『石原慎太郎よ、退場せよ!』、12月に読了。斎藤貴男・吉田司著。洋泉社新書。2009年5月刊。
斎藤さんの「まえがき」に始まり、「第一章 「小皇帝」石原慎太郎の本質」、「第二章 石原都政が東京に残した傷跡」、「第三章 石原慎太郎への退場勧告」、吉田さんの「あとがき」まで。節一つひとつを書き記したいほど。
東京オリンピック招致にて「我が国の平和」を訴える! 「この人はいったい何なのだろう。何かといえば戦争だ戦争だと騒ぎ立て、・・・自分の気に入らない人々を片っ端から差別しては嘲笑うことばかり繰り返してきた男が、・・・思ってもいない、そもそも口にする資格のない言葉を平然ともてあそんで恥じない。/・・・幼稚な発想・・・。/石原氏本人というよりも、このような人物を支持してやまない有権者のほうが不気味に思えて・・・」(pp.3-4)。
『機会不平等』と社会ダーウィニズム(p.21)。
「斎藤 ・・・だからって、ああも露骨に他人を見下したがるような人はそうそういないでしょう。・・・しかも戦争で財を成した家で甘やかされて育った人間が、そのことを恥じもせず」(p.25)。「吉田 ・・・東京都知事としての歴史的位置づけを、新自由主義の牽引車としてあると斎藤さんは言いましたね。/斎藤 ええ。新自由主義はその帰結として、機会の均等を奪い、階層の固定化に拍車をかけ、弱者の切り捨てを招きます。繰り返しますが、石原は、根っからの差別大好き人間だと私は思っていますから、それを政治的に表現すると、新自由主義と同じ結果になってしまうんです」(p.78)。
環境庁長官時代に見る差別主義者の姿。「斎藤 ・・・/水俣病患者・・・。その逃げた先が麻布のテニスクラブで、テニスをして遊んでた話は有名ですね。/・・・あれほど気の弱い、小さい、つまらない男は世界中探してもいないと。/・・・/吉田 ・・・石牟礼道子に会いたがっていたと・・・。だけど石牟礼道子は見向きもしなかったって」(pp.84-85)。