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Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

iPhone を売る

2017-10-31 09:19:22 | エトセト等
iPhone をアップグレードした.ソフトバンクショップでは古いのを 9000 円で引き取るというが,箱も取ってあるし,専門店 ? ならもっと高く買い取ってくれるのではないかと考えた.

狭い店だが奥に買取り専用カウンターがあり,ガラスで仕切った奥はコンピュータと工作のためのスペースらしい.

店員さんは身分証明用の後期後継者被保険証を興味ありげに眺め,本体には5分くらいをかけて,あちこち布でこすりながら検分.さらに 30 分ほどいただいて,コンテンツもチェックすると言う.こちらは昼食し1時間半後に戻った.

これが成果.フロントガラスにひびが入っているなど,問題はもっぱら外見にあり,背面にも小さな傷があるので 20% ダウンでこの金額.ということは,新品同様なら 14,400/0.8=18,000 円ということか.

Apple のホームページに示された手順 https://support.apple.com/ja-jp/HT201351 に従ってコンテンツは前もって自分で消去しておいた.その気になれば消去内容も再生できないことはないだろうが,再生しても面白いことはないよ.
SIM カードは返してくれた.

無言館 遺された絵画展

2017-10-30 08:06:31 | お絵かき
呉市立美術館.上田市の無言館の作品の巡回展示の一環.

第二次世界大戦で没した,20 代 −30 代前半の画学生の作品群.特に戦争を題材にしているわけではないが,どの作品もあの時点で絵を描くことの必然性を感じさせる.漱石が「山路やまみちを登りながら,こう考えた」のは,この世のストレスが人を芸術に向かわせるということだった.確実に死につながる徴兵ほど,大きなストレスはあるまい.
こうした緊迫感はどちらかといえば日本画には希薄に思えたが,これは並べられた日本画に装飾的なものが多かったためだろう.

新婚の妻や,独身なら妹をモデルにした作品が多い.写真の2枚も妹だ.家の庭で「あと少し,あと少し」とせがんで描いたとか,また戦後残された絵を無言館に託すことを妹が最後まで逡巡したとかのエピソードも,それぞれの絵のそばに紹介されていた.

戦没画学生という背景なしに,純粋に作品として見たときの評価がどうかはわからない.この会場ではそういう見方は不可能だ.

広島の原爆で亡くなった手島守之輔の特集展示あり.入って最初に展示された作品はやはり妹がモデルだった.

ティンパニでジャズ

2017-10-29 06:38:51 | ジャズ

図書館で借りて
 近藤 高顯「ティンパニストかく語りき」学研プラス (2017/8/29)
を読んだ.
写真は近藤さんが出ているパールの広告.

ティンパニはオーケストラの一部であり,独立して演奏されることは少ない.ドラムスが大小バンドに不可欠だが,一人で演奏する事が少ないのと似ている.ティンパニストは第二の指揮者といわれ,直接指揮者から「この部分は任せる」と言われることもあるらしい.
ドラムセットの構成要素の出す音は非整数倍音成分が多く,特定の音程は出せない.対してティンパニでははっきり音程を聴き取れる.

ジャズバンドでティンパニを使ったらどうよ!? と Youtube から見つけたのがこの動画.


彼は神経質に音程をチェックしているように見受けられる.
2:40-4:00 のドラムスとの掛け合いが聴きもの.


CD を出している,All Bluff & Porterage というグループの動画も数本ある.この曲ではテインパニがヴァイブのバックでベースみたいな動きをしている.

こうした動画を見ると,ティンパニのジャズにはまだまだ可能性がありそう.しかし,でかすぎ! ちょっとライブハウスでというわけにはいかない.

白市の百年名家

2017-10-28 08:45:23 | エトセト等
機会があって,東広島市高屋町白市の大正初期に建てられたお宅に上がらせていただいた.お茶とお菓子もいただいてしまった.

トップの写真は門.右に蜘蛛の巣を模した細工を拡大した.多分木工.少し壊れかけてかえってリアルだ. 丸の中にはほんものの蟷螂がへばりついているのだが,残念ながらよく見えない.


右は蛇の目傘をデザインした玄関の天井.
左はレールが円弧を描く床脇の地袋.ちょっと見えるのは厚い厚い碁盤.


三保の松原をデザインした欄間.富士山の切り抜きを額縁に両側から鑑賞できる.


こちらの欄間では,廊下側の紅葉の切り抜きが,座敷側からはシルエットになって背景を与える.

BS 朝日の番組「百年名家」に2015年9月に放送されたそうだ.

ところで,山陽本線白市駅は,白市地区から少しく離れている.山手線目黒駅が品川区にあるのと似ている.

妻が椎茸だったころ

2017-10-27 08:56:39 | 読書
中島京子 講談社文庫(2016/12).巻末に解説なし.
2013/11 単行本刊行.

Amazon の内容紹介*****
妻との死別の後、泰平は自炊を始めた。残された妻のレシピメモを見ながら格闘する日々、やがて泰平は料理教室に通いはじめるが……。亡くなった妻を思う男の気持ちを少しユーモラスに、切なく綴る表題作「妻が椎茸だったころ」のほか、温泉宿とその土地に纏わる物語、偶然出会った石の収集家との会話の中から浮かび上がるもうひとつの物語「蔵篠猿宿パラサイト」、亡くなった叔母の家に突如現れ家族のように振る舞う男が語った叔母との関係をコミカルに描いた「ハクビシンを飼う」など、日常の片隅に立ち上がる「ちょっと不思議な」五編を物語。*****

上記にタイトルが出ていないのが2編.「リズ・イェセンスカのゆるされざる新鮮な出合い」はミステリとして楽しめる.「ラフレシアナ」は,ぼくには病的に思えるヒロインに感情移入できなかった.
ベストは表題作.ただし上記内容紹介に「料理教室に通いはじめるが」は誤りで,泰平が教室に行ったのは一回だけ.
松鶴家千とせの「俺が夕焼けだった頃,弟は小やけだった...」を思い出すタイトルだ.妻が猫になるという小説も何処かで読んだなあ.

泉鏡花賞受賞作だそうで,全体的にぼくの嗜好にあっていた.

⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎

デパートのギャラリー・トーク

2017-10-26 08:32:50 | お絵かき

犬も歩けば棒に当たるというとき,「棒」が何を意味するのか知らない.でも,エリック・アレキサンダーに当たったように,東京を歩けば当たるものはたくさんある.

丸善のギャラリーで「文化勲章受章作家版画展」.文化勲章にあかんべ〜した熊谷守一の油彩から起こした版画が多数.皮肉なことに,守一の原画が単純で,一番と言っていいくらい,版画向き.

向かいのタカシマヤ画廊「小木曽 誠」でトークがあるとかで,店員さんたちが椅子を並べていた.少々早すぎたが,休憩を兼ねて座って待った.

小木曽さんのお名前は初めて聞いた.そもそも現代の画家の名前は J 子に関連がない限り聞こえてこないのだ.
佐賀大学准教授・白日会会員.
展示されたのは板に油彩.風景も人物画も何でもありだが,大きいのは自然の中に女性がいる構図.写真みたいにリアルな描き方だが,超写実主義を売り物にするわけではないようだ.
号数万円.なんとか賞とか,絵の値段のこともふつうに話題にされた.MC が店員さんだったせいもあり,M,T などの一流デパートの展覧会の仕組みもすこし垣間見えた.すごく描くのが早いそうだ.描きたくて描いた絵が売れて,今絶好調らしい.

大きな声で面白く話された.写真を撮っても構わないと言われたので1枚アップした.
大学の授業もこの調子なんだろう.この先生に教われば,絵が売れる絵描きになれそう.

東京の名店の支店 野田岩と山の上 (まだ 東京日記)

2017-10-25 09:53:53 | エトセト等
うなぎ 野田岩 銀座店

二紀展に毎年来てくださる大学のときの先生たちと会食した.昨年同様,麻布飯倉の野田岩本店と思って電話したら,予約は満席と言われ,銀座店へ.

入り口に「本日の鰻は天然です」との貼り紙.メニューは本店と同じ.
お通し・一口志ら焼・鰻重(肝吸、香の物、箸休め付)・デザート の彩りコースを注文した.

昔話に花が咲き...と言いたいが,最後は誰の奥さんが死んだ,誰が老人ホームに入った...というような話題で幕切れとなった.

地下街の向かいに「次郎」があった.もう一桁高価そう.


てんぷら 山の上 日本橋三越店

美術館近くの六本木・東京ミッドタウンにも店があるが,一人でメシ時にテーブル席はちょっと.こちらはデパートのイートインだからその点気兼ねがない.3人掛けのカウンターに真ん中を空けて,先客とふたり座らされた.

本店や六本木店とメニュー体系が違うらしい.一番高い天ぷら定食が 3700 円.活きエビ2匹,キス,大葉を巻いたイカ,舞茸,アスパラガス,他にもあったかもしれない.美味しいのは当たり前だから,量的に不満.

天一などと比べると,デパート価格でのメニューの組み立て方が下手...と言いたいが,先客は天ぷら盛り合わせでビールを飲んでいた.なるほど.
出るのはもっぱら天丼だ,なるほど.
次の機会があれば,盛り合わせで一杯やり,そのあと天茶で...


10/31 追記

野田岩に馴染みら集う落鰻 (東京都 朝田冬舟)
10/30 朝日俳壇.落鰻は秋,産卵のため川を下って海へ入る鰻.

美術セミナー @ 二紀展

2017-10-24 11:03:01 | お絵かき

J 子に動員されて参加.セミナーと言っても講師が喋るだけで,質疑も予定調和的.こちらは参加というより聴講である.じつは居眠りしてしまった部分もあるが,目を覚ました後は面白かった.

デジタル技術あるいは漫画・アニメなどの攻勢にどう対応するかという問題.音楽界で PA をどう考えるか,コンピュータミュージックをどう考えるかなどと並行している.
この二紀展にも,写真を Photoshop のアーティスティックフィルターでいじったんじゃないの? 動画のコマをならべて絵にしただけじゃないの? と思われる作品があった.

講演に出て来た人名も知らない人ばかり.まぁ先日聴いたエリック・アレキサンターを若い人と話題にして,あぁ自分のサックス奏者はロリンズとコルトレーンで止まっているなぁと思ったのだけれど.
でも聞いたことのある名前も出て来た.夏目漱石と高村光太郎である.漱石が「芸術は自己の表現に始つて,自己の表現に終るものである」と言ったことに光太郎が反対したとい話だが,自己の表現でなければ何なの? という点で.石井さんが言っていたことと,高村光太郎連翹忌運営委員会のブログ「漱石 VS 光太郎」に見つけたこととはちょっと違うような気がする.
芸術とは何か? などと考えて絵を描く絵描きはごく少数とは思うが...


協和音と不協和音 @ be

2017-10-23 09:16:34 | 新音律
be(びぃー)は、朝日新聞の週末別冊版(二部紙)である.「「音階と音律の科学」という著書がある小方厚さん」には,先月末,高エネルギー加速器研究機構から取材申込ありとの電話があった.2-3 のメールと電話のやり取りの末の記事である.

be に載せるということは,何のための取材かという質問に対してはじめて答えてもらったことで,少し面白くなかった.原稿を見せてくれと言ったら,規定によりできないとのことだった.したがって,記事の内容についての責任は小方厚さんにはない.


図については,基本的な誤りがあれば指摘してくれとのことで pdf が送られてきた.自分だったら上のように描くと思うが,一般読者には紙面の図のほうがいいのかもしれない.

「記者のひとこと」というコラムの,担当・小宮山さんの書き出し「子どものころ,音楽の授業が苦手でした」に激しく同意.楽典ルールを馬鹿馬鹿しいと感じたことが,講談社ブルーバックス「音階と音律の科学」を書いた動機である.この本は音楽家には悪評らしいが理工系の方々には好評で,11 月に 24 刷が出る.2007/9 初版で,全般的に書き直したい気もするが,担当された方もすでに出版社を退職された模様.

国立新美術館のロビーコンサート エリック・アレキサンダー演奏会

2017-10-22 09:29:51 | ジャズ
エリック・アレキサンダー (テナー・サックス),田窪 寛之 (ピアノ),パトリック・グリン (ベース),デニス・フレーゼ (ドラムス).

無料のせいか,開場30分前から行列ができた.でも年寄りが多い.この時間では働いている人は来ない.
最初に館長のあいさつ.
二紀展の会場の前の吹き抜けスペース.館長は音響を自画自賛していたが,大きな空間でPAが難しそう.

スティービーワンダーの Overjoyed に始まり,ぼくの知らないクリスマスソングのピアノ・サックスのデュオまで.この間 枯葉,Ricado Bossa などのスタンダードをエネルギッシュに演奏した.聴衆に拍手を強要しておいてリズムは休むという演出のブルースがおもしろかった.アンコールはモーニン.

田窪さんのブログによれば「曲目は会場に着いてから決まり,楽譜なしリハなし,口でコードの確認だけをしただけ.うろ覚えの曲があったが,ベースのパットが演奏中に目配せと演奏で明確にコードを示してくれた」そうだ.言われてみればパット氏の表情に思い当たるところがある.

アレキサンダー氏は日本の野球と外国語に興味があるらしい.ドラマーはドイツ人,ピアニストは日本人というわけで,MCにドイツ語と珍妙な日本語を交え,野次にもまめに反応していた.田窪さんの表現によれば「演奏の凄さとMCのユルさのギャップが大きすぎる」.

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