NPJで知りました『知る×つながる=動き出す カナロコ 神奈川発コミュニティーサイト』に出ていた記事【特定秘密保護法案を問う(13):映画監督・作家の森達也さん、集団化加速する日本、もっと絶望した方がいい】(http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1312060007/)。
森達也さんは特定秘密保護法案が可決されなくても、既に「国民を騙し続けたこの国には秘密保護法など不要」とのご意見だ。もう十分に騙され、(非)特定秘密隠蔽法案が成立するかどうかに関係なく、市民やマスコミ、ジャーナリズムが十分に飼いならされてしまっているといったところか?
『●森達也さん『国民を騙し続けたこの国には秘密保護法など不要』』
「でもアメリカは復元する。ジャーナリズムと国民の知る権利への意識が
あるからだ。日本は復元しない。行ったら行きっぱなしなのだ。
そんな国で秘密保護法がもうすぐ成立する。どんな状態になるのだろう。
機密を理由にやりたい放題。とてもとても楽しみだ」
このインタビュー記事も同様な趣旨だと思う。「もっと絶望した方がいい」、と。
でも、先週末の衆院通過を受けて、(読売系や産経系を除く)マスコミやブロック紙・地方紙が大騒ぎするほど、「自公の政治家や翼賛野党の議員」に投票した人達は「騙され(つづけ)ることの責任」については反省するどころか、その自覚すら無いようである。昨日、以下をつぶやいた:
「■サンデーモーニング『風を読む』で、「秘密保護法が必要」
「参院を通過して良かった」等街の声に唖然。自公や翼賛野党議員に
投票している有権者には「騙された」といった感覚は無く「投票して良かった」
といったところのようだ。救い難いお目出度さ
(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/28f2776c14d6c2da79a0c4220d510a79 …)」
どうやら、「自公の政治家や翼賛野党の議員」非投票者・非支持者だけが「絶望し」ているらしい・・・。とほほ、な状況である。
『●「『平成の治安維持法』をつくった総理」の
非常に危険な思い入れ、それに手を貸す責任』
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【http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1312060007/】
特定秘密保護法案を問う(13):映画監督・作家の森達也さん、集団化加速する日本、もっと絶望した方がいい
2013年12月6日
国民の知る権利を侵す特定秘密保護法案。この法案はどこから来て、われわれをどこへ連れていこうとしているのか。1995年のオウム真理教による地下鉄サリン事件を時代の転換点と見定め、不安や恐怖にあおられて結束を強める社会、「集団の熱狂」の危険性を唱え続ける映画監督・作家の森達也さんに聞いた。
-法案反対を訴えてきたのに、自身のホームページで「実のところ意識のどこかで、もう通しちゃえば? 半ば本気でそう思っている自分がいる」と書いた。
「シニカルすぎるかなと思うけれど、2割くらいは本音です」
-その真意は。
「絶対に通してはいけないと思っています。でも、日本人はもっと絶望した方がいい。ドイツは改憲の際に国民投票を必要としない。理由をドイツ人に聞くと、『自分たちを信頼していないからだ』と。かつて世界でもっとも民主的といわれたワイマール憲法を掲げながら、ナチスを選択してしまった。彼らは自分たちに絶望し、その力量を見限ったわけです」
-集団の熱狂が判断を誤らせた。それは日本も同じだったはずです。
「でも、僕らは戦後一度も絶望していない。その背景には優越思想がある。アジアではナンバーワン、中国や朝鮮とは違う。そういう意識があったからこそ、戦後復興も高度経済成長もあった。しかし、いまやGDP(国内総生産)は中国に抜かれ、抜き返すことはないでしょう。国土も資源の豊富さも全然違うんだから当然。でもいまも差別意識が残っているから認めることができない。その軋(きし)みが、在日コリアンの排斥を主張するヘイトスピーチ(憎悪表現)などに表れていると思います」
-優越意識をほとんどの人が自覚していない。
「そうですね。そしてそれは、米国の仲間になりたい気持ちの裏返しでもある。なぜ安倍首相がここまでして秘密保護法や国家安全保障会議(日本版NSC)をつくり、改憲を目指すか。米側の意向だからです」
「もちろん米国には秘密保護法のような法律がありますが、常に情報を隠そうとする政府と情報開示を求める国民とのせめぎ合いがある。第3代大統領のジェファーソンは『新聞のない政府と、政府のない新聞のどちらかを選べと言われたら、私は迷わず後者を選ぶ』と言った。つまり、権力の腐敗や暴走を阻止するにはメディアが必要なんだと。合衆国憲法の修正条項には第1条に信教・言論、出版、集会の自由が定められている。知る権利は米国にとってもっとも大事なことなんです。米国並みの情報管理をと言うが、日米では前提がまったく違う」
-日本では法案の危険性にピンときていない人が多いように感じる。
「学生を見てもそうですが、関心が低い。よく耳にするのは『メディアが騒ぐのは、既得権益が脅かされるからだ』という意見。確かに既得権益です。だけど、メディアがどういう存在か。単なる株式会社じゃない。国民の生活、営みを守る存在でもある。そういう意識がないのだと実感しました」
「さらに日本人はルールを作ってもらい、規制された方が楽だという意識をもともと持っていると思う。同調圧力が働き、集団の意見に従おうとする。持論ですが、オウム真理教による一連の事件以降、日本の『集団化』は加速した。当然、はみ出すものは異端として激しくバッシングされる。弱みを見つけた瞬間に群がって『炎上』する」
-危機感があおられ、「集団化」が加速する。
「イラク戦争のときに日本が米国を支持したのは北朝鮮の存在が怖かったから。中国も含め、常に“外敵”がいる、と。東日本大震災も不安をもたらし、集団化を強めることになった。人々は強いリーダーが欲しくなり、それを自民党に期待した」
-メディアが果たした役割も大きかった。
「責任はメディアにもある。テレビを見たり新聞を読んだりして市民は考えるので、メディアがどう反応し、主張するかは重要です。いまになって秘密保護法の反対キャンペーンをしているが、じゃあ『ねじれ解消』は何だったの。『ねじれ解消』という言葉を使う時点で安倍政権の政策を支持したということ。アベノミクスも持ち上げた。こうなることは分かっていたはずです。疑問を持っていた記者はたくさんいたかもしれない。だけど読者や視聴者に受けるかという客商売の論理で判断され、あらがいも見えない。社会全体の流れに合わせてしまう」
-ヒステリックになり、判断を間違える集団の危険性をずっと訴えてきた。
「正直疲れた。同じことを何度も言って、自分でも飽きてきた。ただここで『一抜けた』は言えないし、言いたくない。いまが正念場だから。この法案が通ったら国が大きく変わるでしょう。大きな一歩を踏み出す。集団的自衛権の行使の容認、改憲へのカウントダウンが始まる。今回法案の成立を回避できたとしても、メディアを含め国民がこのままでは、すぐ同じことになる」
-どん底まで落ちなければ分からないでしょうか。
「落ちても分からないかもしれない。落ちるところまで落ち、気付いたとしてももう、はい上がれない。それも十分あり得る。危険な意見だと自分でも分かっています。でもね、ここで僕が秘密の範囲が不明瞭とか第三者機関が必要とか言ったところで、ほとんど意味をなさないからね。正論過ぎて」
「『通しちゃえば』なんて言いたくないけど、言いたくもなりますよ」
◇
インタビューから2日後の5日、特定秘密保護法案は参院特別委員会で強行採決され、成立にまた一歩近づいた。
◇
もり・たつや 映画監督、作家。1956年、広島県生まれ。代表作にオウム真理教信者を追ったドキュメンタリー映画「A」(98年)、「A2」(2001年)。近著に「『自分の子どもが殺されても同じことが言えるのか』と叫ぶ人に訊きたい」。明治大学特任教授。57歳。
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asahi.comの記事【秘密保護法案、映画人ら269人反対 吉永小百合さんも】(http://www.asahi.com/articles/TKY201312030272.html?ref=com_top6)と、
保坂展人さんの記事【「目配せ」でも成立する共謀罪と特定秘密保護法案】(http://www.asahi.com/and_w/life/TKY201312020368.html?ref=comtop_fbox_d2、http://www.asahi.com/and_w/life/TKY201312020368_01.html)、
そして、解説記事【(新ポリティカにっぽん)秘密保護法案、いまこそ再考を】(http://www.asahi.com/articles/TKY201312030244.html)。
最後に、東京新聞の記事【知る権利もメルトダウン 落合恵子さん憤り胸に反対運動】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013120690100153.html)。
(非)特定秘密隠蔽法が参院でも可決されてしまった。(矢崎泰久さん)「・・それでなくとも「違憲状態」にある国会が、こうしたデタラメな法律を審議する資格など、どこにも見当たらない」(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/f15ad34b381cf38250f40df47c7ee7ea)にもかかわらず、「ウソをつく人達」である自公議員や翼賛野党議員が「治安維持法」を可決、または、可決をアシストしたわけである。彼/彼女ら議員に投票した人達は、どうも「騙され(続け)ることの責任」を問おうにも、その自覚は全くないようで、いくらその責任を叫んでも空しい・虚しいだけで、次の選挙が来ればまた過ちの繰り返しなのだろう。
保坂展人さんの記事によると、あの小泉純一郎氏でさえが「『平成の治安維持法』をつくった総理」と呼ばれることを嫌ったそうだ。「『平成の治安維持法』をつくった総理」安倍晋三首相や石破茂幹事長らの危険な「思い入れの強さ」で、戦争できる国へまっしぐら・・・。「「私たちの『知る権利』がメルトダウンしてしま」い、さまざまな権利が「民主主義国家」をメルトスルーし、どこに権利が存在するのかわからない状態へ。
それにしても、「第三自民党」公明党の議員の自民党議員化は目を覆うばかりだ。「平和」を願っているらしい「学会さん」らの心情や如何に。
『●閉塞の時代に: 安倍晋三首相の危険な「思い入れの強さ」』
「要するに都合のいい委員会を作り、自分の望む方向へと議論を
誘導してくれる委員を選び、消費税増税にしろ、TPPにしろ、
好き放題やっている訳。戦争を出来る国へと異常な「思い入れの強さ」。
その結果、以下のような世界を希求している」
『●『石原莞爾/その虚飾』読了 (2/2)』
「「手と足をもいだ丸太にしてかへし
万歳とあげて行った手を大陸へおいてきた
/・・・鶴彬は、こうした刺し貫くような反戦川柳をつくって逮捕され、
赤痢にかかって、手錠をかけられたまま、二十九歳で病死した」」
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【http://www.asahi.com/articles/TKY201312030272.html?ref=com_top6】
秘密保護法案、映画人ら269人反対 吉永小百合さんも
2013年12月3日20時01分
【織井優佳】 高畑勲監督、降旗康男監督、山田洋次監督ら5氏が呼びかけ人となり、「特定秘密保護法案に反対する映画人の会」が3日発足した。4日間で264人が賛同し、法案の内容や拙速な国会審議を批判する声明を発表した。
賛同したのは大林宣彦監督、宮崎駿監督、是枝裕和監督、井筒和幸監督、俳優の吉永小百合さん、大竹しのぶさん、脚本家の山田太一さん、ジェームス三木さんら。撮影監督や映画館主、評論家らのほか、映画ファン約60人も加わった。
声明は「心ならずも戦争に対する翼賛を押し付けられた映画界の先達の反省に立ち、日本映画界は戦後の歩みを開始しました」とした上で、「『知る権利』を奪い、『表現の自由』を脅かすことになりかねないこの法案は、とても容認することはできません」と反対を表明している。
呼びかけ人や賛同者の一部のメッセージも公表。高畑監督は「安倍政権を生み出してしまったのが他ならぬ私たち国民自身であることに愕然(がくぜん)とせざるをえません」、降旗監督は「戦前、戦中の日本に戻らないように、ねばり強く抵抗していくほかありません」と記した。原田眞人監督は「公聴会を公然とセレモニー化したやり方にも憤りをおぼえます」と書いた。
■日本映画監督協会なども声明
日本映画監督協会など各分野の著作者でつくる5団体は3日、特定秘密保護法案の廃案を求め、共同で緊急声明を出した。
声明を出したのは同協会と日本児童文学者協会、日本シナリオ作家協会、日本美術家連盟、日本脚本家連盟。声明は「私たち著作者は、かつて国家による言論弾圧により、尊い仲間の生命を失った歴史を決して忘れることはできません」などとして、廃案を求めている。
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【http://www.asahi.com/and_w/life/TKY201312020368.html?ref=comtop_fbox_d2、
http://www.asahi.com/and_w/life/TKY201312020368_01.html】
「目配せ」でも成立する共謀罪と特定秘密保護法案
文 保坂展人
2013年12月3日
大きな危惧の声が高まっている特定秘密保護法案が審議されている今、2005年の秋を思い出してみたいと思います。衆議院法務委員会では、「共謀罪」をめぐり与野党で厳しい議論を交わしていました。
8年前、共謀罪を新設する法案は3回も国会に提出されましたが、廃案になりました。当時は、小泉元首相による郵政解散によって与党が圧倒的多数を占めていたにもかかわらず、強行採決は総理官邸からの異例の指示で直前に直前に見送られました。
「小泉元首相発言を『原発ゼロ』の追い風に」(10月8日)でも紹介したように、官邸からもれ聞こえてきたのは「『平成の治安維持法』をつくった総理と言われたくない」というものでした。小泉元首相独特のカンと言ってもよいと思います。
当時、共謀罪はなぜ「平成の治安維持法」と呼ばれたのでしょうか。共謀罪とは「犯罪の概念」を根本から塗り替えるものです。犯罪は、心の中で芽が出る段階から、発育・成長して、次第に確固とした形をとる段階をへて、やがて実行へと至ります。これまでの刑事司法では、少なくとも、未遂か、実際に罪を犯した場合に罪を問われますが、「心の中の犯罪準備の意思」は処罰対象とはなっていませんでした。
共謀罪が特異な点は、犯罪行為に及ばなくても、「2人以上で犯罪計画を示し合わせた時」に犯罪として成立するいう点にあります。「共謀をしたこと」自体が罪に問われるため、8年前の政府は600以上の行為が犯罪に問われる対象として列挙していました。
私は、事件等で耳にする「共謀共同正犯での共謀」と「共謀罪の共謀」は同じ定義か、と国会でたずねたところ、答えはこうでした。
「2人以上の者が、特定の犯罪を行うために、共同意思のもとに一体と
なってお互いに他人の行為を利用し各自の意思を実行に移すための謀議。
共謀罪の共謀として必要とされる合意内容とほぼ同一と考えています」
(2005年10月21日、衆議院法務委員会・刑事局長答弁)
共謀の概念は同一だけど、「謀議」をへて成立する……。それも「特定の犯罪を実行しようという具体的・現実的な合意」が必要となるので乱用の心配はない、と政府は説明していました。
ところが、暴力団の拳銃所持をめぐる最高裁判所の決定(03年5月1日)に、「黙示的な意思の連携があり、共謀共同正犯に該当する」という判断がありました。暴力団の組長と一緒に移動するボディーガードとの間に特段の「謀議」がなくても、あうんの呼吸で共謀した、と解釈できるというものです。
すると、「謀議」を行なわない共謀も論理的にはありえるということになります。犯罪を実行する意思のあるグループが、その意思を一致させるには必ずしも言語による「謀議」を挟まなくてもいいということなら、サインは「目配せ」でも共謀が成立することにならないでしょうか。
そこで、私はあらためて、リーダーが「いよいよ時が来た」という顔で目配せしたら共謀が成立する場合もありえるのではないかと問いかけました。
「ケースによって合意ができる仲間たちであれば、目配せでも相手に
意思が伝えられるかなと思います」(05年10月25日、南野法相答弁)
南野法相が微笑みながら口にした「目配せ答弁」は衝撃的で、テレビで何度も報道されるなど、多くの議論を呼びました。その後、何度か法案修正の動きがありましたが、共謀罪は廃案になりました。
じつは、その共謀罪が特定秘密保護法案の中に盛り込まれています。しかも、大きな議論にはなっていません。元検事の落合洋司弁護士は次のように指摘しています。
「特定秘密保護法は、懲役10年または1千万円以下の罰金を科しており、
非常に刑罰が重い。特定秘密を漏らした公務員だけでなく、共謀や
教唆(きょうさ)、扇動をした者も含めたことで、処罰対象を市民側にも
広げている。
市民運動をしている人や取材者が原発や在日米軍、外交などに
関する情報を知ろうと、機密を扱う公務員に近づくことで、犯罪としての
疑いがかかる可能性がある。起訴されなかったとしても、
家宅捜索されたり、事情を聴かれたりすれば、人々の生活に支障が
生じかねない」(13年11月28日付東京新聞「私の疑問」)
重大な問題を多く抱えた秘密保護法案をめぐる議論に、共謀罪の危険性への言及が不足しているように思います。重い刑罰を課す法案にはしっかりした審議、あらゆる視点からの検証が不可欠のはずです。
身近かな自治体での仕事について書く予定をさしかえて、今回は少々固い原稿となりました。息苦しい社会にしないために、活発な議論が必要です。
参考:「共謀罪とは何か」(岩波ブックレット)
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【http://www.asahi.com/articles/TKY201312030244.html】
(新ポリティカにっぽん)秘密保護法案、いまこそ再考を
2013年12月3日18時35分
民主党などの野党議員が額賀福志郎委員長(右端)に詰め寄るなか、
賛成多数で特定秘密保護法案を可決した衆院国家安全保障特別委員会。
左奥は森雅子・特定秘密保護法案担当相
=11月26日午前、国会内、越田省吾撮影
世の中もこの法案の危うさにじっとしていられないということだろうか、街に「反対」の声が響く。国会会期末は6日、圧倒的多数の与党と「すりより野党」によって成立してしまうのかどうか、特定秘密保護法案の参院審議が大詰めである。
■「平和」掲げる公明党が、なぜ?
それにしても、いったい公明党は何を考えているのだろうか。「平和」の党であることを誇りにしていたのに、「戦争」がちらつく法案にかくも血道をあげるなんて。
11月26日、この法案が自民、公明の与党とみんなの党の賛成で衆院を強行通過したその夜、明治大学で行われたジャーナリストのリレートークに参加した私は公明党への疑問を呈した。それが伝わったのか元参院議員の平野貞夫氏から電話がきた。
「1985年、中曽根内閣のときのスパイ防止法案に一番強く反対して
廃案に追い込んだのは公明党でしたよ。こんどの秘密保護法案は、
そのスパイ防止法よりも戦前の治安維持法よりもタチが悪い」
・・・・・・・・・。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013120690100153.html】
知る権利もメルトダウン 落合恵子さん憤り胸に反対運動
2013年12月6日 10時01分
激しい怒りを胸に、反対運動に奔走してきた。東京都港区で絵本店を営む作家の落合恵子さん(68)は「私たちの『知る権利』がメルトダウンしてしまう」と原発事故の炉心溶融になぞらえる。参院特別委員会で可決された特定秘密保護法案。穏やかな生活を奪いかねないことへの懸念と、民意を無視して成立に向け強行した政権への憤りが湧き出している。
東京電力福島第一原発事故以降、反原発を訴えてきた。「3・11で情報公開の大切さを嫌というほど味わっているにもかかわらず、世界の潮流を無視して逆行していくのが理解できない」と首をかしげる。
事故直後、放射性物質の拡散を予測する「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)」の情報は公表されなかった。「さらに隠蔽(いんぺい)体質が推進されていく。市民の命と安全に生きる権利に反する」。反対集会や記者会見のほか、国会を囲む「人間の鎖」にも駆け付けてマイクを握り、法案に異を唱えた。
法案では公務員だけでなく市民も処罰の対象になる。「見せしめにも、恐喝にも使える。どこまで拡大解釈されるかは、さじ加減ひとつ」。専門家を呼んで原発に関する勉強会を開いているが、その参加者も処罰の対象になる可能性があるのでは、と危惧している。
ごく当たり前の家庭で朝「行ってらっしゃい」と見送ったその夜、愛する人が理由も分からず帰ってこないという状況が起きるかもしれない。
「政府にとって都合の悪いことをしようとしたり、考えたり、話し合ったり。
それだけで網に掛けることは可能。私たちの精神生活や思想の
自由にも介入できる」
採決強行、市民団体のデモを「テロ」と同一視した石破茂自民党幹事長の発言…。反対の声を押し切る姿勢こそがテロ行為だと考えている。「みんなが(法案の危うさに)気付いてきた。これ以上声が大きくなるのが嫌なんでしょう。十分な議論をはしょって決めてしまおうという、そのやり方自体が民主主義に反する」
終戦の年に生まれた。中学生のころ、祖母に「なぜ戦争に反対しなかったの」と尋ねたことがある。答えは「みんなの目があった」「言った人間は捕まった」。その言葉が今の時代と重なる。
「あの問いかけをした世代として、自分なりの『落とし前』を付けたい」。次世代の子どもたちのために、原発事故を体験してしまった国の人間として、いまの大人の一人として。これからも諦めず、抗議の声を上げていくつもりだ。
(東京新聞)
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東京新聞の二つの記事【「殺傷目的以外でもテロ」 拡大解釈に現実味】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013120202000113.html)、【修正4党 公約になし 秘密保護法案 国民審判経ず成立へ猛進】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013120202000111.html)と、コラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013120202000117.html)。『田中龍作ジャーナル』の記事【石破発言に日弁連反発 「市民活動も取り締まりの対象となる」】(http://tanakaryusaku.jp/2013/12/0008306)。
「数十万人単位のテロリスト」のいる「そんな国の与党の首脳」が特定秘密隠蔽法の本質について本音をポロリ。
公約(TPP)していても平気で破る、公約していない重要法案をごり押しする、福島の声は踏みにじる、大声で抗議すれば「テロ」と罵る。選挙に通れば、沖縄選出議員を脅して、約束を撤回させる。子供にさえSLAPPを仕掛ける。誰も望んでいないのに、平和憲法を壊憲する。原発を廃炉にするどころか、再稼働・原発輸出を企む・・・・・・。一体自公議員や翼賛与野党に投票してしまった人たちは、「騙されることの責任」をどうとるつもりだろう。もしかすると、その責任の自覚すらないのだろうか?
『●子供にもSLAPPする国:
三上智恵監督・映画『標的の村 ~国に訴えられた沖縄・高江の住民たち~』』
『●SLAPPと原発、沖縄』
『●『標的の村』三上智恵さんインタビュー』
『●「ウソつかない。TPP断固反対。ブレない。」、騙す阿呆に、騙される阿呆』
『●政治家の耳には市民の反対の声は届かず: 特定秘密隠蔽法案が衆院通過』
『●どこに「民主主義」「世論の共感」?、
特定秘密隠蔽法: 反対・廃案の声は届かないらしい』
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013120202000113.html】
「殺傷目的以外でもテロ」 拡大解釈に現実味
2013年12月2日 朝刊
国民の「知る権利」を侵害する恐れがある特定秘密保護法案をめぐり、自民党の石破茂幹事長がブログで、市民団体らのデモ活動をテロとみなした。憲法が定める「表現の自由」に基づく市民の政治への訴えを犯罪と同一視する言葉が政権中枢から出たことで、法案が成立すれば国民の権利が抑圧されるとの懸念は現実味を増した。 (政治部取材班)
石破氏は、安倍晋三首相を支える自民党ナンバー2の幹事長で、影響力は絶大だ。一日になって、デモを「テロ」と例えたブログの表現は撤回を表明したものの、抗議活動を危険視する姿勢までは改めなかった。
法案では「テロ防止に関する情報」も特定秘密の対象としている。漏えいをめぐっては、漏らした公務員だけでなく、そそのかしたり扇動したりした市民も厳罰対象となる。
法案の「テロ」の解釈について、森雅子内閣府特命担当相ら政府側は「人を殺傷し物を破壊するための活動」と説明している。
だが、条文の解釈によっては、人を殺傷する目的がなくても「政治上その他の主義主張に基づき、国家もしくは他人に強要する」活動がテロとみなされる、と指摘する専門家は少なくない。石破氏の主張もこの解釈と同じで、テロの定義が拡大する恐れがある。
森氏は法案について国会審議だけを担当しており、成立後の役割は決まっていない。法案成立後、政権の意向で森氏の説明が覆る可能性がないとは言い切れない。
石破氏は講演で「周りの人が恐怖を感じるような音で訴えること」を批判した。「恐怖を感じた」という不明確な基準で、デモがテロ扱いされる解釈にもつながる。
石破氏は、自分たちに向けられた平和的な方法による主張を「テロ」と切り捨てた。法案が成立すれば、原発反対のデモを含め市民の訴えを、政権が「テロ」とみなして監視し、取り締まりをしかねない。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013120202000111.html】
修正4党 公約になし 秘密保護法案 国民審判経ず成立へ猛進
2013年12月2日 朝刊
国民の「知る権利」を侵害する恐れのある特定秘密保護法案。参院で審議中の修正案をまとめた自民、公明、日本維新の会、みんなの党の四党は昨年末の衆院選と今年七月の参院選で、いずれも法案成立を公約に掲げていない。重要法案にもかかわらず、有権者の審判は経ていない。十分な国会審議をせず、成立だけを急ぐ姿勢に正当性はない。 (関口克己)
自民党は二つの国政選挙の公約に、外交・安全保障政策を協議する日本版「国家安全保障会議(NSC)」の設置は明記したものの、安倍政権がNSCと一体と位置付ける秘密保護法案は盛り込まなかった。
自民党が公約に合わせて発表した総合政策集には「情報保全・公開に関する法整備」と抽象的な表現はあるが、秘密保護法案という言葉はなく、具体的に何をしようとしているのか分からない。そもそも、自民党は総合政策集が公約なのかどうか曖昧にしている。
選挙戦でも、安倍晋三首相をはじめ党幹部が秘密保護法案に言及することはほとんどなく、そのため争点にならなかった。参院選後の秋になって、唐突に法案を提出したことから、選挙を有利に進めようと、世論の反発を招きかねない法案を意図的に隠したとの見方もできる。
法案に賛成する公明党に至っては、秘密保護法案だけでなく、NSCの設置も公約していない。選挙で有権者に説明しなかった法案の成立を急いでいることについて、説得力のある説明はない。
与党と法案の修正で合意したみんなと維新のうち、維新も公約に秘密保護法案を入れていない。
みんなは「政府全体の情報収集能力、情報漏えい防止策を強化」と、秘密保護法案に近い公約を掲げた。ただ、強化策が新しい法律をつくるのか、既存の法律の運用を厳しくするのかすら分からず、秘密保護法案をイメージすることは難しい。
十月十五日に始まった今国会でも安倍首相は開会時の所信表明演説で秘密保護法案に触れなかった。直後の各党代表質問でも「検討を進めている」と述べただけで、今国会での成立どころか、提出さえ明言しなかった。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013120202000117.html】
【コラム】
筆洗
2013年12月2日
安倍晋三首相が子どもの時、六〇年安保闘争デモをまねして「アンポハンタイ、アンポハンタイ」とふざけていたら父親の安倍晋太郎さんは、「サンセイといいなさい」とたしなめたが、祖父の当時の岸信介首相は「それをニコニコしながら愉快そうにみているだけだった」という。安倍首相の『新しい国へ』にある▼岸さんにそんな余裕があったかどうかはともかく、特定秘密保護法案の反対デモを「ニコニコ」とは見られない政治家がいる▼自民党の石破茂幹事長はブログでデモについて「絶叫戦術はテロ行為とその本質においてあまり変わらない」と書いた。デモもテロも同じ。ガンジー、キング牧師もびっくりしているだろう▼殺人や破壊行為によるテロと「表現の自由」による市民の主張であるデモを同じに扱うのならば、この国に少なく見積もっても数十万人単位のテロリストと「本質的に変わらぬ」人がいるということか。石破さんはそんな国の与党の首脳ということになる▼「糞(くそ)も味噌(みそ)も一緒」とはこのことで、国会周辺のシュプレヒコールに石破さんも冷静さを失ったのか、国民の声を敵視してしまっている▼ブログを続けてみよう。「己の主張を絶叫し、多くの人々の静穏を妨げるような行為は決して世論の共感を呼ぶことはないでしょう」。そっくり自民党に言い返せる。その通り、共感は呼ばない。
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【http://tanakaryusaku.jp/2013/12/0008306】
石破発言に日弁連反発 「市民活動も取り締まりの対象となる」
2013年12月1日 18:04
【秘密保護法の危険性を訴える日弁連の弁護士たち。
=1日、午後 新宿西口 写真:田中龍作=】
国会周辺で市民たちが連日、「秘密保護法反対」のシュプレヒコールをあげている。自民党の石破茂幹事長が自らのブログでそれを「テロと本質的に変わらない」と述べたことが国民の反発を呼んでいる。
日弁連は新宿西口できょう、「秘密保護法案」に反対する街頭宣伝を行い、「石破発言」を糾弾した。小田急デパート前の歩道は約1,000人の聴衆で一杯になった。
日弁連「秘密保全法制対策本部」の海渡雄一弁護士が石破発言の本質を指摘した―「大変なことです。私たちの市民活動も取り締まりの対象となるということを示しています」
「我々はテロリストではありません。正当なことを言っているだけです」と話すのは佐野善房・日弁連副会長だ。
山岸憲司会長は「大きな声を出してデモをしなければならないところまで市民を追い込んだのは、あなた(石破)たちではありませんか」と訴えた。
弁護士たちの街頭演説を聞くため埼玉から足を運んだ男性(会社員・50代)は怒りを隠せない―「国民を殺人者呼ばわりするのは許せない。石破幹事長や安倍首相が秘密保護法案に寄せる真意が見えた」。男性は奥歯を噛みしめるようにして語った。
【道行く人に「秘密保護法反対」のチラシを配る弁護士。=写真:諏訪都=】
《文・田中龍作 / 諏訪都》
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asahi.comの二つの記事【「絶叫デモ、テロと変わらぬ」 石破幹事長、ブログで】(http://www.asahi.com/articles/TKY201311300290.html?ref=com_top6_2nd)、【石破氏ブログに批判の声 「政治家としての資質を疑う」】(http://www.asahi.com/articles/TKY201311300366.html?ref=com_top6)。東京新聞の二つの記事【石破氏、絶叫デモは「テロ行為」 秘密法案めぐり波紋必至】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013113001002365.html)、【「絶叫デモはテロ行為」 石破幹事長 市民活動、テロと同一視】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013120190071430.html)。
「静穏を妨げる」ということは、市民の声は届いているし、抗議する人々の姿は目には映ってはいるらしい。でも、声の中身や抗議の中身を本質的に理解できないのか、それとも、反対の耳から抜けて脳味噌には達していないのかもしれない。
「絶叫デモは「テロ行為」」ならば、選挙時の候補者名連呼はまだしも、右翼の街宣や「とある暴力集団」のヘイトスピーチの方がよほどの「テロ行為」じゃないのだろうか。特定秘密隠蔽法の本質を示す本音がポロリ。
もともと民意が届いているのならば、「絶叫デモ」という「テロ行為」も不要。「民主主義に従って理解者を一人でも増や」すこと、あるいは、「世論の共感」というのは、そっくり石破茂氏にお返ししたい。自公議員や翼賛野党に投票した有権者こそ、率先して「絶叫デモ」という「テロ行為」をしてくれないと、「騙されることの責任」の汚名を返上できない。
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【http://www.asahi.com/articles/TKY201311300290.html?ref=com_top6_2nd】
「絶叫デモ、テロと変わらぬ」 石破幹事長、ブログで
2013年11月30日22時46分
自民党の石破茂幹事長は11月29日付の自身のブログで、特定秘密保護法案に反対する市民のデモについて「単なる絶叫戦術はテロ行為とその本質においてあまり変わらないように思われます」と批判した。表現の自由に基づく街頭での市民の主張をテロと同一視したことは問題になりそうだ。
石破氏はブログで「議員会館の外では『特定機密保護法絶対阻止!』を叫ぶ大音量が鳴り響いています」と紹介。「人々の静穏を妨げるような行為は決して世論の共感を呼ぶことはない」とも批判した。石破氏は30日、朝日新聞に「ルールにのっとったデモを介して意見を言うのはかまわないが、大音量という有形の圧力で一般の市民に畏怖(いふ)の念を抱かせるという意味で、本質的にテロ行為と同じだと申し上げた」と話した。
◇
自民党の石破茂幹事長が、自身のブログで特定秘密保護法案への反対デモを批判した部分は次の通り。
今も議員会館の外では「特定機密保護法絶対阻止!」を叫ぶ大音量が
鳴り響いています。いかなる勢力なのか知る由もありませんが、
左右どのような主張であっても、ただひたすら己の主張を絶叫し、
多くの人々の静穏を妨げるような行為は決して世論の共感を
呼ぶことはないでしょう。
主義主張を実現したければ、民主主義に従って理解者を一人でも増やし、
支持の輪を広げるべきなのであって、単なる絶叫戦術はテロ行為と
その本質においてあまり変わらないように思われます。
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【http://www.asahi.com/articles/TKY201311300366.html?ref=com_top6】
石破氏ブログに批判の声 「政治家としての資質を疑う」
2013年11月30日23時37分
特定秘密保護法案を大きな声で批判するデモは「テロ行為」なのか――。自民党の石破茂幹事長のブログに、デモ参加者や識者から怒りの声があがった。
「なんだ、これは」。29日のデモに参加した東京都世田谷区のパート、中山照章さん(60)は同日夜にツイッターでブログを知り、驚いた。「『法案は民主主義を壊すものだ』と訴えている矢先に、反対意見を狙い撃ちにしたい政権の本音が出た。反対運動が盛り上がってきて、焦っているのではないか」と話す。
「デモとは何か」の著書がある五野井郁夫・高千穂大准教授(国際政治学)は「人々が声をあげるのは、法案を承服していないから。(デモを)石破氏は『絶叫戦術』と言うが、やむにやまれず声を出しているのであり、テロ行為と変わらないというのは民主主義を愚弄(ぐろう)している」と指摘。そのうえで、石破氏の政治家としての資質にこう疑問を投げかけた。
・・・・・・。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013113001002365.html】
石破氏、絶叫デモは「テロ行為」 秘密法案めぐり波紋必至
2013年12月1日 01時02分
自民党の石破茂幹事長が11月29日付の自身のブログで、特定秘密保護法案に反対する市民団体らのデモについて「単なる絶叫戦術は、テロ行為とその本質においてあまり変わらない」などと批判していたことが分かった。「表現の自由」に基づく有権者の主張をテロ行為に例えたとして波紋を呼びそうだ。
石破氏は衆院議員会館の外で、法案の「絶対阻止を叫ぶ大音量が鳴り響いている」などと指摘。「ただひたすら己の主張を絶叫し、多くの人々の静穏を妨げるような行為は決して世論の共感を呼ぶことはないでしょう」とした。
(共同)
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【http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013120190071430.html】
「絶叫デモはテロ行為」 石破幹事長 市民活動、テロと同一視
2013年12月1日 07時14分
自民党の石破茂幹事長は十一月二十九日付の自身のブログで、デモ活動について「単なる絶叫戦術はテロ行為と変わらない」と指摘した。テロの定義をめぐっては、特定秘密保護法案の条文のあいまいさが問題視されており、弁護士などからテロの範囲が広がりすぎることへの懸念が示されている。法案の審議が続く最中に、市民の活動をテロと同一視した記述は批判を集めるのは必至だ。
石破氏は「今も議員会館の外では『特定機密保護法絶対阻止!』を叫ぶ大音量が鳴り響いています」とした上で、「いかなる勢力なのか知る由もありませんが、左右どのような主張であっても、ただひたすら己の主張を絶叫し、多くの人々の静穏を妨げるような行為は決して世論の共感を呼ぶことはないでしょう」と指摘した。
さらに「主義主張を実現したければ、民主主義に従って理解者を一人でも増やし、支持の輪を広げるべき。単なる絶叫戦術はテロ行為とその本質においてあまり変わらないように思われます」としている。
特定秘密保護法案のテロの定義をめぐっては早い段階から議論となっている。法案は一二条で、テロについて「主義主張に基づき、国家もしくは他人にこれを強要し、または社会に不安もしくは恐怖を与える目的で人を殺傷し…(後略)」としている。
この部分は(1)「主義主張を強要する目的で人を殺傷」した場合と「恐怖を与える目的で人を殺傷」した場合がテロにあたるという解釈と(2)「主義主張を強要」した場合と「恐怖を与える目的で人を殺傷」した場合がテロ-の二通りの読み方ができる。森雅子内閣府特命担当相は(1)だと主張したが、石破氏の発言は(2)のように主義主張を強要しただけでテロになるととらえているように聞こえる。
法案に反対する清水勉弁護士は「普通の法律の読み方だと主義主張を強要しただけでテロになる」と指摘している。
(東京新聞)
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asahi.comの社説【秘密保護法案―福島の声は「誤解」か】(http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_top_pickup#Edit2、11月26日)、
東京新聞の記事【秘密保護法案 福島公聴会 与党推薦者も強い疑念】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013112602000121.html)、
『田中龍作ジャーナル』の記事【【秘密保護法・福島公聴会】全員反対 浪江町長「理解してもらえなかった」】(http://tanakaryusaku.jp/2013/11/0008272)。
最後に、東京新聞の社説【特定秘密保護法案 国民軽視の強行突破だ】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013112702000131.html)。
東京電力原発人災であんな大変な思いをした福島の人達でさえもアリバイづくり?、に利用されたようだ。無茶苦茶。
『●東京電力原発人災「被ばくに関する正確な情報が
伝えられなかった・・・身近で必要な情報が一層隠される」』
『●「「人間が近づけば即死──」特定秘密保護法が
隠そうとする、福島第一原発4号機の“不都合な真実”」』
「秘密より情報公開が重要ではないか――。そんな意見が相次ぎ、自民党の推薦者を含む全員が法案に反対」、「「情報公開がすぐに行われていれば低線量の被曝(ひばく)を避けることができた」・・」、「実例を目の当たりにしたからこそ、秘密が際限なく広がりかねない法案のあり方に疑問を投げかけている」・・・・・・。
アリバイ作りに利用され、猿芝居・デキレースにつき合わされ、またしても福島の人達は踏みつけられてしまった。
田中龍作さんの記事、「「特定秘密保護法」について国民の声を聞く、最初で最後(25日現在の方針)の公聴会を福島市で開いた。原発事故のあった福島であえて開催したところに政府の意図が見えた・・「傍聴したい人が外にいます。入れてあげて下さい」。懸命に訴える福島の女性。傍聴は政党の紹介なしに入場できない。額賀座長は一顧だにしなかった」・・・・・・、酷いものである。
馬耳東風な馬さんや鹿さんな政治家には反対を叫ぶ市民の声など聞こえないか、それとも、単に無神経なだけなのか?
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【http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_top_pickup#Edit2、11月26日】
2013年11月26日(火)付
秘密保護法案―福島の声は「誤解」か
特定秘密保護法案を審議する衆院の特別委員会がきのう福島市で地方公聴会を開いた。
福島第一原発の事故は日本にとって近年最大の危機だった。その恐ろしさを肌身で知る福島の人たちは公聴会で、口々に法案への懸念を語った。
秘密より情報公開が重要ではないか――。そんな意見が相次ぎ、自民党の推薦者を含む全員が法案に反対した。
与党である自民、公明両党は、この事実を重く受けとめるべきだ。
「情報公開がすぐに行われていれば低線量の被曝(ひばく)を
避けることができた」
浪江町の馬場有(たもつ)町長は、緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の情報が適切に公開されず、町民が放射線量の高い地域に避難した問題を取り上げた。
自民、公明両党の委員は「誤解がある」「今回の法案の対象ではない」と反論したが、そう単純な話ではない。
危急の時にあっても行政機関は情報を公開せず、住民の被曝につながった。その実例を目の当たりにしたからこそ、秘密が際限なく広がりかねない法案のあり方に疑問を投げかけているのではないか。
法曹関係者は公聴会で「(秘密の範囲について)拡張解釈の余地をきちんと狭めるべきだ」と指摘した。
特別委員会の審議で明らかになった、こんな事実もある。
福島第一原発の事故直後、現場の状況を撮影した情報収集衛星の画像を、政府が秘密保全を理由に東京電力に提供しなかったというのだ。
東電には秘密保全措置がないから、画像は関係省庁だけで利用した。代わりに商業衛星の画像55枚を4800万円で購入して東電に提供したという。
情報収集衛星は災害目的にも使われるはずだった。それが肝心のときに「秘密」にされた。
公聴会の出席者に自民党議員は「どうぞ信頼していただきたい」と述べた。どう信頼すればいいのか。反対意見を真摯(しんし)に受け止めるべきだ。
地方公聴会を、みんなの党、日本維新の会を含めた4党による衆院通過に向けたアリバイづくりにしてはならない。
福島県議会は10月、法案への慎重対応を求める意見書を出した。「もし制定されれば、民主主義を根底から覆す瑕疵(かし)ある議決となることは明白である」と訴えている。
与党はもう一度、考えたほうがいい。福島の人々の懸念は、ほんとうに「誤解」なのか。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013112602000121.html】
秘密保護法案 福島公聴会 与党推薦者も強い疑念
2013年11月26日 朝刊
衆院国家安全保障特別委員会は二十五日、福島市で特定秘密保護法案の地方公聴会を開いた。七人の公述人が意見を述べたが、与党側が推薦した二人を含め、全員が法案の慎重審議や廃案を主張。福島側には、東京電力福島第一原発事故で政府の情報公開が遅れたことに対する不信感が強く、国民の「知る権利」を一段と制限しかねない法案への批判が噴出した。 (横山大輔)
与党が推薦したのは、今も「帰還困難区域」を抱える福島県浪江町の馬場有(たもつ)町長と、畠中信義いわき短大特任教授。
馬場氏は原発事故後、放射能拡散予測の公開が遅れたため、住民が放射線量の高い地域に避難した経緯を説明し「適切な経路を示してくれれば被ばくは防げた」と政府を批判。畠中氏は「知る権利」の重要性を指摘し「国民が判断するには情報が重要だ」と秘密保護より情報公開を進めるよう要求した。
与党側は馬場氏との質疑で「原発情報は特定秘密の対象にならない」との政府解釈を持ち出して理解を求めた。しかし、馬場氏は納得せず、原発施設の警備情報はテロ防止のため公表されないことを指摘。秘密が際限なく広がりかねない懸念から「どう絞り込むのか。慎重に議論を尽くすことが大切だ」と強調した。野党推薦の公述人からも「今ある法律で十分だ」「拡大解釈はしないというが、歴史を踏まえると権力は腐敗する」と反対論が相次いだ。
福島での開催は野党が求め、成立を急ぎたい与党が応じた。厳しい意見を受け、特別委の額賀(ぬかが)福志郎委員長(自民)は終了後の記者会見で「非常に濃密な意見交換ができた。与野党で議論して、まとめたい」と述べた。
<地方公聴会と参考人質疑> 国会法は、委員会が一般的に関心の高い重要法案を審議する際、有識者らから意見を聴くことができると定める。これを中央公聴会と呼び、予算案や予算関連法案の審議には開催が義務付けられており、公聴会開催は一般的に採決の前提とされる。
一方、地方公聴会は委員が地方に出向いて意見を聴くもので、正式には「委員派遣」という。公聴会の名が付くものの、中央公聴会とは異なり、法的に位置付けられたものではない。むしろ、利害関係者や学識経験者などの意見を聴く参考人質疑と似ている。
特定秘密保護法案をめぐっては与党は参考人質疑と地方公聴会を終えたことで「採決の環境が整った」と主張。野党側は中央公聴会も開くよう求めている。
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【http://tanakaryusaku.jp/2013/11/0008272】
【秘密保護法・福島公聴会】全員反対 浪江町長「理解してもらえなかった」
2013年11月25日 18:26
【浪江町の馬場有町長は憤りと落胆を隠せなかった。
=25日、福島市 写真:島崎ろでぃ=】
「衆院の国家安全保障・特別委員会はきょう、「特定秘密保護法」について国民の声を聞く、最初で最後(25日現在の方針)の公聴会を福島市で開いた。原発事故のあった福島であえて開催したところに政府の意図が見えた。
各党から選出された地元の7人が意見陳述した。
トップバッターの浪江町の馬場有(たもつ)町長は次のように話した―
「SPEEDIの情報が的確に公開されず、避難に活かせなかった。情報公開さえしてくれれば何らかの方法があった。東電と通報協定を結んでいたが守られなかった。我々は民主主義の拠り所である幸福追求権、生存権、財産権を全て侵害されている。人権を守って、情報公開してほしい。明るみに出せるところは出してほしい。もうちょっと慎重な対応をするべき。国民と論議を尽くすことが大切だ」。
二瓶由美子・桜の聖母短大教授は「まず、廃案にしてほしい」と切り出した。
「3.11以降、たくさんの情報が隠されていたのではないか、ここ(福島)で若い人々を教育していいのか思い悩む日々が続いた」。
二瓶教授は原発事故の際、東電社員の家族がバスで先に逃げたとされることに触れ「情報は流れている所には流れているが、私たち愚民には与えられないのではないか?それが懸念される」。教授は官僚や政府トップによる情報独占の危険性を指摘した。
【「傍聴したい人が外にいます。入れてあげて下さい」。
懸命に訴える福島の女性。傍聴は政党の紹介なしに入場できない。
額賀座長は一顧だにしなかった。=写真:島崎ろでぃ=】
原発関連会社の名嘉幸照社長の陳述にはド肝を抜かれた。情報隠ぺいの多い原発政策を擁護するのかと思っていたら、その真逆だった。
「原発労働者が原発について家族にも話せない状況が続いてきた。それが安全神話を生み取り返しのつかない事故につながった」。
「私は沖縄県出身だが、米軍事故では何も知らされなかった。“ 私達は日本人ですか? ”といつも問いかけて来た。福島県の人にも“ 私達は日本人ですか?”と言わせないで下さい」。名嘉社長は体の深奥から言葉を絞り出すようにして訴えた。
陳述人7人全員が「特定秘密保護法に反対する」と宣言した。
公聴会終了後、額賀福志郎座長(自民)、国家安全保障特別委員会の中谷元・与党筆頭理事らが記者会見を開いた。
「地元陳述人は原発災害における情報公開と国民の生命・財産を守る特定秘密を若干混同していたが整理できた」。額賀座長は自信をのぞかせた。
“ 国民が心配する情報隠しと、国が守ろうとする特定秘密は違うのだから、通過させても構わないだろう ” といわんばかりだ。政府が福島で公聴会を開いた意図がここにあった。
【国家安全特別保障委員会・福島公聴会。
中谷元・与党筆頭理事(右端)は記者会見で「原発で秘密指定の
対象となるのは警備」と強調した。=写真:島崎ろでぃ=】
ところが浪江町長にぶら下がり記者会見で話を聞くとそうではなかった。「(特定秘密の)範囲が広すぎる。テロ防止の名目で(原発)事故隠しをされたら困る」。
「理解してもらえたか?」と記者団が聞くと「理解してないんじゃないかな。表情を見る限り」。浪江町長は肩を落とした。
「中央でも公聴会をすべき。2週間やそこらの審議で済むことではない。国民の安全保障に関わる問題なのだから」と続けた。
公聴会開始前、幼子を背負った母親が受付に現れた。「秘密保護法にイヤと言いたいんですけど、私たちは言えないんですか?子供のためにもすごく心配。何か分からないで知らずに触れる恐れがある。議員さんにもぜひ伝えたい」
母子はたまたま公聴会会場のホテルに投宿していたのだった。安倍政権は国民の心配をよそに猛スピードで「特定秘密保護法案」を成立させようとしている。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013112702000131.html】
【社説】
特定秘密保護法案 国民軽視の強行突破だ
2013年11月27日
広く疑念の声があがる特定秘密保護法案が衆院の本会議で可決した。巨大与党が力ずくで、渦巻く反対論をねじ伏せたのだ。強行突破は看過できない。
福島で二十五日に開かれた地方公聴会は、いったい何のためだったのだろう。首長や学者ら七人が意見を述べたが、賛成者は一人もいなかった。「慎重に、国民のために議論を尽くすことが大切だ」「外国の信頼よりも、国民の信頼を得るべきだ」-。もっともな意見が続出した。
とくに原発事故で放射能の拡散予測が隠された体験があるだけに、「一番大切なのは情報公開だ」と語った人もいた。
◆数の力でのおごりだ
その翌日に衆院の本会議で、一部野党との修正協議を経た法案が、駆け足で可決された。つまり、福島の公聴会はたんなる“儀式”にすぎず、与党は耳をふさぎ、尊重もしなかったのだ。あまりに乱暴である。
さまざまな危うさが指摘される秘密保護法案であるため、報道各社の世論調査でも「慎重審議」を求める意見が、60%台から80%台を占めていた。国民の声すら軽視したに等しい。
与党は圧倒的な数の力におごっている。修正案に加わった日本維新の会さえ、この採決には退席した。この強行可決をあえて暴挙と呼ぼう。
修正案自体も評価に値しない内容だ。秘密の有効期間は最長三十年だったが、「六十年を超えることができない」という規定が加わったため、「六十年原則」の方が幅を利かせる恐れがある。
その場合も七項目の例外が設けられていて、中には「政令で定める重要な情報」という、あいまいな言葉が挿入されている。これでは半永久的に国民から重要情報が遮断されてしまう。
◆議員こそ反対の先頭に
特定秘密の指定や解除などについて、首相が「その適正を確保するため(中略)指揮監督する」という条文も、効力を発揮しないだろう。首相は行政機関の「長」の上に存在する「長」であるから、公正な審判役たりえない。
約四十万件とも見積もられる特定秘密の膨大な文書に対し、首相がいちいち目を通すはずもない。全くの空文である。
有識者会議もたんに基準を示すだけの存在だ。本当に実質的な秘密に値するかどうかのチェックは、司法権さえからも受けない仕組みなのだ。
付則では「独立した公正な立場において検証し、監察する新たな機関の設置」が書かれた。だが、あくまで検討事項にすぎないし、具体的な中身も不明である。法案が抱える欠陥を補えるとは到底、期待できない。
国会への特定秘密の提供も付則に記されたものの、その方策はやはり検討事項にとどまる。この法案が国権の最高機関さえ素通りし、官僚機構が情報支配を進める原点に変わりはないのだ。
問題のありかは特別委員会の審議を経ても山積している。衆院本会議で可決・通過したので、次は参院に移る。もっと議論して、廃案に持ち込んでほしい。
とくに憲法の観点から疑念が持たれている点を重視すべきである。国民主権や基本的人権、平和主義の三大原則から逸脱していることだ。
いわゆる「沖縄密約」や「核密約」などの問題は本来、活発に議論されるべき国政上の大テーマである。これに類似した情報が特定秘密に指定されると、国民は主権者として判断が下せない。
国会議員といえども、秘密の壁に阻まれてしまう。仮に情報を得たとしても、政策秘書や所属政党に口外すると、処罰対象になる。議員は院内での免責特権があるものの、国会追及はとても期待はできないだろう。
国政上のテーマについての言論を封じ込める法案とは、ほとんど情報統制の世界に近い。国会議員自身の問題でもある。どれだけの議員が、この深刻さを理解しているか。本来は議員こそ反対の先頭に立つべきなのだ。
軍事面に過度に傾いている法案であるうえ、安倍晋三内閣は来年にも集団的自衛権の行使ができる「国家安全保障基本法案」の提出をめざしている。平和主義とも相いれないはずだ。
◆三角形は美しく保て
特定秘密の取扱者は、飲酒の節度や借金などまで調べ上げられる。調査は親族にも及ぶ。人権上の懸念が持たれるのも当然だ。反原発運動など、さまざまな市民活動の領域まで、公権力が監視する心配も濃厚だ。
行政権だけが強くなる性質を持つ法案である。民主主義の三角形を美しく保つためにも、あらためて反対表明をする。
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東京新聞の一連の社説【特定秘密保護法案(1) 自由に壁が築かれる】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013111802000144.html)、
【特定秘密保護法案(2) 情報は国民のものだ】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013111902000124.html)、
【特定秘密保護法案(3) 崖っぷちの「知る権利」】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013112002000162.html)、
【特定秘密保護法案(4) 捜査が暴走し始める】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013112102000145.html)、
【特定秘密保護法案(5) 新しい権力が誕生する】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013112202000145.html)。
『●「ウソつかない。TPP断固反対。ブレない。」、騙す阿呆に、騙される阿呆』
『●東京電力原発人災「被ばくに関する正確な情報が
伝えられなかった・・・身近で必要な情報が一層隠される」』
『●西山太吉さん密約事件が示すもの:
「一人歩きし、拡大解釈され、時の権力によって必ず乱用される」』
『●西山太吉さんが喝破、「うそをつく人たちが作ろうとしている危険な法案」』
『●「「人間が近づけば即死──」特定秘密保護法が隠そうとする、
福島第一原発4号機の“不都合な真実”」』
『●特定秘密保護法案: 「うそをつく人たちが作」る猛毒を
「いい内容に仕上がっている」認識とは!?』
『●「世紀の大悪法 特定秘密保護法案」 『週刊金曜日』(11月15日、968号)についてのつぶやき』
『●「「秘密」は秘密」: 「国家の秘密はときに悲劇を生」んでいた時代に逆戻り』
『●特定秘密保護法案「改悪」協議:
沖縄密約事件時どころか、戦前の「治安維持法の再来」』
『●「秘密保護法案は廃案に」 『週刊金曜日』(11月22日、969号)についてのつぶやき』
『●騙されることの責任、再び: 特定秘密保護法案を
仲良く協議する翼賛与党・翼賛野党議員に投票した人々』
馬耳東風。馬さんや鹿さん議員の耳には、これだけの市民の反対の声は届かないようです。とうとう、一部の皆様が白紙委任してしまった自公議員、さらに与党もどきの翼賛野党議員との改「悪」作業という猿芝居、デキレースの挙句に、衆院を通過してしまいました。何とか心ある参議院の皆さんに頑張ってほしいのですが、状況は厳しい・・・・・・。
今思うと、山本議員のお手紙「事変」や猪瀬「ト」知事の賄賂事件はこの特定秘密「隠蔽」法案を「隠蔽」するための騒ぎだったのではないか?、とさえ思えてきます。それにしても、福島「TM タウンミーティング」で、自民党推薦者も含めて全員がこの隠蔽法案に反対の声を上げたにもかかわらず、全くの無視とは!、一体どんな神経なのでしょうね? 自公議員、さらに与党もどきの翼賛野党議員に投票した方々に、是非、お気持ちを聞きたいものです。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013111802000144.html】
【社説】
特定秘密保護法案(1) 自由に壁が築かれる
2013年11月18日
特定秘密保護法案は「戦争をしない国」から「戦争ができる国」に進める歯車の役目さえ果たす。
日本版NSC(国家安全保障会議)を設ける法案とセットで提案されているうえ、その先には国家安全保障基本法案が見えているからだ。自民党の法案概要では、憲法九条を改正しなくとも、集団的自衛権の行使ができる魔法のような法案だ。
同党幹部は米中央情報局(CIA)のような諜報(ちょうほう)機関を新設することも公言している。この文脈が示すのは、軍事や治安分野への傾斜度を格段に高めることだ。秘密保護法案をめぐる国会の議論は、この大きな視野が欠けている。
政府は米国から情報をもらうために秘密保護法が必要だと説明する。だが、他国の軍隊や治安機関から情報を得るには、相互主義が基本である。「ギブ・アンド・テーク」が鉄則とされる。
「秘密保護」という表面の言葉に惑わされず、裏面の「ギブ」にも注意を払うべきだ。米国に提供されうる重要情報である。現状は不明だが、その収集活動にあたるのは防衛・公安当局などだ。
対象は中国や北朝鮮、イスラム系など在留外国人の動向にとどまらないはずだ。米軍基地の反対運動や反原発運動など、幅広い市民活動に対しても監視が強まるだろう。これを正当化し、本格化させるのが裏面の目的といえよう。
そもそも、法案の前提にされる「日本はスパイ天国だ」という指摘は本当だろうか。安倍晋三首相が「過去十五年間で情報漏えい事件を五件把握している」と答弁したのが、正直な現状ではないか。現行法でも十分に対処できるうえ、立法事実も存在しない。
もし、この法案が成立すれば、蛇口を閉じるように、行政機関からの情報量が大幅に減る心配がある。何が「特定秘密」かも明らかでないため、公務員側はジャーナリストの取材にたじろぐ。一般情報さえ口にしにくい空気が役所内部に醸成されよう。
個人情報保護法ができたとき、さまざまな名簿が忽然(こつぜん)と消えた。それ以上の萎縮効果が広がるだろう。民主主義社会は自由な情報に基づいて築かれている。厳罰法制は、知る権利や報道の自由などに鎖をつけるに等しい。
行政機関の情報漏えいならば、内部の情報保全を徹底すれば済む。社会全体に投網をかける必要はない。情報統制色を帯びる法案を成立させてはならない。 (論説委員・桐山桂一)
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013111902000124.html】
【社説】
特定秘密保護法案(2) 情報は国民のものだ
2013年11月19日
「迷ったら、公務員は情報を開示することが原則だ」
米国のオバマ大統領は一期目の就任初日に、こんな趣旨のメモを記した。軍事大国で、元CIA(米中央情報局)職員スノーデン氏が告発したように、通信情報を広範に収集している国だ。
だが、基本的に情報はオープンという伝統を持つ自由と民主主義の大国である。情報公開を促す「情報自由法」を持つ。国家機密でも解除は十年未満に設定され、二十五年たつと「自動解除」原則がある。五十年、七十五年の例外的なケースもあるが、行政機関がずっと秘密を持ち続けることの方が困難な制度をつくっている。
機密の指定段階でも大統領令で、行政機関の「長」はフリーハンドで行えず、常に「説明しなさい」という状態に置かれる。疑念があれば、行政内部で異議申し立てが奨励される。外部の委員会に審査請求できる仕組みもある。
ここで機密解除された裁決は二〇一〇年度で68%にのぼる。秘密の範囲が無限定になると、民主主義が危機に陥ってしまう。同年には過剰な機密指定を削減する法律もつくったほどだ。
秘密保護法案は秘密の指定や保管、解除、処罰に大きな欠陥を抱えている。海外メディアの特派員でつくる「日本外国特派員協会」が「報道の自由および民主主義の根本を脅かす悪法だ」と声明を出したのも、うなずける。
そもそも行政情報は国民のものである。国民主権原理が常に働いているからだ。外交上の秘密であっても、必要最小限のみを指定すべきであり、秘密保持期間も本来は一時的でなければならない。その外交政策が後に適切であったかどうかの検証も必要である。
「国政に関する情報が基本的に国民に開かれていることが原則である。
(中略)なんでも秘密だというのでは、自由の原則が崩れてしまう」
一九八〇年代にスパイ防止法案が論議されたとき、谷垣禎一法相は月刊誌にこう書いた。「刑罰で秘密を守ろうという場合は、よくよく絞りをかけておかないと、人の活動をいたずらに萎縮させることになりかねない」とも記した。まっとうな意見だ。
現在、谷垣氏は「当時と状況が違う」と語るが、「自由の原則」は不変のはずだ。民主主義の根幹を揺るがす法案には、外国特派員とともに「悪法」と呼びたい。 (論説委員・桐山桂一)
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013112002000162.html】
【社説】
特定秘密保護法案(3) 崖っぷちの「知る権利」
2013年11月20日
国民の「知る権利」と安全保障は、いわば綱引きのような関係である。政府は「秘密にしたい」と言い、国民は「情報を公開してほしい」と願う。調整をどのように図ったらいいのか。
「あらゆる人は、公的機関が保持する情報にアクセスする権利を
有しており、その権利を制限する正当性を証明するのは、政府の責務である」
今年六月にできた「ツワネ原則」はそう定めた。安全保障と情報に対する権利の国際原則である。世界七十カ国余りの専門家約五百人で作成した。兵器開発や軍隊の作戦など、限られた範囲での情報制限は認めているが、政府に証明を負わせる点は重要だ。
秘密指定を行政機関の「長」に委ねる特定秘密保護法案と出発点が決定的に異なる。さらにツワネ原則は国際人権法に反する情報など、「何を秘密にしてはならないか」を明確にしている。どこまで秘密に覆われるか不明な日本の法案とは、まるで正反対である。
国家の公衆監視も規制し、裁判所で秘密が公開され、審理できる保障も定めている。ことごとく考え方が逆方向なのだ。国連や米州機構、欧州安保協力機構などのメンバーが加わった最先端の原則から、わざわざ踏み外す法案をなぜ政府はつくるのか。
秘密に対する日本の官僚のおそまつさを示す一例を挙げよう。二〇〇六年と〇八年に当時の「原子力安全・保安院」の審議官クラスらが渡米した。原発への航空機衝突や火災などの場合について、対処法の説明を受けた。
だが、米国側から「秘密だ」と注意された。そのため、保安院側は原子力安全委員会にも、電力会社にも伝えなかった。原発の過酷事故に関する重要情報をせっかく米国から提供されていたのに、全く生かせなかったわけだ。
秘密情報であっても、関係機関内で共有され、活用されなくては何の意味もない。重罰で秘匿化をより強める法案は実用的でないうえ、官僚をさらに束縛する。
逆に官僚は公文書の公開には無関心すぎる。一一年度に保存期間が満了した行政文書のファイル約二百三十万件のうち、廃棄された割合は実に92・5%にものぼる。国立公文書館に移管されたファイルは、たったの0・7%にすぎない。
このうえ秘密の密封度を高める法案とは何事か。国民の「知る権利」は崖っぷちに立っている。 (論説委員・桐山桂一)
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013112102000145.html】
【社説】
特定秘密保護法案(4) 捜査が暴走し始める
2013年11月21日
普通に生活する町のクリーニング業者が、まさかスパイであるはずがない。でも、米軍の機密情報を入手したとして起訴され、有罪判決を受けるという、信じ難い出来事が過去にあった。
米海軍の横須賀基地(神奈川)に所属する軍艦の乗組員を相手に商売をしていただけだ。クリーニング店の支配人は、営業上の必要から、基地に勤務する軍人を料理店でもてなしたりした。そして、基地に出入りする軍艦の入港予定日や時間などを記したペーパーをもらっていた。
これが米海軍の機密にあたるとされた。「不当な方法で、探知し、または収集した」とし、一九五七年に横浜地裁は、懲役八月執行猶予二年の判決を出したのだ。罪名は日米地位協定に伴う刑事特別法違反である。
安全保障条約に基づく法律で、機密漏えいばかりでなく、探知も陰謀、教唆、扇動も処罰する。最高刑は懲役十年である。陰謀は共謀と同じだ。骨格が今回の法案とそっくりなのだ。もてなしも「不当な方法」と認定された。
特定秘密保護法案は防衛や外交、特定有害活動やテロリズムの防止-の四つの分野を対象にしている。しかも、「その他の活動」や「その他の重要な情報」など、「その他」の言葉が、三十六回も散乱する。いかなる解釈もできるよう、官僚が意図して曖昧に書いているのではないだろうか。
社会の幅広い場面で法律が適用される懸念は大きい。しかも、何が秘密であるかも秘密にされる。必然的に、どこまで処罰の範囲が広がっているのか、国民には全く手掛かりがつかめない。
民間人が秘密に近づく事前行為さえ処罰する。「話し合い」は共謀であり、「呼び掛け」は扇動となる。近代刑法は犯罪の実行を要するのに、その前段階で取り締まることが可能なのだ。
刑事裁判の場合も、秘密は公開されないはずだ。「外形立証」という、秘密指定の理由や手続きなどの審理だけで、「実質的に秘密に値する」と認める手法だ。
被告人は内容を知らないまま罪に問われる。無実の証明は困難になるだろう。「裁判の適正手続きを侵害する」などと、刑事法学者らも反対の声をあげている。
捜査当局は新たな“武器”を得るのに等しく、どんな運用をするかもわからない。歯止めのない法律は、やがて暴走し始める。 (論説委員・桐山桂一)
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013112202000145.html】
【社説】
特定秘密保護法案(5) 新しい権力が誕生する
2013年11月22日
いわゆる「沖縄密約」は、典型的な秘密外交である。一九七二年に元毎日新聞記者が極秘電信文書を入手し、一端が明らかになった。沖縄返還協定で米軍用地復元補償費四百万ドルを日本側が肩代わりしていた情報である。
実際には氷山の一角にすぎず、日米間の協定額三億二千万ドルのほかに、「秘密枠」があり、一億八千七百万ドルを日本側が上乗せしていた。多額なカネは密約であるがゆえに、国会の承認を得ずに米国側に支払われた。
密約外交は議会制民主主義を完全に無視したわけだ。つまり沖縄密約とは、違法秘密だといえる。同種の情報を封殺できるのが、特定秘密保護法案である。
何が特定秘密かわからない状態では、違法秘密も疑似秘密も判別できない。疑似秘密とは二〇一〇年の「尖閣ビデオ」事件のようなケースだ。実質的な秘密でなくとも、官僚が恣意(しい)的に「秘密」とワッペンを貼るだけで、ブラックボックス化が可能になる。
これらの重要情報を扱うのが、防衛省や外務省、警察庁などである。これらの官僚は、首相官邸と一体化し、新しい権力構造をつくりあげるだろう。戦前の日本が旧内務省と旧陸海軍を中心に動いてきた構図と二重写しである。
戦後日本は経済成長路線を走り、豊かで平和な社会を築き上げてきた。これまでとは異質な官僚制となろう。「軍と治安」が幅を利かせる統治機構である。
自民党幹部が「知る権利が国家や国民の安全に優先する考え方は間違いだ」と発言したように、安全保障を最優先に据えているのだ。だが、政権や官僚組織が暴走しない確約がどこにあるのか。沖縄密約のように、権力は秘密裏に違法行為さえできる。
それをチェックするのに、ジャーナリズムも一翼を担っている。国民の「知る権利」が大事なのは、国家の暴走を食い止めるためなのだ。ドイツでは雑誌社が捜査当局の家宅捜索を受けたことを契機に、昨年三月、「報道の自由強化法」ができた。ジャーナリストは漏えい罪の対象外となったほどだ。
ヨーロッパ人権裁判所の判例を眺めると、今や既存のメディアと同様に、一般市民やNGOも国家が隠す情報を収集する権利があると考えられている。
新しい権力が生まれるなら、それを監視する強靱(きょうじん)な「知る権利」が構築されねばならない。 (論説委員・桐山桂一)=おわり
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