Activated Sludge ブログ ~日々読学~

資料保存用書庫の状況やその他の情報を提供します。

●そんな核燃料デブリに触れた水を処理した〝汚染水〟…そんなものを海に捨てた例はどこにもない、〝汚染水〟の放出からX年後を恐れぬ愚行

2023年07月24日 00時00分23秒 | Weblog

[※ 「3.11から12年 脱原発の約束はどこに」(週刊金曜日 1415号、2023年03月10日) ↑]


(2023年07月08日[土])
1グラムの核燃料デブリさえも持ち出せない。どうやって取り出し、どこに持って行くのかも示せない。スケジュールさえも。そんなデブリに触れた水を処理した〝汚染水〟。世界中、そんなものを海に捨てた例はどこにもない。〝汚染水〟の放出からX年後を恐れぬ愚行。核発電推進団体の《国際原子力機関IAEA)の「お墨付き」を得て岸田文雄首相が判断する》(琉球新報)…国際社会からの非難が出ても、IAEAは責任を取る気など全くないが、キシダメ氏はX年後にどう責任を取るつもりか? キシダメ氏の頭の中を覗いてみたいよ、全く。

   『●「汚染水」の海洋放出からX年後を恐れる ―――《政府は
     基準値を大きく下回るまで薄めるというが…物質の総量は変わらない》
   『●《東京電力は処理水を「希釈すれば飲める」》…政府、自公お維の
     議員、原子力「寄生」委員会の皆さん、「どうぞ、どうぞ御飲み下さい」
   『●【西谷文和 路上のラジオ】《小出裕章さん…東京電力福島第一原発の
     トリチウムなど放射性物質を含む処理水を海洋放出していけないわけ》
   『●《ひとたび制御を失った原発が、後世にどれだけの重荷を残すのか。
     …廃炉作業が遅々として進まぬ現実が、原発の巨大なリスク》を顕在化
   『●《それは「お花畑」などといって茶化される話ではなく、日本社会の
       将来を決定づける超現実的な選択なのである》(コラム 狙撃兵)
   『●核燃料デブリに触れた汚染水をALPS処理した〝汚染水〟の海洋
     放出に断固反対する…〝汚染水〟の放出からX年後を恐れぬ愚行である
   『●(デモクラシータイムス/原発耕論)《汚染水海洋放出は無責任の極み!》
      …希釈しても汚染物質は減らない、〝汚染水〟の海洋放出に断固反対

 風評どころか実害を生じさせる〝汚染水〟の海洋放出に断固反対する。まずは、デブリに水が触れないようにしてはどうなのか。〝汚染水〟を日々増やしつつ、タンクを置く土地が足りないなど、愚か者のやることだ。
 断固、汚染水の放出に反対する。東電が持つあらゆる土地を使い、東電が責任をもって保管すべき。〝汚染水〟の海洋放出が風評被害でおさまる保証はどこにあるのか? 汚染水の放出からX年後にどう責任をとるつもりか? 捨てて、拡散させてしまってからでは遅い。いくら希釈しても汚染物質の質量は減らない。

   『●小出裕章さん《国と東電が策定したロードマップは「幻想」です…
     つまり、デブリの取り出しは100年たっても不可能》、石棺しかない

 そもそも脱原発の約束はどこにいったのかね? 《2015年に政府と東電がした「関係者の理解なしに(処理水の)いかなる処分もしない」という約束》は? 武藤類子さんは《住宅などの避難者支援が打ち切られ国や福島県が避難者を切り捨てる方向が明確になってきている」と指摘。政府方針である汚染水を処理した水の海洋放出を「関係者の理解なしには、いかなる処分もしない、という漁連との約束を反故(ほご)にしたプロセスは、民主主義に反する」と批判した》(東京新聞)。
 琉球新報の【<社説>原発「処理水」放出迫る 強行は重大な人権侵害だ】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1740213.html)/《東京電力福島第1原発の汚染水海洋放出で、政府が開始の目標とする「夏ごろ」が迫る。国際原子力機関IAEA)の「お墨付き」を得て岸田文雄首相が判断するとされるが、漁業団体は強く反対したままだ。2015年に政府と東電がした「関係者の理解なしに(処理水の)いかなる処分もしない」という約束をほごにするなら、復興に努力してきた関係者への人権侵害だ。強行は許されない》。

=====================================================
https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1740213.html

<社説>原発「処理水」放出迫る 強行は重大な人権侵害だ
2023年7月4日 05:00

 東京電力福島第1原発の汚染水海洋放出で、政府が開始の目標とする「夏ごろ」が迫る。国際原子力機関IAEA)の「お墨付き」を得て岸田文雄首相が判断するとされるが、漁業団体は強く反対したままだ

 2015年に政府と東電がした「関係者の理解なしに(処理水の)いかなる処分もしない」という約束をほごにするなら、復興に努力してきた関係者への人権侵害。強行は許されない。

 IAEAのグロッシ事務局長が4日、岸田首相に面会する。包括報告書で海洋放出は妥当とする方向性が出るのは既定路線という。6月26日には沖合に放出する海底トンネルが完成した。原子力規制委員会の検査が終われば、放出設備の準備が整う。

 全国漁業協同組合連合会は「放出反対であることはいささかも変わらない」と決議し、沖縄を含む各地の漁連も反対を表明した。本社加盟の日本世論調査会が3月にまとめた郵送全国世論調査では、海洋放出に賛成26%、反対21%、分からない53%と賛成は少なく、93%が風評被害が起きると答えた。国民の理解も得られていない

 政府・東電は「処理水」と呼ぶが、水と性質が同じであるため除去できないトリチウムのみを含むというのは正確ではない。生物が体内に取り込みやすいストロンチウム90や炭素14など、多くの放射性物質が低濃度で含まれている

 今回の放出では、まずトリチウム以外の濃度の総和が1ミリシーベルト未満になるよう希釈し、さらにトリチウムが国の基準値の40分の1未満になるまで希釈する。「希釈した汚染水」というのが妥当ではないか。

 廃炉作業はこれから何十年かかるか分からない。濃度が低くても自然界に放出される総量は増え続け、海流によって地球全域に広がる。中国政府の「日本は汚染水が安全で無害であることを証明していない」という批判を否定できるだろうか。

 環境保護団体のグリーンピースは、処理技術が最善でなかったと指摘している。その上で「容認できる選択肢は長期保管と放射性物質除去技術の適用しかない」と主張している。トリチウム以外を検出限界まで除去した上で、12・3年という比較的短い半減期のトリチウムが基準値に下がるまで保管し、それから放出すればいいのである。

 海洋放出計画は、経済産業省の専門家会合の「薄めて海洋放出する方法が、より短期間に低コストで処分できる」とする16年の報告書から始まった。最も早く安上がりの方法を他に選択肢はないと決めつけ、既成事実を積み重ね、民意を無視して関係者の反対を押し切って強行しようとしている。沖縄の辺野古新基地問題とも見事に重なる

 原発事故でなりわいと生活を奪われ、復興のために努力する人々を裏切り、切り捨てるなら、重大な人権侵害だ
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●「たちかぜ」海自イジメの隠蔽と、そして、ホイッスル・ブロワーへの第二のイジメ進行中

2014年04月27日 00時00分12秒 | Weblog


東京新聞の二つの記事【海自いじめ 隠蔽認定 「自殺予測できた」】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014042302000236.html)と、
【告発 強まる萎縮  3佐「秘密法成立で難しくなる」】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014042302000235.html)。
amakiblog.comの記事【「たちかぜ」判決が迫った特定秘密保護法の破棄】(http://www.amakiblog.com/archives/2014/04/24/#002955)。
asahi.comの記事【防衛省の隠蔽―良心はどこへいった】(http://www.asahi.com/paper/editorial2.html)。
東京新聞の記事【いじめ高裁判決 海自は隠蔽体質見直せ】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014042602000131.html)。

 「東京高裁は二十三日、一審の四百四十万円の賠償命令を変更し、賠償額を約七千三百万円に増額した。鈴木健太裁判長は「元二曹や上司は自殺を予測できた」と責任を指摘し、「重要な証拠となる内部アンケートなどを隠した」と海自の隠蔽(いんぺい)も認めた」。
 「ここまで明確に国と自衛隊のいじめ責任を弾劾した東京高裁の判決は異例だ」。
 「海上自衛隊の男性隊員の自殺をめぐり、先輩のいじめを示す証拠を同省が隠蔽(いんぺい)していたと、東京高裁が認定」。
 「東京高裁はいじめを裏付けた内部アンケート隠しを「違法な隠蔽(いんぺい)」と断定した。防衛省は隠蔽を反省し、改善策を示すべきだ」。

 「たちかぜ」イジメ自死問題について。『NNNドキュメント’14』でも取り上げられていて、大きな反響があったと思われます。

   『●「闘うアート」 『週刊金曜日』(2014年4月18日、988号)
                                 についてのつぶやき


 「内部告発した三等海佐は海自で懲戒処分の審理対象になり厳しい立場に追い込まれている機密情報を漏らした公務員への罰則を強化する特定秘密保護法の成立は、機密性のない情報の内部告発までも萎縮させるおそれもあり今後こうした告発者はますます出にくくなりそうだ」・・・・・・イジメの証拠であるアンケートの悪質な隠蔽と「稀代の悪法」・猛毒法(非)特定秘密「隠蔽」法。さらには、ホイッスル・ブロワーに第二のイジメ進行中
 鯨肉横領事件の際のGPJ 星川淳さんの言説を思い出した。

   『●GPJ「クジラ肉裁判」と検察審査会
   『●『創(2010年11月号)』読了

    ===================================
     星川淳さん、「[グリーンピース裁判]特別寄稿/「クジラ肉裁判」判決間近/
    税金ドロボーはどっちだ!?」(pp.122-127)。「・・・若い検察官
    (・・・志布志事件の担当・・・)は「NPOの分際で捜査機関さえ令状がなければ
    できないことをやったのは絶対に許せない!」と啖呵を切った。
    私は〝正義の番人〟のはずの検察官が民主主義の真逆を口にする 
    司法教育の崩壊ぶりに驚き呆れ、心の中で徹底抗戦を誓った」。
    「・・・青森地裁、仙台高裁、最高裁の全てが証拠開示の必要なしと判断した。
    原告側・弁護側が対等に争う条件である証拠の全面開示なしに、
    どうして公正・公平な裁判が可能だろう? 国策扱いの調査捕鯨を
    国家ぐるみで必死に守ろうとする姿勢は戦前・戦中を思わせる」。
    「・・・国際人権(自由権)規約に基づき、おおよそ次のように立論する。
    民主社会において一般市民やジャーナリストやNGO職員が公共の利益の
    ために政府などの不正を明らかにしようとする際、やむを得ず法律の枠を
    踏み越えた場合は、その行為によって得られた公共の利益と、失われた
    法益とを秤にかけ、前者の方が大きければ許容(違法性阻却)されるべきだし、
    かりに形式上の罪を問うとしても過重な懲罰を与えてはならない
    なぜなら、不均衡で過重な懲罰は市民による政府監視を委縮させるからだ
    と―――。・・・西山事件や立川・葛飾ビラ入れ事件などについても
    同様なことがいえる」。
    ===================================

==============================================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014042302000236.html

海自いじめ 隠蔽認定 「自殺予測できた」
2014年4月23日 夕刊

 海上自衛隊横須賀基地(神奈川県横須賀市)の護衛艦「たちかぜ」の乗組員だった一等海士の男性=当時(21)=が自殺したのは、先輩の元二等海曹(43)=懲戒免職=のいじめが原因として、遺族が国と元二曹に約一億五千万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は二十三日、一審の四百四十万円の賠償命令を変更し、賠償額を約七千三百万円に増額した。鈴木健太裁判長は「元二曹や上司は自殺を予測できた」と責任を指摘し、「重要な証拠となる内部アンケートなどを隠した」と海自の隠蔽(いんぺい)も認めた。 

 鈴木裁判長は「上司が調査、適切な指導をしていれば、自殺は回避された可能性がある」と判断。一審で国側代理人を務めた三等海佐(46)が内部告発した隠蔽については、情報公開請求した遺族への慰謝料として、二十万円の支払いを国に命じた。

 海自は男性の自殺直後、暴行の実態把握のため乗組員に「艦内生活実態アンケート」を行った。控訴審では三佐が、アンケートの存在を証言した。

 海自は当初「破棄した」としていたが、アンケートや同僚への聞き取りメモなど二百点以上の新証拠を高裁に提出。遺族は「意図的な隠蔽で、精神的苦痛を受けた」と、国への請求額を二千万円増額した。

 新証拠からは、男性の自殺を他の隊員が心配していたことや、自殺前に男性が顔にエアガンの弾で撃たれたようなあざを作ったり、同僚に元二曹への怒りを口にしたりしていたことが判明。国側は「判決に影響を与える内容ではない」と反論した。男性は二〇〇四年十月、元二曹を名指しで非難する遺書を残し、東京都内で自殺した。

 遺族は〇六年に提訴。一一年の一審・横浜地裁判決は、元二曹による暴行や恐喝行為を認めたが、「自殺まで予測できなかった」と死亡に対する賠償責任は退け、男性が生前に受けた精神的苦痛への慰謝料の支払いを命じた。

<防衛省のコメント> 国の主張の一部について、裁判所の理解を得ることができなかった。今後、判決内容を慎重に検討したい。
==============================================================================

==============================================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014042302000235.html

告発 強まる萎縮  3佐「秘密法成立で難しくなる」
2014年4月23日 夕刊

 内部告発した三等海佐は海自で懲戒処分の審理対象になり厳しい立場に追い込まれている。機密情報を漏らした公務員への罰則を強化する特定秘密保護法の成立は、機密性のない情報の内部告発までも萎縮させるおそれもあり今後こうした告発者はますます出にくくなりそうだ。

 「自衛隊は国民にうそをついてはいけないという信念で告発した」。三佐は昨年末、法廷証言で告発の理由をこう語った。

 法廷での証言後には「隠蔽は民主主義の根幹に関わる違法行為。組織として反省していないからこそ、逆に私を処分しようとしている」と海自を批判。同じころ、特定秘密保護法が成立し「内部告発が今より難しくなる」と懸念した。

 海自は一等海士の自殺直後、護衛艦「たちかぜ」の全乗組員百九十人に、暴行や恐喝などの有無を尋ねるアンケートを実施。だが遺族の情報公開請求に、海自は「破棄した」と答えた。

 遺族の提訴後、海自側の訴訟担当だった三佐はアンケートを発見。アンケートの存在を示す文書のコピーを自宅に保管し二〇〇八年、防衛省の公益通報窓口に内部告発した。一審判決直前には上官に進言し自ら情報公開請求もしたが、海自側はアンケートの存在を否定し続けた。

 三佐は一二年四月、悩んだ末、「海自がアンケートを隠している」とする陳述書を東京高裁に提出した。「証拠隠しに警鐘を鳴らしてほしい」と司法に望みを託した。

 海自はようやくアンケートの存在を認めたが「文書管理が不適切だった」と隠蔽は否定。公益通報者保護法は内部告発者への不利益処分を禁じているが、海自は三佐のコピー持ち出しを問題視し、昨年六月、規律違反の疑いで懲戒処分を審理すると通知した。 (沢田敦)
==============================================================================

==============================================================================
http://www.amakiblog.com/archives/2014/04/24/#002955

2014年04月24日
「たちかぜ」判決が迫った特定秘密保護法の破棄

 東京高裁はきのう4月23日、海上自衛隊護衛艦「たちかぜ」で起きた隊員のいじめを認め、国と自衛隊に7300万円の損害賠償を命じる判決を下した。

 ここまで明確に国と自衛隊のいじめ責任を弾劾した東京高裁の判決は異例だ。

 なぜここまで東京高裁は異例の判決を下す事が出来たのか。

 それは公益通報保護法に基づきいじめがあったことを内部告発した三等海佐の勇気ある行動があったからだ

 いじめに関する自衛隊の証拠隠蔽が内部告発で明らかにされたからだ。

 しかし特別秘密保護法が安倍首相の手で強硬に成立させられてしまった為に、これからはこのような内部告発は困難になる

 内部告発した者が罰せられ、国家権力は組織的国家犯罪を隠し続けることができる

 我々は、だからこの稀代の悪法である特定秘密保護法の発動を阻止し、法律そのものを葬り去らなければいけないのだ。

 今度の東京高裁の判決の本当の凄さは、判決が我々にその事を教えてくれたところにある(了)
==============================================================================

==============================================================================
http://www.asahi.com/paper/editorial2.html

【社説】
防衛省の隠蔽―良心はどこへいった
2014年4月26日(土)付

 都合の悪い文書は組織をあげて隠す。それを内部告発する者は徹底攻撃する。そんな防衛省の姿が浮かび上がった。

 海上自衛隊の男性隊員の自殺をめぐり、先輩のいじめを示す証拠を同省が隠蔽(いんぺい)していたと、東京高裁が認定した。

 そんな証拠があることは、裁判を担った海自の3等海佐が暴露し明らかになった。それがなかったら、いじめを放置した組織の責任は闇に葬られていた。

 人命を守るべき組織でありながら、命が失われた重みを顧みずにひたすら自らの防衛に腐心したのである。

 猛省するほかあるまい。誰が隠蔽を指示し、その事実を誰が知っていたのか。早急に徹底調査し、公表すべきだ。

 隠されたのは、男性が所属した護衛艦の乗組員たちにいじめの有無を聞いたアンケートや、事情にくわしい乗組員に聞き取ったメモだ。

 遺族は情報公開法に基づいて開示を請求したが、海自は存在しないとして応じなかった。

 情報をもつ側が「ない」と突っぱねれば、情報公開は成り立たない。そんな実態がある中で年内に特定秘密保護法が施行される。当局に不都合な情報はいっそう闇にとどまるだろう。暗然たる気持ちになる

 救いといえば、3佐の良心が、それを許さなかったことだ。控訴審で証拠の存在を明らかにしたことは、組織人としての立場を賭した、勇気ある行いだった。

 しかし、控訴審で国側はその発言を「信用できない」と批判した。実際には、少なからぬ関係者が隠蔽を知っていたはずだが、その3佐以外、誰も真実を語ろうとしなかった。

 同省は3佐の懲戒処分も検討したという。言語道断の対応というほかない。処分が必要なのは告発者ではなく、情報隠しをした側である。告発した3佐を不当に扱うことはしないと約束すべきだ。

 男性の自殺からすでに10年がたっている。アンケートが早く明らかになっていれば、裁判は長引かなかったし、その教訓は自衛隊内のいじめ防止などに生かせたかもしれない。

 ふつうの裁判に勝敗はつきものだが、国が当事者の場合、勝てばいいというものではないはずだ。真実に近づく証拠を裁判で示すことが、公益の側に立つ政府の責任ではないか。

 どんな公的組織であれ、その組織自体よりも大切に守るべき社会の正義というものがある。防衛省はその当たり前の原則を肝に銘じるべきだ。
==============================================================================

==============================================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014042602000131.html

【社説】
いじめ高裁判決 海自は隠蔽体質見直せ
2014年4月26日

 海上自衛隊の護衛艦「たちかぜ」乗員の自殺をめぐる控訴審判決で、東京高裁はいじめを裏付けた内部アンケート隠しを「違法な隠蔽(いんぺい)」と断定した。防衛省は隠蔽を反省し、改善策を示すべきだ。

 判決が「隠蔽していた」と断定したのは、二〇〇四年に一等海士の男性が自殺した直後、海上自衛隊が「たちかぜ」の全乗員に対して行った「艦内生活実態アンケート」など。海自は当初、「破棄した」としていたが、控訴審の途中で現役の三等海佐が存在を証言、海自はアンケートや同僚への聞き取りメモなど二百点以上の新証拠を高裁に提出した。

 高裁は新証拠から男性が同僚に自殺をほのめかすなど複数の兆候があったとして「上司は自殺を予測できた」と結論づけ、賠償額を一審の四百四十万円から約七千三百万円に増額した。

 海自はアンケートについて「文書管理が不適切だった」と隠蔽を否定。あろうことか内部告発した三等海佐を一度は規律違反の疑いで懲戒処分の審理対象とした。海自は隠蔽体質を恥じるどころか、開き直り、全隊員に隠蔽を助長するよう求めたに等しい。

 海自は古くから、その隠蔽体質が問題になってきた。一九八八年、潜水艦「なだしお」と衝突した遊漁船が沈没し、乗員・乗客三十人が死亡した事件で、艦長らが航海日誌をひそかに修正した。事故直後だったことから証拠の改竄(かいざん)と批判された。

 〇三年にはインド洋で米艦艇へ洋上補給した量を取り違えて官邸などへ報告、その後、間違いに気づいたものの、報告せず、官房長官らが記者会見などで事実と異なる内容を公表する結果になった。

 自衛隊全体では「いじめ」による自殺も問題になっている。九九年、護衛艦「さわぎり」乗員の三等海曹の自殺、〇五年航空自衛隊浜松基地の三等空曹の自殺は、ともに上官による「いじめ」が裁判で指摘された。

 自衛官の自殺は十万人あたり、約三十五人で一般の国家公務員の一・五倍という高率である。

 一般社会の目が届かない部隊や艦艇といった閉鎖された環境で「いじめ」が横行し、自殺を選ぶ若者が後を絶たないとすれば、「有事になれば、国民を守る」といわれても信じられるはずもない。隠蔽体質は不都合な「いじめ」を隠し、自衛隊への信頼を失墜させている。アンケート隠しの検証と関係者の厳正な処分が求められる。
==============================================================================

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●再稼働・輸出問題に続いて、東京電力原発人災下の五輪招致騒動: 「あろうことか」、の連続

2013年09月08日 00時00分56秒 | Weblog


「ジャーナリスト・金平茂紀 変えてはいけないもの」の記事【筑紫さんの死から6年目の誕生日に】(http://www.taji-so.com/kaeteha/?c=20130621182404)、ちょっと時機を逸していますけれども。レイバーネット日本http://www.labornetjp.org/)の記事【もう一度力を合わせて~「さようなら原発講演会」に2050】(http://www.labornetjp.org/news/2013/0901hokoku)。nikkansports.comの記事【汚染水対処、五輪控え政府主導演出か】(http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp0-20130903-1183563.html)。gendai.netの記事【ア然…五輪招致トップ「汚染水は安全」書簡の中身】(http://gendai.net/news/view/110558)。東京新聞の記事【「想定外、もう許さない」 東電汚染水 福島の警察信じ告発】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013090402000123.html)と、社説【原発汚染水問題 危機意識がまだ足りぬ】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013090402000146.html)、コラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013090402000107.html)。最後に、asahi.comの【天声人語】(http://www.asahi.com/paper/column.html?ref=com_top_tenjin)。

 記事の羅列で、すいません。「あろうこうとか」、の連続。

 東京電力原発人災にはケチり、一方、五輪をカネで買うという。世界とフクシマは危機意識を持ち、首都東京や日本政府、原子力ムラは「東京安全です」「2020年には汚染水問題は解決しています」と「科学的」に安全を喧伝。3.11以前の「安全神話」に逆戻り。「東京安全です」「2020年には汚染水問題は解決しています」・・・こういった発言を福島の被災者や避難者の人達はどう思っているのだろう・・・?

   『●原発への「日本の回帰「理解できぬ」」
   『●「汚染水ダダ漏れは東電のケチが原因」とはどういうことなのか?
   『●放射能汚染で「太平洋は終わり」との声が出るほどの重大事故だというのに、この国は・・・・・・
   『●「もはや犯罪というしかない」 ~東京電力汚染水流出大事故と再稼働・輸出という犯罪~
   『●終わらない原発人災の影響: 「震災さえ」ではなく 「原発さえなければ・・・」

 【もう一度力を合わせて~「さようなら原発講演会」に2050】の記事に、何とか希望を見出したい。

================================================================================
http://www.taji-so.com/kaeteha/?c=20130621182404

#23 筑紫さんの死から6年目の誕生日に
2013/06/23

死から6年目の誕生日に

6月23日、沖縄慰霊の日が誕生日だった筑紫さんは
この日はお祝いできないんだよな、と 
生前よく笑いながら言っていたことを思い出す
生きていれば 今日で78歳を迎えていた
「ニュース23のDNA」だと 遺言のように 
最後の「多事争論」で言い残していったことばは
今、見事なほどに裏切られ、忘却され
かつその状態が放置されている
去る者は 日日に疎し、か?
なかでも耐えがたいのは、ウォッチドッグの役割の喪失
強い権力に擦り寄り、プードルと化した仲間たちを眺め、
引き攣った笑いを顔面に張り付けながら 生きていく
からだをはってたたかうものは もはや絶滅寸前だ(けれども まだいる)
忘却とイナーシアが支配する世界
ほら、僕らはもう原発過酷事故がまるで収束したかのように忘れている
ほら、僕らは大震災の被災地がまるで復興したかのように
「絆」とか「ひとつ」とか言って カラオケを歌っている
むかしの通りにやればいいんだよ
経済成長なくして日本は立ち行かない、と
株価をみて、まるでわが身の一大事であるかのように 一喜一憂している
彼ら彼女らは、ほんとうは何もわかっていない
底堅い動きだの、透明感のみえない展開だの
まるでバクチを打っているかのような出来事にうつつを抜かし、
あろうことか 原発を輸出だとさ
僕ら日本人は、広島、長崎に原爆を見舞われようと
第五福竜丸が水爆実験に巻き込まれようと
福島第一原発で未曽有のメルトダウンが起きようと
忘れるのだ  忘れるのだ
経済成長なくして日本はない、と
うち棄てられているのは誰か

誕生祝いはもう言えません。
ただ
僕らはあなたたち死者とともに生きていきます。
================================================================================

================================================================================
http://www.labornetjp.org/news/2013/0901hokoku

もう一度力を合わせて~「さようなら原発講演会」に2050

9月1日、「さようなら原発講演会」が東京・千代田区の日比谷公会堂で開かれ、定員を超える人々が座席を埋めつくした。(主催・「さようなら原発」一千万署名市民の会)。福島第一原発の止まらない汚染水漏れに、東電も国も何ら有効な対策を打てない深刻な事態が続いている。焼けつくような暑さのなか、予定の午前11時を待たずして整理券が配られはじめ、12時過ぎには早くも入場が開始された。

もう一度 力を合わせて

午後1時、木内みどりさんが司会を務めて開会。呼びかけ人の鎌田慧さんが登壇した。「関東大震災から90年が経った。当時は戒厳令下で大杉栄伊藤野枝ら社会主義者が虐殺され、戦争に向かっていった。外には軍備拡張、内には弾圧体制。今の安倍政権の動きと重なっている。脱原発運動は命を守る運動だ。この秋からもう一度力を合わせてがんばっていきましょう」。

チンドン太鼓とクラリネット、チューバ、ギターなどを融合させた独特の音楽で観客を魅了したのは「ジンタらムータ」。アジアから南米の街頭音楽に脱原発のメッセージを織り交ぜて力強い演奏を披露した。

いわき市議会議員の佐藤和良さんは、「再び関東大震災が起これば、首都圏こそ原発災害の現地になる」と警告し、原発関連死を約1400人と告発。仮設住民の厳しい実態を伝えた。また参院選後に汚染水漏れを公表した東電の態度を、「はじめから出来レース」と糾弾。国と東電の責任を問うために「被害者は絶対にあきらめない。みなさんとつないだ手を離さない」と力を込めた。

新しいモラルに希望を

大江健三郎さんは、小説家のいとうせいこうさんの作品が芥川賞を逃した経緯について話した。死者の声を代弁するヒューマニズム、センチメンタリズムが選考委員に批判されたが、それがなぜいけないのか。むしろそれが文学行為だと反論した。また、作家の故井上ひさしさんと評論家・加藤周一さんとのエピソードにも、時間を割いた。井上さんが旅先で色紙サインの依頼を自分に譲ったこと。そこに書かれた言葉に、ウイットを加えた大江さんの思い出話に、会場は沸いた。

加藤さんとのフランスでの出来事に触れ、原発の是非をめぐる同国の市井の論争を紹介。「日本人は60年間平和憲法を守ってきた。『原発ゼロ』で日本人の新しいモラルが問われる。それに希望を持とう」と、まとめた。木内さんが安倍晋三首相を紹介した。「ザ・ニュースペーパー」のものまねコントにホールは爆笑の連続。懐かしい小泉純一郎氏も駆けつけた。

原子力から抜け出そう

京都大学の小出裕章さんは、スライドを使って原発事故の汚染実態を告発。「戦争が終わった後、国土は荒廃しても人々はそれを再建した。しかし原子力災害は違う」。「他者を犠牲にして成り立つ、原子力的なものすべてから抜け出すこと」。 憲法前文が投影されたスクリーンを差しながら「憲法は素晴らしい。人生は、命は一度きりだ」と語ると、大きな共感の拍手が起きた。

作家の澤地久枝さんは「こんなに猛暑が続くのに停電しないじゃないですか。未来の子供たちのために、原発は止めるべき」だと語った。

評論家の内橋克人さんは、これまでの運動を振り返った。私たちはかつて「福島から学ばない人間を国会に送るなと心から訴えたところがまったく逆のことが起きた。「有権者はいったい何を考えているのか。民主党政権時代のヒアリングを、民意を一顧だにしない現政権の手法にだまされず、新しい安全神話を見破らなければならない」。内橋さんの言葉からは、抑えきれない憤りがにじみ出ている

はじめの一歩から声をかけて

集会の最後に落合恵子さんが発言した。「銀座でショッピングを楽しむ人をつかまえて聞かせたい」と切り出した。全国を講演でまわりながらも、まだまだ真実を知らない人が多いという。この会場にいれば心地いい。でもしばらくは、政治は変わらない。福島の70代の女性は「こんな無念の思いのまま死ねるものか」と口にした。あきらめない。ここにいない人にこそ、声をかけたい。

非暴力主義を貫いた落合さんが、「武闘派になろうか」と口にする。「私は外に出てノックをし続ける。あいつを変えてやる」。焦りやもどかしさが、そして変革への強い意志が伝わってくる。「東京五輪に使う金を福島に注ぎ込め」――この呼びかけに、参加者は渾身の拍手で応えた。

「つながろうフクシマ!くりかえすな原発震災」をサブタイトルに掲げた4時間にも及ぶ長丁場。2050人の聴衆は、最後まで集中力と一体感を維持して集会を成功させた。1千万人をめざす署名は現在、830万筆超に達している。(Y)
================================================================================

================================================================================
http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp0-20130903-1183563.html

汚染水対処、五輪控え政府主導演出か

 政府は3日、東京電力福島第1原発の汚染水漏えいに対処するための基本方針を公表し、国費の投入を決めた。「政府一丸で解決に当たる」(安倍晋三首相)と政府主導を強調するが、東電任せの汚染水処理が後手に回って破綻し、国民負担を迫られたのが実態だ。目新しい対策はなく、2020年の夏季五輪の開催地決定を控え、国際社会の懸念を意識した政治的パフォーマンスの色合いが濃い。

 ▽戦犯

 「(五輪の選考に落ちたら)われわれが戦犯になってしまう」。8月末、東電を所管する経済産業省は危機感を募らせた。

 第1原発で止まらない汚染水の漏えいを、海外メディアも大きく報道。五輪開催地を決める9月7日(日本時間8日)の国際オリンピック委員会(IOC)総会への影響が現実味を帯び始める。あるIOC幹部は「(漏えいを)非常に重大と受け止める委員もいる」と明かす。

 政府は「五輪とは関係ない」(菅義偉官房長官)と平静を装うが、招致に失敗すれば、批判の矛先は政府に向かいかねない。関係省庁幹部は「とにかく今週中は悪い話はするなというのが官邸の意向だ」と、対策を急きょ取りまとめた背景を説明する。

 ▽つけ

 基本方針では、原子炉建屋の周囲の地中を凍らせて壁をつくる凍土遮水壁に320億円程度の国費を投じる。資金面で東電を後押しすることで、完成は当初予定の15年度から14年度に前倒しできる想定だ。汚染水から放射性物質を取り除く浄化設備の増強も含め、総額は470億円程度となった。

 ただこれらの対策の実現は数年先で、目先の漏えいを食い止める決定打にはほど遠い。国際的な環境保護団体グリーンピース・ジャパンは、基本方針は抜本対策には不十分で、タンクからの漏えい防止の具体案もないとして「巨額の税金を垂れ流しするものだ」と批判する。

 鋼板の接合部をボルトで締める「フランジ型」タンクは以前から危険性が指摘されていたが、低コストで工期も短い。東電は増設を重ね、300基を超えたころ、汚染水漏れが相次いで発覚した。

 4月には地下貯水槽からの漏えいが見つかっており、巨額の赤字に苦しむ東電による作業の限界が明らかになりつつあったが、安倍政権は数十年かかるとされる廃炉工程の前倒しなど「遠い未来」の議論に傾注。与党自民党からも「危機感が薄い」(塩崎恭久元官房長官)と批判が上がっていた。

 ▽お祭り騒ぎ

 「今、東京はオリンピックだ、何だ、とお祭り騒ぎと聞く。(五輪より)国の威信にかけて、事故を収束しなければいけなかった」。

 3日午後、福島県相馬市の相馬双葉漁業協同組合の高橋通さん(58)は、汚染水対策を説明する経産省の担当者に迫った。

 相馬双葉漁協は8月、汚染水問題の深刻化を受け、9月以降の試験操業を見送った。県南部のいわき地区の漁協も、9月に予定した事故後初の試験操業を断念した。

 「国は危機感がなく、もっと前から対策をしてほしかった」(相馬双葉漁協の佐藤弘行組合長)。五輪招致の旗印に掲げる被災地の復興は遠のきつつある。(共同)

 [2013年9月3日21時2分]
================================================================================

================================================================================
http://gendai.net/news/view/110558

ア然…五輪招致トップ「汚染水は安全」書簡の中身
2013年09月04日 23:39 更新

 東京五輪招致委員会の竹田恒和理事長(65)が、IOCの委員らに宛てた「みっともない手紙」(外国メディア関係者)をAP通信にスッパ抜かれてしまった。

 APが入手した竹田理事長の手紙は先月27日付で、現地時間2日、ロンドン発の記事で内容を詳細に報じた。見出しは〈東京招致のリーダーはIOC委員に福島は大丈夫と保証する〉。竹田理事長は汚染水漏れの懸念を打ち消すのに必死で、IOC委員に手紙を送りつけたのだ。

 APの記事によると、手紙の内容は一方的な“安全宣言”ばかりだ。

   〈東京の生活これまでと変わったこともなく、安全なまま。
    空気も水も影響を受けていない〉

   〈皆さんも、福島原発の状況をニュースで見たかもしれませんが、
    もう一度、言わせて欲しい。東京全く影響を受けていない、と〉

   〈東京の空気と水は毎日計測されており、何か問題があるという
    根拠は全くない。それは日本政府によっても確認されている〉

 そして竹田氏は手紙の最後をこう締めくくっている。

   〈世界中が政治的にも経済的にも不安定な中、東京極めて安全。
    地震や津波から復興するうえで、五輪招致を国の魂を
    高揚させるチャンスにしたい〉

 手紙を読んだIOC委員たちは、竹田氏が泣きすがる姿を想像したのではないか。

 竹田氏はAPの電話取材にも応じ、どんな根拠があるのか「東京の放射能濃度はニューヨークやロンドンと同レベルだ」とまで言ってのけた。

 いくら東京の安全性を強調したいとはいえ、ちょっとやりすぎじゃないのか。

   「開催地決定の最終投票直前に、実際に票を投じるIOC委員に
    汚染水漏れに関する手紙を送りつけるのは逆効果でしょう。
    寝た子を起こすような話で、汚染水漏れの恐ろしさを想起させる
    だけです」(前出の外国メディア関係者)

 AP通信は世界各国の約5000のテレビ・ラジオ局、約1700の新聞社と契約し、記事を配信している。竹田理事長は世界中に赤っ恥をかいてしまったか。
================================================================================

================================================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013090402000123.html

想定外、もう許さない」 東電汚染水 福島の警察信じ告発
2013年9月4日 朝刊

 「汚染水対策の失敗はまさに『想定内』。今度こそ『想定外』の言い訳は許されない」。東京電力福島第一原発の汚染水問題で、福島県民による福島原発告訴団が三日、広瀬直己社長ら東電幹部を公害犯罪処罰法違反容疑で福島県警に告発した。県民たちは真相解明の役割を、同じく原発事故の被害者でもある地元の警察官たちに託した。

 代理人の河合弘之弁護士は東京都内で会見し「安全よりお金を優先して原発事故を起こした東電の体質や構造は、事故後もまったく変わっていない」と批判した。

 告訴団は昨年六月、原発事故をめぐり東電幹部らを業務上過失致死傷容疑で福島地検に告訴。検察当局の捜査に、東電幹部たちは「大津波は想定外だった」と過失を否定し、告訴団が求めている家宅捜索もいまだに行われていない。

 告発の理由を、河合弁護士は「被害を受けた人と暮らしている県警なら、被害者に寄り添った捜査をしてくれると思った」と話す。

 告訴団は告発に合わせ、汚染水対策に関する東電の内部文書を公表した。文書には、東電が事故の三カ月後の時点で、原発地下に遮水壁を造るのが「最も有効」と位置付けながら、費用や着工時期を公表しない方針が書かれていた

 団長を務める武藤類子さん(60)は「抜本的な対策を取らないと大量な汚染水が出ることは、東電にとって想定内だったはず。文書はそれを示す証拠だ。これまでのずさんな汚染水対策を見ると、私たち被災者の犠牲はなんだったのかと思う」と憤る。

 東電広報部は三日、本紙の取材に対し、告訴団が入手した文書が「社内に存在する」と認めた。
================================================================================

================================================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013090402000146.html

【社説】
原発汚染水問題 危機意識がまだ足りぬ
2013年9月4日

 政府が、東京電力福島第一原発の汚染水対策への関与を強める方針を決めた。遅きに失した感はあるが、政府も東電も、この問題は国の緊急事態だとの危機意識を持ち、対策に全力を挙げるべきだ。

 「汚染水問題は、東電任せにせず、政府が前面に立って解決に当たる。廃炉が実施できるかには世界中が注視している」。安倍晋三首相はきのう、政府の原子力災害対策本部でこう語った、という。

 その決意は多とするが、安倍内閣がこの問題を甘く見て、本腰を入れるのが遅れたのなら、民主党前政権と同罪だ。

 東電の汚染水対策はこれまでも度々「後手後手」「場当たり的」との指摘を受けてきた。

 八月には約三百トンもの高濃度汚染水がタンクから漏出したことが発覚し、原子力規制委員会は国際的な原子力事故評価尺度による評価を上から五番目のレベル3(重大な異常事象)に引き上げた。

 東電の当事者能力に疑問符を付けざるを得ない現状を考えれば、政府はもっと早く汚染水対策に力を入れるべきではなかったか。

 安倍内閣がこの時期に国の関与強化を決めたのは、二〇二〇年夏季五輪開催都市決定を控え、東京招致への影響を抑えようとの思惑が働いたのかもしれない。

 東京招致委員会の竹田恒和理事長は、開催都市決定の投票権を持つ国際オリンピック委員会(IOC)委員に「東京全く(汚染水の)影響を受けていない」などと訴える手紙を送った、という。

 東京五輪への影響があろうがなかろうが、汚染水問題は一刻も早く収拾すべき問題だ。東京が安全ならいいものでもない。福島第一原発周辺は国土が失われたと同然だ。その回復には、国を挙げ、最優先で取り組むべきだろう。

 首相は海外に原発を売り込むよりも先に、汚染水問題の深刻さを自覚すべきだった。災害に強い国土づくりは大切だが、公共事業をばらまくくらいなら、汚染水対策に振り向けるべきではないか。

 今年は八月から九月にかけ、東日本大震災以降、自粛傾向にあった海外視察に、多くの国会議員が出掛けるという。

 切迫した事情があるのならまだしも、原発事故や汚染水の現状、いまだ避難生活を強いられている被災者の辛苦を、自分の目で確かめるのが先ではないのか

 それを国会での論戦に生かし、政府に対策を迫る。そんな基本的な仕事もできないのなら、国会議員として存在価値もない。
================================================================================

================================================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013090402000107.html

【コラム】
筆洗
2013年9月4日

 <母と子は/存在の岸辺に/佇(たたず)んでいた/現代の業が/滝のように/水俣の海に流れ込むのを/見つめていた/そしてそれが/自分自身に流れ込み/わが子に流れ込んだことをさとった/わが子は/現代の業苦に/焼けて苦しむ小さないのちだった>▼熊本県水俣市の水俣病資料館の館長を務めた坂本直充さんの詩集『光り海』から引いた。父はチッソの社員。ようやく立てるようになったのは六歳の時だ。自分も患者では…。疑問を抱きながら、差別を恐れ水俣病を引き受ける勇気がなかったという▼大卒後、市職員になり、二〇一一年に資料館長に。震える手を見た来館者に「館長も患者ですか」と何度も問われた。もう逃げてはいけない。水俣病と向き合い、認定申請することを決めた▼<人は高度成長と呼んだ/人は繁栄と呼んだ/もっとほしい/もっといいものを/もっとうまいものを/もっともっとのために/資源を掘りつくし/資源を使い尽くし/限りない欲望の道を/疾走していた/繁栄のために/少女は死んだ>▼水俣に何を学んだのか。福島第一原発は「収束宣言」を嘲笑するように放射能汚染水を垂れ流す。五輪招致の妨げになってはならぬと、レベル3を前に見えないふりを決め込んだ政府は、世界中から批判を浴びた▼きょう四日は、公害の原点である足尾鉱毒事件を告発した田中正造の没後百年。
================================================================================

================================================================================
http://www.asahi.com/paper/column.html?ref=com_top_tenjin

2013年9月4日(水)付
天声人語

 時の流れに色あせてしまう偉人もいれば、いよいよ輝きを増す傑物もいる。田中正造は後者である。公害の原点とされる栃木県・足尾銅山の鉱毒事件で民衆の先頭に立ち闘った。〈真の文明は山を荒らさず、川を荒らさず、村を破らず、人を殺さざるべし〉という至言を残して没し、きょうで100年になる▼明治の半ば、鉱毒は清流を死の川に変え、山や田畑を枯らした。しかし銅は国の経済を支える産品で、政府は人を救うより富国強兵を優先した。そのさまは昭和の水俣病、今の原発にも重なってくる▼衆院議員だった正造は議会で質問を繰り返す。運動を組織し、死罪を覚悟で天皇に直訴した。官権に抗し、幾多の妨害を受けつつ人々を引っ張った。不撓不屈(ふとうふくつ)の四文字が、これほど似合う人はまれだ▼正造を高く買っていた勝海舟が、冗談ながら、この者は末は総理大臣だという証文を、閻魔(えんま)様や地蔵様あてに書いたという逸話が残る。原発事故のあと正造が総理だったら、困っている人、弱い立場の人を、何をおいても助けるに違いない現実の総理は、早々と収束宣言を出し(民主)経済のためには再稼働が必要と唱え(自民)、なお15万人にのぼる避難者は忘れられがちだ。事故処理より外国への原発セールスに熱心というのでは、ことの順番が違う▼冒頭の「真の文明は」の後には、こうした文が続いている。〈……今文明は虚偽虚飾なり、私(し)慾(よく)なり、露骨的強盗なり〉。1世紀が流れて、古びないのがやりきれない。
================================================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●子供にもSLAPPする国: 三上智恵監督・映画『標的の村 ~国に訴えられた沖縄・高江の住民たち~』

2013年08月18日 00時00分47秒 | Weblog


gendai.netの記事【オスプレイに反対したら訴えられた…ドキュメンタリー映画が話題】(http://gendai.net/articles/view/syakai/144036)とレイバーネット日本http://www.labornetjp.org/)の『●木下昌明の映画の部屋』からの 【木下昌明の映画の部屋・第166回 ●三上智恵監督『標的の村』】(http://www.labornetjp.org/Column/20130731)。

 「国が、国策に反対する住民を訴えるという前代未聞の裁判」があった。国が行うSLAPPSLAPPスラップ)である。

   『●SLAPPと原発、沖縄
   
    「国が、国策に反対する住民を訴えるという前代未聞の裁判
     反対意見を封じ込めることを目的に権力のある側が個人を訴えることを
     アメリカではSLAPP裁判とよび、多くの州で禁じている。しかし日本に
     その概念はなく、被告にされた高江の住民らは3年半に及ぶ裁判の間、
     資金も時間も奪われ身体的・精神的な苦痛を強いられた。沖縄の
     住民運動が最後の抵抗手段にしてきた「座りこみ」。それを
     「通行妨害」に矮小化して住民を裁判にかける手法が成立するなら、
     国に都合が悪い沖縄の声はますます封殺されてしまう。」

   『●「敗戦特集」『週刊金曜日』(2013年8月9日、955号)についてのつぶやき
   
    ■『週刊金曜日』(2013年8月9日、955号) / 【『金曜日』で逢いましょう 
     三上智恵さん】、「無断で入ることをためらう若いスタッフには、映画
     『ニッポンの嘘 報道写真家 福島菊次郎90歳』・・を見せ、
     「問題自体が法を犯したものであれば、報道カメラマンは法を
     犯しても構わない」」・・・
    ■『週刊金曜日』(2013年8月9日、955号) / 【『金曜日』で逢いましょう 
     三上智恵さん】、「・・を見せ、「問題自体が法を犯したものであれば、
     報道カメラマンは法を犯しても構わない」」という福島さんの言葉で撮影を説得した」

 上記の週金の記事から、グリーンピース・ジャパンGPJ)のクジラ肉事件も思い出した。

   『●GPJ「クジラ肉裁判」と検察審査会
   『●『創(2010年11月号)』読了
   
    ======================================
     星川淳さん、「[グリーンピース裁判]特別寄稿/「クジラ肉裁判」判決間近/
    税金ドロボーはどっちだ!?」(pp.122-127)。「・・・若い検察官
    (・・・志布志事件の担当・・・)は「NPOの分際で捜査機関さえ令状がなければ
    できないことをやったのは絶対に許せない!」と啖呵を切った。
    私は〝正義の番人〟のはずの検察官が民主主義の真逆を口にする 
    司法教育の崩壊ぶりに驚き呆れ、心の中で徹底抗戦を誓った」。
    「・・・青森地裁、仙台高裁、最高裁の全てが証拠開示の必要なしと判断した。
    原告側・弁護側が対等に争う条件である証拠の全面開示なしに、
    どうして公正・公平な裁判が可能だろう? 国策扱いの調査捕鯨を
    国家ぐるみで必死に守ろうとする姿勢は戦前・戦中を思わせる」。
    「・・・国際人権(自由権)規約に基づき、おおよそ次のように立論する。
    民主社会において一般市民やジャーナリストやNGO職員が公共の利益の
    ために政府などの不正を明らかにしようとする際、やむを得ず法律の枠を
    踏み越えた場合は、その行為によって得られた公共の利益と、失われた
    法益とを秤にかけ、前者の方が大きければ許容(違法性阻却)されるべきだし、
    かりに形式上の罪を問うとしても過重な懲罰を与えてはならない
    なぜなら、不均衡で過重な懲罰は市民による政府監視を委縮させるからだ
    と―――。・・・西山事件や立川・葛飾ビラ入れ事件などについても
    同様なことがいえる」。
    ======================================

================================================================================
http://gendai.net/articles/view/syakai/144036

オスプレイに反対したら訴えられた…ドキュメンタリー映画が話題
2013年8月15日 掲載

 米海兵隊ヘリが沖縄の大学に激突した事故から9年。先週5日には、沖縄本島中部のキャンプ・ハンセンで米空軍ヘリの墜落事故が発生したにもかかわらず、16日には事故機と同型のヘリが追加配備される。そんな中、沖縄基地問題をテーマにした映画「標的の村」が10日に都内で公開され、注目を浴びている。監督は琉球朝日放送・報道制作局の三上智恵氏。95年の開局以来、基地問題を追ってきた三上氏は、オスプレイ反対運動の苦悩をドキュメンタリー映画にした。

 本土ではまったく報じられていないが、沖縄では5年前、反対運動を起こした住民が通行妨害で国に訴えられたのである。

   「オスプレイの着陸帯建設に抗議して座り込みをした東村・高江の住民が
    訴えられたのです。政府は、こんな小さな160人くらいの集落の
    座り込みなんて裁判でもやったらすぐに潰せると思っていたんですね。
    しかも、世間に知られないうちに。そうでなければ、あんなに残酷なことは
    しなかったはずです。私は食いついて映画にまでしましたが、そういうのが
    なければ誰にも知られなかったでしょう。国が決めたことに反対する人は
    裁判にかけられちゃう国に住んでいるのは、北海道まで全員一緒なんです。
    沖縄の人たちだけが、味わう恐怖ではないのです」

 その三上氏に今度のヘリ墜落事故についても聞いてみた。

   「あの時もHH60の2機が上になったり下になったりしながら複雑な動きを
    していたという目撃証言があるんです。敵のレーダーに見つからないために
    山の稜線に沿って飛ぶ“低空飛行訓練”をしていたんじゃないか
    と思うんですね。アクロバチックな動きをマスターするためにやっている。
    危険なのはオスプレイだけではないのです」

 これは絶対に他人事ではない。
================================================================================

================================================================================
http://www.labornetjp.org/Column/20130731

木下昌明の映画の部屋・第166
三上智恵監督『標的の村
「オスプレイ」反対運動の真実――本土には伝えられない沖縄

 三上智恵監督の『標的の村』は臨場感にあふれている。

 これは昨年、沖縄の米軍普天間基地に配備されるオスプレイに反対する沖縄県民の激しい闘いの軌跡を追ったドキュメンタリーだ。

 作品は三上が一人で取り組んだものではなく、沖縄の琉球朝日放送というローカル局が、三上を中心とした報道スタッフを編成、テレビの枠を超えて映画として仕上げた。 最近、この種のドキュメントが目につく。愛知・東海テレビ放送の『青空どろぼう』、愛媛・南海放送の『放射能を浴びたX年後』など。その地域放送局ならではの豊富な映像資料を使い、過去から引きずっている事件に焦点をあてて、隠された歴史を掘りおこす。

 オスプレイ配備反対の闘いは沖縄での10万人集会のニュースを通して、本土でもその一端に触れることができた。だが、岩国基地からオスプレイが飛来してくる前夜、普天間基地の四つのゲートを県民が完全封鎖して、一昼夜、機動隊と繰り広げた攻防戦は、本土に知らされることはなかった。画面はその息詰まる闘いを伝えている。

 映画の主な舞台は、沖縄北部、やんばるの森が広がる東村(ひがしそん)・高江(たかえ)。そこに暮らす160人のうち、安次嶺現達(あしみねげんたつ)夫婦と6人の子どもたちが自然と共に過ごす生活にカメラは密着し、彼らはなぜオスプレイに反対するのか、取材している。国は座り込み抗議をした住民らを恫喝的に訴えたが、なんと7歳の娘までも訴えられているのには驚いた。

 周辺地区は米軍戦闘訓練場で、高江集落は格好の標的」なのだ。ベトナム戦争時にはべトナム村が作られ、住民は黒い服のベトナム人に仕立てられた事実を、当時の写真やフィルム、元米兵の証言によって明らかにする。

 オスプレイの簡易発着場の工事現場。沖縄防衛局と住民の怒号の中で、三線にのって歌われるのびやかな抵抗の歌のシーンがいい。遠い本土からは見えない沖縄のもう一つの姿がここにある。(『サンデー毎日』 2013年8月4日号)

* 8月10日より東京・ポレポレ東中野ほか全国順次公開。

  〔追 記〕オスプレイの基地配備は沖縄だけではすまなくなった。
        岩国から横田へと全国的に広がりつつある。もはや基地は
        戦争のためだけでなく、米軍内で増殖した巨大軍事産業の
        利権システムを維持拡大するための場所である。日本の基地は、
        その利権を生みだす格好の足場となっている。
================================================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●「放射能と学校給食③」『週刊金曜日』(2013年6月7日、946号)についてのつぶやき

2013年06月11日 00時00分43秒 | Weblog


週刊金曜日』(2013年6月7日、946号)について、最近のつぶやきから、AS@ActSludge

 今週のブログ主のお薦めは、「松元ヒロ氏【写日記 その10】、「日本国憲法を擬人化した『憲法くん』・・・」」。

************************************************************************************
■『週刊金曜日』(2013年6月7日、946号) / 「放射能と学校給食③ 給食の現場をのぞいてみました」。編集部【6・2 3つのグループが反原発同時アクション 「脱原発の民意」を参院選に】、原発推進派を勝たせていはいけない(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/6923144eaca1c35e79c91fe1917d57bf

■『週刊金曜日』(2013年6月7日、946号) / グリーンピース・ジャパン(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/28fc3e0ce8e924de3638fc171e3cc9a0)(GPJ)【福島など東日本太平洋沖の8港で調査 魚介類8体からセシウム検出】。豊田直巳さん【〝フクシマ〟の真実を伝える場に 福島に原発情報センター開館】

■『週刊金曜日』(2013年6月7日、946号) / 宇都宮健児さん【風速計/人種差別・排外デモを許すな!!】、「在特会が二〇〇九年に京都・・・怒号し授業を妨害した事件では、四人が威力業務妨害罪、侮辱罪、器物損壊罪などで逮捕され、有罪判決を受けている・・・ヘイトスピーチを規制する立法の検討をするべき状況

■『週刊金曜日』(2013年6月7日、946号) / 【大藤理子の政治時評/六畳間の世界の「王様」は人権や国際感覚というデカい尺度で指弾されるとキレる】。【大塚将司の経済私考/規制緩和構造改革ではなく製造業に照準を 幻想をまき散らすマスコミの責任は重大だ】

■『週刊金曜日』(2013年6月7日、946号) / 村上朝子氏【本当は怖いシェールガス 安倍政権は地球の環境汚染を加速する】、「有害な化学物質を含む水圧破砕」。寺西和史さん【司法の独立・違憲立法審査権】、「権力に弱い最高裁」「裁判官が有機雇用者に」「何のための憲法裁判所か」「司法から審査権を奪う」

■『週刊金曜日』(2013年6月7日、946号) / 松元ヒロ氏【写日記 その10】、「日本国憲法を擬人化した『憲法くん』と言うネタで全国を飛び廻っているお笑い芸人」「憲法くんが『私のことを自虐的とか言う人がいる。でも私は六六年間、戦争という名前で他国の人々を殺したことがない。それが誇りです。私をどうするか、皆さんに託しましたよ』と締めくくると満場の拍手に包まれた」

■『週刊金曜日』(2013年6月7日、946号) / 浅野健一さん【取材は実名、報道は原則匿名で 弘中弁護士講演】、「村木厚子さん、・・小沢一郎さんらの弁護人を務めた弘中惇一郎」氏(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/d219475afa2b49272cbbffc2d8efbbe1)(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/567f0bbb36fe5bdcc088e0bd1b802654
************************************************************************************

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●「安倍さん、子育て政策は大丈夫ですか?」『週刊金曜日』(2013年4月19日、940号)

2013年04月22日 00時00分09秒 | Weblog


週刊金曜日』(2013年4月19日、940号)について、最近のつぶやきから、AS@ActSludge

 今週のブログ主のお薦めは、赤岩友香氏【脱原発運動を威嚇、個人に多額の損害請求 国が経産省前テントを提訴】と松井克明氏【橋下市長提訴発言で再浮上する『週刊朝日』休刊説 有能な編集者や記者の追放で体力が低下か】。

************************************************************************************
■『週刊金曜日』(2013年4月19日、940号) / 雨の中、今到着。「安倍さん、子育て政策は大丈夫ですか?」。木野龍逸氏【地下の汚染水漏洩問題で露呈した東電の限界 福島第一原発の国有化を】。ネズミやタコというお粗末に次いで、イタチごっこまで(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/s/%A5%A4%A5%BF%A5%C1

■『週刊金曜日』(2013年4月19日、940号) / 赤岩友香氏【脱原発運動を威嚇、個人に多額の損害請求 国が経産省前テントを提訴】。原発スラップ訴訟http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/s/%A3%D3%A3%CC%A3%C1%A3%D0%A3%D0)の第2弾。司法が機能していないので・・・・・・「一票の差別」のような判決にはほとんど期待できない

■『週刊金曜日』(2013年4月19日、940号) / 池添徳明http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/s/%C3%D3%C5%BA%C6%C1%CC%C0)氏【痴漢冤罪の元高校教諭・河野さん 東京高裁で逆転勝訴】、「市村陽輔典裁判長・・・反原発デモの日比谷公園の使用をめぐる仮処分決定、・・・土肥信雄・元校長の控訴審不当判決などを言い渡したあの市村裁判長である」

■『週刊金曜日』(2013年4月19日、940号) / 鈴木沓子氏【アントニオ・ネグり氏が来日、官邸前デモにも参加 「民主主義と原発は両立せず」】。雨宮処凛さん【風速計/弱さの情報公開】、「「ないこと」のようにして振る舞わなければならないのが今の「社会人」なら、私は社会人失格でいいや、と改めて開き直ったのだった」

■『週刊金曜日』(2013年4月19日、940号) / 小川正氏【生活保護を受給させ劣悪な簡易宿泊所で月額6万円余りの家賃 NPO法人の貧困ビジネスに手を貸す東京電力と川崎市】。金儲けのためなら何でもアリな〝貧困なる精神〟(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/s/%C9%CF%BA%A4%A5%D3%A5%B8%A5%CD%A5%B9

■『週刊金曜日』(2013年4月19日、940号) / 【西川伸一の政治時評/「安全」「防災」「減災」のため この善意による危機管理が息苦しい社会を作り出す】、「オーウェルの「一九八四年」・・・まで、あと一歩ではないか」(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/s/%A5%AA%A1%BC%A5%A6%A5%A7%A5%EB

■『週刊金曜日』(2013年4月19日、940号) / 高田久代氏【日立、東芝、三菱重工は事故後もビジネス拡大? 自民党は責任賠償回避へ? 原賠法改正して原発にもメーカー責任を!】、「グリーンピースでは、「原発にもメーカー責任を」オンライン署名を実施」。GPJ(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/s/%A5%B0%A5%EA%A1%BC%A5%F3%A5%D4%A1%BC%A5%B9

■『週刊金曜日』(2013年4月19日、940号) / 平舘英明氏【自民党が進める新たな保育政策 自己責任を押し付ける「子育て」に未来はない】。小泉政権下で乱発された「自己責任」(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/s/%BC%AB%B8%CA%C0%D5%C7%A4)、自ら責任をとらない者が好む言葉

■『週刊金曜日』(2013年4月19日、940号) / 横田一http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/s/%B2%A3%C5%C4%B0%EC)さん【山口補選と自民党の政策 待機児童解消と幼児教育無償化、どちらが優先か】、「今回だけでなく、私立幼稚園業者が自民候補の常連支援団体となっているという。何があるのか?」

■『週刊金曜日』(2013年4月19日、940号) / 【松崎菊也の無責任架空対談 第一六六作/安倍VS麻生憲法漫才】、「憲法を熟読したことがない二人。これへ橋下も乗る。彼が変えたいのは一五条「すべて公務員は橋下の奉仕者でなくてはならない」」。壊憲http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/s/%B2%F5%B7%FB

■『週刊金曜日』(2013年4月19日、940号) / 松井克明氏【橋下市長提訴発言で再浮上する『週刊朝日』休刊説 有能な編集者や記者の追放で体力が低下か】、驚きとともに呆れる。朝日新聞の反小沢キャンペーンhttp://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/s/%C8%BF%BE%AE%C2%F4)と山口一臣

■『週刊金曜日』(2013年4月19日、940号) / 中嶋啓明氏【何が「沖縄に思い」「ご心中は」だ 「主権回復の日」式典】、「この日を「屈辱の日」と位置付ける沖縄」。寺西和史氏【論争/当初応募規定への疑問 「趣旨を変えないで手を入れる」とは】、「・・・編集者にできるかのような書き方は傲慢であろう」
************************************************************************************

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●来るところまできた原発推進、3.11東京電力原発人災は一体何の教訓をもたらしたのか?

2013年03月09日 00時00分06秒 | Weblog


東京新聞の三つの記事(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013030102000132.html、http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013022801002005.htmlhttp://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013030101001172.html)。

 原発関連の憂鬱な記事3つ。だから言わんこっちゃない!!

   『●だから言わんこっちゃない ~自民党復権と原子力ムラの復活~ 

 自公に投票した人や支持者の人達に気持ちを聞いてみたいよ、全く。「品格」「資質」を疑う、というのは言い過ぎだろうか?

   『●田中優子さん「誰の名前を書くのか、その人の品格が問われている」
   『●映画『放射線を浴びた『X年後』』: 
         「こんな巨大な事件が、・・・日本人としての資質が問われる」

 ヤケクソになってはいけないし、絶望してはいけないのだけれども、衆院選以来虚しくてしょうがない。3.11東京電力原発人災から2年、原発推進することのための原子力ムラとそれを支える有権者・・・恥ずかしくないのだろうか? もう一度、被災者の叫びを聞いてほしい。

   『●哀しい遺書: 「原子力さえなければ」
   『●福島県双葉町「原子力明るい未来のエネルギー」・・・・・・いま、その〝少年〟は?

 さんざん安全神話を垂れ流し、何の責任も取っていない自民党議員に、「安全が確認・・・科学的安全基準のもと・・・最終的な判断は政府で責任を持つ・・・(原発の地元の)住民への説明責任は政府が負う・・・安全性を高める新たな安全文化・・・」・・・なんていう発言をさせておいて、平気でいられる神経を疑う。「電力システムの抜本的な改革にも着手」なんて、泥縄である。

================================================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013030102000132.html

原発再稼働を首相明言 施政方針演説「安全確認後に」
2013年3月1日 朝刊

 安倍晋三首相は二十八日午後、衆参両院の本会議で行った施政方針演説で、エネルギー政策に関し、原子力規制委員会で安全が確認された原発は再稼働する方針を国会で初めて明言。原発維持の基本方針をあらためて示した。

 首相はこれまで、再稼働については「科学的安全基準のもとで判断していく」などと国会で答弁。NHK番組では「最終的な判断は政府で責任を持つ。原子力規制委が安全と決定したら、(原発の地元の)住民への説明責任は政府が負う」と述べていた。

 施政方針演説では「原子力規制委のもとで安全性を高める新たな安全文化をつくり上げる。その上で、安全が確認された原発は再稼働する」と強調した。

 同時に、省エネルギーや再生可能エネルギーを最大限に進めることで「できる限り原発依存度を低減させていく」と約束。発送電分離などを念頭に「電力システムの抜本的な改革にも着手する」と述べた。
================================================================================

================================================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013022801002005.html

上関原発の漁業補償金受領へ 漁協祝島支店、山口
2013年3月1日 00時17分

 山口県上関町の上関原発建設計画をめぐり、反対派が多数を占め、中国電力からの漁業補償金の受け取りを拒否していた県漁協祝島支店が28日、受け取りを決めた。地元関係者への取材で分かった。

 中国電力がこれまでに支出した補償金は約10億8千万円。祝島支店が受け取りを拒んだため法務局に供託されたものを、県漁協本店が代理で受領していた。

 地元関係者によると、祝島支店はこの日、県漁協本店の理事会による招集で会合を開催。出席した組合員約50人による投票の結果、約3分の2が補償金の受領に賛成したという。

(共同)
================================================================================

================================================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013030101001172.html

MOX燃料、4月に輸送か 仏から日本の原発へ
2013年3月1日 07時53分

【ロンドン共同】 環境保護団体グリーンピース・フランスは2月28日までに、同国の原子力大手アレバがプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を4月上旬に日本へ輸送する準備を進めている、と発表した。東京電力福島第1原発事故後初の日本へのMOX燃料輸送となるとしている。

 関西電力はMOX燃料を使って運転していた高浜原発3号機(福井県高浜町)を今年7月から再稼働することを想定しており、グリーンピースは輸送されるMOX燃料は高浜3号機向けの可能性が高いと指摘した。

 関西電力は2011年春に高浜3号機用のMOX燃料をフランスから輸送する予定だったが、延期していた。
================================================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●大飯原発再稼働の恐〝負〟の連鎖: 40年間も動かした美浜原発2号炉をさらに10年稼働延長

2012年06月21日 00時00分25秒 | Weblog


とりとめのない記事の羅列で、すいません。東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012060502000079.html)。山岡俊介さんのアクセスジャーナルの記事(http://www.accessjournal.jp/modules/weblog/、6月5日)。その他、東京新聞やasahi.comの記事(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012060602000094.htmlhttp://www.asahi.com/paper/editorial20120608.htmlhttp://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012060602000103.htmlhttp://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012060602000111.htmlhttp://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012060602000131.html
http://www.asahi.com/politics/update/0618/OSK201206180104.html)。

 あまりにとりとめないので、まず、記事の表題をまとめてみると・・・・・・。

   ・「原子力安全委 電源喪失対策 文書「隠す」
   ・「「取れない責任を取ると言うな」
           ――大飯原発の再稼動に反対し、市民団体が緊急記者会見
   ・「美浜2号10年延長案 保安院が提出へ
   ・「原発運転延長―わざわざ不信を買うか
   ・「中部電元幹部「原発批判抑える保険」
   ・「保安院の中止圧力 プルサーマル遅れ、焦り
   ・「「安全」を作文 原発情報を開示せよ
   ・「愛媛知事「伊方原発の再稼働必要」 初めて言及

 美浜って、気は確かなのでしょうか? (折角、大飯が再稼働したのみのに、といったところが内心でしょうかね)原発推進派の前原氏でさえが呆れたと云う。ホントになし崩しで何でもやるつもりらしい。恐怖の負の連鎖

================================================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012060502000079.html

原子力安全委 電源喪失対策 文書「隠す」
2012年6月5日 朝刊

 東京電力福島第一原発事故の主因となった長時間の全交流電源喪失(SBO)をめぐり、原子力安全委員会の作業部会が一九九三年に「考慮する必要はない」とした国の安全指針を追認していた問題で、安全委が関連する全資料を公開したと説明しながら、一部を伏せていたことが分かった。安全委は四日、残る文書を公開。班目(まだらめ)春樹委員長は「結果的に隠ぺいしたとみられても仕方ない」と謝罪した。 
 文書には、事務局だった科学技術庁原子力安全調査室が電力会社側に短時間の電源喪失を考えるだけでよい理由を「作文」するよう求めたものも含まれ、官業が一体化して安全を軽視していた実態が明らかになった。
 作業部会は海外で全電源喪失事故が起きたことを受け、九一年に設置。有識者による専門委員五人のほか、東京電力などの外部協力者も参加して非公開で協議を重ね、九三年に報告をまとめた。文書は作業部会で配布された資料などで、A4判で計約六百ページある。
 公開文書によると、東電は報告の骨子案に対し、SBOだけを安全指針に取り込むのは「バランスの取れないもの」と主張。関西電力は「指針への反映は行き過ぎではないか」と難色を示した。
 報告書の原案では、電源喪失対策の現状などの主要部分について電力会社に執筆が割り振られていた。
 事務局の「作文」指示に、東電は「日本の原発は設計に余裕があり、十分な安全性が確保される」などと答えた。作業部会は、ほぼ受け入れ、全交流電源喪失が起きても「重大な事態に至る可能性は低い」と記した報告書を作成。安全指針は見直されなかった。
 安全委は会議資料を昨年十月までに全部公開したと説明していたが、国会事故調査委員会が五月下旬、非公開の資料があるのではと指摘し提出を要求。公表漏れが分かった。
 電力側と一体で報告書をまとめたことに対し、班目委員長は「原案を電力会社に執筆させていたのは明らかに不適切で、大変申し訳ない」と話した。
 安全委事務局は「非公開文書は報告書とともに昨年六月に見つかっていた。公開の準備を進めていたが、防災指針の見直しなどで忙しくなり、忘れてしまった」と釈明した。
================================================================================

================================================================================
http://www.accessjournal.jp/modules/weblog/、6月5日)】

2012/06/05
取れない責任を取ると言うな――大飯原発の再稼動に反対し、市民団体が緊急記者会見
執筆者: Yamaoka (12:20 pm)

 関西電力・大飯原発3・4号機(福井県おおい町)の再稼動に向けた動きがいよいよ最終局面を迎えようとしている。
 昨日6月4日、細野豪志原発相が福井県庁を訪問、西川一誠知事と会談し、知事から前向きな返答を得たとされる。今週にも閣僚会議が開かれ、野田首相が再稼働声明を発表するとみられる。首相官邸前では市民が連日、千人以上集まって、抗議行動を繰り広げている(冒頭写真は、5月25日の首相官邸前抗議行動の模様)。
 こうしたなか6月4日、午後3時から、衆議院第一議員会館で、「取れない責任を取ると言うな 大飯原発を再稼動するな 緊急記者会見」が開かれた。呼びかけたのは、eシフトグリーンピースなど、脱原発を求める市民団体だ。
 会見の開始前に、インターネットで福井県庁前とつながった。細野原発相が訪問するのにあわせ、福井県庁前は厳戒態勢がしかれていた。再稼動に反対する市民も徐々に結集。その現場に俳優の山本太郎氏の姿も。彼は「フリージャーナリストも締め出されている。こうして大本営発表が垂れ流されるのは事故前とまったく変わらないですね」と語った(上写真)。
 さて記者会見がはじまった。司会は小島敏郎氏(青山学院大学教授)。
 水野誠一氏(元参院議員、株式会社IMA代表)は、「いったい福島第一の事故から何を学んだのか、と野田首相に問いたい。大飯原発が再稼動すれば、一気に他の原発の再稼動につきすすむだろう。浜岡原発が再稼動し、大地震に見舞われれば、日本は終わりだ」「私は元々、原発容認だった。しかし、核廃棄物の最終処理方法がないこと、地震が多い日本では特に原発はあってはならないことに気づいた。この“気づきの輪”をもっと広げよう」。

・・・・・・・・・。
================================================================================

================================================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012060602000094.html

美浜2号10年延長案 保安院が提出へ
2012年6月6日 朝刊

 経済産業省原子力安全・保安院は、七月二十五日に運転開始から四十年を迎える関西電力美浜原発2号機福井県)で、十年間の運転延長を認める報告書案を六日の専門家会合に提出する方針を固めた。ただし、政府は原発の運転期間(寿命)を四十年とする法案を提出している。法改正前とはいえ、方針に逆行する保安院の判断に、専門家から反対が出るのは必至だ。
 現行制度では、原発の寿命に定めはなく、運転開始から三十年がたつ前に保安院の審査に通れば、運転が認められる。その後も十年ごとの審査に通れば延長できる。関電は昨年七月、一部の部品を交換すれば継続使用は可能として、美浜2号機の十年の運転延長を申請。保安院は現在の基準に照らせば、関電の評価は妥当と判断し、専門家の意見を聴くことにした。
 一方、国会では原子炉等規制法改正案が審議中で、成立すれば四十年を経た原発は運転できなくなる。最大二十年の運転延長を認める例外規定もあるが、政府は「延長を認めるのは極めて例外的なケース」としている。
 改正法が成立、公布されれば、十カ月以内に施行される。原子力規制庁の設立準備をする担当者は、施行までの間に、四十年超の原発は運転できないような厳しい基準を作るとしており、たとえ保安院が運転延長を認めても、いずれは無効になる可能性が高い。
 法改正前の駆け込み延長とも受け取れる保安院の動き。本紙の取材に、保安院の担当者は「現行制度では、四十年となるまでに結論を出さねばならない」としている。だが、専門家会合の委員からは「保安院がOKを出せば、運転延長が既成事実化する」と、早くも反対の声が出ている。
================================================================================

================================================================================
http://www.asahi.com/paper/editorial20120608.html

社説
2012年6月8日(金)付
原発運転延長―わざわざ不信を買うか

 何とも、ちぐはぐだ。
 7月に運転開始から40年を迎える関西電力の美浜原発2号機(福井県)をめぐり、原子力安全・保安院が10年間の運転延長を妥当とした件である。
 「脱原発依存」を掲げながら、原発事故以前のルールに従って手続きが進む。それが国民の不信を招くことを、野田政権は認識すべきだ。
 原発は稼働から30年目とその後10年ごとに、電力会社が必要な対策を講じたうえで、国のチェックを受けることが法令で義務づけられている。
 保安院は今回の判断が、あくまで現行法に基づく形式的な手続きだと強調する。「今後10年間の運転そのものを認可するものではない」という。
 一方、国会では原子力規制に関する法案の審議が始まり、会期内に成立する見通しだ。柱の一つとして、原発の運転を原則40年に制限して廃炉にすることが盛り込まれている。
 細野原発相も枝野経済産業相も、繰り返し「40年寿命」を説いてきた。今夏にまとめる政府のエネルギー基本計画も、このルールの適用を最低限とする脱原発依存を念頭に調整が進められている。保安院は廃止され、規制行政は新設の原子力規制委員会へと移管する。
 そもそも、老朽化した美浜2号機は直ちに廃炉にすべき原発のひとつである。昨年12月から運転停止中で、再稼働に必要なストレステストの報告書も出ていない。関電にとっても、古くて出力も小さい美浜を動かす優先度は低いということだ。
 にもかかわらず、形式的とはいえ10年の運転延長を認める行政判断を出せば、国民は混乱するばかりだ。
 ただでさえ、野田政権のエネルギー政策は腰が定まらない印象が強い。大臣発言と正反対の動きが生じるたび、「いったいどっちなのか」とのいらだちが募り、周囲で不要な対立が生まれがちだ。大飯原発の再稼働問題は典型だろう。
 規制当局として、現行法に基づき作業を進める必要があるにせよ、政権として新しい体制ができるまで判断を保留する手立てを講じるなり、「40年寿命」を厳格に適用することを大臣自ら記者会見するなり、方法はいろいろとあるはずだ。
 なにより、関電も保安院も政権も、少しでも先を見る目があったら、すでに40年を超す美浜1号機ともども、ここで廃炉を決める手もあった。
 そのほうが政権や関電にとってプラスだっただろう。惜しいチャンスを逃しましたね。
================================================================================

================================================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012060602000103.html

中部電元幹部「原発批判抑える保険」
2012年6月6日 朝刊

 議長に続き、元議長の親族企業でも中部電力浜岡原発関連工事の多額受注が明らかになった静岡県御前崎市議会。ほかの原発立地自治体でも首長や議員らの関係する会社が電力会社と取引関係にある事例は目立ち、脱原発の市民団体は「原発の安全性を公正に判断できるのか」と問題視している。
 中部電原子力本部の担当者は「特定の企業に便宜を図ることはしない」と話すが、浜岡原発に勤務した複数の元幹部は「原発の運転や増設などで議員の発言力は大きい。地元対策の一環として、工事発注の際は意識していた」と証言する。
 元御前崎市議会議長の阿南澄男市議(62)の親族企業は中部プラントサービス(名古屋市)から、現議長の西島昌和市議(69)の親族企業はシーテック(同市)とそれぞれ中電の子会社から受注している。
 中部電元幹部の一人は「適正な価格で、そこそこ技術があれば、地元企業を優先するのは当然。地域経済に貢献し、うちにとっては原発への批判を抑える保険になる」と話す。
 再稼働が大詰めを迎える関西電力大飯原発の地元、福井県おおい町では、時岡忍町長の長男が社長の鉄工会社が二〇〇八~一〇年度の三年間、関電や子会社から少なくとも三億円の原発関連工事を受注していたことが本紙の取材で判明。高浜原発隣接の高浜町も町議四人が、社長や取締役などを務める会社が関電や関連会社から工事を受注していた。
 福井県美浜町の元町議で、脱原発の市民団体「若狭連帯行動ネットワーク」の松下照幸さん(64)は「原発の安全性を判断する立場の首長や議員は、まず襟を正すべきだ。電力会社との関係を疑われれば、住民から信用されず、まともな議論ができない」と話している。
================================================================================

================================================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012060602000111.html

保安院の中止圧力 プルサーマル遅れ、焦り
2012年6月6日 朝刊

 原発事故に備えた防災重点区域の拡大を検討し始めた原子力安全委員会に、経済産業省原子力安全・保安院が執拗(しつよう)に中止の圧力をかけたのは、使用済み核燃料を再利用するプルサーマル計画がようやく動きだし、その流れに悪影響を与えることは全て排除する-との推進組織そのままの保安院の考えからだった。
 二〇〇六年五月の昼食会で、広瀬研吉院長(当時)が、安全委の委員に「寝た子を起こすな」と圧力をかけたことが既に判明。
 本紙が情報公開請求で五日に得た内部文書では、昼食会直前の幹部会合で、広瀬氏が重点区域について「十年間は現行制度で動かすべきだ」と指示していたことなどが新たに分かった。
 文書には、重点区域が拡大されると「プルサーマルが進まなくなる」などの懸念を示す記述が出てくる。両者に直接的な関係はないはずだが、経過を重ねると安全委の見直し開始時期と、長い停滞を経てプルサーマル計画が動きだそうとしている時期とが一致した。
 プルサーマル発電は一九九九年に始まっているはずだったが、英国の核燃料製造会社によるデータ改ざんや、東京電力によるトラブル隠し問題が起き、大幅に遅れた。
 ほとぼりが冷めた〇五年九月には九州電力玄海原発3号機、〇六年三月には四国電力伊方原発3号機でプルサーマル発電が許可された。保安院が関連のシンポジウムで賛成派の動員要請や「やらせ」に関わったのもこの時期で、表面上は地元の了解が得られつつある時期だった。
 そんなときに、重点区域を拡大すれば、やはり原発は危ないのかという認識が広まり、またプルサーマル計画が止まりかねない-。原子力関係者は「保安院には焦りがあった」と指摘する。
 また、内部文書からは、保安院が安全委に高圧的な態度で、重点区域の拡大中止を要求していた様子も浮かび上がった。
 六月の協議では、安全委側が抵抗を示したことに対し、保安院の担当者が「貴課の『逆ギレ』ともとられかねない回答や反応は時間と労力のムダなので、以降は避けられたい」と要求。さらには「当方が十分に納得できるよう努力されたい」と迫ったことが記されていた。 (榊原智康)
================================================================================

================================================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012060602000131.html

【社説】
「安全」を作文 原発情報を開示せよ
2012年6月6日

 全交流電源喪失。その対応がとれずメルトダウンに。だが、このような事態への対策を原子力安全委員会が自ら潰(つぶ)し、隠蔽(いんぺい)を続けていたとは。原発再稼働というのなら、情報の開示を実行すべきだ。
 原発の安全指針に、長時間の全交流電源喪失(SBO)対策を盛り込むか、どうか。東京電力は「ノー」という。それに対して、安全の総本山ともいうべき原子力安全委員会が「その理由を作文してください」と求める。
 国の安全指針といえば、安全対策の根源であるはずだ。東京電力はそれを厳守する立場である。その東電に、安全委が「作文しろ」と投げるのだから、無責任もはなはだしい。しかも、事実を書けとはいっていない。作文とは「文を作れ」ということだ。安全を軽視するにもほどがある。
 SBOは福島第一原発事故の最も重大な原因だ。もし、この時指針に取り入れられて、東電がそれをきちんと守っていれば、このような大惨事には、恐らく至らなかっただろう。福島の住民は怒りを通り越す思いに違いない。
 その上、安全委は、関連する全資料を公開したと説明しながら、このようないきさつが書かれた、都合の悪い資料は隠していた。東電の“墨塗り”資料公開以上に悪質だ。原子力ムラの隠蔽体質も、ここに極まった感がある。
 原子力とは、もともと危険なものである。だから、それを使っていくには、万全の制御と規制が欠かせない。
 安全対策には膨大な費用がかかる。営利企業である電力会社が、その負担を回避しようと考えるのは、経済原理でもある。だから、信頼できる規制機関が、立地地域や電力消費者の立場に立って、厳しく目を光らせるべきなのだ。
 電力会社だけでなく、この国の原子力安全行政への信頼は落ちるところまで落ちてしまった感がある。いや、さらに何か隠していないかと、国民全体の疑心暗鬼は深まるばかりである。
 核に関する機密情報もある。しかし、今は、それを理由に不都合なことを隠しているのではないか、と心配になる。
 安全委は、本当に手持ちの原発情報をすべて開示して、国民の信を取り戻すしかない。
 さもないと、首相がいくら高らかに、原発の必要性や安全性を宣言しても、国民の多くは、それを受け入れないだろう。原発の再稼働は支持されない。
================================================================================

================================================================================
http://www.asahi.com/politics/update/0618/OSK201206180104.html

2012年6月18日22時1分
愛媛知事「伊方原発の再稼働必要」 初めて言及

 愛媛県の中村時広知事は18日の定例会見で、四国電力伊方原発(同県伊方町)について「今の経済やエネルギー情勢からすれば、条件を整えたうえで再稼働は必要」と述べた。これまで中村知事は「すぐに原発をなくすのは現実的ではない」との見解を示していたが、再稼働に関し「必要」と踏み込んだのは初めて。
 中村知事は再稼働を判断する条件として、安全性に関する国の方針▽四国電力の安全への取り組み▽地元の同意の三つを挙げ、国の方針が示されないことを理由に「判断は白紙」と再三述べてきた。会見で事実上の再稼働容認かと問われた中村知事は「全然違います」と否定。「条件が整わず(地元での)議論が始まらないから白紙と言っている」と、従来の姿勢に変わりがないと強調した。
 伊方原発3号機は3月、再稼働の前提となるストレステストの1次評価が、関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)に続いて「妥当」と判断されていた。
================================================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●呼び掛けに応じて ~原発なんて要らない~

2012年04月13日 00時00分40秒 | Weblog


Inti-solさんのWP(http://plaza.rakuten.co.jp/intisol/diary/201204110000/)で知りました。呼び掛け(https://fs222.formasp.jp/k282/form1/)に応じて、メッセージを送信。1次〆切は昨日までだった模様・・・。CMLに流れていたのかもしれませんが、見逃していたようで、今朝、慌てて送信。

 誰へのメッセージかがピンボケしていますが、送信したものは以下の通り。

================================================================================
FUKUSIMA原発人災からわずか1年。HIROSIMAやNAGASAKIの記憶をも持つ我々は、もっと謙虚になるべきだ。松下竜一さんの「暗闇の思想」に習い、小出裕章さんの言う「たかが電力のために」に思いをめぐらせ、原発だけは選択してはいけない。原発など1基もなくても心豊かに暮らしていける。大飯原発再稼働がなされようとしている2012年の今、100,0000年の死の灰の管理をこれ以上、未来の子供たちに押しつけてはならない。原発=核は不要、無駄なだけでなく、制御不能な単なる危険物である。原発輸出や原発再稼働は、2011.3.11以前の日本への回帰への一歩である。再稼働を決して許してはならない。「いま」が大きな分岐点であり、踏ん張りどころ。
================================================================================


 呼び掛け団体は以下の通りで、送信後、戻ってきたメッセージも載せておきます。

================================================================================
呼びかけ団体:
グリーン・アクション
美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(美浜の会)
国際環境NGO FoE Japan
福島老朽原発を考える会(フクロウの会)
グリーンピース・ジャパン
福島原発事故緊急会議
再稼働反対!全国アクション
ピースボート
気候ネットワーク
eシフト(脱原発・新しいエネルギー政策を実現する会)
原水爆禁止日本国民会議

問い合わせ先:
国際環境NGO FoE Japan 満田(みつた)090-6142-1807
Tel: 03-6907-7217 Fax: 03-6907-7219
================================================================================


================================================================================
ご協力ありがとうございました。
野田大臣をはじめとした4大臣および関係自治体にお送りさせていただきます。
また、いただいたメッセージは順次公開させていただきます。
4大臣に、ぜひ個別にも、みなさまのご意見を送ってください。

◆枝野幸男経産相 [国会]
(FAX)03-3591-2249 
(TEL)03-3508-7448 
[大宮事務所] (FAX)048-648-9125 
(TEL)048-648-9124

◆細野豪志原発担当相 [国会](FAX)03-3508-3416 (TEL)03-3508-7116
[三島事務所](FAX)055-991-1270 (TEL)055-991-1269
[富士事務所](FAX)0545-55-5412 (TEL)0545-55-5411

◇野田佳彦首相 [国会](FAX)03-3508-3441 (TEL)03-3508-7141
[船橋事務所](FAX)047-496-1222 (TEL)047-496-1110

◇藤村修官房長官 [国会](FAX)03-3591-2608 (TEL)03-3508-7074
[大阪事務所](FAX)06-6337-4354 (TEL)06-6337-3694

○私たちは、原発の電気はいりません。
○現実に、原発ゼロで、この冬なんの支障もありませんでした。
○福島第一原発事故の原因究明もなされていない
○ひとたび事故が起これば、その影響は広範囲におよび、琵琶湖を通じて関西の広い範囲に、そして日本各地に影響が広がる。その意味では、すべての国民が、潜在的な被害者。ぜひ幅広く公聴会を開いてほしい。
○幅広い周辺自治体の「同意」を得るべき。
○私たちは、安全な電気がほしい。原発はいらない。
○保安院は地震動の3連動を過小評価している
○保安院は「活断層の3連動で760ガル」を妥当としている。これは断層モデ ルに基づく評価です。しかし、原子力安全委員会の審査指針では、応答スペクト ルに基づく評価とあわせ「双方の実施」を求めている。
○3連動にもとづけば、制御棒の挿入時間が、安全基準を超える。
================================================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●再稼働ありきのストレステストなど、本来、やってはならなかった

2012年03月25日 00時00分20秒 | Weblog


CMLの記事(http://list.jca.apc.org/public/cml/2012-March/015539.html)。

 関西電力 大飯原発再稼働を前提としたストレステスト問題について、具体的な問題点の指摘と提言。
 デタラメ委員長である「班目春樹原子力安全委員長はストレステストの「一次評価だけでは安全確認はできない」と繰り返し述べ、一次評価の確認が原発の再稼働の要件にはならないとの立場」だそうだが、再稼働を検討するような議論が、いまこの記事に起こること自体がダメ・ダメでしょう。話にならない。FUKUSIMA原発人災の原因も解明されず、メルトダウンした炉心の場所さへ不明、〝剥き出しになった〟4号炉使用済み核燃料プール問題など、何一つ解決しないで、どの口が再稼働や原発輸出、建設再開など言えるのか。世界中の人に迷惑をかけ、さらに、日本人のこのような振る舞いに対して世界から嘲笑の目で見られていることに耐えられない。

================================================================================
http://list.jca.apc.org/public/cml/2012-March/015539.html

[CML 015704] 【重要】大飯原発3・4号機再稼働問題で緊急声明(安全委は一次評価を差し戻せ)

杉原浩司(Koji Sugihara kojis at agate.plala.or.jp
2012 3 16 () 02:11:03 JST
・・・・・・。

東京の杉原浩司(福島原発事故緊急会議/みどりの未来)です。
原子力安全委員会の大飯3、4号機審査書検討会合の強引な打ち切りに対して、抗議の緊急声明を公表しました。フクロウの会の阪上武さんのメールを転送します。13日の検討会合終了後の相談の場で急きょ作成を決め、内容を急ぎで詰めて完成させたものです。ぜひご一読のうえ、今後の働きかけに活かしていただくようお願いします。この2週間が、再稼働を許すか否かの最大のヤマ場です。できる限り多くの人に伝わるよう、メール、ブログ、ツイッター、フェイスブック等による拡散にご協力ください。[転送・転載歓迎/重複失礼]

………………………………………………………………………………
みなさま
15日、この間ストレステスト関係の審査会の傍聴活動を行ってきた、福島老朽原発を考える会(フクロウの会)、国際環境NGO FoE Japan(地球の友ジャパン)、国際環境NGOグリーンピース・ジャパン、原発を考える品川の女たち、福島原発事故緊急会議、再稼働反対!全国アクション、プルトニウムなんていらないよ!東京――の7団体の連名で、声明を発出いたしましたので、お知らせいたします。

阪上 武
--------------------------------------------------------------


<緊急声明>              2012年3月15日

原子力安全委員会は大飯原発3・4号機ストレステスト一次評価を差し戻すべき

「一次評価では安全確認はできない」(班目委員長)なら原発再稼働判断もできないはず
活断層の連動評価による大飯原発の耐震安全性は確認されていない

http://hinan-kenri.cocolog-nifty.com/blog/2012/03/2012-6bf4.html
--------------------------------------------------------------

大飯原発3・4号機の再稼働をめぐり、再稼働の条件の一つとされるストレステストについて、原子力安全委員会の総合的評価検討会は3月13日、原子力安全・保安院による大飯原発3・4号機のストレステスト一次評価審査書の検討を終了しました。来週にも原子力安全委員会で確認書を出そうとしています。このような強引な手続きに私たちは強く抗議します。

1.「一次評価だけで安全は確認できない」のに「政治判断は可能」??
 班目春樹原子力安全委員長はストレステストの「一次評価だけでは安全確認はできない」と繰り返し述べ、一次評価の確認が原発の再稼働の要件にはならないとの立場をとっていました。昨日の参議院予算委員会でも同じ発言をしています。2月20日には「諸外国でストレステストを運転再開の是非みたいなものに使っている国はない」とも発言しています。ところが同じ予算委員会で枝野経産相は、原発再稼働については「一次評価をふまえて対応する」と、班目発言を完全に無視しています。野田首相も「一次評価に基づく再稼働の政治判断は可能」との考えを示しました。原子力安全の最高責任者が安全確認ができないと言っているのに、政治判断は可能というのは全く理解できません。原子力安全委員会が確認書を出せば、その意図がどうあれ、運転再開の容認を強要するための材料として政治的に利用されるでしょう。保安院の審査書は一次評価と二次評価を分けてない原子力安全委員会の7月6日付要請の要件を満たしていません。確認の作業を直ちにやめて審査書を保安院に差し戻すべきです。

2.活断層の連動を考慮に入れていない
 関西電力は、大飯原発の耐震安全評価において、活断層の連動を十分に考慮に入れていません。保安院の地震と津波に関する意見聴取会では、委員全員から、大飯原発周辺の3本の活断層について、連動評価を行うべきとの厳しい意見が出ました。関電はこれに抵抗し、半年かけて追加調査を行うとしています。関電が行った、連動を考慮した仮の地震動評価では、改訂指針による耐震安全評価(バックチェック)で用いた基準地震動Ssを上回っています。保安院はこの評価について、入力条件を示すよう求めています。連動を評価した場合には、基準地震動Ssが大きくなることから、バックチェックはやり直しになるはずです。班目委員長は、福島原発事故を受けて、指針類の見直しが必要だと述べていますが、大飯原発については、今ある耐震安全指針すら満足していないということになります。この問題で次の意見聴取会が3月28日に行われます。これを待たずに安全を確認することはできないはずです。

3.津波の想定
 保安院は、ストレステストの判断基準として、福島原発事故を繰り返さないことを挙げています。しかし、大飯で用いられている津波の想定は11.4メートルで、福島事故の14メートルよりも低い想定です。これについて、検討会で保安院は、福島ではもともとの想定高さプラス9.5メートルの津波が来たので、大飯もそのようにしたと説明していますが、関電などが行った津波跡調査は、地震・津波に関する意見聴取会でも不十分だとの結論となり、再度の詳細調査が実施される予定です。また、津波が斜面を駆け上る「遡上」の効果については、全く評価していないことが検討会で明らかになりました。これらのことから、現在のストレステスト一次評価の津波の想定および評価は、まったく不十分だと言わざるをえません。

4.福島原発事故の原因究明を待つべき
 福島原発事故については、原因究明も終了していません。これでどうして福島原発事故を繰り返さないなどと言えるのでしょうか。福島原発事故では、地震により配管が破損した可能性が指摘されています。政府事故検証委員会中間報告も保安院も可能性を否定しておらず、現地調査が必要であることを認めている。国会事故調査委員会はこの問題に正面から取り組んでいます。保安院は、大飯原発のストレステスト評価にあたって、福島原発事故で配管が破損した可能性については全く考慮していません。少なくとも国会の事故調査委員会の結論を待つべきです。

5.外部有識者の具体的な質問に答えていない
 検討会では、外部有識者から、緊急時の要員の確保はどうするのか、アクセスルートの確保をどうするのか、瓦礫の撤去にどれくらい時間がかかるのか、要員の質はどうか、主任技術者をどう配置するのか、津波の遡上をどう評価するのか、他の号機がシビアアクシデントとなり放射能が出ていたらどうするのか、堤防のかさ上げはいつ行うのか、手順にあるバルブの手動操作は緊急時に本当に可能なのか、など具体的な質問が出ました。保安院は、それは「二次評価で」、「今後の課題に」、「引き続き検討します」など問題の先送りに終始しました。まもなく消滅しようとしている原子力安全委員会で語られる「今後の課題」に一体どれほどの意味があるのでしょうか。原子力規制庁でというのであれば、この確認作業そのものも原子力規制庁に委ねるべきでしょう。基礎ボルトなど機器の強度について安全率を削って評価している問題など、保安院のストレステスト意見聴取会で回答しきれていない質問についても置き去りにしたままである上に、3月4日付で市民団体(福島老朽原発を考える会・FoE Japan)が提出した*公開書簡にも回答していません。

6.傍聴者の締め出し
 今回の検討会での審議が、結論を得ることを優先したアリバイ的なものであることは、異常に過密な審議日程と、傍聴者への対応にも表れています。傍聴者の発言の多くは、手続きの不合理さ、審議が尽くされないことに対するやむにやまれぬ意見の表明でした。二次評価が一体いつになるのかという質問には最後まで説明がありませんでした。最終回に、会場から傍聴者を締め出したのは、公開の場で緊張感をもって議論を行うという「傍聴」制度の意義を無にした行為であり、明らかに行き過ぎです。

7.広く市民の意見をきく公聴会の開催を
  大飯3・4号機の運転再開の手続きは、その後の原発の運転再開の基準となります。その意味ですべての市民、国民が影響をうける可能性があります。現在の形式的な意見受付だけではなく、一般市民や住民からの意見聴取が必要です。私たちは当事者であり潜在的な被害者です。専門家のみによって進められる審査・確認では全く不十分であり、広く市民の声をきく公聴会を開催すべきです。

*公開書簡 http://dl.dropbox.com/u/23151586/120304_letter_anzeniinkai.pdf

福島老朽原発を考える会(フクロウの会)
国際環境NGO FoE Japan(地球の友ジャパン)
国際環境NGOグリーンピース・ジャパン
原発を考える品川の女たち
福島原発事故緊急会議
再稼働反対!全国アクション
プルトニウムなんていらないよ!東京

問合せ先:090-8116-7155 阪上(フクロウの会)
================================================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●茶番劇「ストレステスト」に反対する

2012年02月12日 01時10分32秒 | Weblog


CMLの記事(http://list.jca.apc.org/public/cml/2012-January/014227.html)。かなり前に出ていた記事で、緊急声明でしたが、アップする時期を逸してしまいました。

 ストレステストそのもの、および、その意見聴取会が如何に猿芝居・茶番劇であるかについては、他の記事でも触れました。

   『●真っ当な批判「ストレステストはお手盛り審査」
   『●ストレステスト意見聴取会という茶番または猿芝居
   『●懲りずに原発推進の旗を振る者達でさへ無視できない存在としての小出裕章さん

 ストレステストは茶番劇であり、原発再稼働への既成事実作りです。原発輸出も同様。ストレステストをやる前から、答えは出ている訳です。原子力ムラの住人が自ら「危険だから止めましょう」などという〝計算結果〟〝シミュレーション結果〟を出すなんて、考えられませんもの。政治家やマスコミ、学者もそれに加担しているのですから、被災者や被爆者、原発の周辺住民は全く救われません。

================================================================================
http://list.jca.apc.org/public/cml/2012-January/014227.html

[CML 014374] 「脱原発世界会議」登壇者有志がストレステストに緊急声明!
・・・・・


飯田哲也さん、金子勝さん、松田美由紀さん、山本太郎さんら
「脱原発世界会議」登壇者16人がストレステストによる原発再稼働に関して緊急声明!
枝野経産相と原子力安全・保安院に送付!

東京の杉原浩司(福島原発事故緊急会議/みどりの未来)です。

11500人が参加した「脱原発世界会議」(114日・15日/横浜)の登壇者有志(16人)が15日、ストレステストに関する緊急声明を公表。枝野幸男経産相の国会事務所、経産省広報課、原子力安全・保安院の原子力安全技術基盤課(ストレステスト担当)に本日16日(月)午前11時にファックスにて送付しました。また、報道機関にも公表しました。

経産省・保安院は118日(水)(午後16151915)に開催される第7回「ストレステストに係る意見聴取会」において、関西電力 大飯原発34号機の「安全性は十分とする評価案を提示しようとしています。「利益相反」の疑いのある3委員を辞めさせず、傍聴者を締め出してまで、あらかじめ決めたスケジュールで押し切ろうというわけです。「311」を経た現在、こうした旧態依然たる「原子力ムラ」の手法は許されません。

この緊急声明は115日の脱原発世界会議の場において、5時間程の間に急きょまとめられたものです。多方面から連名が集まっていることに加えて、政府の原子力・エネルギー政策の策定に関わる審議会の委員でもある飯田哲也さん、金子勝さん、伴英幸さんが参加されていることも特徴です。

18日の意見聴取会が迫っています。より多くの人々にこの声明を伝えて、現在進行中の危険な事態を止めることにつながるよう力をお貸しください。

転送、ツイッター、フェイスブック、ブログ等でぜひ広めてください!


[転送・転載大歓迎/重複失礼]
…………………………………………………………………………………

<緊急声明>

経済産業大臣 枝野幸男 様
原子力安全・保安院長 深野弘行 様

「ストレステスト意見聴取会」について傍聴者締め出しの撤回と「利益相反」委員の解任を求めます

 東電福島原発事故により、地球上の大地も川も海も空も食物も放射性物質で汚染され、世界中の人々が影響を受けています。今、世界中が福島事故の収束と日本の今後の脱原発政策の早急な実施に注目しています。

 私たちは、福島のような事故を二度と繰り返さないために114日から15日まで横浜で開催された「脱原発世界会議」に出席するために集まりました。日本側登壇者の責任において、以下を緊急に要請します。

 枝野経産大臣は、就任時に情報公開を強く指示されたと聞いています。即時に善処してください。


1 傍聴者を会議会場から締めださないで

 次回118日のストレステスト意見聴取会には、会議室での傍聴が許可されないと発表されました。定期点検中の原発の再稼働問題が緊急の重要課題である現在、それに緊密に関わるストレステスト意見聴取会は、密室で議論されるべきではなく、会議室での傍聴を許可することが民主主義の原則に従うものです。
 是非とも同室で傍聴できるように善処願います。


2 利益相反行為を許さず、原発業界から寄付を受けている委員を解任して

 司会役の岡本孝司委員を含め、原発業界から寄付を受けている委員たちが3人もこの会の進行を主導していることは、許されません。原発大事故のあとの原発の再稼動にかかわる重要事項の決定に、利益相反行為の可能性のある者たちを起用することは、言語同断です。即刻、岡本孝司、山口彰阿部豊の3委員を解任して下さい。


以上、強く要請します。

2012115

脱原発世界会議 登壇者有志

雨宮処凛 作家・活動家
飯田哲也 環境エネルギー政策研究所(ISEP)所長
岩上安身 ジャーナリスト・IWJ 代表
金子勝  慶應義塾大学経済学部教授
鎌田慧 ジャーナリスト
河合弘之 弁護士・脱原発弁護団全国連絡会代表・浜岡原発差止訴訟弁護団長
川崎哲 ピースボート共同代表
阪上武 福島老朽原発を考える会代表
鈴木かずえ 国際環境NGO グリーンピース・ジャパン
アイリーン・美緒子・スミス 環境ジャーナリスト、グリーン・アクション代表
豊田直巳 フォトジャーナリスト
伴英幸 原子力資料情報室共同代表
マエキタミヤコ 広告メディアクリエイティブ(サステナ)代表
松田美由紀 女優・写真家
満田夏花 国際環境NGO FoE Japan 理事
山本太郎 タレント・俳優
(アイウエオ順)

連絡先:「脱原発世界会議」実行委員会
(この件問い合わせ:グリーン・アクション 090-3620-9251 スミス)

………………………………………………………………………………


傍聴締め出しの撤回と岡本孝司、山口彰、阿部豊の3委員の辞任、そして、大飯34号機の評価案提出を強行しないよう、緊急に要請して下さい。短いもので構いません。新聞等への投書も有効です。

【経産省】
広報 (FAX03-3501-6942

【原子力安全・保安院】
代表 (TEL03-3501-1511
広報課 (TEL03-3501-5890
原子力安全技術基盤課(ストレステストを担当)
FAX03-3580-5971 (TEL03-3501-0621

メールによるお問い合わせ:ご質問・ご意見(保安院HP)

https://wwws.meti.go.jp/nisa/index.html

【枝野幸男経産相】
[国会事務所]
FAX03-3591-2249   TEL03-3508-7448
[地元・大宮事務所]
FAX048-648-9125  (TEL048-648-9124
================================================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●子供たちをモルモットにするのか? ~福島県民の罪悪感~

2011年06月26日 01時56分21秒 | Weblog


Web Iwakami(http://iwakamiyasumi.com/)の6月21日の記事(http://iwakamiyasumi.com/archives/10433)。

 なぜこんな人が福島県のアドバイザーに? 平気で子供を犠牲にしてはいないでしょうか?
 会見での「罪悪感」、「子供たちがモルモットに」という言葉が印象に残りました。

==========================================
http://iwakamiyasumi.com/archives/10433

2011/6/21「山下俊一氏を解任することを求める県民署名」ほか、記者会見

6
21日に開かれた、「山下俊一氏を福島県の放射線リスク・アドバイザーなどから解任することを求める県民署名」「福島の子どもたちを守るための緊急署名」の記者会見のUstreamアーカイブです。後段に配布された資料と関連動画のリンクを掲載しています。

出席者:
中手聖一/「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」代表
阪上武/福島老朽原発を考える会代表(フクロウの会)代表
青木一政/福島老朽原発を考える会・放射能測定プロジェクト
アイリーン・美緒子・スミス/グリーン・アクション代表
鈴木かずえ/国際環境NGO グリーンピース・ジャパン 核・エネルギー担当
満田夏花/国際環境NGO FoE Japan 理事
後藤忍/福島大学准教授
==========================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●GPJ「クジラ肉裁判」と検察審査会

2011年02月13日 09時23分25秒 | Weblog

『きっこのブログ』の2月7日の記事「「見ちゃう派」と「見ない派」」(http://kikko.cocolog-nifty.com/kikko/2011/02/post-73c9.html)では、他人の携帯を無断で覗き読むかどうかにからめて、グリーンピース・ジャパン(GPJ)のクジラ肉裁判の件が語られています。GPJ職員の行為が違法であったとしても、まだしもクジラ肉横領者も有罪であったならば、職員たちも納得がいくだろうという趣旨。賛成。

 ただし、実際には、「クジラ肉裁判」でGPJ側は地裁で敗訴している(『創』2010年11月号)。面白いことに、森裕子森ゆうこ)議員が指摘するように審査員を恣意的に選出してまで(くじ引きソフト不正など)、小沢氏の件ではあれほど検察審査会が〝熱意〟ある活躍をしているのに、一方で、クジラ肉横領事件を東京地検はあっさりと捜査を打ち切り、おまけに、検察審査会も「おとがめなし」の極あっさりした結論を出している(『創』2011年1月号森達也さん)。検察審査会の運営が非常に恣意的、不平等、正義にもとる。森さんは、尖閣映像流出問題と対照的な事件として、日本の状況のある種の危険性について、私事に矮小化されてしまった「西山太吉記者の密約暴露」に加えて、「クジラ肉裁判」を取り上げてもいる。

 
星川淳さんの『創』文章を再度引用させてもらいます。
 
志布志事件と云う冤罪事件・捏造事件にも若干の関わりがある点が興味深い。小沢氏の件も、村木事件という大冤罪事件・大捏造事件に関係していますし。
 
GPJ職員に「形式上の罪を問うとしても過重な懲罰を与えてはならない」ことは当然としても、クジラ肉横領者を無罪放免にすることには非常に大きな問題があります。

==========================================
 星川淳さん、「[グリーンピース裁判]特別寄稿/「クジラ肉裁判」判決間近/税金ドロボーはどっちだ!?」(pp.122-127)。「・・・若い検察官(・・・志布志事件の担当・・・)は「NPOの分際で捜査機関さえ令状がなければできないことをやったのは絶対に許せない!」と啖呵を切った。私は〝正義の番人〟のはずの検察官が民主主義の真逆を口にする司法教育の崩壊ぶりに驚き呆れ、心の中で徹底抗戦を誓った」。「・・・青森地裁、仙台高裁、最高裁の全てが証拠開示の必要なしと判断した。原告側・弁護側が対等に争う条件である証拠の全面開示なしに、どうして公正・公平な裁判が可能だろう? 国策扱いの調査捕鯨を国家ぐるみで必死に守ろうとする姿勢は戦前・戦中を思わせる」。「・・・国際人権(自由権)規約に基づき、おおよそ次のように立論する。民主社会において一般市民やジャーナリストやNGO職員が公共の利益のために政府などの不正を明らかにしようとする際、やむを得ず法律の枠を踏み越えた場合は、その行為によって得られた公共の利益と、失われた法益とを秤にかけ、前者の方が大きければ許容(違法性阻却)されるべきだし、かりに形式上の罪を問うとしても過重な懲罰を与えてはならない。なぜなら、不均衡で過重な懲罰は市民による政府監視を委縮させるからだ、と―――。・・・西山事件や立川・葛飾ビラ入れ事件などについても同様なことがいえる」。
==========================================
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●『創(2011年1月号)』読了

2011年01月29日 00時45分30秒 | Weblog

『創』(2011年1月号)、1月に読了。

 佐高信さん、「ニッポン文化低国を撃つ!/筆刀両断!/場当たり主義の総理大臣 菅直人」(pp.74-75)。第一の罪は、「まず、前原誠司を外相にしたこと」。「第三には、・・・一転して企業・団体献金の受け入れ再開を表明したことである。これではまさにサギだろう。オポチュニストどころか、完全に詐欺師である。/さらに、菅政権は「武器輸出三原則」の見直しを言いだした。経団連から金をもらうのと引き換えに彼らの言い分を聞くというわけで、宇都宮徳馬の弟子を自任していた往年の菅はどこへ行ったのだと驚きを通りこして呆れ返るばかりだ」。

 鈴木邦男さん、「言論の覚悟/三島事件から40年」(pp.76-79)。鈴木さんなので仕方のない側面はありますが、なぜ三島由紀夫をそこまで評価するのか、理解に苦しむ。
 「・・・かつては改憲論をリードし、自民、民主、読売新聞の改憲案の先導者だった小林節・慶応大学教授は「もうこんな連中とはやってられない」と降りてしまった」。

 森達也さん「極私的メディア論/第57回 尖閣映像流出とポピュリズム」(pp.84-87)。安倍晋三氏のお笑いブログ、「誰が愛国者か?」。こっちが聞きたいよ! 石原慎太郎都知事も、「国家の英雄」だってさ!? 「・・・近代司法における最重要な原理である罪刑法定主義は否定され、この国の近代司法国家の看板を下ろさねばならなくなる」。
 尖閣映像流出問題とは対照的に、「・・・鯨肉横領が行われているとの内部告発を受けたグリーンピース・ジャパン(GPJ)は、業務上横領で船団乗組員12名を告発した。・・・。/しかし鯨肉横領について東京地検は、「嫌疑なし」として捜査をあっさりと打ち切っていた。さらにGPJによる検察審査会への審査申し立ても、結局は「不起訴相当」とされた」。
 ベトナム戦争についての極秘報告書「ペンタゴン・ペーパーズ」を提供した「エルスバーグに対する政府の訴追も裁判所から棄却された。/ところが日本では同年、毎日新聞の西山太吉記者が政府の密約と国民への背信行為を暴く記事を紙面に掲載したが、国民はこの取材にまつわる不倫問題により強く関心を示し、結果として外務省密約はないものとされた。/・・・民意とジャーナリズムのあり方はこれほどに違うのかと、暗澹たる気持ちになる」。「・・・ところが日本における民意形成は、政府の説明責任や不正を追及する方向ではなく、一時の感情に煽られながら暴走する傾向が明らかに強い」。
 映像は〝加工〟され、日本人を暴走させる。「・・・映像は、衝突の瞬間をコアにしながら編集されている。・・・。/映像が訴える力は、視点や編集によってまったく変わる。・・・。/・・・映像によって民意が恣意的に先導される可能性も増大することになる。/・・・この国は今、とても際どい状況にあることを実感する」。

 可決されてしまいました・・・。長岡義幸さん、「推進側は12月半ばの可決狙い!? 性表現規制の都条例改定問題再び勃発」(pp.92-97)。いわゆる「非実在青少年」問題。

 不用意な発言のツケで、取材テープ提出を神戸地裁に命令。即時抗告して、高裁では、テープ提出命令は却下された。田原総一郎・山川洋一郎氏、「「取材源秘匿」をめぐる重大事態/裁判所の取材テープ提出命令は誤りだ!」(pp.110-115)。こんな前例ができては危険。

 裏金問題で、北海道警の猛烈な圧力と巻き返しで腰砕けの道新。高田昌幸氏、「10月の高裁判決に疑問を呈す! 「道警裏金本訴訟」当事者による中間総括」(pp.116-121)。道警元幹部による報復。「新聞記事は訴えず、書籍内の逸話を提訴」。裁判所もエコひいき。

 大槻ケンヂ×森達也対談、「視点が変われば世界が変わる」(pp.122-131)。アイヒマンの法廷ドキュメンタリー映画「スペシャリスト」にみる「忖度」の世界。「 ・・・『A3』・・・。/ ・・・つまり側近が麻原のメディアだった。/・・・麻原は自らを「最終解脱者」と呼称してしまった。だから情報の確認ができない。何か言われたときに「それは本当か」と問うことができないわけです。・・・全肯定するしかない」。

 「永六輔[放送タレント]×矢崎泰久[元『話の特集』編集長]ぢぢ放談/第18回 勲章なんて知らない!」(pp.132-139)。リード部分、「この時期話題になる秋の叙勲だが、お上が授ける勲章を唯々諾々と受け取る、あるいは積極的にほしがる人もいる。そんな現状に、2人がこれでいいのかと疑問を呈する」。文化功労者を和田誠さんや岸田今日子さんは拒否。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●『創(2010年9・10月号)』読了

2010年10月17日 04時54分29秒 | Weblog

『創』(2010年9・10月号)、9月に読了。

 「鈴木邦男さん顔面殴打出血!/7月3日、渋谷映画館前で「ザ・コーヴ」上映めぐる乱戦」(p.13)。「主権回復を目指す会」の弱い者イジメに対しての攻防。

  上杉隆氏、「『週刊ポスト』大反響キャンペーンの舞台裏/“タブー中のタブー”マスコミ官房機密費問題の闇」(pp.30‐38)。「マスコミが受け取ることの深刻な意味合い」、「「メモ上げ」など記者クラブ問題と直結」。野中広務さんの暴露。

 篠田博之編集長、「無事に全国上映開始/「ザ・コーヴ」上映中止騒動のその後の経緯」(pp.40-43)。
 鈴木邦男綿井健陽安岡卓治・針谷大輔・吉岡逸夫さん「公開日の夜、右翼も交え白熱応酬/「ザ・コーヴ」公開初日の怒号激論」(pp.44-55)。 

 佐高信さん「タレント文化人筆刀両断!/木村剛をさんざん持ち上げた田原総一郎ら」(pp.80-81)。「・・・木村を金融庁の顧問に抜擢した竹中平蔵である」。

 鈴木邦男さん「言論の覚悟/再審請求中!」(pp.82-85)。「和歌山カレー事件」の林眞須美さん。鈴木さんは「林眞須美さんを支援する会」代表。森達也さんの『死刑』安田好弘弁護士。

 森達也さん「極私的メディア論/第54回 ザ・ベストテレビとローカル局」(pp.90-93)。「たとえ賞を取ったとしても、ローカル局のドキュメンタリーは、なかなか陽の目が当たらない。・・・ゴールデン枠で放送したっていいはずだ。でもそんな英断はめったにない。/・・・視聴率獲得のコンテンツとして評価されていないことに加えて、・・・大スポンサーであるトヨタを強く批判した毎日放送の「夫はなぜ、死んだのか ~過労死認定の厚い壁~」(「地方の時代」映像祭08年度グランプリ)や日本中から批判された光市母子殺害事件弁護団のドキュメンタリー「光と影 ~光市母子殺害事件弁護団の300日~」(08年日本民間放送連盟賞報道番組部門「最優秀」賞)などのように、放送しづらい作品が多いからだ。/・・・間違いなく一つの要素だ。/志ある作り手たちは、まだまだローカル局には大勢いる。彼らを応援してほしい。彼らの作品を見て欲しい。/きっと、まだまだテレビは捨てたもんじゃないと思えるはずだ」。

 山本直樹・長岡義幸さんら「反対運動の当事者たちが一堂に会して/「非実在青少年都条例改定をめぐる大議論」(pp.98‐109)。

 星川淳さん、「[グリーンピース裁判]特別寄稿/「クジラ肉裁判」判決間近/税金ドロボーはどっちだ!?」(pp.122-127)。「・・・若い検察官(・・・志布志事件の担当・・・)は「NPOの分際で捜査機関さえ令状がなければできないことをやったのは絶対に許せない!」と啖呵を切った。私は〝正義の番人〟のはずの検察官が民主主義の真逆を口にする司法教育の崩壊ぶりに驚き呆れ、心の中で徹底抗戦を誓った」。「・・・青森地裁、仙台高裁、最高裁の全てが証拠開示の必要なしと判断した。原告側・弁護側が対等に争う条件である証拠の全面開示なしに、どうして公正・公平な裁判が可能だろう? 国策扱いの調査捕鯨を国家ぐるみで必死に守ろうとする姿勢は戦前・戦中を思わせる」。「・・・国際人権(自由権)規約に基づき、おおよそ次のように立論する。民主社会において一般市民やジャーナリストやNGO職員が公共の利益のために政府などの不正を明らかにしようとする際、やむを得ず法律の枠を踏み越えた場合は、その行為によって得られた公共の利益と、失われた法益とを秤にかけ、前者の方が大きければ許容(違法性阻却)されるべきだし、かりに形式上の罪を問うとしても過重な懲罰を与えてはならない。なぜなら、不均衡で過重な懲罰は市民による政府監視を委縮させるからだ、と―――。・・・西山事件や立川・葛飾ビラ入れ事件などについても同様なことがいえる」。

 「永六輔[放送タレント]×矢崎泰久[元『話の特集』編集長]ぢぢ放談/第15回 常識なん知らない!」(pp.128-135)。「本質を衝かない大相撲賭博報道」。「矢崎 オレが気になったのは、川田龍平なんだよね。・・・みんなの党に入党しちゃった。/永さんもオレも彼が無所属だから応援したのに、一種の変節ですよ。彼が立候補したときに掲げた理念って、みんなの党の渡辺喜美とは絶対合わないはずなのに・・・。/ だいたい、みんなの党の「みんな」って押しつけがましいよね。「あんたの党」でいいんじゃないの(笑)/矢崎 みんなの党って、理念的には市場原理を重視する新自由主義でしょう。・・・おれからすると、ああいう漁夫の利で伸びてくるのが気持ち悪いナチスが誕生したときに似ている」。

 浅野健一さん、「本紙8月号鼎談をめぐって/「記者クラブ解体論」は過激すぎる!?」(pp.146-149)。「本多勝一さんは、記者クラブに入れない人たちが、人種差別、職業差別だと主張して、記者クラブと官庁を集団提訴しようという話があったが、実現しなかった」。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする