Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

ラピスラズリ

2015-02-03 08:14:49 | 読書
山尾 悠子,ちくま文庫 (2012/01).

BOOK」データベースより*****
冬のあいだ眠り続ける宿命を持つ“冬眠者”たち。ある冬の日、一人眠りから覚めてしまった少女が出会ったのは、「定め」を忘れたゴーストで―『閑日』/秋、冬眠者の冬の館の棟開きの日。人形を届けにきた荷運びと使用人、冬眠者、ゴーストが絡み合い、引き起こされた騒動の顛末―『竃の秋』/イメージが紡ぐ、冬眠者と人形と、春の目覚めの物語。不世出の幻想小説家が、20年の沈黙を破り発表した連作長篇小説。*****

2003 年に国書刊行会から刊行されたものの文庫化.国書刊行会はカビ臭い本の復刻専門というのがぼく的印象だが,この本もなにやらカビ臭い.と言っても,けなすつもりはなく,平成生まれの小説とは思えない貫禄を,むしろ褒めているつもり.
相性が良かったのだろう.読みやすくはないし,読んでも解らないのだが,最後まで読んでしまった.大風呂敷に包まれる快感だ.
残念ながら,お色気はゼロ.

著者の着想だろうか? 冬眠者は,冬の間眠っているため,成長するのに年数がかかる.そのぶん老化も遅れるという設定がおもしろい.
全5話の構成.第2-3話の舞台は中世のヨーロッパらしく,第1話で示される銅版画の絵解きらしい.第4話の舞台は日本で,最後の第5話「青金石」(ラピスラズリ) にはアッシジの聖フランチェスコが登場する.

解説 千野帽子.
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