東京新聞の記事【高村副総裁、後藤さんめぐり発言 「真の勇気ではない」】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015020401001016.html)と、
nikkan-gendaiの記事『拘束1カ月前に…後藤健二さんが残した最期の“メッセージ”』(http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/156932)。
「想像」力無き自民党高村正彦副総裁・・・・・・「日本政府の警告にもかかわらず、テロリストの支配地域に入ったことは、どんなに使命感が高くても、真の勇気ではなく蛮勇と言わざるを得ない・・・・・・後藤さんの遺志を継ぐ人たちには、細心の注意を払って行動してほしい」。
「自己責任論」に堕して死者を鞭打ち、一方、外(害)「遊」での「無責任」かつ「蛮勇」な発言者・アベ様には平伏す高村氏。
アベ様には「真の勇気」や「細心の注意」はあったのだろうか? 後藤健二さんを英雄視する心算もないし、綿井健陽さんの言う後藤さんの「メッセージ」こそが重要だと思う。高村氏は「真の勇気ではない」と言う!? その高村氏の「想像」力は相当に貧困らしい。綿井健陽さんは、「どうか、後藤さんを英雄視しないでほしい。彼が伝えようとした多くの民衆の死を想像してほしい」・・・・・・。
『●イラク人女性:
「自衛隊を派遣した日本にも、(この事態を引き起こした)責任がある」』
『●「自己責任」バッシングと映画
『ファルージャ イラク戦争日本人人質事件・・・そして』』
『●「赤紙」の来る時代・・・綿井健陽さんの
「“平和”のありがたさをしみじみとかみしめたくなる映画」』
『●「ではなぜ読者や視聴者はシリアが危険だと知っているのか。
伝えようとした人が現場にいたからです」』
『●「死の商人」外交: アベ様がケンカを売った代償、
火に油を注いだ代償はあまりに大きすぎる』
『●「死の商人」外交: アベ様がケンカを売った代償、
火に油を注いだ代償はあまりに大きすぎる』
『●憎悪の連鎖を怖れる:
イラク侵略と人質事件と自己責任バッシングと』
『●邦人人質事件は最悪の結末:
アベ様は、「ケンカを売り」「火に油を注」いだ責任について言及せず』
『●「憎悪の連鎖」にこれ以上加担する「愚」を
絶対にやってはいけない ~平和憲法を対抗手段に~』
『●「積極的平和主義」の未来:
「後藤さん・・・が伝えようとした多くの民衆の死を想像してほしい」』
「文化放送の「大竹まこと ゴールデンラジオ」(昨年9月24日放送)・・・・・・たとえばここで日本が、アメリカの空爆を支持する。安倍さんがこれから国連でやる演説の中で、もうそこまで具体的に言ったりなんかしたら、もう日本も同じ同盟国と見られて、いろんなところに旅行に行っている日本の方々が、テロとか誘拐に気を付けないといけない。それがひとつのバロメーターになる」。
まるで、アベ様の行動を予見?、していたかのような後藤さんの「メッセージ」。後藤さんは、覚悟の上での行動だったのだろうか?
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【http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015020401001016.html】
高村副総裁、後藤さんめぐり発言 「真の勇気ではない」
2015年2月4日 11時53分
(党本部で取材に応じる自民党の高村副総裁=4日午前、東京・永田町)
自民党の高村正彦副総裁は4日、過激派「イスラム国」に殺害されたとみられる後藤健二さんについて「日本政府の警告にもかかわらず、テロリストの支配地域に入ったことは、どんなに使命感が高くても、真の勇気ではなく蛮勇と言わざるを得ない」と党本部で記者団に述べた。
同時に「亡くなった方にむちを打つつもりはない」とした上で「後藤さんの遺志を継ぐ人たちには、細心の注意を払って行動してほしい」と呼び掛けた。
外務省は、後藤さんに対し計3回にわたり渡航自粛を要請していた。
(共同)
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【http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/156932】
拘束1カ月前に…後藤健二さんが残した最期の“メッセージ”
2015年2月4日
(後藤さん本人のtwitterから)
「イスラム国」に殺害されたフリージャーナリストの後藤健二さんは昨年、過激組織「イスラム国」の支配地域に向かう前に“遺言”を残していた。
文化放送の「大竹まこと ゴールデンラジオ」(昨年9月24日放送)にゲスト出演し、「イスラム国」について語った時のことだ。中東情勢の現状と今後について、大竹が空爆について<(いままで好意的だった)日本はどういうふうに思われる>との問いにこう答えていた。
<たとえばここで日本が、アメリカの空爆を支持する。
安倍さんがこれから国連でやる演説の中で、もうそこまで
具体的に言ったりなんかしたら、もう日本も同じ同盟国と
見られて、いろんなところに旅行に行っている日本の方々が、
テロとか誘拐に気を付けないといけない。
それがひとつのバロメーターになる>
くしくもこの日、安倍首相はエジプト・シシ大統領との会談で、米軍によるシリア領内での空爆について<国際秩序全体の脅威であるイスラム国が弱体化し、壊滅につながることを期待する>と発言した。後藤さんの懸念は的中し、後藤さん自身が犠牲者になってしまったのだ。
ジャーナリストの常岡浩介氏はこう言う。
「後藤さんの“懸念”は中東を取材するジャーナリストだけでなく、
国民を守る立場の政府関係者なら分かっているはず。
その上での発言だったのでしょう。その時点(9月末)で、
湯川遥菜さんは拘束されていた。安倍首相の発言は、
国民の安全をないがしろにした行為でした」
過去にはイラクへの自衛隊派遣が原因で、03年、04年の日本人人質事件が起きたように、中東では日本の動向がダイレクトに市民の反応につながっている。安倍首相にとって、今回の「カイロ演説」も中東諸国にどんな影響を及ぼすかは容易に想像できたはずだが、年明け早々の外遊で頭の中はいっぱい。「自国民の安全」なんてことは少しも考えなかったようだ。シリア北部で撮ったビデオに「自分の責任でイスラム国支配地域へ行く」との映像を残していた後藤さん。安倍政権の“無能”を見透かした上の覚悟の取材だったのか。
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東京新聞の記事【やまぬテロの悲劇 自衛隊派遣 米支えた10年余】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015020390071051.html)。
「安倍晋三首相は二日、国際社会と連携してテロとの戦いに貢献していく必要性を強調した。悲劇を繰り返さないためにも、米国などと連携を強めてテロに対抗するという理屈だ。一方、日本は十年以上、米国の「テロとの戦い」を支えるとの名目で、自衛隊の活動範囲を次々と拡大させてきた」。
綿井健陽さんの映画で、イラク人女性が言った「自衛隊を派遣した日本にも、(この事態を引き起こした)責任がある」と云う言葉を、アベ様達や「眠り猫」の皆様達はよく考えた方が良い。
『●『ルポ戦場出稼ぎ労働者』読了』
「いい加減で、ふざけた答弁に終始した小泉純一郎元首相。
「・・・日本の航空自衛隊はこの空港へ米兵などを輸送していたが、
地上戦は起きていないにしても追撃砲などによる攻撃はされている。
これが日本政府の言う「非戦闘地域」だ」」
『●小泉純一郎元首相の戦場の定義:
「自衛隊の活動している所は非戦闘地域」』
『●イラク人女性:
「自衛隊を派遣した日本にも、(この事態を引き起こした)責任がある」』
『●「自己責任」バッシングと映画
『ファルージャ イラク戦争日本人人質事件・・・そして』』
『●「赤紙」の来る時代・・・綿井健陽さんの
「“平和”のありがたさをしみじみとかみしめたくなる映画」』
外(害)「遊」でカネをばらまく「死の商人」外交や自衛隊の「派兵」では、「憎悪の連鎖」が続くだけで、絶対に「平和」な世界は構築し得ない。「ケンカを売って回り」「火に油を注ぐ」人が「真に勇気のある者」とは決して思えない。「自衛隊派遣 米支えた10年余」が何をもたらしたのか? (日本ビジュアル・ジャーナリスト協会、JVJA)「暴力による負の連鎖を断ち切るために、原因を追求し、私たちは賢明な平和的手段で解決すること」を求めるしか道はない。
『●「ではなぜ読者や視聴者はシリアが危険だと知っているのか。
伝えようとした人が現場にいたからです」』
『●「死の商人」外交: アベ様がケンカを売った代償、
火に油を注いだ代償はあまりに大きすぎる』
『●「死の商人」外交: アベ様がケンカを売った代償、
火に油を注いだ代償はあまりに大きすぎる』
『●憎悪の連鎖を怖れる:
イラク侵略と人質事件と自己責任バッシングと』
『●邦人人質事件は最悪の結末:
アベ様は、「ケンカを売り」「火に油を注」いだ責任について言及せず』
『●「憎悪の連鎖」にこれ以上加担する「愚」を
絶対にやってはいけない ~平和憲法を対抗手段に~』
『●「積極的平和主義」の未来:
「後藤さん・・・が伝えようとした多くの民衆の死を想像してほしい」』
『●「想像」力無き自民党高村正彦副総裁の「真の勇気」ある者、
そして、後藤健二さんのメッセージ』
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【http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015020390071051.html】
やまぬテロの悲劇 自衛隊派遣 米支えた10年余
2015年2月3日 07時10分
(↑ブログ主注: すいません。勝手ながらコピペさせて頂いております
【http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/images/2015020399071051.jpg】)
イスラム教スンニ派の過激派組織「イスラム国」を名乗るグループによる日本人人質事件を受け、安倍晋三首相は二日、国際社会と連携してテロとの戦いに貢献していく必要性を強調した。悲劇を繰り返さないためにも、米国などと連携を強めてテロに対抗するという理屈だ。一方、日本は十年以上、米国の「テロとの戦い」を支えるとの名目で、自衛隊の活動範囲を次々と拡大させてきた。 (高山晶一)
首相は二日の参院予算委員会で「どの国もテロの脅威から逃れることができない」と指摘し「国際社会が連携して、過激主義の流れを止めないといけない」と強調。日本人人質事件を踏まえ、自衛隊による在外邦人救出を可能とする法整備に意欲を示した。
二〇〇一年の米中枢同時テロの発生以降、日本は米国による「テロとの戦い」を後押しする自衛隊の海外派遣を繰り返してきた。
米国が同時テロの報復としてアフガニスタンに侵攻すると、日本はテロ対策特別措置法を成立させ、インド洋上で給油活動を実施。〇三年に米国がイラクを攻撃した際には、イラク特措法を成立させ、陸上自衛隊が人道復興支援の名目でイラク南部に足を踏み入れ、航空自衛隊は物資輸送などを担った。
日本人十人が犠牲になった一三年のアルジェリア人質事件後、安倍政権は自衛隊による在外邦人の陸上輸送を可能にする改正自衛隊法を成立させた。首相が口にした邦人救出の法整備は、その延長線上にある。
しかし、テロはなくなるどころか、むしろ拡散している。シリア内戦の泥沼化に乗じ、資金力や戦闘力を備えた「イスラム国」が台頭。米国や欧州諸国は「イスラム国」空爆に踏み切ったが、今年一月にフランスで風刺週刊紙テロが起きた。テロへの緊張感が高まる中で「イスラム国」を名乗るグループは日本人二人の殺害予告を発した。
安倍政権は昨年七月、集団的自衛権の行使容認や、他国軍への戦闘支援の拡大方針を盛り込んだ新たな安保政策を閣議決定した。今国会では、決定内容を自衛隊の任務に具体化させる安保法制の関連法案を提出する方針。成立すれば、自衛隊の海外派遣の機会が増えることにつながる。
自衛隊の海外派遣は、首相が掲げる「積極的平和主義」の根幹で、近隣の中韓両国などには警戒感がある。
中東諸国は、専守防衛と平和外交に徹する日本に対し、欧米とは違う信頼感を抱いているといわれてきたが、最近は変化を感じているとの指摘も出ている。
だが、首相は二日「テロのない社会をつくるため、積極的平和主義を進める」と明言した。
◆防衛駐在官の増員検討
安倍晋三首相は二日の参院予算委員会で、日本人人質事件を受け「どれだけ時間がかかろうとも、国際社会と連携して犯人を追い詰め、法の裁きにかける」と述べ、テロ対策を強化する考えを示した。中東での情報収集能力を高めるため、ヨルダンをはじめとする日本大使館に派遣する防衛駐在官の増員を検討する考えも表明した。
首相は自衛隊による在外邦人救出について「受け入れ国の了承がないと成立しない」と指摘。今回、救出活動を可能にする法律が整備されていたとしても「シリアの同意(を得るの)は難しいだろう」と述べた。
安全保障法制に関しては「全体像を国会になるべく早く示したい」と表明。集団的自衛権行使が認められる状況については「どのような事態(で可能だ)ときれいに切り分けて整理することは、机上の論理でしかない」と明言を避けた。
(東京新聞)
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日本ビジュアル・ジャーナリスト協会(JVJA)の声明 『後藤健二さんら人質殺害を受けての緊急声明』(http://www.jvja.net/JVJA_IS_Statement.htm)。
asahi.comの記事【「憎悪の連鎖になってはならない」 後藤さんの母】(http://www.asahi.com/articles/ASH212R1KH21UTIL00G.html?iref=comtop_list_nat_n01)。
「なぜこのような事件が起き、そして繰り返されるのか、「報復」は憎しみと対立を煽るばかりです。暴力による負の連鎖を断ち切るために、原因を追求し、私たちは賢明な平和的手段で解決することを訴えます・・・・・・日本ビジュアル・ジャーナリスト協会(JVJA)」。
アベ様がケンカを売った代償、火に油を注いだ代償はあまりに大きすぎる・・・・・・いまアベ様の「無責任な言動・行動」の責任を問うべき時。一方、ブログ主は、JVJAのこの声明をはっきりと支持します。
『●『戦争と平和 ~それでもイラク人を嫌いになれない~』読了(1/2)』
『●『戦争と平和 ~それでもイラク人を嫌いになれない~』読了(2/2)』
「しかし、彼女ら (郡山さんと今井さん) の予想は全く裏切られ、
「自己責任」とばか騒ぎし、醜悪なバッシングの嵐。解放後、
「生まれ故郷に帰るのに「覚悟」が必要」(p.141) な国って、
いったい何?? 解放後の「新たな不安と恐怖」(p.147) は、
拘束時以上だったのではないだろうか・・・。」
『●イラク人女性:
「自衛隊を派遣した日本にも、(この事態を引き起こした)責任がある」』
『●「自己責任」バッシングと映画
『ファルージャ イラク戦争日本人人質事件・・・そして』』
『●「赤紙」の来る時代・・・綿井健陽さんの
「“平和”のありがたさをしみじみとかみしめたくなる映画」』
『●「ではなぜ読者や視聴者はシリアが危険だと知っているのか。
伝えようとした人が現場にいたからです」』
『●「死の商人」外交: アベ様がケンカを売った代償、
火に油を注いだ代償はあまりに大きすぎる』
『●憎悪の連鎖を怖れる: イラク侵略と人質事件と自己責任バッシングと』
『●邦人人質事件は最悪の結末:
アベ様は、「ケンカを売り」「火に油を注」いだ責任について言及せず』
asahi.comの記事【安倍首相「罪償わせるため連携」 「後藤さん殺害」映像】(http://www.asahi.com/articles/ASH21536FH21UTFK00X.html?iref=comtop_list_int_n03)によると、「安倍首相は・・・・・・「ご家族のご心痛を思うと言葉もない。誠に痛恨の極みだ。日本がテロに屈することは決してない」と述べている。アベ様は自分がしでかした「無責任さ」の自覚もないし、さらには、後藤さんのご家族の気持ちも全く理解できていない。
東京新聞の社説【日本人人質殺害映像 絶対に許せぬ蛮行だ】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015020202000145.html)では、「◆空爆支援の否定は当然・・・・・・菅義偉官房長官は記者会見で、米国主導の有志国連合が「イスラム国」に行っている空爆に、資金や人的な協力をする可能性を「全くない」と否定した。当然だ。その言葉を違えてはならない」。また、コラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2015020202000144.html)でも、「▼テロに直面したその分岐点からどう進むべきか。その分岐点でしゃがみ込んでしまいたい。ひるみはしない。非難し、軽蔑する。されど、憎悪ましてや暴力の風圧にバランスを崩してはなるまい。ただ、鎮魂の歌を口にせよ。抗議の花をテロリストに突きつけよ▼<私は敵に腹を立てた。怒りをなおも育てた。やがてそれは林檎(りんご)の実をなした>ウィリアム・ブレーク。テロには屈しないが、憎悪の「毒樹」も育てまい」、とある。
「憎悪の連鎖」に加担する「愚」を絶対にやってはいけないし、アベ様をこれ以上暴走させて「憎悪の連鎖」を繋げてはいけない。我々は「平和憲法」で対抗を!!
そのためには、「政権にとって「白紙委任状」ほど好都合なものはありません」を理解しなかった自公政権支持者や「眠り猫」の皆さんも、いい加減に目覚めていただかないと。今さらではあるが、彼/彼女達が「支持」したアベ様や自公政権が引き起こしたこの最悪の事態を「考えるべき」で、「騙されることの責任」「考えないことの罪」から覚醒すべき時。
『●「政権にとって「白紙委任状」ほど好都合なものはありません」:
2014年12月衆院選に是非行こう!』
後藤さんのお母様、「今はただ、悲しみの涙がこみ上げてくるばかりです。しかし、この悲しみが憎悪の連鎖になってはならないと、心から信じております」・・・・・・。今回は大変に残念な結果となってしまったし、ブログ主も、怒りに煮えたぎる・・・・・・でも、これが今後のアベ様の暴走の「きっかけ」にならないことを切に願うし、「憎悪の連鎖を怖れる」。この後藤さんのお母様の言葉やご家族の気持ちを踏みにじるようなことだけは、絶対にやってはいけない。アベ様を、このまま暴走させてはいけない。「イラク侵略と人質事件と自己責任バッシングと」・・・・・・、パレスティナ問題やイラク侵略以来の「憎悪の輪」にこれ以上の加担をしてはいけない。既にズタズタだけれども「平和憲法」を持つ日本には、日本の道がある。それはアベ様らの言う「人道援助」「後方支援」「非戦闘地域」・・・・・・とは違う道だ。
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【http://www.jvja.net/JVJA_IS_Statement.htm】
後藤健二さんら人質殺害を受けての緊急声明
私たち日本ビジュアル・ジャーナリスト協会(JVJA)は、日本人人質事件の発覚後、2通の声明文とビデオメッセージを通じて、後藤健二さんと湯川遙菜さんの解放を関係者に求めてきました。しかし湯川さんに続き、後藤さんを殺害したとする映像が公開され、私たちは深い悲しみでいっぱいです。
後藤さんはこれまでに世界各地で苦しむ人びとの側に立ち、事実を伝えることでジャーナリズムの役割を果たしてきました。公開された映像が事実であるならば、後藤さんが否定してきた理不尽な暴力により、命を奪われてしまったことになります。
なぜこのような事件が起き、そして繰り返されるのか、「報復」は憎しみと対立を煽るばかりです。暴力による負の連鎖を断ち切るために、原因を追求し、私たちは賢明な平和的手段で解決することを訴えます。
今も世界各地では戦闘や空爆が続き、犠牲者は増え続けています。暴力から尊い命を守ること、それが後藤さんがジャーナリストとして命をかけて伝えたかったことではないでしょうか。後藤さんと湯川さんのご冥福を祈ると同時に、彼らの犠牲が最後となることを祈ります。
2015年2月1日
日本ビジュアル・ジャーナリスト協会(JVJA)
※ 以下に付記するアラビア語への翻訳はカイロ大学日本語科卒業生有志の協力で実現しました。
【↑ブログ主注: すいません勝手にコピペさせて頂いております
(http://www.jvja.net/index%20jpg/JVJA_Statement3.jpg)】
Emergency Statement upon the Execution of Hostage Kenji Goto
We, the Japan Visual Journalist Association (JVJA), appealed to those concerned for the release of Kenji Goto and Haruna Yukawa through two statements and video messages. However, we are now filled with deep sadness following the publication of videos showing the execution of Mr Yukawa and Mr Goto.
Mr Goto stood always on the side of the people suffering around the world, and fulfilled his role as journalist to convey the facts. If the footage released is indeed real, Mr Goto's life was taken through the very wanton violence which he had disavowed.
Why did such an incident occur, and why is it repeated? “Revenge” serves only to exacerbate hatred and conflict. In order to break through the negative cycle of violence, we must examine the root causes, and call for resolution through prudent, peaceful means.
As fighting and bombing continues throughout the world, the number of victims continues to increase. Protecting precious human life from violence is what Mr Goto as a journalist wanted to convey, even at risk to his own life. While expressing condolences for Mr Goto and Mr Yukawa, we pray that they will be the last to be sacrificed.
February 1, 2015
Japan Visual Journalist Association (JVJA)
http://www.jvja.net
e-mail: office@jvja.net
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【http://www.asahi.com/articles/ASH212R1KH21UTIL00G.html?iref=comtop_list_nat_n01】
「憎悪の連鎖になってはならない」 後藤さんの母
2015年2月2日01時23分
(後藤健二さんの写真をなでながら語りかける母の
石堂順子さん=1日午後5時59分、東京都内、関田航撮影)
最悪の事態になってしまった。膠着(こうちゃく)状態が続いていた過激派組織「イスラム国」による人質事件は1日、突如暗転し、後藤健二さん(47)とみられる遺体の映像がインターネットに投稿された。残虐で、冷酷な仕打ちに、ゆかりの人たちは言葉を失った。
後藤さんの母、石堂順子さん(78)は1日早朝、東京都内の自宅前に集まった報道陣に、「気が動転して言葉を選べる状態ではありません。息子は日本人を助けるためにシリアに行った。その優しさと勇気をわかってほしい」とのコメントを出した。
午前9時40分には姿を見せ、「ご心配をおかけしたことをおわび申し上げます」と頭を下げた。憔悴(しょうすい)しきった様子で時折胸に手を当て、うつむきながら、「今はただ、悲しみの涙がこみ上げてくるばかりです。しかし、この悲しみが憎悪の連鎖になってはならないと、心から信じております」。戦争のない社会を作りたい、戦争と貧困から子どもの命を救いたい、という後藤さんの思い――。「健二の遺志を私たちが引き継いでいくことを切に願っています」と語った。
・・・・・・・・・。
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asahi.comの記事【安倍首相「テロに屈しない」 関係閣僚会議で対応協議】(http://www.asahi.com/articles/ASH2124J2H21UTFK003.html?iref=comtop_6_04)。
「安倍晋三首相は会議で、「非道、卑劣極まりないテロ行為に強い怒りを覚える。許しがたい暴挙を断固非難する。テロリストたちを絶対に許さない。その罪を償わせるため、国際社会と連携していく。日本がテロに屈することは決してない。中東への食糧、医療などの人道支援をさらに拡大していく」と述べた」。
アベ様の早朝の取材コメント、その自責の念の無さに呆れる。アベ様の「その罪を償わせるため」などというコメントを聞くと・・・・・・内心「これを好機」とさえ思っているのでは?、とさえ疑いたくなる。2人の拘束を知りながら、アベ様は、「ケンカを売り」「火に油を注」いだ責任について、冒頭、まずは一言あるべきではないか? 外「遊」・中東訪問での無責任な声明が如何に「ケンカを売り」、如何に「火に油を注」いだか、を反省するつもりもないようだ。2014年12月衆院選のときには既に2人が拘束されていたことを認識しておきながら、その「勝利」に喜び勇み、今回の外「遊」・中東訪問での不用意な無責任声明が最悪の結果をもたらした。「許しがたい暴挙を断固非難する」という言葉をそっくりアベ様やその取り巻きへ。
『●イラク人女性:
「自衛隊を派遣した日本にも、(この事態を引き起こした)責任がある」』
『●「自己責任」バッシングと映画
『ファルージャ イラク戦争日本人人質事件・・・そして』』
『●「赤紙」の来る時代・・・綿井健陽さんの
「“平和”のありがたさをしみじみとかみしめたくなる映画」』
『●「ではなぜ読者や視聴者はシリアが危険だと知っているのか。
伝えようとした人が現場にいたからです」』
『●「死の商人」外交: アベ様がケンカを売った代償、
火に油を注いだ代償はあまりに大きすぎる』
『●憎悪の連鎖を怖れる:
イラク侵略と人質事件と自己責任バッシングと』
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【http://www.asahi.com/articles/ASH2124J2H21UTFK003.html?iref=comtop_6_04】
安倍首相「テロに屈しない」 関係閣僚会議で対応協議
2015年2月1日07時32分
(邦人人質事件の新たな展開を受け関係閣僚会議で
発言する安倍晋三首相。手前は中谷元防衛相
=1日午前7時4分、首相官邸、越田省吾撮影)
過激派組織「イスラム国」に拘束された後藤健二さんが殺害されたとみられる動画がインターネット上に公開されたことを受け、政府は1日午前7時すぎに首相官邸で関係閣僚会議を開き、対応を協議した。
安倍晋三首相は会議で、「非道、卑劣極まりないテロ行為に強い怒りを覚える。許しがたい暴挙を断固非難する。テロリストたちを絶対に許さない。その罪を償わせるため、国際社会と連携していく。日本がテロに屈することは決してない。中東への食糧、医療などの人道支援をさらに拡大していく」と述べた。
会議には首相のほか菅義偉官房長官、岸田文雄外相、中谷元・防衛相、山谷えり子国家公安委員長らが出席。首相は出席者に対して「さらなる情報収集、集約に努め、関係各国との連携を強化し、国内外の日本人の安全確保を徹底するとともに、国際的なテロへの取り組みに我が国としてさらに積極的に取り組むことをお願いする」と指示した。
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『マガジン9』の記事【雨宮処凛がゆく!: イスラム国による人質事件。の巻】(http://www.magazine9.jp/article/amamiya/17472/)。
「ただただ、言葉を失っている。そうして、11年前を思い出している。2004年4月、高遠菜穂子さんたち3人が拘束され、自衛隊が撤退しなければ「生きたまま焼き殺す」と警告された時のこと。あの時、日本中を包んだ自己責任バッシング・・・・・・しかし、「なぜイスラム国が台頭したのか」を考えていくと、イラク戦争にぶち当たる」。
今回も一部で、再びの「自己責任」バッシングのようだ。「「薄っぺらで反知性的なタカ派が増殖している」・・・・・・アベ様達からして」ネッ。
一方、あるイラク人女性は「自衛隊を派遣した日本にも、(この事態を引き起こした)責任がある」と言っており、今回の件にも繋がっている。「憎悪が連鎖」することを怖れる。そして、アベ様が「ケンカを売り」、そこに「火に油を注ぎ」込んでしまいました。今は、燃え盛る火の中、後藤健二さんの無事を祈ることしかできません。・・・・・・しかしながら、最悪の結果となってしまったようだ。残念だ。
『●『戦争と平和 ~それでもイラク人を嫌いになれない~』読了(1/2)』
『●『戦争と平和 ~それでもイラク人を嫌いになれない~』読了(2/2)』
「しかし、彼女ら (郡山さんと今井さん) の予想は全く裏切られ、
「自己責任」とばか騒ぎし、醜悪なバッシングの嵐。解放後、
「生まれ故郷に帰るのに「覚悟」が必要」(p.141) な国って、
いったい何?? 解放後の「新たな不安と恐怖」(p.147) は、
拘束時以上だったのではないだろうか・・・。」
『●イラク人女性:
「自衛隊を派遣した日本にも、(この事態を引き起こした)責任がある」』
『●「自己責任」バッシングと映画
『ファルージャ イラク戦争日本人人質事件・・・そして』』
『●「赤紙」の来る時代・・・綿井健陽さんの
「“平和”のありがたさをしみじみとかみしめたくなる映画」』
『●「ではなぜ読者や視聴者はシリアが危険だと知っているのか。
伝えようとした人が現場にいたからです」』
『●「死の商人」外交: アベ様がケンカを売った代償、
火に油を注いだ代償はあまりに大きすぎる』
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【http://www.magazine9.jp/article/amamiya/17472/】
2015年1月28日up
雨宮処凛がゆく!
第324回
イスラム国による人質事件。の巻
イスラム国によって、湯川遥菜さんが殺害されたと見られている。
ただただ、言葉を失っている。
そうして、11年前を思い出している。
2004年4月、高遠菜穂子さんたち3人が拘束され、自衛隊が撤退しなければ「生きたまま焼き殺す」と警告された時のこと。あの時、日本中を包んだ自己責任バッシング。
幸い3人は解放されたものの、それから半年後の04年10月、香田証生さんが拘束された。彼を人質にしたのは「イスラム国」の前身であるイラクアルカイダ。彼の遺体は、アメリカ国旗に載せられた状態でバグダッドの路上で発見された。
なぜ、高遠さんたちは助かり、香田さんは殺害されたのか。
高遠さんたちを拘束したのは「地元のレジスタンス」的な存在と言われている。自らの家族が米軍に殺され、或いは自らが拷問を受けたような人々。そんな彼らとは、「自分はスパイじゃない」などと交渉ができたという。しかし、イスラム国前身のイラクアルカイダは、そのような交渉ができる相手ではなかったという。
現在、この国のメディアは連日イスラム国の残虐性を非難している。
もちろん、私も残虐だと思う。ひどいと思う。そこはまったく同感だ。
しかし、「なぜイスラム国が台頭したのか」を考えていくと、イラク戦争にぶち当たる。
「大量破壊兵器」という存在しなかったもののために始められた戦争。それを真っ先に支持したのは日本政府だ。
昨年末、一人のイラク帰還兵のアメリカ人男性が来日した。
彼の名前は、ロス・カプーティさん。
「イラク戦争、集団的自衛権行使を問う」スピーキングツアーのために来日した彼の話を聞くため、私は2度、集会に行った。
そこで突きつけられたのは、「知らない」ということの怖さだった。
高校を卒業して軍隊に入った彼は、イラクに派遣されるものの、「自分の国がやっている戦争について、何も知らなかった」と語った。
そんな彼が派遣されたのは、アメリカに対する抵抗運動がもっとも激しかったファルージャ。彼が派遣される3カ月前には4人のアメリカ人傭兵が殺害され、遺体が焼かれて橋に吊るされるという事件も起きていた。また、アブグレイブ刑務所での米軍兵士によるイラク人への拷問や虐待の写真が公開され、反米感情はこれまでにないほど高まっていた。しかし、そんなことも彼は知らされていなかったという。当時の彼は、「頭にスカーフを巻いて私たちを攻撃してくるイラク人たちはみんな悪い宗教に洗脳されていて、アメリカ人と見れば理由もなく殺そうとしてくるのだと思っていた」と語った。
しかし、そんなファルージャでの任務を経験する中で、彼はイラクの人々がなぜ抵抗しているのかがわかっていく。なんの令状もなく、イラク人の頭に袋をかぶせて拘置所に連行してもお咎めなしの自分たちと、連行されてしまったが最後、どうなるかわからないイラク人。そんな彼は、「米軍によるイラクでの最悪の虐待」と言われる第二次ファルージャ総攻撃に参加。この攻撃の中で4000〜6000人の民間人が殺され、20万人が避難民となり、ファルージャの3分の2が瓦礫と化したという。
帰国後、彼は壮絶な罪悪感との闘いに苦しみ、現在はイラク戦争犠牲者への「償いプロジェクト」を設立。同時に反戦運動を展開している。
PTSDに苦しむ元兵士が多くいるアメリカと違って、この国の多くの人は、イラク戦争のことなどすっかり忘れているように見える。その影でイラクに派遣された自衛隊員からは28人の自殺者が出ているものの、そのことについてはなんの検証もされていない。
その上、「その後のイラクの状況」には絶望的なほど、無関心だ。恥ずかしながら、私自身も昨年ロスさんの話を聞くまで、「現在のイラク」について、知らないことばかりだった。
12年11月、「イラクの春」と言われるデモが始まったことも知らなかったし、その後のイラク政府軍によるデモ鎮圧や空爆についても、あまりにも無知だった。知っていたことはと言えば、米国主導で対イスラム国の空爆が昨年8月に始まったこと。しかし、それ以前からイラクは、イラク政府軍、シーア派民兵、そして地元の部族のグループなどが入り乱れ、そんな混乱の中にイスラム国がやってきてあちこちを制圧と、文字通り泥沼の状況だったのだという。
知らないことは、時に罪だ。少なくとも、イラク戦争を真っ先に支持した日本に住む私たちは、決して無辜ではないと思う。
一方、今回の人質事件では、「知らなかった」では済まされなかった事実がもうひとつ、ある。それは湯川さん、後藤さんが拘束されていることを政府は以前から把握していなかったはずはないということだ。それなのに放置した挙げ句、安倍首相はエジプトで「イスラム国」への対応として難民支援などに2億ドル拠出すると述べ、イスラエルでは「テロ対策で連携する」と発言した。
ロスさんが来日した時のイベントで、高遠菜穂子さんが言っていた言葉を思い出した。彼女は「安倍さんが今後何を言うかに、ものすごく戦々恐々としている」と語っていた。なぜなら、イギリスの首相が「アメリカの軍事行動を支持する」と言えばイギリス人の人質がイスラム国に殺される、という現実が既に昨年起きていたからだ。安倍首相はそんな現実について、どう思っていたのだろう。「知らない」では済まされない。
戦争は、憎しみの連鎖を生む。
フランスの「シャルリエブド」社が襲撃された事件にも、イラク戦争が暗い影を落としている。容疑者の一人が活動に参加した動機は、「イラクのアブグレイブ刑務所での捕虜虐待の写真を見て義憤に駆られた」ことだという。
私はシリアに行ったことはないけれど、イラクには2度行ったことがある。
1999年と2003年、まだイラク戦争前のことだ。
その時のイラクは、こっちが戸惑うほどの親日っぷりの人ばかりで、やたらと「ヒロシマ!」「ナガサキ!」と声をかけられた。
そんな空気は、今はもうないのだろうか。
とにかく、後藤さんが、無事帰国しますように。
今はただ、それを祈ることしかできない。
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asahi.comの記事【「解放諦めないで」 紛争地知るジャーナリストの祈り】(http://www.asahi.com/articles/ASH1R5T51H1RUTIL04Z.html?iref=comtop_pickup_02)、
東京新聞の社説【日本人人質 救出へ向けて粘り強く】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015012402000168.html)。
まずは、無事に解放されることを祈念しています。
「ではなぜ読者や視聴者はシリアが危険だと知っているのか。伝えようとした人が現場にいたからです」・・・・・・「人質の後藤健二さんは紛争地で女性や子どもたちの取材を続け、その体験を学校の特別授業などで語っていた。日本にイスラムへの理解を深めてもらおうとしていた後藤さんの思いも、中東諸国の人たちに広く伝えたい」・・・・・・。
またしてもアホな「自己責任」「自業自得」論をまき散らしている方がいるようです。
『●『戦争と平和 ~それでもイラク人を嫌いになれない~』読了(1/2)』
「「まさに高遠さんは危険を承知しながらイラクに行かないでは
いられない立場にあった人でしょ。彼女を救出するために、
イラクの人たちまでがビラ配りをやり、「彼女の身代わりになる」
と少年が言うくらいに信頼関係があったわけです。
・・・「危険があるからこそ」、いてもたってもいられずに出かけて
行かないではいられない人がいることくらいどうしてわからんかな」
「「自業自得」なんて言っている人々が屁をこきながらテレビで観ている
ニュース映像はいったい誰が撮り、雑誌の記事は誰が書いている
と思っているわけ?」
『●「自己責任」バッシングと
映画『ファルージャ イラク戦争日本人人質事件・・・そして』』
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【http://www.asahi.com/articles/ASH1R5T51H1RUTIL04Z.html?iref=comtop_pickup_02】
「解放諦めないで」 紛争地知るジャーナリストの祈り
清水大輔、高橋友佳理 2015年1月24日05時32分
(「イスラム国」が首都だ、としているシリア北部のラッカ。
手前の男性は戦闘員で腹に自爆ベルトを巻き付けていた
=2014年3月、横田徹さん撮影
「72時間」が過ぎた。だが、「イスラム国」の人質となっている後藤健二さん(47)と湯川遥菜(はるな)さん(42)の消息はつかめない。2人の知り合いや家族は、無事を願い続けた。後藤さんと同じく、紛争地の声を伝えようと飛び込むジャーナリストの仲間たちも帰還を祈る。
ひざまずかされ、ナイフをちらつかされる後藤さんの映像に、ジャーナリストの佐藤和孝さん(58)は胸が潰れる思いがした。
2012年、シリアで内戦を取材中に銃撃戦に巻き込まれて亡くなったジャーナリストの山本美香さん(当時45)のパートナー。後藤さんと面識はないが、撮影した映像を見たことがある。紛争の最前線から一歩引いたところで、市民、特に子どもたちが置かれた状況を淡々と取材する姿勢が伝わってきた。「強い意志を持って、何かを伝えようという気概に敬服する」
山本さんが亡くなった後、自らの仕事を見つめ直そうと、同じように紛争地帯で仲間を失ったり、けがを負ったりした欧米のジャーナリストたちに会いに行った。「同じ時間に生きているのに、伝える言葉や手段を持たない抑圧された人たちがいる」「独裁国家で不条理に苦しむ人たちは『目撃者』を求めているんだ」。みんな、自分や美香と同じことを考えているんだな、と感じた。
独立系通信社ジャパンプレスの代表を務め、山本さんを失った後もアフガニスタンなどの取材を続けている。「なんであんな危険な場所に行くのか」と問われる。今回の事件でもインターネット上などでは自己責任論が飛び交う。「ではなぜ読者や視聴者はシリアが危険だと知っているのか。伝えようとした人が現場にいたからです」
どんな強大な力を持った存在であっても、きっと誰かが立ち向かっていくだろう――。山本さんが著書に記した言葉だ。「後藤さんも志は同じはず」。無事を祈っている。
報道カメラマンの横田徹さん(43)は13年9月、シリア北部で取材中、「イスラム国」の前身組織に出頭を命じられた。「帰れないかもしれない」。しかし、逃げて捕まるよりは、と別の日本人ジャーナリスト、ガイドと出向いた。
8畳ほどの部屋。全身黒ずくめの男8人が入ってきた。腰には銃やナイフ。熟練した戦闘員の雰囲気を感じた。黙っていてはいけないと直感し、満面の笑みで質問を投げかけた。「お名前は」「あなた方の目的は」。会話の後、男たちはガイドとしばらくアラビア語で話していた。「すぐにシリアから出て行け」。そう命じられ、その日のうちに飛び出した。
後にガイドから「あの時、男に『2千ドルで日本人2人を売らないか』と持ちかけられた」と聞かされた。背筋が凍った。「ただ運が良かっただけだ」
危険な思いをしても戦地に行くのはなぜか。原点はアフガニスタンでの体験だという。「血も涙もない集団」と報じられていた反政府勢力タリバーンだったが、支配下の街は平穏だった。「イスラム国」でも、宗教指導者は温厚な人柄で「空腹ではないか」などと気遣ってくれた。「ネットで得た情報ではなく、自分で話をして、身を置かないとわからない」という。
後藤さんの人柄を現地ガイドから聞き、コミュニケーション能力が高い人だと感じた。「状況は良くないと思うが、最後は人間同士の信頼関係が物事を決める。絶対に諦めないで欲しい」(清水大輔、高橋友佳理)
■決着に時間要した例も
海外でこれまでに日本人が拘束された事件の展開はさまざまだ。無事の解放につながった事件では、身代金が支払われたとされる例もある。決着までに長い月日がかかることもある。
イラクでは2004年4月にボランティア活動家の高遠菜穂子さんら3人と、取材中だったフリージャーナリストの安田純平さんら2人が相次いで誘拐された事件が起きている。高遠さんらを誘拐した犯人グループは自衛隊のイラクからの撤退を要求した。政府は応じなかったが、5人とも4月中に解放された。
だが、同年10月にはイラクを旅行中の香田証生さんが拉致され、犯人グループの「イラク・アルカイダ機構」は自衛隊撤退を要求。香田さんは同月末にバグダッド市内で、遺体で発見された。後藤さんらを拘束している「イスラム国」は、このグループの流れをくむとされる。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015012402000168.html】
【社説】
日本人人質 救出へ向けて粘り強く
2015年1月24日
過激派「イスラム国」とみられるグループが日本人人質二人の殺害を警告した事件で、身代金の支払期限とされた七十二時間が過ぎた。粘り強い交渉を続け、救出に全力を挙げたい。
政府は関係各国に協力を求める一方、ヨルダンのアンマンに現地対策本部を設け、周辺国に働き掛けている。
グループは二十日に公開した声明で、日本が「イスラム国」対策で供与を表明したのと同額の二億ドル(約二百三十五億円)の身代金を、七十二時間以内に支払うよう要求。日本の供与内訳は「女性や子どもを殺害し、イスラム教徒の家を破壊するのに一億ドル」「イスラム戦士と戦う背教者を養成するのに一億ドル」などとして批判した。
この主張はまったく理不尽だ。日本の供与はイラクやシリアの難民支援やインフラ整備などの人道目的だ。日本は米国主導の空爆にも参加していない。戦後、戦闘には参加せず、国際貢献は非軍事分野に限ってきた。平和国家としての姿勢をイスラム世界に丁寧に説明し続け、人質解放に向けた環境づくりを進めたい。
人質の後藤健二さんは紛争地で女性や子どもたちの取材を続け、その体験を学校の特別授業などで語っていた。日本にイスラムへの理解を深めてもらおうとしていた後藤さんの思いも、中東諸国の人たちに広く伝えたい。
危険な場所に取材に入るジャーナリストには覚悟が求められる。後藤さんは「イスラム国」支配地域に入る直前に撮影したビデオ映像で「非常に危険だが、何があっても責任は私にある。必ず生きて戻る」と語っていた。
イラクでは二〇〇四年、計六人の日本人が人質となったが、五人がイスラム聖職者協会の仲介で解放された。この時の経験も生かし仲介を探る努力を続けたい。
「イスラム国」とみられるグループによる人質事件では米英人らが殺害される一方で、フランス、スペイン、スウェーデンなどの人質は解放されている。トルコは総領事ら四十九人の人質解放に成功した。身代金は支払わず、米国に非協力的であることが解放条件だったとの見方もある。これらのケースも参考にしたい。
パリの連続テロに続く邦人人質事件。テロの広がりに、日本も“対岸の火事”ではいられなくなった。背景に疎外感から過激主義に走る若者の増加も指摘される。その病根を断つことも考えたい。
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映画『ファルージャ イラク戦争日本人人質事件・・・そして』のWP(http://fallujah-movie.com/)より。
The Huffingtn Postの古い記事【映画「ファルージャ イラク戦争 日本人人質事件...そして」 自己責任批判から10年、28歳の伊藤めぐみ監督の視点】(http://www.huffingtonpost.jp/2014/02/12/fallujah-movie_n_4741992.html)。
「「自己責任」ってなんですか? プロデューサー 広瀬凉二/・・・・・・激戦地ファルージャで人質となった、三人の日本人を苦しめてきたのが「自己責任」という言葉・・・・・・自己責任とは誰かに問われるものではなく、「私は自分らしく生きているか?」と自らに問うことだと思うのです」・・・・・・。
当時の「自己責任」バッシングに関連して、映画『ファルージャ イラク戦争日本人人質事件・・・そして』という映画が出来ています。結局、アメリカによるイラク侵略の理由であった「大量破壊兵器」などどこにも見つからず、サダム・フセイン大統領は無残に死刑・私刑にされ、そして、ブッシュ氏は靴を投げつけられ、「犬」と蔑まれています。それ以上に問題なのは、未だにイラク国内は混乱の最中である点・・・・・・。「・・・・・・悲劇が続くイラク。「「犬」に靴を投げつける」くらいでは、とても気がおさまらないでしょう」。高遠菜穂子さんは、今も、イラク支援を続けておられます。
『●『戦争と平和 ~それでもイラク人を嫌いになれない~』読了(1/2)』
『●『戦争と平和 ~それでもイラク人を嫌いになれない~』読了(2/2)』
「しかし、彼女ら (郡山さんと今井さん) の予想は全く裏切られ、
「自己責任」とばか騒ぎし、醜悪なバッシングの嵐。解放後、
「生まれ故郷に帰るのに「覚悟」が必要」(p.141) な国って、
いったい何?? 解放後の「新たな不安と恐怖」(p.147) は、
拘束時以上だったのではないだろうか・・・。」
『●『ご臨終メディア ~質問しないマスコミと一人で考えない日本人~』読了』
『●『ルポ 改憲潮流』読了(2/3)』
『●『だまされることの責任』読了(2/3)』
『●『靖国/上映中止をめぐる大議論』読了(3/3)』
『●『安心のファシズム ―支配されたがる人びと―』読了』
『●『それでもドキュメンタリーは嘘をつく』読了(2/2)』
『●見損ねた』
『●『筑紫哲也』読了』
『●『ルポ戦場出稼ぎ労働者』読了』
『●「自己責任」を叫ばれた人の立場』
『●「自己責任」バッシングの嵐: 「話す」ことも許さず、「話しても」伝わらず』
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【http://fallujah-movie.com/production_note.html】
プロダクションノート
「自己責任」ってなんですか?
プロデューサー 広瀬凉二
この映画を観てくださる方に私が問いかけたいのは、その一言です。2004年4月、開戦から1年が過ぎたイラク戦争の激戦地ファルージャで人質となった、三人の日本人を苦しめてきたのが「自己責任」という言葉でした。イラク戦争は2001年に起きたいわゆる9・11事件に逆上したブッシュの米国が反米イスラム勢力への報復として一方的に仕掛けたものでした。それは「大義なき戦争」といわれ国際的に反対と非難を浴び、日本の世論も反対が多数を占めていました。しかし当時の小泉政権は開戦を支持し、米軍と同盟軍(英国など)の後方支援と現地の人道支援をするため自衛隊を派遣したのです。
ファルージャのイラク武装勢力が人質解放の条件としたのが、「自衛隊の撤退」でした。日本政府は即座にその要求を拒否しました。三人の釈放か処刑か、期限が迫る中で、政府関係者から発せられたのが「激戦地へ出かけていった三人の自己責任だ。」という声でした。それがメディアに採り上げられ、ネットを通じてヘイトスピーチのような悪意に満ちたバッシングとなっていったのです。
三人は彼らを支援するNGOやイラクの宗教指導者の尽力で釈放され帰国しました。しかし日本で彼らを待ち受けていたのは「国益を損ない世間を騒がせた自己責任をとれ」という非難の嵐でした。
そして9年後私は「映画ファルージャ」をつくりました。それはテレビドキュメンタリーの現場で40年間仕事をしてきた私自身への「自己責任」と思ったからです。自己責任とは誰かに問われるものではなく、「私は自分らしく生きているか?」と自らに問うことだと思うのです。
【http://fallujah-movie.com/intro.html】
イントロダクション
イラク戦争から10年
当時、日本国内でバッシングが吹き荒れた「日本人人質事件」のことを覚えているだろうか?
イラク支援のために行った日本人3人。しかし、ファルージャの街で地元の武装グループによって日本政府へ自衛隊撤退を要求するための人質として拘束された。
当時、日本政府はアメリカが始めたイラク戦争を支持。「人道復興支援」のためとして、イラクに自衛隊を派遣していた。日本では3人の行為が国に迷惑をかけたとして「自己責任」を問う声が広がった。
この映画は、はからずも人質となった、高遠菜穂子さん、今井紀明さんの現在の姿を追い、そして未だ戦火の止むことのないイラク、ファルージャの生々しい現実を捉える。
先天性異常児、国内紛争――まだ戦争が終わっていない国イラク
高遠菜穂子さんは、事件後のPTSDを乗り越え再びイラク支援を続けていた。NGOなどの団体に加わるのではなく、一人でイラクに通い支援と調査を行っている。イラクでの先天異常児は戦争以後、今も増え続けているのが実態だ。またファルージャで撮影中にも現政府と、対立する宗派の抗争も発生していた。
一方、人質事件のもう一人、今井紀明さんは、5年の間、対人恐怖症に苦しんだ。現在は、大阪で不登校や、ひきこもり経験のある通信制高校に通う若者を支援するNPOの代表をしている。社会から拒否された存在に、昔の自分をみて何かできないかと思ったという。
それぞれにとってあの戦争、あの事件が引き起こした問題はまだ終わっていない
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【http://www.huffingtonpost.jp/2014/02/12/fallujah-movie_n_4741992.html】
映画「ファルージャ イラク戦争 日本人人質事件...そして」 自己責任批判から10年、28歳の伊藤めぐみ監督の視点
The Huffington Post | 執筆者: 阿部結衣子
投稿日: 2014年02月13日 10時15分 JST 更新: 2014年02月14日 20時11分 JST
2004年4月にイラクで起きた、「日本人人質事件」のことを覚えているだろうか。
イラク支援のため現地に入った日本人3人が、ファルージャの街で地元の武装グループにより人質として拘束された。彼らの要求は「自衛隊の撤退」だった。アメリカが主導し2003年に開戦したイラク戦争。当時、日本政府はこの戦争を支持し「人道復興支援」のためとして、イラクに自衛隊を派遣していた。3人は数日後、無事解放されるが、帰ってきた日本では、3人の行為が国に迷惑をかけたとして「自己責任」を問う批判の声が高まっていた。
あれから、10年。その時、人質となった、高遠菜穂子さん、今井紀明さんのその後を追ったドキュメンタリー映画「ファルージャ イラク戦争 日本人人質事件…そして」が公開されている。監督の伊藤めぐみさんは、テレビ番組の制作会社でADとして働く28歳。イラク戦争開戦当時、高校3年生だった伊藤さんが、なぜ人質事件の映画を撮ったのか。高遠さんと今井さんの今を紹介すると共に、この映画の制作するに至った背景を伊藤さんに聞いた。
■高校生でデモに参加「イラク戦争は自分にとって出発点」
イラク戦争開戦直前、高校3年生だった伊藤さんはイラク戦争に反対するデモに参加していた。それまで、伊藤さんにとって「戦争」はどこか遠くの出来事だったが、日本政府がイラク戦争を支持したことで、初めて「自分の戦争」という意識を持つようになったのだという。
「イラク戦争は、社会に関心を持つきっかけだったんですが、その後、人質事件ですごいバッシングが起こったのを見たことも大きかったですね。人質だった3人に自分を重ね合わせるところがありました。3人が批判されているのを見て、自分も批判されているように感じるというか……。国と違うことをするとあんなふうに冷たい目で見られるんだとか、世の中に対してもの申すことは、すごく怖いことなんだなって感じて、すごく萎縮する自分がいましたね」
大学卒業後、伊藤さんはテレビの番組制作会社に就職する。取材を通じていろんな人と向き合うなかで「自分自身を隠している」という思いを抱くことがあったという。
「人にさらけ出してもらって、話を聞かないといけないのに、自分自身がうまくさらけ出せない。そういう感覚を持つようになって、なんだろうこれ、と思っていろいろたぐり寄せていくと、イラク戦争の時の自分が原点だったんですね」
■「伝えたいことはイラクにある」高遠さんはイラク取材を提案
2012年、伊藤さんは人質事件の被害者たちのその後を追うため、映画「ファルージャ」の企画書を本格的に書き始める。そんな伊藤さんに、高遠さんは「伝えたいことはイラクにある」とイラクでの取材を提案した。上映された「新宿バルト9」で行われたトークイベントで、高遠さんは当時をこう振り返る。
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テレビの企画書は今までに、何度か送ってもらったことはあるんですけれど、『伝えたいことは、イラクにあるので、(私が短期滞在している)イラクに来てください』という話をすると、だいたい企画は立ち消えになっていました。彼女もそうだろうな思ったんですけれども、最初から『行きます』と言ったんですよね。
そういうことがあって、若いけど、若いから逆に真剣に、事件だけじゃなくてこの10年間を全部見てきているのかな、イラク戦争からはじまり、社会のこととか全部それを継続して、自分のこととして見てきているのかなって思ったんです。自分と同じような時間の過ごし方をしていたのかなって。
(2013/12/07 映画『ファルージャ』トークイベントにて)
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伊藤さんはイラクへ取材に行くことを決めたが、高遠さんは伊藤さんをイラクに連れて行くことを「怖い」と感じていたという。
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「来ないと始まらない」とは言ったものの、お嫁入り前の娘さんですから、なんかあっちゃいけないし、すごい緊張はしたし、それは怖かったです。今井くんがイラクに行きたいと言った時も「親御さんに合わせてくれ」って、2回ご家族に会いに行って、「何があるかわからないから、それでもいいんですか」ということを今井くんのお母さんたちにも、何度も念押しをした。
伊藤さんのご両親の承諾をとにかく得てきてほしいと、それから会社の社長さんにもよくよく話し合ってきてほしいし、もし何かあれば、あの時のバッシングじゃすまない、へたをすれば会社もダメになってしまうかもしれない、くらいの話はしましたよね。それでも、「許可をとってきました」と言ってきて、それにはびっくりしました。
(2013/12/07 映画『ファルージャ』トークイベントにて)
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■高遠さんの今——再びイラクへ
高遠さんは現在、人質事件後のPTSD(心的外傷後ストレス障害)を乗り越え、短期でイラクに滞在しながら、個人で医療支援を行っている。戦争後から先天異常児が増え続けているイラクの実態調査も行っているという。イラクでは今も、人々の日常を切り裂くような銃撃や爆撃が起こるという。
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一番直近では3週間、イラクに行ってきました。その間に、ファルージャの市長が狙撃暗殺されて、滞在先のすぐ近くで銃撃もありました。5~8発くらいの爆弾事件もありましたし。それから、知り合いの家の窓ガラスが割れたとか、子供達を遊んでいるとダダダーッと銃撃があって、おばあちゃんに『中入れ!』っていわれて、子供達と一緒に家に駆け込んだりとか、いろいろあります。
私はビビリなので、かなり緊張はしてますよ。なので、イラクに1回行って帰ってくるとドっと疲れます。ただイラクの中でも、病院は安全な感じというか、安心はしていられるというか、セキュリティはしっかりしています。
映画には、シビアな現実ばかりが映っていますけど、普通の生活もあるわけですよ。寮にいる先生達にも、生活があり休みもあり、休日を楽しむといったこともあるわけです。子供達も普通に学校に行っている、学校で何かをやってるってときに、瞬間、日常を切り裂くように(銃撃が)起きる。
(2013/12/08 映画『ファルージャ』トークイベントにて)
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■「イラク支援をやめるなんて許さない」家族の叱咤激励でヨルダンへ
高遠さんが2004年の事件後、再びイラクに行ったのは、家族からの叱咤激励があったからだという。
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映画でも言ってますけど、(事件後、高遠さんが)寝たきりだった状況から、きっかけをくれたのはうちの母親ですね。『そこでイラク支援をやめるなんて許さない』と言われて、ヘロヘロだったんですけどヨルダンに行きました。
その時に、一緒に人道支援活動していたイラク人がイラクから、7~8人来たんですよ。爆撃で亡くなった人の映像を(彼らが)持ってきたんですけども、私は『そんなことでウジウジしてる場合じゃないんだ』っていう風に、そこで本当に思った。
日本では味わえないおだやかなイラクの家族たち、イラクの人々、イラクの友達と過ごしたということが、彼らの弱っている時、私の弱っている時をうまく支え合ってきたのかなというのはありますね。
(2013/12/08 映画『ファルージャ』トークイベントにて)
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■今井さんの今——若者を支援するNPOの代表
高遠さんと同じく事件で人質になった、今井紀明さんは、現在、高校中退や不登校経験のある通信制高校に通う若者を支援するNPO法人D×P(ディーピー)の代表をしている。事件後、激しいバッシングに晒された今井さんは、5年間、対人恐怖症に苦しんだという。その経験が今の仕事に結びついていると、上映された「梅田ブルク7」で行われたトークイベントで語っている。
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ドキュメンタリーとして撮っていただいて思ったのは、自分はなぜ今、教育関係の仕事をしているかを改めて考えさせられました。 今はドロップアウトをした子供たちや、学校をやめた子供たちとか、不登校になった子供たちが通う通信制高校で仕事してるんですけども、その子たちって自己責任である意味で切られてしまって、そのまま進んでしまい、ニートになってしまったりする。
自己責任って区切られてしまう子供たちなんですね。自分としてはすごくそこに思い入れがあって、若者達の為に何かしたいという思いでやってるんだなという事を撮られていて気がつきました。
(2013/12/23 映画『ファルージャ』トークイベントにて)
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■「自己責任」という言葉は、挑戦者と弱者を切り捨ててしまう言葉
2013年6月にニュースキャスター辛坊治郎さんが小型ヨットで太平洋を横断中に遭難した事故でも、「自己責任」が叫ばれるなど、現在も別の形で噴出している「自己責任論」。今井さんは「自己責任」という言葉自体が挑戦者と弱者を切り捨てる言葉だと語った。
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「自己責任」というのを当事者からいうと、かなり難しいので、あまり語りたくないんですけど、この言葉自体が挑戦者と弱者を切り捨てる言葉だと思います。どんな状況でも、海外でもどんなに気をつけたとしてもこういった現状が起こってしまうことは実際にある。
この事件でいろんな事が批判に結びついてしまったんですけど、そういうことがあったりすると、行動を起こそうという人間自体の意欲を削いでしまう。プラス、弱者の切り捨ての言葉になってしまう。だから(その言葉は)気をつけながら使った方がいいんじゃないかと思います。
僕自身は辛坊さんの(事故の)時も、国民だったら誰だって助けられるべきであると思いますし、辛坊さんが昔、自己責任って批判したのも関係ない。誰だって助けられるべきだと、それはすごく思います。
(2013/12/23 映画『ファルージャ』トークイベントにて)
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■映画をきっかけに「私はどうしたいのか」を考えてもらいたい
伊藤さんに、この映画で伝えたかったことを聞いた。
「こういう生き方をしなきゃいけないんです。ということを映画で言うつもりもなかったし、高遠さんたちが自己責任を果たしているかどうかを検証する映画でもないと思っています。『高遠さんはこう生きています』『今井さんはこういうことをするようになりました』『じゃ、私はどうしましょう』というのを見る人に考えてもらいたいんです」
映画「ファルージャイラクク戦争 日本人人質事件…そして」
渋谷 アップリンク:公開中
名古屋 シネマスコーレ:公開中~2月28日(金)
札幌・シアターキノ:4月5日(土)~11日(金)
大阪・第七藝術劇場:4月公開
神戸・元町映画館:4月公開
全国順次公開予定
公式サイト:http://fallujah-movie.com/
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『週刊金曜日』(2014年7月18日、1000号)について、最近のつぶやきから、AS@ActSludge。
今週のブログ主のお薦めは、石坂啓さん【本質をわかりやすく言うと】、「病床の母はあっさりと一言、「テメーが行ってこい」」。
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■①『週刊金曜日』(2014年7月18日、1000号) / 「主権在民 創刊1000号」。同封チラシ「「戦後」の1000号として」(平井康嗣編集長)、「たかが1000号、されど1000号」(北村肇発行人)、「『週刊金曜日』1000号の歩み」。創刊準備号『月刊金曜日』から買い続けた身としては、感慨深いものに
■②『週刊金曜日』(2014年7月18日、1000号) / 三宅勝久さん【自衛隊「訓練」中の死亡事故が多発 10年で69人、「人命軽視」か】、「〝不要な危険〟を強要か・・「教育訓練」以外の死亡事故も多数あり、事故死の実数はこれよりも多いものとみられる」。「戦争できる国」になれば「訓練」死どころか・・(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/cc3976ac9b61db2a8b6c540d79ff96ba)
■③『週刊金曜日』(2014年7月18日、1000号) / 及川健二さん【「集団的自衛権の行使容認」閣議決定に各地で抗議 「文章は形容詞によって腐る」】、「・・といった開高健の言葉が思い出される・・」「暴力の連鎖が拡大することを止めたい!」。戦争絶滅受合法案を定める矜持もない自公議員(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/77de2f301efae2ff4a6c6e5f58a3a960)
■④『週刊金曜日』(2014年7月18日、1000号) / 満田夏花さん【川内原発再稼働手続き進むも避難弱者は・・・・・・ 施設管理者に避難計画丸投げ】、「伊藤祐一郎鹿児島県知事・・「10キロ圏外の、要支援者・・の施設については避難計画を策定する必要はない」と発言」。死の灰は宮崎や熊本まで届くというのに(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/a724141dcbc2f9d68a76dd33d89418d3)
■⑤『週刊金曜日』(2014年7月18日、1000号) / 平野次郎氏【人の尊厳守り抜く二審判決 在特会の控訴を棄却】、「大阪高裁(森宏司裁判長)は・・の支払いを命じた一審(京都地裁判決)を支持し、在特会側の控訴を棄却する控訴審判決」。こちらは至極当たり前の判決で、司法の良心は守られた
■⑥『週刊金曜日』(2014年7月18日、1000号) / 「編集委員抗議声明/集団的自衛権行使に否(いな)!」。石坂啓さん【本質をわかりやすく言うと】、「病床の母はあっさりと一言、「テメーが行ってこい」」。そう、戦争絶滅受合法案を制定してから言ってくれ(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/bf0581c0ebf44de944dfaeda3fe0ddc5)
■⑦『週刊金曜日』(2014年7月18日、1000号) / 雨宮処凛さん【この流れに抗う方法】。宇都宮健児さん【闘いはこれからだ】、落合恵子さん【市民へのテロ!】。佐高信さん【改めて「国とは何か」を問え】。田中優子さん【パンとサーカス】。中島岳志さん【立憲主義を守るために】
■⑧『週刊金曜日』(2014年7月18日、1000号) / 横田一さんら【滋賀県知事選、自公敗北の衝撃 福島県知事選、沖縄県知事選に波及する三日月大造氏の勝利】、「原発政策が問われる10月の福島県知事選、普天間基地の名護市辺野古移設問題のゆくえを左右する11月の沖縄県知事選と、自公連立体制には荒波が待ち受けている」
■⑨『週刊金曜日』(2014年7月18日、1000号) / 半田滋さん【旧日本軍化する自衛隊が苦心する若者の呼び込み 自衛官募集CMにAKB島崎遥香】、「戦死と自殺と・・防衛省が8500万円かけて制作した自衛官募集のテレビCM・・徴兵制への道・・憲法の屋台骨である9条でさえ、解釈を変更して「戦争できる国」に・・」
■⑩『週刊金曜日』(2014年7月18日、1000号) / 安田純平さん【現地ルポ 「イスラム国」が支配地域を拡大 制圧されたファルージャをゆく】、「イラクは国家分裂の危機にある・・イラク市民の間の亀裂は危険な水準にまで来ているようだ」。『ルポ戦場出稼ぎ労働者』(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/25aeb85839f7e9274655adf7a976c909)
■⑪『週刊金曜日』(2014年7月18日、1000号) / 伊田浩之さん【新聞全面広告を7月1日に全国展開した三菱電機 武器】、「ミサイル共同開発・・過大請求明るみに・・NHK報道に疑問・・同じ番組で2回も三菱電機(とその子会社)が出るのは異例。必然性が無い宣伝であれば放送法・・に触れる恐れすら・・」
■⑫『週刊金曜日』(2014年7月18日、1000号) / 浅野健一さん【命懸けた訴えを犯罪にしたメディア 新宿焼身自殺未遂】。「安倍首相の回答は、メモの棒読みで、質問にまともに答えていない。日本の国の形をクーデター的に変えようとする首相を追及する気もない記者たちに絶望した」
■⑬『週刊金曜日』(2014年7月18日、1000号) / 【佐々木実の経済私考/空振りする日銀の“異次元緩和”企業優遇だけの成長戦略は的外れ】、「「企業が潤えば、従業員も潤う」。そんな楽観論はもはや通用しなくなった。企業優遇策に遍した成長戦略では問題を解決できない・・」
■⑭『週刊金曜日』(2014年7月18日、1000号) / 矢崎泰久さん【発言2014】、「日本の歴史認識は軍国主義時代の皇国史観を未だに引きずっているように思える。その見本が解釈改憲を強行する安倍政治に他ならない」。「積極的平和主義」という言葉のいかがわしさがすぐわかる」(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/cc3976ac9b61db2a8b6c540d79ff96ba)
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『週刊金曜日』(2012年11月9日、919号)到着。是非皆様も / 「尖閣の真実/石原慎太郎に台湾は怒っていた」。横田一さん「「脱原発・反貧困」の人を都知事に/宇都宮氏が候補に急浮上」。横田一さん「維新とたちあがれ日本は〝水と油〟/石原氏の一本釣りを狙う橋下氏」。
『週刊金曜日』(2012年11月9日、919号) / まさのあつこ氏「反原発デモ取材の妨害禁止を求め/フリー記者が申立て」、寺澤有・佐藤裕一・畠山理仁の三氏。宇都宮健児さん「風速計/都内の就学援助児童が急増」、虚しい石原都政下での「「貧困と格差の拡大」という大きな「つけ」」を残して
『週刊金曜日』(2012年11月9日、919号) / 粟野仁雄さん「大飯原発、活断層の疑いが濃厚」、「活断層か地すべりかで激論・・関電社員が現地調査を案内・・判断避ける田中委員長」。「竹信三恵子の経済私考/危うい「第三極」の経済・雇用政策/格差と貧困社会へまっしぐらの恐れ」
『週刊金曜日』(2012年11月9日、919号) / 元木昌彦氏「ギャンブル親父の業界地獄耳09/『週刊朝日』川畠編集長は「言論の覚悟」もなく記事を掲載したのか」。松崎菊也氏の、石原・橋下・平沼赳夫三氏の「無責任架空座談会」、「石原「増税だの原発だの憲法だの核武装だの小さな問題」」
『週刊金曜日』(2012年11月9日、919号) / 浅野健一さん「チェルノブイリからの警告(下)/今なお犠牲続く女性、子供への被害」。高遠菜穂子さん「ファルージャで激増する先天性欠損症の子どもたち」、「米軍爆撃の影響か、近くWHOが調査結果発表」、非人道的兵器・白リン弾
『週刊金曜日』(2012年11月9日、919号)/山口正紀さん「被告人席に座るべきは・・・・・・/ゴビンダさん最新」。丸山昇さん「新聞業界直撃の消費増税、『朝日』で進む大リストラ」。高嶋欣也氏「米兵犯罪を「事故」扱い/大臣発言に無頓着な本土マスコミの退廃」、「事故」という言葉遊び
『ルポ戦場出稼ぎ労働者』、2月に読了。安田純平著。集英社新書、2010年3月第1刷発行。
帯より、「世界中から集められる、貧しい派遣労働者たち! 自ら出稼ぎ労働者となり、単独潜入取材した記録! 民営化の果て、その現場とは?」
ファルージャ 日本本人人質拘束事件(p.39、68)。
非情な日本政府の対応。「・・・「テロリスト」という言葉を使うということは、無条件に殺されてしかるべきだ、と判定を下すに等しい。人として、報道に携わる者として、私は「テロ」「テロリスト」という言葉は使うべきではないと拘束経験を通して改めて確認した。/・・・。/ちなみに、私が日本政府に救出されたということはまずないと考えて良いと思う」(p.70)。
犬になれというのか? 「・・・批判してくるだけなので正体は分からないが、要するに、「政府の活動の邪魔にならないよう、現場取材などせず、おとなしく政策に賛同していろ」ということだ。/・・・。/・・・政府の決定にただ従うだけの「狗(いぬ)」になりはて、・・・」(p.71)。
いい加減で、ふざけた答弁に終始した小泉純一郎元首相。「・・・日本の航空自衛隊はこの空港へ米兵などを輸送していたが、地上戦は起きていないにしても追撃砲などによる攻撃はされている。これが日本政府の言う「非戦闘地域」だ」(p.77)。
9・11事件と何の関連もなく、その後、イラクへの空疎な侵略戦争へ(p.114)。
戦争という金儲け。「利益のために、新鮮さを犠牲にしてでも何千kmも離れた場所から安い食材をかき集める。それを扱うのも同様に集められた安い労働力だ。グローバル化の象徴といえる経済活動だが、それが人間のためになっているのかどうか。イラク戦争を動かしているのは、人間性よりも収益性を求めるこうしたシステムと欲望である」(p.142)。
イスラム的地産地消社会の破壊(p.143、145)。FECの重要性。「・・・互いに顔を突き合わせられる範囲である、という考え方は、グローバル化に対抗する地域社会の一つのあり方として面白いと思う」(p.145)。
悪魔の仕打ち。それでも貧しい派遣労働者は戦場に出稼ぎせざるを得ない。「・・・しかし、そうして命の危険と引き替えに金で誘っておきながら、その金すら払わないというのは〝悪魔の所行〟ではないか。命をかけて戦場に来た人々が、自分が奴隷になったのだと知ったときの衝撃はいかほどだろうか」(p.160)。
「・・・米軍基地ででも働くしかない。米軍を支持しているわけではなくても、彼らを業務で支え、依存しなければ生活が成り立たない。これを占領状態というのだろう。・・・「米国の協力者」として民兵に襲われる事件が絶えず・・・」(p.176)。
かつての日本との良好な関係(p.211)がいまや。
チェイニーらのキッタナイ行い(p.227)。戦争の民間委託・民営化(p.230、)。
「特に戦後復興においては、人道的な側面と人心掌握のためにも、民間企業であっても社会的責任の面を重視した公的な貢献が必要なはずだった。営利のみを追求する企業に任せきりにした占領体制のあり方、ひいては公共性よりも効率性を重視する「民営化」によって成立したイラク戦争そのものに構造的な欠陥があった」(pp.233-234)。
「自己責任」だから戦場へ、という超「自己責任国家」ネパール(p.235)。「・・・そうした「自己責任社会」においては、戦場に出向いてでも稼ぎたい、という人が出てくるものだ。/日本も「自己責任社会」を目指すならば、こうした側面も受け入れざるを得ないことになるだろう。「戦場に行くなら自己責任」ではなく、「自己責任だから戦場に行く」んである」(p.237)。
間接的参戦。「・・・自らの払ってきた税金は既に戦争のために費やされているのだから、日本国民は既に十分に参戦している」(p.245)。
迷惑論という矛盾。「イラク戦争を動かすための基本的な部分を民間人に担わせているのだから、イラク労働はいわばイラク戦争の公式プログラムである。そのプログラムに参加することを「迷惑」と考えているならば、イラク戦争そのものを否定していることになってしまうが、日本政府はそうした様子は一貫して見せていない。この「迷惑論」は、論理性も具体性もないが、何となく他人を叩く、日本独特の「空気」というものだ」(p.245)。
戦争できる国へと変貌。「日本で格差が広がって・・・。終身雇用や年功序列などの雇用形態を解体して成果主義を持ち込み、規制緩和によって市場原理主義を徹底させ、相互扶助機能のあった日本型共同体構造を米国型「自己責任」社会へと変えてきた結果である。・・・かつては経済と民政に投じてきた予算を軍事に振り向けるようになってきた」(p.246)。上記の「「迷惑論」はあくまで過渡的なものであって、この流れが加速し、定着すれば、「愛国心」と「空気」は戦場へ「行くな」から「行け」へと変わっていくだろう。そのときのために用意されてきたのが格差である。仕事がないなら戦場へ行け、ということだ」(p.246)。
日本人が戦場に出稼ぎに行く時代(p.242)。「・・・低賃金・無収入層が増えていることは間違いないだろう。年間の自殺者は〇九年までに十二年連続で三万人を超えた」。
【斎藤貴男著、『ルポ 改憲潮流』】
中曽根元首相が加速し、小泉元首相が止めを。安倍元首相もその流れだし、現麻生首相も例外ではないでしょう。「立憲主義 (近代立憲主義) とは、ともすれば暴走して国民の人権を侵害しがちな国家権力に縛りをかけるための憲法」、「これぞ近代憲法の原理原則であり、グローバル・スタンダード」(p.35)、「憲法の基本は、国家がしてはならないことを定めている」 はずなのに。また、戦時中、そして、戦後、現首相の実家は炭鉱で何をやっていたのでしょうか? 当時の中小炭鉱の悲惨さは目を覆うばかりであったことを、最近、知りました (上野英信さん (※8) の『追われゆく坑夫』を先週読了)。では、現首相の実家がかかわったような大きな鉱山はそんなことはなく、夢のような楽園・労働環境だったのでしょうか・・・。
「戦後六十年以上もの間、・・・ハードルの高さゆえではなかった。・・・戦争だけは二度とごめんだという国民一人ひとりの意識が、安易な改憲への取り組みそのものを許さなかったのだと信じたい」(p.131) (※9)。
「ゲルニカ―重慶―東京や大阪の大空襲―ヒロシマ・ナガサキ―朝鮮半島―ベトナム―アフガニスタン―ファルージャ。だからこそ、日本がまたしても同じ蛮行を再現し始めかねない可能性が日に日に高まってきている」(p.221)。