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ブラウン 「死の10パーセント」

2023年11月27日 | ミステリ
フレドリック・ブラウン『死の10パーセント』を読む。
古い作品から晩年までの日本オリジナル編集、初出掲載雑誌と掲載年が載っています。
意外にも「エラリークイーンズミステリマガジン」に掲載された作品が謎解きじゃない。
ブラウンには謎解きよりもニューロティックな作品を、というダネイの意向なのか?
メインメニューの「殺意のジャズソング」の掲載が「The Saint Detective Mgazine」
(レスリー・チャータリスのザ・セイントをフィーチャーしたパルプ雑誌)というのも、意外といえば意外。
「謎解き」だけれど作品の根幹はハードボイルドなので、若干後味が悪いのは資質なんでしょうね。
酒と拳銃がバンバン出てくるのもハードボイルド調。
”ビックス”バイダーベックが出てくるのは、ブラウンがニューオリンズジャズに詳しいのか、
はたまた当時のアメリカでは、バイダーベックがサッチモぐらいに有名人なのか。
ちなみに”ビックス”はあだ名なので、「ビックス−バイダーベック」とハイフンでつなぐのは変だと思う。
「フルートと短機関銃のための組曲」に登場する名探偵は出典があるような気がするんですが、
まさかブラウン神父じゃないだろうし。誰なんだろう。
表題作「死の10パーセント」と「最終列車」がSF/ファンタジイ作なので、
ミステリだけを集めたわけじゃないのは、なんとなく首尾一貫していない恨みも。
でも「最終列車」は傑作だと思う。
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