ふるえてのぼった登り坂
傾斜はどんどんきつくなり
さいごは逆さまになっていた
お天道様が真下にあって
湿った大地が上にある
逆さまで頭に血がのぼり
そこから坂道がまた始まった
どんどんのぼる どんどんと
ただひたすらに この道を
血でできた赤い登り坂
ぼくの空には水の坂
赤い登り坂と水の坂は
くるくると二重螺旋を描きながら
ぼくを遠い場所まで運んでいく
本当は行きたくなかったけれど
本当に本当のことなんて
このぼくにだって分からない
ただの一度も
後ろを振り返ったりはしなかった
ふるさとからはほど遠い
はるかかなたの始まりの場所まで
ぼくはこの坂道をどんどんのぼる
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