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チラシの裏

ハーバート・レズニコウ

2011年08月21日 | ミステリ
まだ創元推理文庫にハテナオジサンとか帆船とか片目キャットとかのマークがあったころ、
ハヤカワミステリ文庫にミステリアス・プレスという若干ゴージャズなシリーズあったころ、
ハーバート・レズニコウというミステリ作家が鳴り物入りで紹介されました。
レズニコウ名義の作品(ほかに共作の邦訳作品あり)
『音のない部屋の死』
『ゴールド1 -密室』
『ゴールド2 -死線』
タイトルから想像できるように、密室などの不可能犯罪をテーマにした本格派、という触れ込みでした。
『ゴールド1 -密室』では戸川安宣が熱い解説まで書いていました。
当時まだ若かった私は「おお!これは!」とか言いながら
『音のない部屋の死』、『ゴールド1 -密室』を速攻で読みました。




ところが、ですね。つまらなかったんです。
そのつまらなさは、言葉で言い表せないくらいです。
トリック、キャラクター、ストーリー、どこをとっても平均以下。
作品全部がつまらなかったのだと思います。
なぜ、こんな作品を創元もハヤカワも強力にプッシュしていたのか、今もって謎です。

私だけが詰まらないと思っていたわけでない証拠に、
『ゴールド2 -死線』以降邦訳は途絶えて、1997年に本国(アメリカ)でレズニコウ本人が亡くなりました。
この頃から出版社を信用しなくなったのでしょうか・・・。

ところで、この頃の創元推理文庫の新刊には「紙魚の手帖」という投げ込みがはさんであって、
けっこう気合のはいった編集がされていましたね。
自社新刊を俎上にのせた書評とか、いま読んでも面白いんですよ。
まとめて本にならないかな。
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2 コメント

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ネタバレ、注意 (くり)
2011-09-02 01:37:29
今度はレズニコウですか。畳み掛けてきますねえ。なんといっても、この作品の醍醐味は、ダイイングメッセージの絵でしょうね。
「この、大根とソーセージらしきものは、事実大根とソーセージだったんだ」
思わず本を投げつけようかと思いましたよ。こんな気持ちになったのは、「翼ある闇」と、二階堂黎人のなんたらいう本の3回だけです。
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これで最後 (spin out)
2011-09-06 17:25:47
ご安心ください、
N階堂センセの本もM耶雄嵩センセの本も出てきませんので。
N階堂センセのあの本は、脱力でしたねえ。
「雪の上には人の足跡はいっさい無かったのだ」
「しかし、車の轍はあったのだ」(!)
え~~~、やっぱそのオチかよ~
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