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Activated Sludge ブログ ~日々読学~

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●『キャプテン・アメリカはなぜ死んだか/超大国の悪夢と夢』読了(1/3)

2010年04月11日 05時14分32秒 | Weblog

キャプテン・アメリカはなぜ死んだか/超大国の悪夢と夢』、4月に読了。町山智浩著。太田出版。2009年1月刊(第2刷、2009年1月第1刷)。

 銃撃事件について「アーミッシュが犯人を許したことは、テロへの報復戦争を続けるアメリカに衝撃を与えた」(p.14)。
 〝レイア姫〟キャリー・フィッシャーの衝撃(pp.50-53)。
 「晴れた日に洗濯物を干す自由を我等に!/外に洗濯物を干すと訴えられるアメリカ」(pp.54-56)。洗濯機と乾燥機が無く外に物干しがあるような場所の不動産価値を気にするらしい・・・。日本もそういうことをいう馬鹿が居るな。「アメリカは石油をバカバカ燃やして世界で最も二酸化炭素を放出しているだけじゃなく、各家庭でも乾燥機で電気やガスを無駄遣いしている」。京都議定書の失敗を言う資格があるの?
 レリジュラス宗教Religion+アホらしいRidiculous)。「天国は素晴らしい? じゃ、今、死ねば?/信心深い人々にポーカーフェイスで突っ込みまくる宗教 ドキュメンタリー」(pp.61-65)。天国に行けるのはキリスト教徒だけ? 聖書原理主義福音派 キリスト教徒宗教が人々を救わず、狂わすばかり。進化論を教えさせないばかりか、「キリスト教右派は創世記を科学っぽく理論武装して「高度な知性(神)が生物をデザインした」とする「創造説」で進化論に対抗」している。つまり、IDという疑似科学ニセ科学似非科学。「聖書以外、何も知らない、知ろうとしない福音派の独善はブッシュよりもひどい」。
 フィル・スペクターの暴走(p.117、185)。
 マルコムX(p.124)。

 「大企業をおちょくるお笑いテロイエスメン」」(pp.138-142)。「・・・ハリケーンカトリーナで破壊されたニューオリンズの復興事業をブッシュ政権から請け負ったのは、石油業者のハリバートンだ。/・・・イラクの戦後復興もブッシュ政権から受注している」。新自由主義者どもの醜い姿。「イエスメンは偽サイト・・・、よく読むとブッシュ石油業界の癒着、コカイン使用、飲酒運転での検挙歴などが褒め殺し口調で書かれている。これに怒ったブッシュはテレビで「表現の自由は規制する必要がある」と発言して物議をかもした」。さらに偽善者の真の姿を暴露。「・・・グローバリズムの牙城WTO(世界貿易機関)の偽サイト、Gatt.org(GattとはWTOの前身)を作って、発展途上国の奴隷労働や環境破壊を告発した。/面白いことに、これを本物のWTOと勘違いしたマスコミや学界からイエスメンに取材や講演の依頼が飛び込んだ。・・・ケーブルてTV局・・・に出演してグローバリゼーションに反対する運動家を口汚く論破した!/・・・「発展途上国の人間を家畜だとでも思っているのか!」。・・・WTOとして答えた。「思ってません。すでに彼らは家畜として扱われていますから」/そしてついに偽WTOのイエスメンはオーストラリアの学会でこう発表した。/「我々WTOは今までの非人間的な行為を反省して解散し、国連の人権宣言を実現するための団体として生まれ変わります」/これは大ニュースとして報道され、・・・信じて・・・。インドの工場で有毒ガスを漏出させ、数万の命を奪っておきながら補償を拒んできたダウ化学のスポークスマンのふりをしてイエスメンが「数十億ドルの賠償をします」と宣言した時もBBCが大ニュースとして世界に配信した」。最後に、「イエスメンは08年11月12日、ニューヨークの路上で「イラク戦争終結」「ブッシュ元大統領を国家反逆罪で起訴」といった見出しを打った本物そっくりの『NYタイムズ』紙120万部を配った。社説も広告も全部ニセモノで、配るために数千人のボランティアが協力した。取材に対してイエスメンは「こうなったらいいなって願望さ」と答えた」。
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●『キャプテン・アメリカはなぜ死んだか/超大国の悪夢と夢』読了(2/3)

2010年04月11日 05時12分58秒 | Weblog

【町山智浩著、『キャプテン・アメリカはなぜ死んだか/超大国の悪夢と夢

 オリバー・ストーン監督の映画『W.』について。「・・・チェイニーは石油のことしか頭にない。/・・・「湾岸戦争でパパが倒せなかったフセインを私がやっつけてみせよう」と。/それぞれが勝手な思惑で始めたイラク戦争。・・・しかしビジネスの才能はなく、どれも失敗。酒に逃避し、酔っ払い運転で警察に捕まった。/・・・ますます酒に溺れるようになった。ローラ夫人は真剣に離婚を考えた。/そのアル中地獄のドン底でブッシュは突然神の光に打たれた。・・・福音派キリスト教徒として「再誕」する。・・・/・・・キリスト教原理主義という西部男のスタイルを演じた。・・・ただ父を見返すために。/・・・ブッシュは父の愛を求めて3000人を超えるアメリカ兵と10万人を超えるイラク人の命を奪った」(pp.126-131)。

 村上隆作品に代表されるアート市場の如何わしさ。「こういう詐欺まがいの商売を見ると、自分がいかに地道に働いているのか実感できる」(p.169)。
 アメリカ放送禁止歌(pp.181-183)。ラジオ局の重要さ(pp.199-202)。
 「・・・スーパーマンのユダヤ性にアメリカ人はまるで気づいていなかったが、ナチス・ドイツはさすがに敏感で、宣伝相ゲッペルスはスーパーマンをユダヤ的だと決めつけて禁書にしている。/・・・思い出したのは力道山だ。朝鮮人でありながら日本人の愛国心を鼓舞して国民的ヒーローになった力道山は、日本のスーパーマンだったのだ」(p.222)。
 「それに対して日本のアニメ、いやTVドラマでもいい、身体障害者や被差別出身者、いや片親の子供が「テーマ」ではなく「日常」として当たり前に登場することがあるだろうか?/・・・『おかあさんといっしょ』という番組名を耳にするたびに母のない子供がどれだけ傷ついているか考えたことはあるだろうか? 「普通という無意識の均一主義がいまだ日本には横溢しているのだ」(p.256)。
 「モーガン・スパーロックの実験TV『30デイズ』」(pp.257-258)。「実験25日目、デイブはイスラム教徒に対する差別に抗議する署名運動に参加する。・・・しかし道行く人は「お前らアメリカから出ていけ!」とデイブに悪罵を浴びせる。25日前のデイブもそうだったのだ。/・・・少数派の気持ちは自分で経験しなければ決してわからない。日本でも「外国人を追い出せとか騒いでる奴に30日間だけ中国韓国人の名前で生活させる番組を作ればいいのに」。

 「アイアンマンは一人軍産複合体/ベトナムアフガン、繰り返す失敗」(pp.242-245)。「・・・ベトナム戦争は激化し、米軍のナパーム爆撃で全身焼けただれるベトナムの少女やソンミ村で米軍に虐殺された赤ん坊や老人の死体がアメリカのテレビで連日放送された。ベトナムの民衆を踏みにじる悪の軍団はアメリカの方だった。・・・/今回の映画『アイアンマン』では主人公・・・ゲリラに拉致される。ゲリラは・・・水責めで拷問したり、民間人を爆撃したりするが、それはアメリカがアフガンイラクでやってることじゃん!/・・・ショックを受け、記者会見で「もう兵器製造はやめます!」と発表する。今で知らなかったのかよ! アメリカはアフガン・ゲリラにもイラクフセイン政権にも軍事援助してたんだよ!」。
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●『キャプテン・アメリカはなぜ死んだか/超大国の悪夢と夢』読了(3/3)

2010年04月11日 05時09分55秒 | Weblog

町山智浩著、『キャプテン・アメリカはなぜ死んだか/超大国の悪夢と夢

 パリス・ヒルトン〝脱走〟事件。「パリスの弁護士と精神科医・・・自宅監禁に切り替えさせたのだ。・・・/検察や郡裁判所には山ほどの怒りのメールが殺到。・・・「皆さん、私のことよりもイラクアフガンで戦ってる兵隊さんたちを心配して下さい」って戦時中に遊び呆けてたあんたが言うセリフか!」(pp.322-323)。

 「トム・クルーズは宇宙の帝王と戦っている/サイエントロジーのトンデモ教義」(pp.324-326)。「・・・「勉強法」や「能力開発」などとっつきやすい入口の奥に過激な教義を隠している・・・」。「トムは・・・ブルック・シールズが・・・抗うつ剤を飲んだことを批判して「精神医学なんてものは疑似科学だ!」と叫んだ。同じころ、サイエントロジストたちは精神医療に反対するデモを行い、トラボルタの妻も参加した。/アメリカの精神科医の薬漬け医療はたしかに問題だけど、なぜ、・・・敵視するのか? その理由は秘密の教義に隠されている。/・・・だから精神科医は悪の手先だというのだ!/こんな与太話、信じられるか!/・・・トムは「交通事故現場を通りかかっても、サイエントロジストなら彼らを助けることができる」とまで言っている。何を信じても自由だけど、あんたは医者でも救急隊員でもないんだぞ!」。信じることが目的ですものね。

 「ブッシュ政権と癒着したFOXの戦争イケイケ報道・・・。ハリケーン・カトリーナ・・・大洪水に際して、FOXはブッシュの対応のまずさをまるで批判せず、視聴者をいらだたせた。」それに対して、CNNのアンダーソン・クーパー。『12人の怒れる男』の巨匠シドニー・ルメットと縁戚。

 「アメリカは10代少女の妊娠が先進国で最も多く、彼女たちは学歴社会から落ちこぼれてワーキング・プアになる。・・・/・・・ガキから金を巻き上げる商人どもは次々にジャリタレをスターにして、アブク銭と名声を与えてダメ人間にして使い捨てて、また次の生贄を探すのだ」。

 あとがきでの出版までの経緯。「連載は突然中止、単行本は出ない。・・・『週刊現代』で僕の連載が終わって始まった新連載は、TVでオーラどうしたこうした言って占い師のスピリッチュアル(笑)エッセイ。ふざけんなバーカ!」(p.377)。
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