Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

玩具店の英雄: 座間味くんの推理

2015-02-17 08:40:40 | 読書
石持浅海 光文社文庫 (2015/2)

安楽椅子探偵もののパターンを踏襲した短編集.登場人物は座間味くん,科学警察研究所のエリート嬢とその大先輩の警視正.3人は新宿紀伊国屋書店 ? で待ち合わせ,ビールで美味しいものを食べるために繰り出す.お約束通り,どの短編でもこの3人の関係が紹介される.座間味くんは同じ作者の長編「月の扉」に登場したとのこと.この長編を読んだ覚えはあるが,ストーリーは全然覚えていない.

最後の一篇以外では,過去の事件がまず三人称で紹介される.その後文体はエリート嬢の一人称になる.座間味くんは飲みながら食べながら,彼女による事件の説明を聞いて,アサッテの方向に推理を展開する.その内容はほとんどの場合,偶然に見えても実は計画犯罪であったと言うものだ.
文体はいたって真面目だが,中身は楽しいバカミスと言いたい.殺人はいとも気軽に行われる.座間味くんの推理により警察が事件を再検討することは少ない.

設定では登場人物3人の飲み食いは季節に1回程度の設定で,雑誌に発表されたペースもそのくらい.それを単行本で一気読みすると,全部同じような話に思えてくるのがつらい.
図書館が借りたのでは,季節に1篇という贅沢は困難だ.
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