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Activated Sludge ブログ ~日々読学~

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●『差別と日本人』読了(1/4)

2010年01月11日 00時53分33秒 | Weblog

差別と日本人』、12月に読了。辛淑玉[人材育成コンサルタント]野中広務[元・衆議院議員]著。角川書店、角川oneテーマ21。2009年6月刊(2009年7月、五版)。

 
「第一章  差別は何を生むか」、「第二章 差別といかに闘うか」、「第三章 国政と差別」、「第四章 これからの政治と差別」の四章立て。

 
野中さんの「まえがき」。「今のような格差のある社会は絶対にあってはならない。これは冷淡な小泉政権負の遺産に違いない・・・」(p.7)。

 「 ・・・「え? この人も野中さんのこと好きなの?」と思うような時があるんですよね。/野中 ・・・佐高信も案外気が合うんですよ、喧嘩もしたけど。土井たか子さんもそうだな」(p.45)。

 関東大震災における虐殺。「・・・手を下した自警団員や官憲は、「お国のためにやったのだ」と、やましさも罪の意識も感じていなかった。/・・・加害者は村のヒーローのように扱われたのである。/虐殺の中心人物の一人は、出所後、村長になり、合併後も市議として市の要職にとどまり続けた。なんという麗しい助け合いであろうか。・・・/・・・あたかも事件そのものが存在しなかったかのように扱ったのである」(pp.52-54)。

 「 ・・・松本智津夫氏の子どもたち・・・。/・・・両親が犯罪を犯したからと、子どもも犯罪者のように扱われ、小学校にも行けないのは異常でした。住むことも、食べることも、働くことも、公衆浴場に行くことも、電気ガス水道の使用も拒否されるなんていうのは、すさまじい大衆の暴力です。/・・・犯罪者の子供だということでボコボコにやられても誰も助けない。つまり、叩いてもいい相手を決めて集団でストレスの発散をする。/野中 困った民族だ」(pp.113-114)。
 「 私、こんな言い方するとすごくきついかもしれないけども、日本の遺族会っていうのはなんて卑怯なんだろうって思うのね。つまり日本人さえ良ければいい」(pp.117-118)。
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●『差別と日本人』読了(2/4)

2010年01月11日 00時52分46秒 | Weblog

辛淑玉[人材育成コンサルタント]野中広務[元・衆議院議員]著、差別と日本人

 国旗国歌法案。「野中 ・・・僕は答弁でも、「国旗国歌は強要するものでも何でもない」と言った。・・・それだけですよ。だから強要も何もしないと。それまでは、根拠法がないということで争いが起きてきたわけだからね」(pp.119-122)。でも、つけ込まれ、悪用され、心ある教員はさんざんな目に会うことに。特に東京のファシスト知事狂気の沙汰。「 でも国旗国歌法が通った現在も、教育現場はまだ揉めてますよね。/野中 あれは東京だけだ。学校現場が、教育委員会を含めて、紛争がなくなった。争うにもタネがなくなった」。う~ん、この点、大いなる疑問。

 石原
の卑劣さ。「 ・・・私は新井将敬精神的に殺したのは石原慎太郎だと思ってるんですよね・・・。/野中 ああ、ビラを張ってということか?/ そうそう、新井将敬のポスター・・・と書かれたものを貼った。・・・すさまじいまでの差別事件でした。・・・石原さんは、日本人の血ではないものが国政に関わっていいのか、と執拗に言い続けていた」(p.130)。
 「・・・石原慎太郎陣営から新井の出自を誹謗する黒シールを選挙ポスターに貼られるという事件が起こり、・・・。/・・・「・・・パーソナルヒストリーを知る権利がある」として恥じることがなかった」(p.133)。
 「 ・・・石原慎太郎さんだけでなく、政治家からとてもたくさんの差別発言が出ますよね」(p.160)。

 元沖縄県知事大田昌秀さん。「 私、大田さんとお話しした時に、「歴代の政治家で一番巧みで意地悪で嫌な人は誰?」って聞いたんですよ。そしたら「中曾根」って言ったんですね。「あれが一番悪悪巧みがうまい」って。/「じゃあ、一番かわいそうだったのは誰?」と聞いた。そしたら彼ね、「村山富市さん」って言ったんですよ」(p.144)。

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●『差別と日本人』読了(3/4)

2010年01月11日 00時30分47秒 | Weblog


辛淑玉[人材育成コンサルタント]野中広務[元・衆議院議員]著、差別と日本人

 やはり〝メインイベント〟は麻生太郎のすさまじいまでの暴言・差別意識でしょう。「麻生氏は、植民地支配で財を築いた麻生財閥の中でぬくぬく育って、首相にまで上り詰めた。/・・・麻生鉱業は、・・・消耗品の労働力として、その命を紙くずのように扱った。一九四五年までに麻生系の炭鉱に連行された朝鮮人は一万人を超える・・・。また、・・・民を・・・奴隷のように酷使した」(pp.162-163)。
 「 私は麻生さんの顔を見ると背筋が寒くなるんです。/とくに彼の中にあるひどい差別意識には、ぞっとさせられる。/野中 ・・・ある新聞社の記者が僕に手紙をくれたんです。・・・〈麻生太郎が、・・・「野中やら・・・の人間だ。だからあんなのが総理になってどうするんだい。ワッハッハッハ」と笑っていた。これは聞き捨てならん話だ・・・〉/・・・を死ぬほどこき使って、金儲けしてきた人間だから。/・・・不幸な人だ。一国のトップに立つべき人じゃない。/・・・/ 麻生さんは差別意識が体の中に染み込んでるんだと思う」(pp.163-165)。
 「彼には、吉田茂の孫であり、また麻生セメントに代表される麻生財閥の末裔ということ以外に、政治的資源は何もない。能力もない。だから出自で人を見下す」(p.166)。「「麻生太郎」とは、日本社会が生み出した差別の結晶であり、差別による旨みが骨の髄まで染み付いた人間の典型なのだろう」(p。169)。

 アメリカと云う病。「野中 ・・・アメリカは戦争を継続してなけりゃ経済は成り立たないんだ。軍需産業をはずしてアメリカ経済というのはもたない」(p.175)。「野中氏は、結果平等派といえる。/アメリカ式平等とは、資源を配分するとき、公正な原理をきめて分配する。しかし、その結果、不平等が生じてもかまわないということで、つまり、機会の平等。/他方、野中式平等とは、結果の平等を求めること。・・・その視点からアメリカをみると、おぞましくみえるのだろう。弱者切り捨て市場原理主義。野中さんは、その意味で、反原理主義者なのではないだろうか」(p.177)。

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●『差別と日本人』読了(4/4)

2010年01月11日 00時21分28秒 | Weblog

辛淑玉[人材育成コンサルタント]野中広務[元・衆議院議員]著、差別と日本人

 戦後処理。「野中 私にとっての戦後処理とは、わが国が他国を侵略したんだと。中国にも日本が軍隊を送ったんで、中国が日本に軍を送ったわけではないわね。・・・どうも、自らが戦後問題の処理をしようという意欲が欠けているのではないか。それが一番大きなこと。/・・・/中国置き去り日本人やその孫や連れてきた人たちと、拉致被害者の人たちとを比べると、・・・。そういう実態をみるにつけ、日本の政府っていうのは都合のいい時には日本人にし、都合が悪くなると日本人じゃないとする」(p.180)。
 
 ・・・結局参政権をつぶし、その上日本国籍取得の話もなくなっていった。・・・/野中 ・・・そういう連中が、いま若手で何もかもムチャクチャにしてるんですよ、渡辺喜美とか中川昭一とかさ。/ あれ、ほんと悪いですよね。/野中 ともかくね、先の戦争で日本がやってきたことに対して、さきほどいったような認識や罪の意識が日本人にないというのは、これは非常に後世のためによくないことだと思っておるわけですね」(p.184)。

 「野中 うちの女房は買い物も映画も僕と一緒にはいかないです、いまだにですよ。・・・/・・・うん。寂しいよ。このごろ余計に寂しくなった、年と共にね。俺の八十三年間の努力は何だったんだろう」(p.193)。

 
野中さんの「あとがき」。「ハンセン病訴訟で・・・国民から一定の評価を受けたが、当時、旧植民地の皆さんが切り捨てられていたことを、辛さんに指摘されて初めて知った。当時国会議員の職にあった者として恥じいるばかりだ。どうして気づかなかったのか、悪かったなと心底思った。」(p.196)。
 
「・・・戦争ごっこみたいに自衛隊の軍備を拡大しようとする声があがる。/街では非正規雇用の人たちが餓死寸前になっているというのに、そういうところには気前よく税金を投入する。政治家の目はどこを向いているのかと言いたくなる。弱者虐げられた人に対する政治家の「鈍さ」は、差別と根っこでつながっていると思うのだ」(p.198)。
 「・・・辛さんが御自分の体験や心情を包み隠さず話してくださった・・・辛さんは・・・時に嗚咽を堪えながら、また言葉も切れ切れに本心を語ってくださった。私も差別されてきた体験とそれと闘ってきた体験を持つだけに、彼女の気持ちが痛いほどわかり、思わず言葉を詰まらせた。心と心、魂が触れあうような気がした」(p.199)。
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