Activated Sludge ブログ ~日々読学~

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●『石原慎太郎よ、退場せよ!』読了(1/3)

2010年01月03日 23時41分51秒 | Weblog

石原慎太郎よ、退場せよ!』、12月に読了。斎藤貴男・吉田司著。洋泉社新書。2009年5月刊。

 斎藤さんの「まえがき」に始まり、「第一章 「小皇帝石原慎太郎の本質」、「第二章 石原都政が東京に残した傷跡」、「第三章 石原慎太郎への退場勧告」、吉田さんの「あとがき」まで。節一つひとつを書き記したいほど。

 東京オリンピック招致にて「我が国の平和」を訴える! 「この人はいったい何なのだろう。何かといえば戦争だ戦争だと騒ぎ立て、・・・自分の気に入らない人々を片っ端から差別しては嘲笑うことばかり繰り返してきた男が、・・・思ってもいない、そもそも口にする資格のない言葉を平然ともてあそんで恥じない。/・・・幼稚な発想・・・。/石原氏本人というよりも、このような人物を支持してやまない有権者のほうが不気味に思えて・・・」(pp.3-4)。

 『機会不平等社会ダーウィニズム(p.21)。
 
斎藤 ・・・だからって、ああも露骨に他人を見下したがるような人はそうそういないでしょう。・・・しかも戦争で財を成した家で甘やかされて育った人間が、そのことを恥じもせず」(p.25)。「吉田 ・・・東京都知事としての歴史的位置づけを、新自由主義の牽引車としてあると斎藤さんは言いましたね。/斎藤 ええ。新自由主義はその帰結として、機会の均等を奪い階層の固定化に拍車をかけ、弱者の切り捨てを招きます。繰り返しますが、石原は、根っからの差別大好き人間だと私は思っていますから、それを政治的に表現すると、新自由主義と同じ結果になってしまうんです」(p.78)。

 環境庁長官時代に見る差別主義者の姿。「斎藤 ・・・/水俣病患者・・・。その逃げた先が麻布のテニスクラブで、テニスをして遊んでた話は有名ですね。/・・・あれほど気の弱い小さいつまらない男は世界中探してもいないと。/・・・/吉田 ・・・石牟礼道子に会いたがっていたと・・・。だけど石牟礼道子は見向きもしなかったって」(pp.84-85)。
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●『石原慎太郎よ、退場せよ!』読了(2/3)

2010年01月03日 23時38分21秒 | Weblog

斎藤貴男・吉田司著、石原慎太郎よ、退場せよ!

 障子破り作家がどの面下げて性教育をポルノに。「斎藤 ・・・田代博嗣、土屋敬之、古賀俊昭の三人の都議が「産経新聞」の・・・新聞紙上でも批判・・・これを受けて都教委は校長を左遷しました。/でも、石原が都知事になる前は、七生養護学校での性教育を都教育委員会も推奨していたんです。・・・/今年三月の東京地裁は、都議の行為は、「・・・教育に介入干渉するもので、教育の自主性を阻害してゆがめる危険性のある危険な行為だ」として、旧教育基本法が定めた「不当な支配」だと認定しました。・・・時すでに遅く、・・・介入するきっかけができていきました。/吉田 ハハハハ・・・・・・悪いけど笑っちゃうよな。だって石原慎太郎って何だ? ・・・って何だって言ったら、例の・・・の物語じゃないですか(笑)。・・・佐藤春夫は、・・・美的節度の欠如・・・。/斎藤 肉体主義なんて大層なものでもないですよ」(pp.92-93)。

 天皇発言が何の効果も持たない理由(p.99)。米長邦雄の園遊会での発言をたしなめた件について、正真正銘の保守や右翼とは?

 三鷹高校事件(p.116)。「斎藤 ・・・学校や教師や生徒を支配する装置として使っていることに怒りを覚えます。・・・あれはもう人間じゃない」。
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●『石原慎太郎よ、退場せよ!』読了(3/3)

2010年01月03日 23時25分12秒 | Weblog

斎藤貴男・吉田司著、石原慎太郎よ、退場せよ!

 新銀行東京のバカ施策と元行員に対する虐め・SLAPP(p.123)。「吉田 ・・・自分の仕草や言動で、将棋の駒のように大衆心理を動かせると思っているんでしょうか。・・・/斎藤 ・・・何をやっても許されると思ってるんでしょうね。事実、都民はそうしちゃったんだから。石原に何をされても仕方ないのも現実です。新銀行の内部なんて、石原の人間性が凝縮されたようなところですよ。・・・/・・・組織ぐるみの威信的虐待―――モビングといいますが―――・・・」。

 東京オリンピックでの税金の無駄遣い、それを許す都民。「斎藤 ・・・全部、税金ですよ。・・・ここでも責任転嫁です。/・・・もう見え見えの、行政が都知事のせがれに仕事をあげるための事業ですよ。それでも石原本人は・・・と居直っています。・・・/吉田 ジャーナリスト青木理のレポート・・・そもそも『公』という発想がない・・・」(p.130)。『私』しかない男。「斎藤 我田引水の塊のような人ですからね。・・・/・・・人のものは俺のもの、俺のものは俺のもの、というだけの人ですからね。・・・私に言わせれば、ただのコソ泥でしかありません」(p.133)。「コソ泥以上でも以下でもない」(p.181)。

 舛添要一元厚相に言われちゃおしまい。このバカ都知事を総理にという声があるが、との問いに答えて、「・・・国会じゃ友だちいないし、鼻もちならないし、あいつはイヤって意味において、石原が総理になったって3日持たない。・・・『友だちのいない国王』は、知事だからやってられるの」、「吉田 ・・・そしてね、石原慎太郎という男は・・・リアルな政治力学に手を汚さないで済む政治家だから気楽でいいね・・・・・・と笑ってたぜ」(p.142)。

 ミルトン=フリードマン(p.152)。社会ダーウィニズム(p.154)。「知性のかけらもない世界」。「・・・市場原理、競争原理。公正さを無視できるパワーこそ絶対だという、何度でも言いますが暴力団的世界観なんです」(p.159)。

 「空疎な小皇帝」の時代の終わり。「吉田 ・・まず小泉純一郎が「政界引退」を宣言した。彼の「痛みを伴う」構造改革によって日本は下流社会化し、ワーキングプアな貧民大国となった。・・・/・・・世界はフリードマン型新自由主義(小さな政府)から、ケインズ的なオバマ米大統領のスマートパワー、グリーン・ニューディールや財政出動型の「大きな政府」への流れに大転換しようと急いでいる。/そんな中で「空疎な小皇帝」だった人間の役割は終わりました。・・・/斎藤 どうでしょう。退場勧告も何も、最初から私はお呼びじゃないと思っていたのですが。・・・オリンピック招致だの築地市場の豊洲移転だの、まともな首長なら言えっこないデタラメを次々に打ち出しては財界の歓心を買うことに懸命ですから・・・。・・・はっきり言ってどうかしている」(p.181-183)。

 ここに尽きる。「吉田 ・・・いまなお「退場勧告」しようとしない、石原と大東京庶民有権者の政治的握手については、お前ぇら、死ヌマデヤッテロ!って本気で思っちゃうな。/斎藤 ・・・わざわざ権力の座に据えた方が悪い。落とす選択肢があったんですから。実際、都民は責任とらされて、自分たちの血税を、あの人の遊びと利権のために使われているんだからね。・・・批判を承知で言うけど、石原都政に本気で怒れないとしたら本物の奴隷ですよ」(pp.187-188)。
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