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ミスターモト

2014年08月31日 | ミステリ
ハイカラ右京を探していたら、出てきた角川文庫版「ミスターモト」。

著者のJ・P・マーカンドはアメリカ人なので、日本人と日本文化の知識は脳内妄想でしょうね。
とはいえ、「ミスターモト」は日本人でありつつ(ミカド直属のシークレットサーヴィスらしい)
アメリカ文化にも通じている、というキャラクター設定で、
アメリカと日本をつなぐための役割りを担っているようです。
本書の主人公は典型的なまきこまれ型で、最後はめでたくヒロインと一緒になるという、
いかにもペーパーバックなストーリー。
ミスターモトの登場する長編は6作あり、これは3作目の「Mr. Moto is so sorry」。
邦訳されて本になっているのはこれ1作のみ(1作目がEQに連載されていましたが未単行本)。
※と思ったら、論創海外ミステリで2作目の「サンキュー、ミスター・モト」が翻訳予定あり。


戦前にはハリウッド映画にもなっていて、ミスターモトはピーター・ローレが演じていました
(ようつべで観られます)。
日本人と言われれば、そんな風にも見えなくもない。
ちなみにディズニーの「海底二万哩」ではコンセイユ役で、
ネッド・ランド役のカーク・ダグラスとかけあいをしてました。




1938年「Mr. Moto Takes a Chance」
冒頭の飛行機墜落シーンの特撮がなんともいいです。


河村要助(表紙イラスト)の絵を見ると故大瀧詠一を思い出しますが、
ベルエアーズ(Bel Airs)の「ミスターモト Mr.Moto(霧の彼方へ)」は多羅尾伴内楽団 Vol.1の1曲目でした。


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