Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

臨書に遊ぶ

2024-01-31 17:48:55 | お絵かき
書道入門によれば*****
臨書とは、お手本を見ながら書くことです。お手本とは基本的に古典作品を指します。臨書には形臨、意臨、背臨の三種類があります。

形臨 : 形臨では技術面の習得を目的とします。そのため、字の形を真似することに重点を置いて書きます。自分の個性を出すことはせずに、お手本に忠実な字形や用筆法を模倣して書きます。学校の習字の時間に行うのも形臨の一種です。

意臨 : 意臨はお手本を書いた作者の意図や気持ちを汲み取ることを目的とします。お手本が古典である場合はその作品が生まれた時代背景や作者の来歴なども考慮し、作者の精神までも模倣して書きます。つまり、作者の気持ちになって作品を書きます。

背臨 : 背臨はお手本の書風を自分のものとして取り込んでいくことを目的とします。お手本を見て記憶した後、お手本を見ないで記憶通りに書きます。
*****

書道という「道」を極めるという,大それたつもりはない.自分がやっているのは,毛筆を使ってアドリブでフォントをデザインするようなもの... となれば,お手本は,惹かれるものを感じられるなら,字なら何でもいいはず.

というわけで,左は近所のお好み焼き屋さんの暖簾をお手本にした.いちど訪問したが満席と断られた.
コテをあしらって,うまくまとめているが,とりあえず字だけを臨書.

右は銀座のミニコミ誌「銀座百点」の佐野繁次郎による題字.じつは題字は何種類もあるが,これは現在使用されているもの.もともと筆で書かれたかどうかわからない.
「座」という字がどうしてこうなるのだろうか.書道のルールなど無視しているかもしれない.でも水平も垂直もデフォルメして創った4字空間を,何十年もの間かっこいいと思っていた.

もちろん古典をお手本にすることにやぶさかではない.
臨書ではなく臨画もやったことがある.
金もかからず元手はネットの,年金生活社の閑つぶし でした.
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​​第76回二紀展(第51回広島巡回展)

2024-01-30 08:58:56 | お絵かき
昨年10月,国立新美術館(東京)において開催された二紀展が,広島にやって来ます.全国の主な作品と地元出品者作品あわせて絵画作品124点,彫刻作品11点を展示 ; 右端はその 124 分の 1 ,小方順子の「ジャズ A」です.

今年から入場無料だそうです.
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畦地梅太郎「山の眼玉」

2024-01-29 13:41:26 | 読書
畦地梅太郎「山の眼玉」ヤマケイ文庫 (山と渓谷社 2013/10).

著者 1902-1999 は山岳風景を題材とする木版画作家.トップ画像左はこの本の表紙.この髭面の山男が服装を変え,背景を変えては登場する作品群を山岳雑誌でよく目にしたが,好きではなかった.でも「写真で読む山の名著」にこの本が取り上げられていて,読みたくなった.

色刷り16ページには風景を題材にしたものが5点.右画像のタイトルは「涸沢 (涸沢の小屋)」.残念ながら残りは手を変え品を変えての山男たち.

本書の 47 編の画文の「文」のほうは,素直そのもの.串田孫一は哲学者っぽく,また 辻まこと は,ときに思想家エリートっぽさを感じさせるが,それはない.あくまで ぼくとあまり身長が違わない人による等身大の文章という感じ.宿のおかみさんが釣り銭をよこさなかった,おまけにその宿に手拭いを忘れた,などと言って うじうじしている.
取り上げられる山々も,アルプスは珍しくヒマラヤはなく,もっぱらウラヤマ (でも ないけれど).


左のようにも,本書挿画にはしばしば単純化された人体が登場する.
右は西丸震哉 (1923-2012,食生態学者 エッセイスト 探検家 登山家) の本にしばしば登場する人物の典型.ぼくは後者を見慣れていたが,よく似ているなぁ.
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早くも? 退院

2024-01-28 07:27:03 | 病気
1/20(土) 私立 I 病院に入院.22(月) こちらに転院.経過がよく,27(土)には点滴から解放されシャワー,28(日)退院の運びとなった.
皆様からのお見舞いのお言葉をありがとうございました.

センセー曰く「また起こるよ.この度は退院後3か月だったが,次は半年もつことが目標だな」.
何が原因で発症したかわからないのが,困ったところ.
閉塞箇所として彼が考えていたのは2箇所で,ひとつは前回と同じ人工ストーマ周辺,そこに小腸が絡みつく傾向がある.もうひとつはかっての肛門周辺,そこには小腸が折れ曲がって落ち込んでいるのだそうだ.しかし今回の閉塞箇所は違うらしい,と言うより,どこかわからないというのが正直なところらしい.

こちら,患者としてはどう対処するか,だいぶ要領がわかってきた.たいてい夕食後発症し、放っておいて治ることはないので,早めに手を打つこと.このとき,消化器の専門医が在院している病院に行くべきこと,など.


たいして重篤ではないから,退屈した.

病院の談話室には古い週刊誌が溜まっていた.この場所だけ大学の研究室あるいは無頓着な床屋みたい.
昭和の時代,電車の網棚にはたいてい読み古しの週刊誌があって,ありがたく拝読したものだ.済んだらまた網棚に返すことで回転が進む.終着駅手前ではその道のプロが回収する.上野駅のホームでは彼等が戦果である週刊誌を分類整理していた.

談話室でいちばん新そうだったのがビッグコミック.ゴルゴ13 ってまだ連載していたんだ! 1960年代から全然歳をとっていない!
時の人の表紙も不変.イラストレーターは二代目と聞いた気がする.この方針で三代目があるとすれば,AI かな.

左の文春の表紙を発売時には認識しなかったが,ブラッドベリの「霧笛」だ.2013/6 の表紙のアンコール.このブラッドベリの短編からヒントを得て,ゴジラに3年先立って怪獣映画を作った監督が 2016/5 亡くなったので,和田誠さんが描いた.昨年 11 月のアンコールのタイミングは,ゴジラ -1 公開だろう.

週刊誌の版型はどれも同じと思っていたが,微妙に違うらしい.
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潜水鐘に乗って

2024-01-26 20:22:58 | 読書
ルーシー・ウッド,木下淳子 訳「潜水鐘に乗って」東京創元社(2023/12)

出版社の紹介
*****サマセット・モーム賞受賞作, ホリヤー・アン・ゴフ賞受賞作.
48年ぶりに夫と再会するため、旧式の潜水鐘で海にはいっていく老婦人(表題作)、身体が石になる予兆を感じた女性が過ごす最後の一日(石の乙女たち)、やがて巨人になる少年と、人間の少女のなにげない日常のひととき(巨人の墓場)、数百年を生き、語るべき話を失いながらも再び物語を紡ごうとする語り部(語り部(ドロール・テラー)の物語)……

妖精、巨人、精霊、願い事をかなえる木、魔犬……さまざまな伝説や伝承がいまなお息づく現代の英国コーンウォール地方を舞台に、現実と幻が交錯する日々をあるがまま受け入れ、つつましく暮らす人々の姿を、新鋭ルーシー・ウッドが繊細かつ瑞々しい筆致で描く12編を収録した短編集。*****

訳者はこの本の原著をペーパーバックの表紙 (画像右) に惹かれて「ジャケ買い」したとのことだが,ぼくは訳本の表紙 (装画 松倉香子 : 画像右) に惹かれて図書館で「ジャケ借り」したのだった.

著者は伝承や伝説を再構築し,生まれ変わらせて新しい物語を創ることを目論んだという.伝承や伝説が作品にナマで登場する場合,主人公も周囲も登場人物は皆,これを信じ,受け入れる.しかし彼らを取り巻く環境は現代社会であって,仕事も学校も普通に存在する.このギャップがおもしろい.この状態で「巨人の墓場」の少年少女がもたらす感傷が甘酸っぱい.

「精霊たちの家」には精霊たちが一人称で登場する.しかし「願いがかなう木」の「木」は単に物理的に存在するだけで,ストーリーにどう関係するかは,読者が判断しなければならない.「魔犬」でぼくが期待したのはバスカヴィル家の犬の祖?だったが,この作品に登場するのは犬の雰囲気だけ.実際は床屋の父娘が深夜に流星群を見に行く話だが,悪くない!

「魔犬」は父娘だが,「願いがかなう木」「緑のこびと」は母娘,「浜辺にて」は祖母と孫(男の子).こうした関係がしばしばテーマになっているが,ぼくのベストは老人ホームの受付係の目線で,変身する入居者を描いた「ミセス・テイボリ」.

一冊購入して我が書架に置きたいところだが,過去の経験から おそらく手に取ることはないだろう.やめておこう.
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病院食

2024-01-26 09:51:34 | 病気
一昨日の続きです.
1/25(木) 昨日の昼から経口摂取,つまり食事が始まった.


トップ写真はトホホな朝食.
9月に10日ほど絶食絶飲した直後は,重湯から始まって写真の3分粥に到達するまで3日ほどかかった.それでもあのときは半分も食べられなかった.咀嚼も嚥下も忘れてしまった感じだった.
今回はガツガツとぜんぶ平らげた.前回味が感じられなかった味噌汁も美味だった.味覚というものもある程度の絶食絶飲の後では眠ってしまうが,3-4日なら眠る暇がないということ?
黒い蓋物はお茶.



同じ日の豪華な!?夕食.3分粥から5分粥へスピード出世.かわいい魚もデザートも何もかも,たちまち完食!


排出も快調.自分では発症前と変わらないまでに治ったと思うのだが,センセーは慎重.たしかに昨年8月にも病院食が閉塞した前科があるが


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私立病院,国立病院

2024-01-25 12:28:44 | 病気
病室からの夜明け.雪は少なかった.
関ヶ原あたりが大ごとらしいが,伊吹山でスキーは快適だろう,


さて,この度は私立 I 病院から国立 H 病院へ転院した.大部屋から大部屋へ,であった.ふたつを私立と国立の代表とすることはできないが,それを承知で敢えて比較してみる.


大部屋でのひとりあたりの区画は私立 I が国立 H の3割増し.
私立 I で大部屋の患者の回転が早い.
国立 H のほうが設備は良い.例えば私立 I の洗面所では水しか出ない.
どちらかといえばスタッフの応対は私立 I が良く,「患者様は神様です」的?
食事は国立 H では各自ベッドで採るが,私立 I では談話室で採る人もいる.


短期間の表面的な観察・体験でした.

検索すると,ネットには就職の観点から私立病院と国立病院を比較するサイトが多い.


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腸閉塞再発 一昨日の続き

2024-01-24 08:54:03 | 病気
1/22(月) 続き.
19時すぎにイレウス管を交換.235cm長となる.x線モニターを見ながらの作業でスタッフさんも大変だ.

1/23(火) イレウス管からの排出はほとんどなし.ちなみに交換前の管からの排出は500mlであった.ストーマからの排出もなし.小腸大腸は休眠か? でも本人はいたって元気.
15時,x線によれば,イレウス管が入っていう範囲に便はない.イレウス管から造影剤を注入し,造影剤が小腸から大腸へと落ちる過程をテレビでリアルタイムで観察した.造影剤はするするとストーマまで到達したので,途中 便を阻止する箇所はないようだ.
イレウス管を抜いたらすぐにストーマから残便と造影剤が排出された.

1/24(水) 快調に朝を迎えた.トップ画像は病室からの雪景色.
口から食べたいが,センセーは慎重.
コメント (2)
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腸閉塞またまた再発

2024-01-22 17:07:07 | 病気
1/20(土) 夕食後腹痛.週末なので消化器医のいる病院を電話で探しまくり I 病院へ.また腸閉塞で入院.イレウス管は胃までだったが、らくになった。
1/22(月) x 線写真では入院時と改善がないということで,チューブを鼻からぶら下げて,いつものセンターに転院.しかし午後遅くパウチに大量の軟便…センターで何もしないのに回復の兆し?
ここでちゃんと治療するとなると,また1週間近い絶食絶飲になりそう
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李箱作品集

2024-01-20 10:25:26 | 読書
「翼 李箱作品集」斉藤真理子訳,光文社 (古典新訳文庫 2023/11).

李箱 1910-1937.この2字にはイ・サンのルビ.でも「箱」という字の音読みは何だろう.

出版社による紹介*****
陽の差さない部屋で怠惰を愛する「僕」は、隣室で妻が「来客」からもらうお金を分け与えられて……。表題作「翼」ほか、近代化・植民地化に見舞われる朝鮮半島にて新しい文学を求めた孤高のモダンボーイの歓喜と苦闘の証たる小説、詩 (日本語詩を含む)、随筆等を収録。
この小さな本は李箱の個性の一部を照らしたものにすぎないが、絶望や恐怖とともに、その喜びの一端でも味わっていただけたら幸いである。*****

訳者による まえがきと解説がよい.
まえがきには早すぎたモダニストとある.本書にも収録されている「烏瞰図 詩第1号」は (文芸誌ではなく) 新聞に掲載されたが,このとき鳥瞰図ならぬ烏瞰図などという言葉はないと,いちど校正部から突き返されたそうだ.

「翼」など,小説では妻の売春を扱うことが多い.
トップ画像右の2枚は,著者による「翼」のための挿画だが,エリック・サティのイラストと似ていると思った...関係ないとは思うけど.

童話「牛とケットビ」(1937) は解説によれば,豊島与志雄の童話「天下一の馬」(1924) のバスティーシュであるという.著者が豊島を研究していたらしいのにびっくり.
随筆「東京」などというのもある.『銀座はさながら一冊の虚栄読本である』とか.「翼」は 1936 年の作品だが,この年京城から神田神保町へ.1937 年2月に おでん屋で呑んでいたところを逮捕され,3月に健康状態悪化として保釈されたが4月に死去,だそうだ.

図書館で借用したのだが,購入して書棚に置くのもいいかな...でも,けっきょく再読はなし,という結果に終わるかな.

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