にすえて、
言わぬが花の吸血三昧。
あのお方がアメリカのミルウォーキーで
うらぶれた私立探偵を営業しているという設定がとても . . . 本文を読む
物語としては一応決着がついてはいるのですが、著者は全体図のほんの一部しか見せてくれません。
世には何部作といいつつ、1作ごとにそれなりのカタルシスのある作品もありますが、
残念ながらこのファージング3部作は、3冊を続けて読まないといけないようです。
「英雄の朝」は、途中まで本格ミステリのスタイルと雰囲気は濃厚にあるのですが、後半では犯人探しよりもポリティカルサスペンスになってしまいがちで、改変歴史 . . . 本文を読む