むこうの小山のふもとまで、かめに競争しようともちかけられたうさぎはそれにのった。途中で何だか眠たくなったうさぎは、一眠りすることにした。起きたらかめとの競争のことなどすっかり忘れていた。そらでまんまるく光る月を仰ぐと「そろそろかえるか」とつぶやき、そらの月までジャンプした。本来は月であるうさぎは、自分のかわりに空に居座る月を足蹴にして口悪くこう言った。「おい、月はこのおれだ。お前は一体なんなんだ」 . . . 本文を読む
お月様でできた舟に乗り旅にでたぼくは黄色い砂でできた山を渡り青くひかる海を越えた舟でいることに飽きたお月様はそらにかえると言ってきたそうはさせないとぼくは言ったならばお前が月になれとお月様はむりやり、ぼくをまるめてそらにはなったぼくはそらに光る月になったぼくをまるめたお月様はそれを満足げに眺めるとうさぎになって、ぴょんぴょんどこかへ跳んでいった本当にほしいものを探すため旅にでることにしたぼくだけど . . . 本文を読む
水がほしいとぼくは言ったぼくが本当にほしいものは水ではないけれどぼくが本当にほしいものは手にはいらないものだからぼくのほしいものは水だといったそうしたらお月様がぼくに水をくれたそらにうかぶお月様をその水にうかべてぼくはお月様の舟でぼくの本当にほしいものを探しにいくことにしたそらで笑っていたお月様はいまぼくのしたでしかめ面をしているそんなお月様の舟で、ぼくは旅にでる . . . 本文を読む