太陽さんさん輝いてさあ好きなだけバテるがいいと謳歌している毎日あついバテて汗かく、文句いう生きとし生ける者に与えられる太陽の恵みに恨み辛みを抱く愚か者たちお前はそこから、馬鹿な子ほど可愛いとでも思っているのだろうかお前は慈愛に満ちた微笑みで空から私は意地の悪い微笑みで地上から互いにらみ合い、生(せい)あるいまを謳歌しているちくしょう暑いぞ!大好きだ! . . . 本文を読む
3番は希望の光かあるいは絶望か不器用なかれらは0か100かの答えしかもたないメビウスの輪のかたわれもう片側は地下にもぐって彼岸の入江で此方をずっと見つめている「どうか幸せになりますように」けどもその声が3番に届くことはなく今日も3番は泣きそうな顔をして0か100かで揺れている頑固で愚かな、いとしい3番 . . . 本文を読む
このシマではむかあしからな、お天道様が見ているぞって言い伝えられてきてるけどな。お天道様は空にあるだけやなしに、自分の中にもあるねんで。あんたはその、自分の中にあるお天道様にちゃあんと顔向けできとるか?そんなふうに、生きていけとるか?誰も見てへん、お天道さんやって雲に隠れてるし見えてへんわって思っててもな、自分の中のお天道様からは逃げも隠れもできへんねんで。そっちのお天道様は、あんたが寝てようと起 . . . 本文を読む
龍はいなくなり、人魚の声も遠ざかっていった海から離れたつもりはないのに山のなかからは燃えあがる鳥が飛びたとうとしている龍は西の空の彼方へとあまたのこどもの白蛇は、みどりの地を這い大地とともにうごめいている海の底はどこへいってしまったのかわたしの龍は、もういないわたしは東へと旅立とう . . . 本文を読む
水のなか本当は知っているそのやさしさとぬくもりを本当は知っていたわたしたちはそこから産まれてきたのだとわたしたちの髄液は太古の海を継承しこぼれた涙は一滴の雨となり未来へとつながる水のなかぼくたちは水のなかにすんでいる . . . 本文を読む
水のなかじっとしていれば楽かと思ったがそうでもなかった〇〇のなか泣き叫べばすっきりするかと思ったが疲れただけだったなにもしてない楽にならない何故だろう答えをきくのはこわいから誰にも聞かずに耳だけをすますすんだ水の音が上のほうから聞こえてくるもいまいるこの場所の水はすんでいない誰もすんでいないはずなのにぼくがここにいるのは何故だろうすんですみゆくはずもないのにすみきることを願っている無理にでも息を吐 . . . 本文を読む
お月様にお金を貸したウサギが、いつまでたってもお金を返さないお月様に業を煮やして「一体いつになったら返すんだ」と火事場の馬鹿力でピョンと飛びはねてお月様につめよった。お月様は一昼夜かけて、「決して返さないわけじゃない。返したい気持ちは星の数ほどあるけどいまはお金がないから返せない。どうかいましばらく待ってほしい」とウサギへの説得を試みたがうまいこといかず、ウサギは借金のカタにとお月様の一部をもぎと . . . 本文を読む