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●適菜収さん《ある種の人間が「はだしのゲン」に反発するのは、グロテスクな自分の顔を描かれたような気分になるからではないか。》

2023年03月18日 00時00分03秒 | Weblog

(20230305[])
記憶の継承を断絶。核廃絶どころか、広島で《消える「はだしのゲン」》、なんという情けなさ。

   『●《おばあさんが川へ洗濯に行くなんて、時代に合わない。もう「桃太郎」
        を子どもたちに教えるのはやめよう。…警察に届けるべき…》……

 沖縄タイムスのコラム【[大弦小弦]桃太郎とゲン】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1106553)によると、《おばあさんが川へ洗濯に行くなんて、時代に合わない。もう「桃太郎」を子どもたちに教えるのはやめよう。だいたい、流れてきた桃は警察に届けるべきなのに、持ち帰る描写はまずいのではないか- ▼もちろん桃太郎はこういう批判を受けない。はだしのゲン」は批判される》。

 日刊ゲンダイのコラム【適菜収「それでもバカとは戦え」/「はだしのゲン」平和教材から削除…日本をむしばみ続ける属国根性無責任体質】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/319207)によると、《アホにも限度がある。戦争前後を描いた漫画と現在の小学生の生活実態が合わないのは当たり前であり、これを読んで「コイを盗んでもいい」という教訓を引き出したとしたら、それはまた別の問題だ。》⦅「はだしのゲン」に批判的な意見の多くは、「アメリカ様に逆らうなという属国根性と「戦争の責任を追及するなという無責任体質に基づいている。⦆

 『はだしのゲン』を書いた中沢啓治さんの想いは、
   
   「「きれいな戦争というのはないんだ戦争の残酷な実態
    知らせなければ、子どもに戦争というものが伝わらない」。
    戦争の恐ろしさに小さな頃から触れ、大人になって戦争を
    防ぐ方法をじっくり考えてほしいというのは、
    死ぬまで変わらぬ思い」
   
だったそうです。

   『●「原子力」と「核」、言葉は違えど「原発=原爆」である
   『●「はだしのゲン」中沢啓治さん、亡くなる
    《1963年のデビュー当初は原爆体験を秘していたが、66年の
     母の死への憤りをきっかけに、初めて原爆を題材にした作品
     「黒い雨にうたれて」を発表した》
    《福島第一事故でも訴え 人間、制御できない
    《昨年八月、広島市の平和記念式典に初めて出席した。その直前には、
     福島第一原発事故の放射性物質流出を恐れる被災者を、放射能を含む
     黒い雨にぬれて「いつ病気になるのか」と不安を抱えた自身と
     重ねながら、「黒い雨は今も世界に降り続けているんです」と、
     核利用がなくならない状況を嘆いていた

   『●『はだしのゲン』中沢啓治さんの新たな遺稿が見つかる
   『●「国家と教育」『週刊金曜日』
     (2013年3月22日、936号)についてのつぶやき
    「岩本太郎氏【ヘイトデモの次段階 個人や各自治体が攻撃の新たな
     矛先に】、「そこでさっそく表面化したのが、松江市の…
     『はだしのゲン』閲覧制限問題。背景には、高知市の在特会関係者
     による松江市教委への抗議活動があった・・」」

   『●情けないオトナ達: コドモへの『はだしのゲン』閲覧制限事件
    「下村文科相、閲覧制限を容認 はだしのゲン「配慮必要」

   『●コドモに見せないようコッソリ画策する
       情けないオトナ達: 中沢啓治さんの想い
   『●「世紀の大悪法 特定秘密保護法案」
     『週刊金曜日』(11月15日、968号)についてのつぶやき
    「編集部【練馬区民が閲覧制限請求に抗議の署名提出 
     『はだしのゲン』を隠すな】、神田香織さんと佐高信さん、
     「…を隠して、どんな子どもを育てたいのか、
     どんな社会にしたいのか」?」

   『●『DAYS JAPAN』(2013,DEC,
      Vol.10,No.12)の最新号についてのつぶやき
    「斎藤美奈子さん…【OUTLOOK 安倍自民党が陰で糸引く
     学校現場への政治介入】、「「はだしのゲン」排除問題」
     「実教出版締め出し問題」「育鵬社採択問題」「東京都副読本問題」」

   『●肥田舜太郎さん「せめて未来の子どもたちのために、
      放射能の心配のない日本を残していけるよう…努力」を
   『●アベ様の「政」の下、「護憲派に集会の会場を
      貸さない自治体が増え…。自治体こそ市民への忖度を怠るな」
    《過去には図書館で漫画「はだしのゲン閲覧をさせないように
     する動きがあったり、同年には「東京都美術館で展示中の造形作品が
     政治的だとして、美術館側が作家に作品の撤去や手直しを求めていた
     ことが発覚」したこともあった。こんな出来事が全国で続いた》

   『●沖縄戦《証言者の萎縮、戦争の教訓継承の妨げ》…「戦争屋」が政権を
      持っている社会では愚者がヘイトをまき散らし、暴力で歴史を歪める
    《<金口木舌>沖縄戦体験者への冒涜 …小学生のころ、原子爆弾の
     悲惨さを描いた漫画「はだしのゲン」(中沢啓治作)を読み、
     戦争の脅威を具体的に想像するようになった。絵の力は大きい。
     戦争に反対する主人公一家を非国民と迫害した軍国主義の恐ろしさ
     伝える》
    《▼「はだしのゲン」を巡っては2013年、「史実の誤り」との陳情を
     きっかけに島根県松江市内の学校図書館から排除しようとする動き
     があった。のちに反発を受けて撤回された。次世代の目や耳も標的
     となっている》

   『●長崎を含めたすべての人々の《幅広く速やかな救済を願う。まず考える
      べきは新たな線引きではなく、雨にぬれた人へのいたわりであろう》

 どう戦争の記憶を残し、戦争を回避するのか。戦争の記憶の継承、《語り継ぐ》。
 「火事場ドロボー」どもが、台湾有事を煽り、先制攻撃・核保有までも口にする。戦争法を盾に、子や孫を戦場に送り出したくて仕方ないらしい。《戦争絶滅受合法案》の制定を切に願う。

   『●「戦争の愚かさを身に染みて知っているはず…
     9条の「戦争放棄」「戦力不保持」の理念はその教訓の結晶」
   『●《戦争の記憶を継承…なぜ継承するのか。端的に言えば、過ちを繰り
     返さないためである…過ちを繰り返さないために過去の過ちから学ぶ》
   『●《「真実を後世に伝えることが生き残った自分の義務」と心の傷を
     押して語り部を続け大きな足跡を残した》安里要江さんがお亡くなりに…
    「平和な社会への《語り部》の皆さんの重要な貢献。特に、
     《沖縄戦の語り部》の皆さんは高齢化している。そんな中、
     戦争の記憶をどのように継承していくのか。
     《「真実を後世に伝えることが生き残った自分の義務」と心の傷を
     押して語り部を続け大きな足跡を残した》安里要江さんがお亡くなりに
     なったそうです」

   『●琉球新報《かつての戦争「前夜」の状況を繰り返さないことを誓いたい》
       《沖縄のメディアとして改めて誓う。戦争のためにペンは取らない》
   『●《沖縄戦をどう継承するか。…国のために死を強いた沖縄戦の実相を
      美談にしてはならない。紡いできた住民目線の継承を大切にしたい》

 「皇軍兵士として戦場で地獄を見た水木しげるさん、「一番いけないのが戦争です」。そして、《戦争に向かうハードルが低く…戦争の怖さが(若者の)耳に届きづらい》恐ろしい世になってしまった。腐敗した自公お維コミによる政治では、決して良い世の中には向かわない。戦争法を廃止し、核廃絶に向かうこともない…。
 「総員玉砕せよ!」には、《「人間の生き死にははかないものである(中略)殺りくの記録は、ここの石と木だけが知っている。いまここに書きとどめなければ誰も知らない間に葬り去られるであろう」との記述が、戦争の惨禍を伝えようとする強い決意》があった。

   『●やはりアベ様「の頭は普通じゃな」かった: 
     誰一人止めない、止めようともしない自公議員…決して忘れない
   『●そもそも、子どもたちのためにこそ 
       「ドブガネしている」税金を使ったらどうなのか?
   『●水木しげるさんと堀江邦夫さん:
       原発ジプシーと云う地獄と戦場と云う地獄
   『●「皇軍兵士として戦場で地獄を見た」水木しげるさん、
                    「一番いけないのが戦争です」
    《あれだけ国民をいじめた歴史はないんじゃないでしょうかね》。
    「「皇軍兵士として戦場で地獄を見た水木しげるさん。
     《自由を国家が制限するんですからね。一番いけないのが戦争です
     戦争で死ぬんだと思うと希望もわきませんでした》という水木さんの
     言葉は、戦争したい人々、「死の商人」たち、「戦争屋」たち、自公議員や
     その支持者達には聞こえないらしい。
     自公議員に投票できる親御さんや祖父母ら……、ブログ主には彼ら、
     彼女らの神経が知れない」

   『●桂歌丸さん…《戦争なんて本当に愚の骨頂》
       《あんな思いなんか二度としたくないし、させたくない》
    《高畑勲野坂昭如大橋巨泉永六輔かこさとし水木しげる
     愛川欽也金子兜太など、戦争を知り、自身の体験をもとに平和を
     希求するメッセージを発してきた戦中世代の著名人が続々と鬼籍に
     入り始めている

   『●水木しげるさんの言葉を…《戦争に向かうハードルが低く…
       戦争の怖さが(若者の)耳に届きづらい》恐ろしい世に
   『●《ビンタばかり食らい、敵軍に片腕をふっとばされた一兵卒、それが
    軍隊のなかの水木だった》…《戦争の惨禍を伝えようとする強い決意》へ

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/319207

適菜収 作家
近著に「ニッポンを蝕む全体主義」「日本人は豚になる」「思想の免疫力」(評論家・中野剛志氏との対談)など、著書45冊以上。「適菜収のメールマガジン」も始動。詳細は適菜収のメールマガジンへ。本紙連載が書籍化「それでもバカとは戦え」好評発売中

適菜収「それでもバカとは戦え」
「はだしのゲン」平和教材から削除…日本をむしばみ続ける属国根性と無責任体質
公開日:2023/02/25 06:00 更新日:2023/02/25 06:00

     (現在の小学生の生活実態と合わないのは当たり前
      (中沢啓治さんの漫画「はだしのゲン」)
      /(C)共同通信社)

 広島市教育委員会は高1と小3の平和教育の教材として使っていた漫画「はだしのゲン」を別の絵本などに差し替えることを決めた。

 「はだしのゲン」は、広島に投下された原爆で父や姉、弟を殺された少年がたくましく生き抜く姿を描いている。

 市教委が設置した大学教授や学校長による会議では、ゲンたちが浪曲を披露して日銭を稼ぐシーンに対し「浪曲は現代の児童の生活実態に合わない」、栄養不足で体調を崩した母親のためにコイを盗むシーンには「コイを盗んでもいいという誤解を与える」といった指摘が出たという。

 アホにも限度がある

 戦争前後を描いた漫画と現在の小学生の生活実態が合わないのは当たり前であり、これを読んで「コイを盗んでもいい」という教訓を引き出したとしたら、それはまた別の問題だ。

 私は小学6年生のときに「はだしのゲン」を読んだ。今回の市教委の決定を受け、SNS上に漫画の断片が次々とアップされたが、記憶に残っているものが多かったそれだけ印象深かったということであり、平和教育としては成功している

 脊髄反射のように、左翼のイデオロギーがどうこうと言いだす連中は昔からいるが、国土を破壊され、同胞を大量虐殺されたことに怒りを表明するのは当然の感覚だろう。残酷なシーンを描いていることを批判するのも筋違い。それを見て子供は原爆の恐怖を学ぶのだ

 「はだしのゲン」に批判的な意見の多くは、「アメリカ様に逆らうなという属国根性と「戦争の責任を追及するなという無責任体質に基づいている。

 敗戦後、雨後のタケノコのように出現した精神の奴隷たちは、現在までわが国をむしばみ続けている

 しまいには原爆を落とされて長崎は本当に無数の人が悲惨な目に遭ったが、あれで戦争が終わったんだという頭の整理で今、しょうがないなと思っていると発言する防衛大臣やポツダム宣言と原爆投下の時系列すら理解していない総理大臣まで出現した。

 「はだしのゲン」は戦中と戦後で発言をコロコロ変え、責任を持たない卑劣な人間を描いた。

 ある種の人間が「はだしのゲン」に反発するのは、グロテスクな自分の顔を描かれたような気分になるからではないか。
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●《ビンタばかり食らい、敵軍に片腕をふっとばされた一兵卒、それが軍隊のなかの水木だった》…《戦争の惨禍を伝えようとする強い決意》へ

2022年09月29日 00時00分55秒 | Weblog

(20220915[])
戦争の惨禍を伝えようとする強い決意》、特に子供たちへ……水木しげるさん。

   『●水木しげるさん《「殺りくの記録は…いまここに書きとどめなければ
     誰も知らない間に葬り去られる」…戦争の惨禍を伝えようとする強い決意》
   『●斎藤貴男さん《人間が、とりあえずアングロサクソンが一も二もなく
     取り組むべきは、エビやイカの痛みなどよりも、戦争の廃絶ではないのか》

 志真秀弘氏による、レイバーネットの書評【〔週刊 本の発見〕水木しげる総員玉砕せよ!(新装完全版)』/水木しげるの伝えたかった戦争】(http://www.labornetjp.org/news/2022/hon263)によると、《水木は「ぼくは戦記物を書くとわけのわからない怒りが込み上げてきて仕方がない。多分戦死者の霊がそうさせるのではないかと思う」(「あとがき」)とも書いている。ビンタばかり食らい、敵軍に片腕をふっとばされた一兵卒、それが軍隊のなかの水木だった》。

 どう戦争の記憶を残し、戦争を回避するのか。戦争の記憶の継承、《語り継ぐ》。
 「火事場ドロボー」どもが、台湾有事を煽り、先制攻撃・核保有までも口にする。戦争法を盾に、子や孫を戦場に送り出したくて仕方ないらしい。《戦争絶滅受合法案》の制定を切に願う。

   『●「戦争の愚かさを身に染みて知っているはず…
     9条の「戦争放棄」「戦力不保持」の理念はその教訓の結晶」
   『●《戦争の記憶を継承…なぜ継承するのか。端的に言えば、過ちを繰り
     返さないためである…過ちを繰り返さないために過去の過ちから学ぶ》
   『●《「真実を後世に伝えることが生き残った自分の義務」と心の傷を
     押して語り部を続け大きな足跡を残した》安里要江さんがお亡くなりに…
    「平和な社会への《語り部》の皆さんの重要な貢献。特に、
     《沖縄戦の語り部》の皆さんは高齢化している。そんな中、
     戦争の記憶をどのように継承していくのか。
     《「真実を後世に伝えることが生き残った自分の義務」と心の傷を
     押して語り部を続け大きな足跡を残した》安里要江さんがお亡くなりに
     なったそうです」

   『●琉球新報《かつての戦争「前夜」の状況を繰り返さないことを誓いたい》
       《沖縄のメディアとして改めて誓う。戦争のためにペンは取らない》
   『●《沖縄戦をどう継承するか。…国のために死を強いた沖縄戦の実相を
      美談にしてはならない。紡いできた住民目線の継承を大切にしたい》

 「皇軍兵士として戦場で地獄を見た水木しげるさん、「一番いけないのが戦争です」。そして、《戦争に向かうハードルが低く…戦争の怖さが(若者の)耳に届きづらい》恐ろしい世になってしまった。腐敗した自公お維コミによる政治では、決して良い世の中には向かわない。戦争法を廃止し、核廃絶に向かうこともない…。
 「総員玉砕せよ!」には、《「人間の生き死にははかないものである(中略)殺りくの記録は、ここの石と木だけが知っている。いまここに書きとどめなければ誰も知らない間に葬り去られるであろう」との記述が、戦争の惨禍を伝えようとする強い決意》があった。

   『●やはりアベ様「の頭は普通じゃな」かった: 
     誰一人止めない、止めようともしない自公議員…決して忘れない
   『●そもそも、子どもたちのためにこそ 
       「ドブガネしている」税金を使ったらどうなのか?
   『●水木しげるさんと堀江邦夫さん:
       原発ジプシーと云う地獄と戦場と云う地獄
   『●「皇軍兵士として戦場で地獄を見た」水木しげるさん、
                    「一番いけないのが戦争です」
    《あれだけ国民をいじめた歴史はないんじゃないでしょうかね》。
    「「皇軍兵士として戦場で地獄を見た水木しげるさん。
     《自由を国家が制限するんですからね。一番いけないのが戦争です
     戦争で死ぬんだと思うと希望もわきませんでした》という水木さんの
     言葉は、戦争したい人々、「死の商人」たち、「戦争屋」たち、自公議員や
     その支持者達には聞こえないらしい。
     自公議員に投票できる親御さんや祖父母ら……、ブログ主には彼ら、
     彼女らの神経が知れない」

   『●桂歌丸さん…《戦争なんて本当に愚の骨頂》
       《あんな思いなんか二度としたくないし、させたくない》
    《高畑勲野坂昭如大橋巨泉永六輔かこさとし水木しげる
     愛川欽也金子兜太など、戦争を知り、自身の体験をもとに平和を
     希求するメッセージを発してきた戦中世代の著名人が続々と鬼籍に
     入り始めている

   『●水木しげるさんの言葉を…《戦争に向かうハードルが低く…
       戦争の怖さが(若者の)耳に届きづらい》恐ろしい世に

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http://www.labornetjp.org/news/2022/hon263

〔週刊 本の発見〕水木しげる『総員玉砕せよ!(新装完全版)』
毎木曜掲載・第263回(2022/7/21)

水木しげるの伝えたかった戦争
『総員玉砕せよ!(新装完全版)』(水木しげる、講談社文庫、2022年7月刊、858円)ほか
評者:志真秀弘

 今年は、水木しげる生誕(1922年)100年にあたり、かれの作品が何冊も新装版として刊行されている。小狡いくせに失敗ばかりの愛すべきねずみ男が登場する名作『ゲゲゲの鬼太郎』、世界各地の伝承に生きる数々の妖怪たち、ヒトラーや南方熊楠などの人物伝、古典の漫画化、『コミック昭和史 全八巻』など数えきれないジャンルと作品がかれにはある。見落とせないのは戦記物である。

 水木の戦記物の中で、『総員玉砕せよ!』はまちがいなく最高傑作だろう。

 ニューブリテン島(ニューギニア島北隣り)の日本部隊が昭和20年(1945年)6月に玉砕するまでを描く。漫画は「私はくるわに散る花よ/ひるはしおれて夜にさく」と歌う従軍慰安婦たちとそこに何十人も行列して待つ兵隊たちの場面から始まる。その末に「これから全員玉砕する 最後にお前たちの好きな歌をうたって死のう」と上官がいうのに応えて「わたしはなーあんで/このようーな/つらいつとめーを/せーにゃなあらぬ」と歌って兵隊たちは突撃する。首や手足がちぎれ、身体が砕け散り、累々と屍が並び、そして白骨と化す水木独特の細密画が何ページも連なり、終わる。そんな悲惨極まりない話なのにどことなく水木らしいユーモアも漂う。(*写真=水木しげる)

 水木は「ぼくは戦記物を書くとわけのわからない怒りが込み上げてきて仕方がない。多分戦死者の霊がそうさせるのではないかと思う」(「あとがき」)とも書いている。ビンタばかり食らい、敵軍に片腕をふっとばされた一兵卒、それが軍隊のなかの水木だった

 この『総員玉砕せよ!』の単行本は1991年10月に刊行された。同じ年に水木は、「ねずみ男」を語り手に、短編漫画「戦争と日本」(『水木しげるの戦場―従軍短編集』中公文庫所収)を『小学6年生』に発表している。十五年戦争は「隣近所」に日本刀をかざしていきなり土足で暴れ込んだようなものだから、「悪かったと謝る気持ちがなかったら、これから仲良くやっていくことはできない」とねずみ男は侵略戦争への反省と謝罪の必要性を説く。それは作者水木の考えでもあったに相違ない。90年代は社会主義体制の崩壊と湾岸戦争に始まる時代の転換点でもあった。水木は戦争を称揚する流れが強まることを直感して、この時期に『総員玉砕せよ!』「戦争と日本」などで子どもたちに戦争を伝えようとしたのだ。 『水木しげるの娘に語るお父さんの戦記(新装版)』(河出文庫、2022年7月)は淡々としたしかも味わいのある文章にかれの画が挿入された本。入隊直後便所に行き、うんこがあまりに太くて長く、なかなか切れず、結局召集時間に遅れ、早速ビンタを食らう話など、かれの底抜けのエピソードがいくつも語られ、現実は地獄なのになぜかおかしい。「土の人」との愉快な交流は水木の人間像を、戦後の紙芝居作家、貸本漫画家としての苦闘は当時の日本の世相をよく現している。

 軍備増強がまことしやかに語られる現状をなんとかして変えたい。そのために私もまた水木にならい戦争の真実を子供たちに伝えたい


*「週刊 本の発見」は毎週木曜日に掲載します。筆者は、大西赤人、志水博子、志真秀弘、菊池恵介、佐々木有美、根岸恵子、黒鉄好、加藤直樹、わたなべ・みおき、ほかです。
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●水木しげるさん《「殺りくの記録は…いまここに書きとどめなければ誰も知らない間に葬り去られる」…戦争の惨禍を伝えようとする強い決意》

2021年12月14日 00時00分40秒 | Weblog

(2021年10月10日[日])
小松田健一記者による、東京新聞の記事【筆を執る重い決意がここに…故・水木しげるさんのノート発見 戦争描いた代表作「総員玉砕せよ!」構想記す】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/134093)。



 《2015年に93歳で死去した漫画家、水木しげるさんが自らの従軍経験をもとにした戦争漫画「総員玉砕せよ!」で、水木さんが執筆前に構想を書き留めたノートが、東京都調布市の水木プロダクションで見つかった。戦争の理不尽さや旧日本軍の非人道性などを余すことなく描いた傑作で、ノートには本編では見られない記述などもある。長女の原口尚子さん(58)は「父は亡くなった戦友たちの無念を背負って描いた。深い思い入れが伝わってくる」と語った。(小松田健一)》。

   『●「戦争の愚かさを身に染みて知っているはず…
     9条の「戦争放棄」「戦力不保持」の理念はその教訓の結晶」
   『●《戦争の記憶を継承…なぜ継承するのか。端的に言えば、過ちを繰り
     返さないためである…過ちを繰り返さないために過去の過ちから学ぶ》

 「皇軍兵士として戦場で地獄を見た水木しげるさん、「一番いけないのが戦争です」。そして、《戦争に向かうハードルが低く…戦争の怖さが(若者の)耳に届きづらい》恐ろしい世になってしまった。自公お維による政治では、決して良い世の中には向かわない。戦争法を廃止し、核廃絶に向かうこともない…。
 「総員玉砕せよ!」には、《「人間の生き死にははかないものである(中略)殺りくの記録は、ここの石と木だけが知っている。いまここに書きとどめなければ誰も知らない間に葬り去られるであろう」との記述が、戦争の惨禍を伝えようとする強い決意》があった。

   『●やはりアベ様「の頭は普通じゃな」かった: 
     誰一人止めない、止めようともしない自公議員…決して忘れない
   『●そもそも、子どもたちのためにこそ 
       「ドブガネしている」税金を使ったらどうなのか?
   『●水木しげるさんと堀江邦夫さん:
       原発ジプシーと云う地獄と戦場と云う地獄
   『●「皇軍兵士として戦場で地獄を見た」水木しげるさん、
                    「一番いけないのが戦争です」
    《あれだけ国民をいじめた歴史はないんじゃないでしょうかね》。
    「「皇軍兵士として戦場で地獄を見た水木しげるさん。
     《自由を国家が制限するんですからね。一番いけないのが戦争です
     戦争で死ぬんだと思うと希望もわきませんでした》という水木さんの
     言葉は、戦争したい人々、「死の商人」たち、「戦争屋」たち、自公議員や
     その支持者達には聞こえないらしい。
     自公議員に投票できる親御さんや祖父母ら……、ブログ主には彼ら、
     彼女らの神経が知れない」

   『●桂歌丸さん…《戦争なんて本当に愚の骨頂》
       《あんな思いなんか二度としたくないし、させたくない》
    《高畑勲野坂昭如大橋巨泉永六輔かこさとし水木しげる
     愛川欽也金子兜太など、戦争を知り、自身の体験をもとに平和を
     希求するメッセージを発してきた戦中世代の著名人が続々と鬼籍に
     入り始めている

   『●水木しげるさんの言葉を…《戦争に向かうハードルが低く…
       戦争の怖さが(若者の)耳に届きづらい》恐ろしい世に

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/134093

筆を執る重い決意がここに…故・水木しげるさんのノート発見 戦争描いた代表作「総員玉砕せよ!」構想記す
2021年10月1日 06時00分

 2015年に93歳で死去した漫画家、水木しげるさんが自らの従軍経験をもとにした戦争漫画「総員玉砕せよ!」で、水木さんが執筆前に構想を書き留めたノートが、東京都調布市の水木プロダクションで見つかった。戦争の理不尽さや旧日本軍の非人道性などを余すことなく描いた傑作で、ノートには本編では見られない記述などもある。長女の原口尚子さん(58)は「父は亡くなった戦友たちの無念を背負って描いた。深い思い入れが伝わってくる」と語った。(小松田健一

     (見つかった「総員玉砕せよ!」の人物紹介など構想が
      書かれたノート=東京都調布市の水木プロダクションで)

◆「いま書かなければ葬り去られる」

 ノートは、来年開く予定の水木さん生誕100年記念展の準備のため、遺品を整理していた際に原口さんが見つけた。B5判で35ページにわたり、「ネーム」と呼ばれる大まかな展開やコマ割り、作品に盛り込もうとしたエピソードなどが鉛筆で記されていた。それらの全てが作品に反映されたわけではなく、執筆段階で練り直しや取捨選択があったようだ。

 作中にない「人間の生き死にははかないものである(中略)殺りくの記録は、ここの石と木だけが知っている。いまここに書きとどめなければ誰も知らない間に葬り去られるであろう」との記述が、戦争の惨禍を伝えようとする強い決意を示している。

     (水木しげるさん)


◆戦死した親友に捧げる物語に

 登場人物の顔がびっしりと描かれたページも。初版本は冒頭に登場人物一覧があり、その原型になったとみられる。水木さんが生前、戦死した親友と語っていた「眞山宗孝の霊に捧ぐ」との記述も確認できた。

 「総員玉砕せよ!」は、1973年に発表された描き下ろし長編。45年3月、南太平洋・ニューブリテン島(現在のパプアニューギニア)で水木さんも所属していた日本軍の大隊が、連合国軍への切り込み攻撃によって壊滅した史実をもとに一部創作を加えた。水木さんがモデルの「丸山二等兵」を主人公に物語が展開していく。後書きには「90パーセントは事実です」と記した。

 水木さんは44年6月に爆撃を受けて左腕を失い、部隊を離れていたため「玉砕」の攻撃には加わっていない。


◆「魂こもった作品の貴重な資料」

 水木しげるさんと親交が深かったノンフィクション作家、足立倫行(のりゆき)さんの話 「総員玉砕せよ!」は、水木さんが執筆した最後の戦争漫画で、かつ唯一の長編。自ら体験した末端の兵士の視点から、戦争の不条理さを描いている。魂がこもった作品で、それだけに考えに考え抜いて事前にノートへ書き留めたのだろう。戦争漫画家としての水木さんの姿を後世へ伝えるためにも貴重な資料であり、何らかの形で多くの人の目に触れることになればいいと思う。

【関連記事】<東京舞台さんぽ>「妖怪」の街・調布 今も感じる水木さんの面影
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●沖縄戦《証言者の萎縮、戦争の教訓継承の妨げ》…「戦争屋」が政権を持っている社会では愚者がヘイトをまき散らし、暴力で歴史を歪める

2020年07月19日 00時00分56秒 | Weblog


琉球新報のコラム【<金口木舌>沖縄戦体験者への冒涜】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1146207.html)と、
【<社説>沖縄戦証言に圧力 沈黙強いる行為許さず】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1145409.html)。

 《その後、男が浦崎さん宅を訪ね、証言への圧力ともいえる振る舞いを見せたことが分かった ▼語り始めた体験者はつらい記憶と癒えぬ痛みに向き合い、戦争の実相を後世に伝える。今回の出来事はその口をふさごうとする愚行であり、体験者や平和の礎に刻まれた人々への冒瀆(ぼうとく)だ》
 《沖縄戦の体験を証言した人の自宅を訪ね、とがめるような言葉で詰め寄るなど圧力をかける事態が相次いでいる。証言者を萎縮させ、結果として証言を封殺する動きは戦争の教訓継承を妨げ、表現の自由を侵すものだ不当な圧力で沈黙を強いる社会は戦時体制に向かうかつての日本を想起させる。表現の自由を侵す行為は許されない》。

   『●沖縄差別:目取真俊さん「多くの日本人がその嘘っぱちを
        を信じている、というよりも、信じたいんでしょう」

 辺野古破壊高江破壊による「住民分断」「沖縄差別」を恥じぬアベ様や、スガ殿・百田尚樹氏などのその酷い取巻き連中。何のためらいも無く、未だに「番犬様」に貢ぐ非道。
 その延長線上の今回の《圧力》、《証言封殺》。あまりに卑劣で、言葉がない…。
 琉球新報の記事【「震える少女」沖縄戦証言に圧力 見知らぬ男性、女性宅押しかけ非難】(https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1144981.html)によると、《沖縄戦の記録映像で映し出される「震える少女」として本紙に名乗り出た浦崎末子さん(82)の自宅を男性が訪ね、証言をとがめるような言葉を投げ掛けていたことが25日、関係者への取材でわかった。浦崎さんはこの一件以来、外部との接触を控えるようになったという。座間味村での「集団自決」(強制集団死)の証言者らにも同様の接触があったことも判明。沖縄戦の継承が課題になる中、証言を封殺する動きに識者は「証言者の萎縮、戦争の教訓継承の妨げになりかねない」と警鐘を鳴らしている》。

 「皇軍兵士として戦場で地獄を見た水木しげるさん、「一番いけないのが戦争です」と。
 「戦争屋のアベ様」が政権を持っている社会では、愚者がヘイトをまき散らし、暴力で歴史を歪める。

   『●大田昌秀さん「軍隊は人を守らない」と、
      従軍記者ボールドウィン氏「沖縄戦は、戦争の醜さの極致だ」
   『●目を逸らす本土…「米国側からみた心温まる
      ヒューマン・ストーリーだけではなく、そこに暮らす人々」に…
    「「慰霊の日」に際して、「沖縄全戦没者追悼式」でのアベ様の挨拶の
     前に、「平和の礎あらゆる戦争を正当化させない思いでつくった
     県民の礎でしょ。そこへ戦争屋の安倍がのうのうと挨拶すること自体が
     県民として許せません」(『報道特集』2017年6月24日)。
     県民の怒りの声は届かないロバ耳東風な「戦争屋のアベ様」」

   『●「戦争の愚かさを身に染みて知っているはず…
       9条の「戦争放棄」「戦力不保持」の理念はその教訓の結晶」
   『●「戦争屋のアベ様」やアノ木原稔氏のココロには
       響かない女性の訴え…「基地を造ったら沖縄が戦場になる」
   『●「教育再生」という名の教育破壊…「子どもから変えていこう
                  という動きは実に悪賢い」(小澤俊夫さん)
    「教科書検定や「ト」な歴史教科書の採択強要 ハタやウタの強制
     道徳の教科化(文科省道徳教育教材『わたしたちの道徳』)、
     教育勅語の復活、古くは忠魂碑訴訟現代の教育破壊は着実に
     進む…。大変に憂慮すべき現状なニッポンの教育環境」
    「《戦争屋》のアベ様らには、侵略戦争への反省も無く、壊憲して再び
     「戦争のできる国」へ…、《自分たちの加害をはっきり残し
     『もう絶対にやらない世界に約束している》ドイツと彼我の差。
     そして今、「教育再生」という名の教育破壊が進む。札束で頬を
     打つように、最高学府の研究・教育にまで侵食」

   『●「皇軍兵士として戦場で地獄を見た」水木しげるさん、
                     「一番いけないのが戦争です」
    《あれだけ国民をいじめた歴史はないんじゃないでしょうかね》。
    「「皇軍兵士として戦場で地獄を見た水木しげるさん。
     《自由を国家が制限するんですからね。一番いけないのが戦争です
     戦争で死ぬんだと思うと希望もわきませんでした》という水木さんの
     言葉は、戦争したい人々、「死の商人」たち、「戦争屋」たち、自公議員や
     その支持者達には聞こえないらしい。
     自公議員に投票できる親御さんや祖父母ら……、ブログ主には彼ら、
     彼女らの神経が知れない」

   『●桂歌丸さん…《戦争なんて本当に愚の骨頂》
       《あんな思いなんか二度としたくないし、させたくない》
    《高畑勲野坂昭如大橋巨泉永六輔かこさとし水木しげる
     愛川欽也金子兜太など、戦争を知り、自身の体験をもとに平和を
     希求するメッセージを発してきた戦中世代の著名人が続々と鬼籍に
     入り始めている

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https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1146207.html

<金口木舌>沖縄戦体験者への冒涜
2020年6月29日 06:00
震える少女 はだしのゲン 金口木舌

 小学生のころ、原子爆弾の悲惨さを描いた漫画「はだしのゲン」(中沢啓治作)を読み、戦争の脅威を具体的に想像するようになった。絵の力は大きい。戦争に反対する主人公一家を非国民と迫害した軍国主義の恐ろしさも伝える

▼本紙も4月から、新報小中学生新聞りゅうPON!で「まんがで伝える沖縄戦」(絵・なかもとあやこ)を掲載している。このうち沖縄戦の映像で知られる「震える少女」も今月題材とした

▼「震える少女は私」と浦崎末子さん(82)が初めて報道されたのは昨年6月23日付の本紙。その後、男が浦崎さん宅を訪ね、証言への圧力ともいえる振る舞いを見せたことが分かった

語り始めた体験者はつらい記憶と癒えぬ痛みに向き合い、戦争の実相を後世に伝える。今回の出来事はその口をふさごうとする愚行であり、体験者や平和の礎に刻まれた人々への冒瀆(ぼうとく)

▼「はだしのゲン」を巡っては2013年、「史実の誤り」との陳情をきっかけに島根県松江市内の学校図書館から排除しようとする動きがあった。のちに反発を受けて撤回された。次世代の目や耳も標的となっている

▼ことしの慰霊の日の本紙には、家族10人を失い、孤児となった金城節子さん(83)の初証言が掲載された。「自分が死んだら、もう残せない。誰がなんと言っても平和が大事」。75年の時を要した体験者の思いである。
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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1145409.html

<社説>沖縄戦証言に圧力 沈黙強いる行為許さず
2020年6月28日 06:01

 沖縄戦の体験を証言した人の自宅を訪ね、とがめるような言葉で詰め寄るなど圧力をかける事態が相次いでいる

 証言者を萎縮させ、結果として証言を封殺する動き戦争の教訓継承を妨げ、表現の自由を侵すものだ不当な圧力で沈黙を強いる社会は戦時体制に向かうかつての日本を想起させる。表現の自由を侵す行為は許されない

 沖縄戦の記録映像で映し出される「震える少女」として名乗り出た女性に対して、知らない男性が自宅を訪れ「どういうつもりか」と詰め寄った。座間味村での「集団自決」(強制集団死)について母親の手記をまとめた研究者は職場への嫌がらせの電話や自宅への訪問があった。「集団自決」の生存者は黒ずくめの男性2人が自宅を訪れ、「追い返したが、恐怖心が残った」と話す。

 体験者だけではなく、過去には「集団自決」を題材にした小学校での創作劇に対し、抗議や中止を求めるメールや電話が十数件寄せられた事例があった。

 言うまでもなく、憲法21条の保障する「表現の自由は民主主義の根幹を成す権利である。戦前の日本にこの権利はなかったといってよい。

 大日本帝国憲法は、表現の自由はあくまで「法律の範囲内において」と記され、さまざまな法で制限された。特に1925年に制定された治安維持法は法改正を繰り返し、対象を一般市民にまで広げ、思想・言論の弾圧に利用された。さらに国民全体が相互に監視し合い、ものが言えない社会をつくり出した。政府や軍部には、強まる戦時体制のなか、戦争遂行の妨げになるわずかな動きでも封じたいという思惑があった。

 民主政治は誰もが自由に政治的意見を述べることができて初めて成り立つ。日本国憲法で認められた表現の自由は、米国統治下の沖縄では長く許されなかった。表現の自由は沖縄の先人たちが体を張って獲得した重要な権利だ。

 資料が乏しい沖縄戦の実相を把握するために、体験者の証言は重要である。複数の証言を付き合わせることでより多角的になり、資料価値は高まる。

 体験者の証言は、大江・岩波訴訟の最高裁判決でも示された通り、オーラル・ヒストリー(口述証言)の資料価値は法廷で認められた。連綿と紡いできた沖縄戦の証言の蓄積がきちんと評価されている。

 他人の自宅を訪問してまで圧力をかけた人たちの目的は定かではない。戦争体験の記憶の継承を、敗戦の記憶を呼び覚まし国家をおとしめると考えているとすれば、主権者である国民を冒とくする行為である。戦争に突入した「いつか来た道」に通じる。

 だからこそ沖縄戦の記憶を風化させてはならない不当な圧力には毅然(きぜん)とした対応を取り、証言者の声に耳を傾け、歴史の教訓に学ばねばならない
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●水木しげるさんの言葉を…《戦争に向かうハードルが低く…戦争の怖さが(若者の)耳に届きづらい》恐ろしい世に

2020年01月05日 00時00分27秒 | Weblog


松野穂波記者による、東京新聞の記事【<つなぐ 戦後74年>ゲゲゲの娘、反戦語る 「きなくさい世に」危機感】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201908/CK2019081902000264.html)。

 《「ゲゲゲの鬼太郎」で知られる漫画家の故・水木しげるさんは、太平洋戦争で左腕を失い、その体験を多くの作品に残した。長女で「水木プロダクション」代表の原口尚子(なおこ)さん(56)=東京都調布市=は今夏、戦争を巡る父の体験談やエピソードを初めて本格的に人前で語った。戦争体験者が少なくなる中「戦争に向かうハードルが低くなっている気がする」という危機感が背中を押した》。

   『●「そんな曲が交じっていないか。耳をそばだてる」…
         聞こえるのは、アベ様らの勇ましき進軍ラッパのみ

 「聞こえるのは、アベ様らの勇ましき進軍ラッパのみ。恐ろしい世の中になったものだ。…ニセウヨクに煽られて、アベ様らに喝采を送る読売系や産経系メディアも、正気ではない」…日に日に、酷くなっていく。あらゆるアベ様の政のデタラメさよ。唯一〝うまく行っている〟のが、メディアコントロール。アベ様や自公お維議員達には、「戦争絶滅受合(うけあい)法案」を審議する勇気もない。
 「皇軍兵士として戦場で地獄を見た水木しげるさん、「一番いけないのが戦争です」と。「水木さんの言葉は、戦争したい人々、「死の商人」たち、「戦争屋」たち、自公議員やその支持者達には聞こえないらしい。自公議員に投票できる親御さんや祖父母ら……、ブログ主には彼ら、彼女らの神経が知れない」。

   『●やはりアベ様「の頭は普通じゃな」かった: 
     誰一人止めない、止めようともしない自公議員…決して忘れない
   『●そもそも、子どもたちのためにこそ 
       「ドブガネしている」税金を使ったらどうなのか?
   『●水木しげるさんと堀江邦夫さん:
       原発ジプシーと云う地獄と戦場と云う地獄
   『●「皇軍兵士として戦場で地獄を見た」水木しげるさん、
                    「一番いけないのが戦争です」
    《あれだけ国民をいじめた歴史はないんじゃないでしょうかね》。
    「「皇軍兵士として戦場で地獄を見た水木しげるさん。
     《自由を国家が制限するんですからね。一番いけないのが戦争です
     戦争で死ぬんだと思うと希望もわきませんでした》という水木さんの
     言葉は、戦争したい人々、「死の商人」たち、「戦争屋」たち、自公議員や
     その支持者達には聞こえないらしい。
     自公議員に投票できる親御さんや祖父母ら……、ブログ主には彼ら、
     彼女らの神経が知れない」

   『●桂歌丸さん…《戦争なんて本当に愚の骨頂》
       《あんな思いなんか二度としたくないし、させたくない》
    《高畑勲野坂昭如大橋巨泉永六輔かこさとし水木しげる
     愛川欽也金子兜太など、戦争を知り、自身の体験をもとに平和を
     希求するメッセージを発してきた戦中世代の著名人が続々と鬼籍に
     入り始めている

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201908/CK2019081902000264.html

<つなぐ 戦後74年>ゲゲゲの娘、反戦語る 「きなくさい世に」危機感
2019年8月19日 夕刊

     (父親の戦争体験を語る水木しげるさんの長女、
       原口尚子さん=名古屋市で(太田朗子撮影))

 「ゲゲゲの鬼太郎」で知られる漫画家の故・水木しげるさんは、太平洋戦争で左腕を失い、その体験を多くの作品に残した。長女で「水木プロダクション」代表の原口尚子(なおこ)さん(56)=東京都調布市=は今夏、戦争を巡る父の体験談やエピソードを初めて本格的に人前で語った。戦争体験者が少なくなる中「戦争に向かうハードルが低くなっている気がする」という危機感が背中を押した。 (松野穂波)

 名古屋市名東区にある戦争と平和の資料館「ピースあいち」で七月二十日、七十人余の聴衆を前に、原口さんはマイクを握った。水木さんが漫画の下書きに「生きようという気持ちがないと神様も助力してくれない」と書き残していたことや、二〇〇三年に叙勲を受けた際に「勲章は戦争で死んだ者にやるべきです」と言った逸話を紹介。「水木は亡くなる間際まで、戦友のことを心に留めていた。漫画家だった六十年間を凌駕(りょうが)するほど、三年間の戦争の記憶は大きかった」と父の思い出を語った。

 水木さんは一九四三年、陸軍二等兵として南方の激戦地ニューブリテン島(ラバウル)へ。ワニに食べられたり、海で生魚を食べようとして喉に詰まらせたりして死んだ仲間も見た。本隊から分かれ、九人の分隊で最前線に送られたが、自分以外の分隊は全滅。上官には「なんで生きて帰ってきた」という言葉を浴びせられた。その様子を「総員玉砕せよ!」などの戦記に残した。

     (戦争体験を語る水木しげるさん
       =2011年10月、東京都調布市で)

 ただ、原口さんが父親から聞いていたのは「現地の人から食べ物を分けてもらったとか、いい話だけ」。過酷な体験は漫画やエッセーで知るしかなく、爆撃を受けた時の心情を聞こうとしても「忘れた」とはぐらかされていた。

 これまで、父と戦争について語ってほしいと頼まれても「表に出たくない」と断ってきた。しかし水木さんは二〇一五年に死去。終戦から七十年以上が経過し、父と同じように戦場を知る人が減ってきた。「きなくさい世の中になっている。戦争の怖さが(若者の)耳に届きづらい」と肌で感じるようになり、今回の講演を引き受けた。

 今後の取り組みは未定だが、読みやすい漫画を通して父の体験を知ってほしいという気持ちは変わらない。「鬼太郎、水木しげる、戦争…みたいに、身近なところから戦争の話を聞くきっかけになれば」
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●桂歌丸さん…《戦争なんて本当に愚の骨頂》《あんな思いなんか二度としたくないし、させたくない》

2018年07月20日 00時00分31秒 | Weblog

[※ 自公選挙公約「子育て…」小躍りするアベ様日刊ゲンダイ(2017年12月19日)↑]



リテラの訃報記事【桂歌丸が語った戦争への危機感「戦争を知らない政治家が戦争に触れるな」 国策落語を作らされた落語界の暗い過去も】(http://lite-ra.com/2018/07/post-4104.html)。

 《彼がもうひとつ繰り返し語り続けていたのが「戦争」の話である》

  【あの人のことば/桂歌丸さんは訴えていた、戦争の愚かさを。「あんなものは愚の骨頂です」】(https://www.huffingtonpost.jp/2018/07/02/utamaru-legend_a_23472620/?ncid=tweetlnkjphpmg00000001)によると、《子どもさんたちに難しいことかもわかりませんけれども、簡単に言えば、戦争、人間同士の争いというもの、あるいは国同士の争いというものこういうものは決してやるもんじゃないということを感じてもらいたいですよね。本当にいやな思いをしましたんでね》。

 桂歌丸さんのご冥福をお祈りします。でも、テレビなどでの追悼番組では、なぜかあまり語られない…反戦について。《戦争なんて本当に愚の骨頂》《戦争の『せ』の字もしてもらいたくないですよね。あんな思いなんか二度としたくないし、させたくない》。
 反戦を語れる人がどんどんと少なくなっていく。愛僕者が幅をきかせて、取巻きの亡国者達が「戦争」へと誘う。

   『●米朝に「本来は「揃って頭を冷やせ」と諭すべき
        立場にいるのが日本なのに」…火に油を注ぐニッポン
    「桂歌丸さんは、《戦争なんて本当に愚の骨頂》と(【落語家 桂歌丸さん
     /桂歌丸が語る戦争】『報道特集』、2017年8月5日)。以前の
     アサヒコムの記事【涙や怒りはあっても笑いがない、それが戦争 
     桂歌丸さん】によると、《今、日本は色んな…。戦争の『せ』の字も
     してもらいたくないですよねあんな思いなんか二度としたくないし、
     させたくない》」

 《高畑勲野坂昭如大橋巨泉永六輔かこさとし水木しげる愛川欽也金子兜太など、戦争を知り、自身の体験をもとに平和を希求するメッセージを発してきた戦中世代の著名人が続々と鬼籍に入り始めている》。

   『●『佐高信の新・筆頭両断』読了(2/2)
     「権力に立ち向かうような俳優や芸人が日本には少ない。
      成田三樹夫は、「最近の役者…いやらしいのが多すぎる
      ・・・総理大臣主催のナントカ会…ニコニコして出かけて行って
      握手なんかして喜んでるだろ。…情けなくなっちまうね
      権力にへたへたする役者じゃ意味がない
      …バカがどんどん図にのるんだよ、ハハハ」」

   ●成田三樹夫さん、《権力にへたへたする役者じゃ意味がない。
                  …バカがどんどん図にのるんだよ、ハハハ》

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http://lite-ra.com/2018/07/post-4104.html

桂歌丸が語った戦争への危機感「戦争を知らない政治家が戦争に触れるな」 国策落語を作らされた落語界の暗い過去も
2018.07.03

     (『歌丸 極上人生』(祥伝社))

 きのう7月2日、落語家の桂歌丸が亡くなった。81歳だった。桂歌丸は『笑点』(日本テレビ)での司会ぶりはもとより、古典落語の発掘と継承にも尽力し、落語界に多大な功績を残した。ここ最近は体調不良で入退院を繰り返し、鼻に酸素吸入のためのチューブをつけた状態で公の場に姿を見せることも多かったが、それでも高座に上がり続けた。

 最期まで噺家として生き、晩年は古典落語の継承に関して後輩の噺家たちに厳しい苦言を呈していた姿も印象的だが、彼がもうひとつ繰り返し語り続けていたのが「戦争」の話である。

 たとえば、2015年10月19日付朝日新聞デジタルでは、こんな言葉を残している。

   「今、日本は色んなことでもめてるじゃないですか。
    戦争の『せ』の字もしてもらいたくないですよね。
    あんな思いなんか二度としたくないし、させたくない

   「テレビで戦争が見られる時代ですからね。あれを見て若い方が
    かっこいいと思ったら、えらいことになる

 桂歌丸は1936年に横浜で生まれたが、戦争のため、小学校2年生で千葉に疎開することになる。疎開先の学校ではイジメに遭っていたので、早く横浜に帰りたいと願っていたそうだが、千葉にいたおかげで横浜大空襲に巻き込まれることはなかった。

 1945年5月29日に起きた横浜大空襲は、8000人以上の犠牲者を出した空襲である。前述した通り、千葉に疎開していた歌丸自身はこの空襲に直接はさらされていないが、雨のように降り注ぐ焼夷弾の下には祖母がいた。2017年8月5日放送の『報道特集』(TBS)で、歌丸はそのときのことをこのように語っている。

   「(千葉市)誉田の山のなかに小高い所があったんです。
    昼間でしたからね、横浜の空襲は。そこに登りますと、東京湾を隔てて
    向こう側に横浜があるわけです。黒煙が上がっているのが見えるわけ
    ですよ、千葉から。横浜が焼けている。『大丈夫かな? 大丈夫かな?』
    って、そのことばっかりでしたね。つまり、おばあちゃんの身を案じることが」

 結果的に、祖母は生き残った。たまたま逃げた橋の近くだけが焼け残り、一命をとりとめたのだ。定員で入るのを拒まれた久保山の防空壕に避難していた人たちは焼け死んでおり、偶然に偶然が重なって生き延びることができたのである。

 このような経験が「戦争の『せ』の字もしてもらいたくない」という発言につながっていくわけだが、歌丸にはもうひとつ戦争への怒りを唱える理由がある。

 前述『報道特集』のなかで歌丸は、「人間、泣かせることと怒らせることは簡単なんですよ。笑わせることぐらい難しいことはないですよ」と語りつつ、戦時中の「禁演落語」について語る。

 禁演落語とは、遊郭に関した噺、妾を扱った噺、色恋にまつわる噺など、国のための質素倹約を奨励された時局に合わないとされ、高座に上げられることを禁じられた53の噺のこと。そのなかには吉原を舞台にした「明鳥」など、今でも盛んに高座に上げられる人気の噺も含まれていた。

 また、当時の落語界は観客に人気の古典落語を捨て去ったのみならず、表向きは自ら進んで戦争に協力した。時局柄政府にとって都合のいいグロテスクな国策落語を多く生み出してしまったという過去ももっている。歌丸は落語界がもつ暗い歴史をこのように語る。

   「あの落語をやっちゃいけない、この落語をやっちゃいけない、
    全部お上から止められたわけですよ。だから、「長屋の花見」を
    改作して「長屋の防空演習」としてやっている師匠もいましたよ。
    面白くないよ、そんなものは」

 そして歌丸はインタビューの最後、『笑点』では見ることのない怒りに満ちた表情でこのように語りかけた。ここで彼の脳裏に誰が浮かんでいたかは言わずとも想像つくだろう。

   「戦争を知らない政治家が戦争に触れるなと言いたくなるんです。
    戦争を知らなかったら、戦争をもっと研究しろって言うんです。
    戦争っていうのは良い物なのか悪い物なのか、この判断を
    きっちりとしろって言いたくなるんです。それをただ上辺だけで
    話しているからおかしくなっちゃうんです。良い物だと思っている
    政治家だったら我々は選ばないです。絶対に

 高畑勲野坂昭如大橋巨泉永六輔かこさとし水木しげる愛川欽也金子兜太など、戦争を知り、自身の体験をもとに平和を希求するメッセージを発してきた戦中世代の著名人が続々と鬼籍に入り始めている

 そのなかにおいて、「戦争を知らない政治家が戦争に触れるな」という言葉は重く響く。古典落語の伝統とともに、この思いも受け継ぎ、次の世代にしっかりと受け渡していかなくてはならない。

(編集部)
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●米朝に「本来は「揃って頭を冷やせ」と諭すべき立場にいるのが日本なのに」…火に油を注ぐニッポン

2017年08月29日 00時00分07秒 | Weblog

[報道特集 (2017年7月8日)↑]



日刊ゲンダイの高橋乗宣さんのコラム【日本経済一歩先の真相/圧力一本やり 売られてもいないケンカを買って出る愚行】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/210733)。

 《金正恩委員長の暴走に対し、安倍政権の対応といえば、首相がトランプ米大統領との“ホットライン”を通じて何やら会話。その後、日米同盟の強化と北朝鮮への圧力を強めるというワンパターンである。朝鮮が軍事的挑発を仕掛けるたび、圧力を強め、また挑発を仕掛けたら、さらに圧力を強める繰り返し。これでは堂々巡り。どちらかが降りるまで延々と挑発合戦を続ける、危ういチキンレースとなるだけだ売られてもいないケンカを買いにいくほど愚かなことはない。安倍政権は米軍との一体化で国民を危険にさらす前に、米朝両国を対話路線に導くための橋渡し役になるように努めるべきだ》。

 本当にそうだ。《軍事的対応ではなく、緊張緩和に知恵を絞り、外交努力を重ねることこそが平和国家を掲げる日本の役割》ではないのか?
 半田滋さん曰く、《北朝鮮に対する政府方針は「対話と圧力」。圧力を国内に向けてどうするのか》?

 桂歌丸さんは、《戦争なんて本当に愚の骨頂》と(【落語家 桂歌丸さん/桂歌丸が語る戦争】『報道特集』、2017年8月5日)。以前のアサヒコムの記事【涙や怒りはあっても笑いがない、それが戦争 桂歌丸さん】によると、《今、日本は色んな…。戦争の『せ』の字もしてもらいたくないですよねあんな思いなんか二度としたくないし、させたくない》。

 日刊ゲンダイの記事【米朝緊迫で前のめり 安倍政権「存立危機事態」を自作自演】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/211628)によると、《田舎の暴走族レベルの“威嚇の応酬”はエスカレートするばかり。そんな米朝に対し、本来は揃って頭を冷やせと諭すべき立場にいるのが日本なのに、積極的に“参戦”する姿勢を見せているから狂っている。…こんな仰天発言をしていたのが佐藤正久外務副大臣だ…何をトンチンカンなことを言っているのか》。
 ニッポンの役割を完全に見失っている…狂気。米朝に《本来は「揃って頭を冷やせ」と諭すべき立場にいるのが日本なのに》…火に油を注ぐニッポン。そんなに戦争したいものかね?

   『●「不戦を誇る国であれ」…2017年も、
      アベ様ら自公お維の議員や支持者の耳には届かず
   『●東京新聞社説「戦争に翻弄されない、
      平穏で豊かな暮らしを未来に引き継ぐことこそ、私たちの責任」
   『●「軍事的対応ではなく、緊張緩和に知恵を絞り、
      外交努力を重ねることこそが平和国家を掲げる日本の役割」
   『●番犬様を諌めることもなく「海自、米空母と訓練検討」…
          「あくまでも非軍事的解決の道を探るべきである」
   『●高畑勲監督より三上智恵監督へ、
      「あなたがつくっているような映画が、次の戦争を止める」
   『●山内康一氏「『米国の軍事力行使を日本は支持する』
          …戦争を積極的に肯定…重大かつ危険な発言」
   『●阿部岳記者「桐生悠々は訓練よりも
     「実戦が、将来決してあってはならない」ことを訴えた…先見の明は…」
   『●「平和憲法」が風前の灯火: 壊憲の坂道を転げ落ち、
         アベ政権と与党自公は戦争へと火に油を注いでいる

   『●戦争法なんて要らない! 「武力による威嚇や武力の行使を
                …永久に放棄した日本の役割」を見失っている
   『●「我が軍」的自衛隊の「違憲」状態を「合憲」へと改めず、
                憲法を「壊憲」して「違憲」を解消する!?

   『●戦争で唯一得た平和憲法を壊憲…「日本は自由と民主主義を
                   失うだけで、代わりに得るものは何もない」

   『●立憲主義も理解できず…「行政の長である総理大臣が
       具体的な改憲日程を口にするのは完全に憲法違反」

   『●アベ様による血税4億円のトンチンカン・トンデモ 
        「ミサイル避難CM広告」によるメディア買収!?
   『●「「危機が迫っている」とあおり、時の政権の求心力を高める手法」
                       …メディア買収と国内に向けての圧力
   『●米中戦争の「防波堤」: 与那国駐屯地による「活性化」? 
                        「島民との融和」か分断か?

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/210733

高橋乗宣 エコノミスト
日本経済一歩先の真相
圧力一本やり 売られてもいないケンカを買って出る愚行
2017年8月4日

     (圧力路線に展望なし(C)日刊ゲンダイ)

 「さらに圧力を強化していくほかない」「強固な日米同盟の下、防衛態勢向上の具体的行動を進める」――。安倍首相は毎度おなじみのセリフを繰り返していた。

 核開発にミサイル発射実験と、北朝鮮が凄まじい勢いで軍事開発に猛進している。先月28日深夜にも、いよいよ米国の首都・ワシントンを射程に収めた可能性のある大陸間弾道ミサイル「火星14」を打ち上げたばかりだ。

 金正恩委員長の暴走に対し、安倍政権の対応といえば、首相がトランプ米大統領との“ホットライン”を通じて何やら会話。その後、日米同盟の強化と北朝鮮への圧力を強めるというワンパターンである。

 北朝鮮が軍事的挑発を仕掛けるたび、圧力を強め、また挑発を仕掛けたら、さらに圧力を強める繰り返し。これでは堂々巡り。どちらかが降りるまで延々と挑発合戦を続ける、危ういチキンレースとなるだけだ。

 金正恩委員長の強硬路線は筋金入り。ちょっとやそっとの圧力でへこたれるようなやわな人物とは思えないし、北朝鮮のターゲットはあくまで米国であって日本ではない。在日米軍基地が攻撃対象となる恐れはあるが、今のところは日本国をどうこうしたいワケではないのだ。朝鮮戦争の休戦から64年。米国に対する積年の怨念を晴らし、核保有国として同等の関係を築き上げたいだけに違いない。

 それなのに安倍政権ときたらどうだ。先月末には、集団的自衛権容認の安保法制施行で新たに可能となった「米艦防護」の実施を初めて公表。火星14の発射直後には、空自のF2戦闘機が朝鮮半島の空域で、米空軍B1戦略爆撃機と共同訓練を行った。いずれも北朝鮮を牽制するのが狙いで、米国の軍事行動と一体化し進んで先兵役を買って出ている印象だ。

 売られてもいないケンカを買いにいくほど愚かなことはない。安倍政権は米軍との一体化で国民を危険にさらす前に、米朝両国を対話路線に導くための橋渡し役になるように努めるべきだ

 東アジアの地政学的観点や米国との対話力を考慮すれば、本来、日本こそ対話路線に引き込む役割を果たせる立場にあると思う。幸いにも韓国の文在寅大統領は、北朝鮮との対話路線を標榜している。米国の同盟国である日韓両国が一緒に連携し、金正恩委員長を対話の場に引っ張り出すことはできないものか。実現すれば、安倍首相は大いなる歴史的外交成果をあげることができる。日米が一体となって軍事行動を続けても、平和には貢献できない

 それなのに、安倍首相の飽くなき軍事路線への拡大は戦前の軍国主義に加担した岸信介の孫という立場がそうさせるのだろうか。この調子だと、支持率回復を狙った内閣改造も、やるだけムダだ。圧力一本やりの外交路線を改めない限り、安倍政権に未来はない
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コメント
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