Activated Sludge ブログ ~日々読学~

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●『ウォーター・マネー/「水資源大国」日本の逆襲』読了(1/5)

2010年01月17日 19時58分54秒 | Weblog

ウォーター・マネー/「水資源大国」日本の逆襲/The Water Money:Japan Strikes Back ~石油高騰・食糧危機も恐くない~』、12月に読了。浜田和幸著。Kobunsha Paperbacks。2008年7月刊。CCのF書店でたまたま見つけて購入。

 タイトルおよび副題は過剰すぎるし、期待しすぎ。コモンズであるべき水やそのアクセス権を、単なる財物として新自由主義経済の下でビジネス(銭儲け)しましょ、というのが透けて見えてる感じ。水をコモンズとし、アクセス権を基本的人権としてとらえているのか、著者のスタンスが読み取れない。

 随所に、以前読んだ「Blue Goldやその他の本の中身が・・・。参考文献がついてないけど大丈夫?

 章建ては以下の通り。
第1章 地球を飲み込むウォーター・ショックの波
 (Mankaind May Be Drowing
     in the Global Water Shock)
第2章 ペットボトルから見えてくる水ビジネス
 (What Your Bottle of Evian Tells
            about the Water Economy)
第3章 世界に広がる水道事業の民営化 (The Global
         Reach of the Water Barons
第4章 ウォーター・ファンド 水と環境と農業で大儲け
 (How to Make Money from
               a Drop of Water)
第5章 逆襲する日本の「水テク・パワー」
 (Sunrise for
      Japanese Water Technology)
第6章 中国とロシア 巨大ダムと運河の水戦略
 (Building Dams, Digging Canals:
    the Emerging Water Strategies
                of Cjina and Russia)
第7章 水不足が引き起こすテロ
 (Do Terrorists Dream of
          
 Water Shortages)
第8章 水とエコロジー
 (Japanese Way of Water Management)

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●『ウォーター・マネー/「水資源大国」日本の逆襲』読了(2/5)

2010年01月17日 19時55分23秒 | Weblog

【浜田和幸著、ウォーター・マネー/「水資源大国」日本の逆襲/The Water Money:Japan Strikes Back ~石油高騰・食糧危機も恐くない~

 フードマイレージ、バーチャル・ウォーター(p.8)。仮想水“Virtual Water” and the Food Problem(p.106)。「日本では海外の水を1日1人当たり1000リットルは消費していることになる」、「穀物に関するバーチャル・ウォーターだけで、日本は毎年200億トン近い水を輸入している・・・世界で最も大量に水を使っている国民・・・。/“湯水のごとく水を使う”生活スタイル・・・」。「【図表3】 世界の1人あたり水資源量」の値(p.108)。

 2008年7月の洞爺湖サミットで、かの中川昭一衆議院議員は、「わが国の持つ水関連の技術をどのように国益増進に結びつけるかを検討し、官連携の下で日本が世界の水問題に対して強力な発言ができるような支援体制を組みたい」と抱負を語ったそう(p.23)。「国益」ね~・・・。「」って、「私企業化」・「私物化」して「銭儲け」しましょ、ってことかいな?

 「・・・中国ではすでに100を超える湖が干上がってしまっている。漢詩に詠われた太湖も汚染が進み、かつての面影はない」(p.24)。
 「・・・意外に思われようが、1リットルのバイオエタノールを生産するためには2000リットルの真水が必要とされる。・・・問題はこの水の代替物replacementが存在しないことだ」(p.27-28)。
 水道水の利水安全度について、「・・・実はその最大の理由は、水道管の老朽化agingにある。・・・アメリカの水道管の約25%は老朽化がはなはだしく、漏水water leakが日常化しているようだ。・・・2006年の時点で漏水率7%を誇る日本・・・/アメリカでは・・・2020年には全体の45%に達するとみられる。・・・/・・・アメリカ・・・1日平均すると600億ガロンもの水が漏れだしているようだ。このような水道関連施設の老朽化の問題を克服するために、民間からの投資private investmentに頼らざるを得ないとの意見が主流になりつつある。つまり民営化privatizationである」(pp.35-36)。さすが、新自由主義の元祖やね、水でもビジネス!  

 デイビッド・スズキ氏による水の「地産地消」運動(p.40)。「・・・冷凍ギョウザ事件以来、食の安全に対する消費者の関心・・・は高まる一方だ。安心して食べられる作物を育てるためには、地場で安心して使える水を確保することが第一歩といえよう」(p.42)。
 「ウォーター・バロンズ水男爵)」。「・・・ウォーター・バロンズが世界の水源地を支配下に置くような行動は、「水という自然の資源を特定企業の利益のために独占することにつながる」という批判・・・。/・・・デンマークでは2007年に新たな法律が制定された。これは、水の売買や水道事業から利益をあげることを企業に禁止するものである」(p.51)。さすが、北欧。憲法で禁じている国は世界にもある、オランダ(p.74)。
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●『ウォーター・マネー/「水資源大国」日本の逆襲』読了(3/5)

2010年01月17日 19時51分50秒 | Weblog

【浜田和幸著、ウォーター・マネー/「水資源大国」日本の逆襲/The Water Money:Japan Strikes Back ~石油高騰・食糧危機も恐くない~

 第3章に水道民営化の各国の現状が。「水男爵」たちの蠢き。スエズ、ビベンディ、テームズ・ウォーターといったビッグ3(p.70)。中国や中東についても。

「・・・イギリスの水道会社は海外で積極的な事業展開を続けているが、国内の水道サービス事業は外国企業によって提供されるという“ねじれ現象”の下におかれているのである」(p.59)。気づかぬうちに・・・、「2007年7月、フランスの水道事業大手「ベオリア・ウォーター」が、九州の福岡県大牟田市と熊本県荒尾市で水道事業を運営する権利を獲得した。日本市場への参入を虎視眈々と狙っていた外資foreign capitalが、初めて日本に橋頭堡を築いたのである。・・・/・・・2002年に改正水道法が施行されたことで、公営水道事業の外資参入に道が開かれた。2003年には地方自治体法も改正された結果、わが国においても水道事業が内外の民間企業に制度上in theoryは解放されたのである。/これまで水道事業の民営化に関しては、広島県の三次(みよし)市の例がある。・・・/・・・これら外国のウォーター・バロンズが日本における水道事業に熱い視線を向けるのは、日本の水源地water sourcesを押さえ、本から世界へ水を輸出する新たなビジネスプランを描いているからだ。なにせ日本の水のおいしさは世界でも指折りだからである」(pp.66-68)。そのビジネスとやらに一枚かんで金儲けするわけね。
 「・・・「発展途上国の経済発展economic developmentを後押しする」という大義名分の下で、アジア、アフリカ、中南米諸国に相次いで進出するようになったのである。その際、世界銀行融資loanをバックに、受け入れ国の政府から有利な条件conditionsで事業を展開する契約を結ぶのが常であった」(p.68、71)。フリードマンのシカゴ学派の下で洗脳された者どもによって。

 「・・・逆浸透膜・・・通常の5分の1の時間でだめになってしまう。中東では5年はもつものが、中国では1年もつかもたないか。・・・日本企業でも前処理に相当な工夫が・・・」(p.81)。厳しい批判・・・、かっての日本もそうだったのに、「・・・それだけの資金力や技術力があるにもかかわらず、自国の環境浄化のために投資する資金や水浄化のための技術開発は遅れたままである。見方を変えれば、中国の今日の経済発展は環境コストを無視ignoreした結果得られたものといえるのではないか。本来であれば、安全や安心を確保するために労働者の雇用条件labor conditionや工場周辺の環境整備に投入すべき資金をすべて無視することで、国際競争力のある低価格の商品やサービスの提供に努めてきたのである」(p.83)。
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●『ウォーター・マネー/「水資源大国」日本の逆襲』読了(4/5)

2010年01月17日 16時29分09秒 | Weblog

【浜田和幸著、ウォーター・マネー』】
 あのモンサントまで、あ~あ。「・・・種子の次に重要なターゲットになるのは水である。なぜなら、水がなければ生命は維持できないからだ。/確かにモンサントは、世界各地の水関連企業や水源地の利権確保に余念がない。モンサントが世界の水支配に本格的に取り組み始めたのは、1999年のことである。・・・最初のターゲットになったのは、インドとメキシコである」(p.91)。「計算高いモンサント」(p.93)。
 世銀だけでなく・・・どいつもこいつも。「2003年夏、日本の京都で「世界水フォーラム」が開催された。IMF・・・理事長・・・水道事業の民営化を積極的に支援する講演を行った際、・・・市民団体・・抗議の意思を表明した。・・・「国際機関international organizationsの動きは、世界のウォーター・マフィアを利するだけだ。地球の公共財産common propertyである水を、一部の企業が独占することに国際通貨基金(IMF)が手を貸すことは断固として許さない」というものである」(p.95)。
 アメリカはイラク一体に何をやったのか? 「・・・世界最大の建設会社ベクテル。この会社は歴代の国防長官や国務長官を役員board memberとして数多く迎えており、その政治力は他の追随を許さない。彼らも途上国を中心とした水道のインフラ整備ビジネスに早くから着目し、積極的な市場開拓・・・。/ベクテルはアメリカのブッシュ政権とは特に緊密な関係を誇っており、イラク戦争で破壊されたイラクの水道復興事業reconstructionで巨額の利権を手に入れた。アメリカ政府からの指名入札を通じ勝ち取った契約は、なんと6億8000万ドル。水の流れる先には常にビジネスの香りがするようだ」(p.98)。

 ノーベル平和賞受賞者に期待している方々へ、その本質を。似非にして、原発推進者の「・・・元副大統領アル・ゴアも・・・意外にも巨万の富を確保しているようだ。・・・『不都合な真実』“an inoconvenient truth”・・・。/・・・「科学的に誤った内容を多数含んでいるため、わが国の高校生や中学生には見せないように」と、イギリスの高等裁判所が判断したほど、環境問題を政治的に利用しているとの見方も強い。/実は、報奨金を寄付されたNGOはゴア本人が設立し自らが理事長を務める団体にすぎなかった。表向き環境問題の守護神というポーズをとりながら、これでは環境問題をネタに利益追求に邁進するクールなビジネスマンといわれても仕方ないだろう。・・・ノーベル委員会に対して積極的なロビー活動lobbyingを行った結果が受賞につながったようで、・・・。/・・・しかもCO排出権取引市場をアメリカとヨーロッパに設立された結果、8年間で100億円を超える個人資産をindividual assetを築くまでになった」(p.99)。CO排出まで金儲けに使ってやがる。
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●『ウォーター・マネー/「水資源大国」日本の逆襲』読了(5/5)

2010年01月17日 16時16分49秒 | Weblog

【浜田和幸著、ウォーター・マネー/「水資源大国」日本の逆襲/The Water Money:Japan Strikes Back ~石油高騰・食糧危機も恐くない~

 「シャープ・・・マイクロナノバブル技術・・・廃水中に直径が0.1マイクロメートル程度の微細な泡を発生させ、希釈することなく泡の酵素の力で微生物の働きを活性化させる・・・。・・・汚泥が発生しない・・・」(pp.122-128)。「酵素」?? 「酸素」の誤植。コピペしないけど、この辺、随分ニセ科学の匂いが・・・。
 「・・・ポリシリカ鉄凝集剤PSI)の導入である。・・・(PAC)が広く使われてきた。/しかし、アルミニウムが人体に悪影響を及ぼす恐れが指摘されるようになり、特にアルツハイマー病との関連性・・・。その結果、開発されたのが鉄とケイ酸を主成分とする無機系・・・高分子凝集剤PSIである。・・・/・・・PSIを使った水処理で発生した汚泥・・・稲や野菜の収穫量が飛躍的に高まることも明らかになってきた」(p.140)。

 第6章では、再び中国について。「・・・河川や湖沼の水が飲料水としても農業用水としても使い物にならなくなってしまっている。/・・・下水の97%が何ら浄化処置をされないまま河川や湖沼に放出されているからである。風光明媚の代表的存在であった太湖(タイフー)の水も異臭を放つほど汚れてしまい、今では環境汚染の代名詞となってしまった」(p.144)。
 「気象改変の技術」(p.151)。「ロケットを使いヨウ化銀を打ち込んだり」って、大丈夫か?
 「・・・インドやバングラディシュなど周辺国にとっては、国家の存亡national survivalに関わる暴挙と受け止められている。・・・核保有国nuclear powerである中国とインドの間で第3次世界大戦が勃発することもあり得ない話ではない」(p.164)。正に『水戦争』。
 「涸れゆく長江」(p.164)。「水質汚染が止まらない」(p.167)。「長江と黄河の大汚染」(p.169)「中国の海産物は安全か」(p.173)。

 懐かしき偽ユダヤ人の名が! 「イザヤ・ベンダサンは『日本人とユダヤ人』」(p.194)。今時、こんなイカサマ人間が引用されるとは。

 
「水の年齢を計測」とか、「水パワーだけで動く車」とか、「マイナス電子を帯びた水」とか、・・・大丈夫か?

 「水という人類の共通財産commom assetはまさに宇宙からのプレゼントといっても過言ではない。そのような公共財産を一握りのウォーター・バロンや投資ファンドが、自らの利益their own benefitsのために独占しようとする動きはいかがなものか。ネスレユニリーバコカ・コーラアンハウザー・ブッシュダノンという世界の5大飲料メーカーだけで、年間5750億リットルの水を商品化している」(p.223)。日本もそれに乗り遅れるなー、って言ってるように聞こえるのだけれども・・・。
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