よみびとしらず。

あいどんのう。

過ちを認めるということ

2020-04-09 00:09:17 | 随筆
過ちを認めるということはなかなかに難しい。それはやろうと思えばいともたやすく、柏手(かしわて)をひとつ打つよりも短いせつなに出来ることでありながら、人は、わたしはなかなかに、過ちを認めるということを時としてためらってしまう。わたしはなぜ、ためらうのだろうか。それは、過ちを正すことの面倒さに起因する。要は怠慢である。あーもう、めんどくさいなあ。別にこれでどこぞの誰かさんに迷惑をかけるわけでもないし。 . . . 本文を読む

文鳥の壁を林檎は砕く

2019-03-05 09:44:47 | 随筆
夏目漱石。言わずとしれた文豪である。いまさらわたしが紹介する間でもないだろうし、わたしも人様にご説明できるほどよくは知らない。「吾輩は猫である」「坊っちゃん」、一昔前は千円札だったひと。わたしができるご説明はこの程度である。 それでもさすがは文豪様たるゆえんか、わたしにも好きな作品がある。「夢十夜」だ。ネタバレに考慮して紹介をすると、とてもすてきな作品です。お勧めです。以上です。…紹介する気がない . . . 本文を読む

穴が二つに栓四つ

2019-01-03 11:11:27 | 随筆
なんの話かと言えば耳栓の話である。 カプセルホテルなんかに泊まる時にそなえ、耳栓を携帯している。500円玉程の大きさの鮮やかな黄緑色したケースにこれまた鮮やかなオレンジ色の耳栓が、いままでは二つ入っていた。耳の穴は左右に一つずつ計二つなので、耳栓は二つあれば十分なのである。で、あるはずなのだが、昨日新たに一袋開封してしまった。その真新しき耳栓をつけて昨夜は寝た。そして起きた。起きたれば耳栓は不要な . . . 本文を読む

聖夜の贈り物はトイレの蓋

2018-12-26 10:44:10 | 随筆
とあるお宿に五日間泊まっている。 この宿には過去にも何度か滞在したことがあり、前回の滞在時には館内の工事がおこなわれていた。そして今回、何となく部屋の壁紙なんかが新しくなっているような気がする。リニューアルしたのだろうか。その、リニューアルにともなうのであろうか。 部屋のトイレに、蓋がついていなかった。 人の出入りが激しい駅やショッピングモールなんかのトイレには蓋がついてないことはままあるが、あの . . . 本文を読む