『差別と日本人』、12月に読了。辛淑玉[人材育成コンサルタント]・野中広務[元・衆議院議員]著。角川書店、角川oneテーマ21。2009年6月刊(2009年7月、五版)。
「第一章 差別は何を生むか」、「第二章 差別といかに闘うか」、「第三章 国政と差別」、「第四章 これからの政治と差別」の四章立て。
野中さんの「まえがき」。「今のような格差のある社会は絶対にあってはならない。これは冷淡な小泉政権の負の遺産に違いない・・・」(p.7)。
「辛 ・・・「え? この人も野中さんのこと好きなの?」と思うような時があるんですよね。/野中 ・・・佐高信も案外気が合うんですよ、喧嘩もしたけど。土井たか子さんもそうだな」(p.45)。
関東大震災における虐殺。「・・・手を下した自警団員や官憲は、「お国のためにやったのだ」と、やましさも罪の意識も感じていなかった。/・・・加害者は村のヒーローのように扱われたのである。/虐殺の中心人物の一人は、出所後、村長になり、合併後も市議として市の要職にとどまり続けた。なんという麗しい助け合いであろうか。・・・/・・・あたかも事件そのものが存在しなかったかのように扱ったのである」(pp.52-54)。
「辛 ・・・松本智津夫氏の子どもたち・・・。/・・・両親が犯罪を犯したからと、子どもも犯罪者のように扱われ、小学校にも行けないのは異常でした。住むことも、食べることも、働くことも、公衆浴場に行くことも、電気ガス水道の使用も拒否されるなんていうのは、すさまじい大衆の暴力です。/・・・犯罪者の子供だということでボコボコにやられても誰も助けない。つまり、叩いてもいい相手を決めて、集団でストレスの発散をする。/野中 困った民族だ」(pp.113-114)。
「辛 私、こんな言い方するとすごくきついかもしれないけども、日本の遺族会っていうのはなんて卑怯なんだろうって思うのね。つまり日本人さえ良ければいい」(pp.117-118)。