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菊水江戸日記

2023年11月11日 | 時代
「菊水江戸日記」(春陽文庫 横溝正史)
巻末の書誌によると、連載と同時に本となったのは昭和17年に杉山書店から、
そのあとは平成15年の出版芸術社横溝正史時代小説コレクションのみ。
「菊水兵談」でさえ昭和40年代に桃源社から出ているのに、本当にレアな作品だった模様。
検閲の目をくらませるための翼賛的な発言をする登場人物は、著者の本意ではなかったからでしょう。
続編ともなると菊水兵馬は主人公としては使いづらいので、
兵馬のライバルを登場させて話を広げようとしています。
が、著者のノリがいまいち悪い感じ。
裏切り者「狐」が登場するエピソードは、クイーン最後の長編のような技が見える(ような気がする)し、
臆面もなく「6つのナポレオン」をいただいたエピソードもあり、
「兵談」よりは捕物帳に寄っている感じがします。
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